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中小製造業の「製造原価と見積価格への疑問」にすべて答えます!

定価(税込)  2,420円

著者
サイズ A5判
ページ数 220頁
ISBNコード 978-4-526-08203-0
コード C3034
発行月 2022年04月
ジャンル 生産管理

内容

適正な見積と実際の原価を把握し、問題を改善するために書かれた実務書。モデル企業のアワーレートや原価の数値を具体的に示し、さらにそれを図式化し、計算も含めて丁寧に解説している。本書を読めば、「適正な見積で利益を確保できる受注」と「実績原価と見積価格との乖離から問題点を見つけて現場を改善する」ことができる。

照井清一  著者プロフィール

(てるい せいいち)
㈱アイリンク 代表取締役
1962年愛知県生まれ。豊田高等工業専門学校 機械工学科卒業
産業機械メーカー((株)フジ)にて24年間、製品開発、品質保証、生産技術に従事。
2011年退社、(株)アイリンクを設立し、決算書を元にアワーレートを計算する独自の手法で、中小・小規模企業に原価計算の仕組みづくりのコンサルティングを行う。
この手法を活用した「数人の会社から使える個別原価計算システム『利益まっくす』」を自社で開発、また原価計算に関する多くの情報をホームページで発信している。詳細は下記を参照願います。
https://ilink-corp.co.jp/

目次

CONTENTS
中小製造業の「製造原価と見積価格への疑問」にすべて答えます!


まえがき

第1章 製造原価全般についての疑問

1◆なぜ個別原価が必要なのだろうか?
2◆製造原価の構成はどうなっているのだろうか?
3◆変動費と固定費はどのように考えたらよいのだろうか?
4◆直接製造費用と間接製造費用の違いはなんだろうか?
5◆コストテーブルを使えと言われたが…
COLUMN◆1 受注生産企業と見込生産企業の違い

第2章 人の費用の疑問

1◆人のアワーレートはどうやって計算するのだろうか?
2◆標準時間にはどのような役割があるのだろうか?
3◆標準時間はどうやって決めたらよいだろうか?
4◆賃金の高い人と低い人で原価は変わるのだろうか?
5◆直接生産しない人の費用は原価に含まれるのだろうか?
6◆間接部門の人の費用はどう考えるのだろうか?
COLUMN◆2 稼働率と可働率

第3章 設備の費用の疑問

1◆設備のアワーレートはどうやって計算するのだろうか?
2◆設備を更新するとアワーレート(設備)はどう変わるのだろうか?
3◆ランニングコストはどうやって計算するのだろうか?
4◆常時生産に使用しない設備の費用は原価に含まれるのだろうか?
5◆設備の大きさにより原価はどのように変わるのだろうか?
COLUMN◆3 設備の更新に必要なお金

第4章 間接製造費用と販管費の疑問

1◆間接製造費用とはどのような費用だろうか?
2◆販管費とはどのような費用なのだろうか?
3◆見積はいくらにすればよいのだろうか?
4◆間接製造費用の増加は原価にどのように影響するだろうか?
5◆消耗品の費用はどう考えるのだろうか?
6◆製品によって運賃が大きく違う場合、どうしたらよいだろうか?
COLUMN◆4 販管費、利益に対する顧客との認識の違い

第5章 材料費、外注費に関する疑問

1◆材料価格が変動した場合、原価はどう変わるのだろうか?
2◆スクラップ価格はどうやって原価に組み込むのだろうか?
3◆材料ロスをどうやって原価に組み込むのだろうか?
4◆まとめて買うと安くなる材料はまとめて買うべきだろうか?
5◆外注が安い場合、外注に出せば利益は増えるのだろうか?
COLUMN◆5 外注化すれば高くなる

第6章 ロットや段取についての原価の疑問

1◆無人加工で原価はどのくらい下がるのだろうか?
2◆無人加工の作業者の費用はどうなるのだろうか?
3◆ロットの違いは原価にどのように影響するのだろうか?
4◆段取時間短縮で原価はどのくらい変わるのだろうか?
5◆外段取で原価はどのくらい変わるのだろうか?
COLUMN◆6 1個流しと段取時間

第7章 知らぬ間に利益が減少する「見えない赤字」に対する疑問

1◆現場で発生する不良は原価にどのように影響するのだろうか?
2◆気がついたら現場が全数検査をしていた、原価はどうなるのだろうか?
3◆流出防止の全数検査をやめたいがどうしたらよいだろうか?
4◆毎回設計がある製品、やり直しのため赤字になるのはどうすべきだろうか?
5◆要求が高く失敗する可能性が高い案件は受注しない方がよいだろうか?
6◆イニシャル費の回収不足は原価にどう影響するのだろうか?
COLUMN◆7 大量生産と不良ゼロの要求

第8章 改善活動とコストダウンに関する疑問

1◆部品の共通化と一体化はコストダウンにどのような効果があるだろうか?
2◆公差の見直しは原価にどのように影響するだろうか?
3◆なぜ改善活動を続けても利益が増えないのだろうか?
4◆受注の変動が大きく調整が大変だが、どうしたらよいだろうか?
COLUMN◆8 受注の平準化は困難

第9章 意思決定における原価の疑問

1◆赤字の大きい製品、受注すべきだろうか?
2◆増産!設備投資をすべきだろうか?
3◆借入で設備投資する予定だが、返済は問題ないだろうか?
4◆設備投資後に売上が減少した場合はどうしたらよいだろうか?
5◆開発費がかかる製品、利益が出るだろうか?
COLUMN◆9 開発費/試験研究費を活かして節税する


あとがき
巻末資料 モデル企業の詳細
ポイントチェック表

はじめに

本書は、製造業の管理者、経理や経営者が個別製品の製造原価(以下、個別原価)を理解するために書きました。製造業、中でも中小企業を取り巻く環境は厳しく、海外の調達価格を基準にして、とても利益が出ない価格で受注せざるを得ないことがあります。
このような状況下では、ひとつひとつの受注案件に対して、
・「いくらでできるのか」適正な見積
・「実際にいくらでできたのか」実績原価を把握し、できなかった場合、問題の改善
に取組む
必要があります。それには個別原価の把握が不可欠です。

しかし工場で発生する費用は多岐にわたり、それらをすべて集計して個別原価を計算するのは大変です。そのため多くの企業は、ベテランの勘と経験によって個別原価を出しています。しかし工場の設備や人員は常に変化しています。これからはこういった変化を個別原価に適切に反映し、ひとつひとつの受注で確実に利益を出さなければ会社全体の利益は出せません。
この個別原価は個々の費用を積み上げるのでなく会社全体の費用から計算すれば、簡単に計算できます。本書はこの考えを元に、個別原価の計算やアワーレートの計算とその事例をできるだけ具体的に書きました。また不良増加やロット減少によるコストアップ、改善活動や設備投資・開発など、経営者や管理者が疑問に感じていることを、個別原価を使ってわかりやすく説明しました。

本書は実践で役立つことを目的とし、個別原価や費用はモデル企業を使って具体的な金額で示しました。なぜなら理論上は費用が発生しても、金額が少なければ計算上は無視できるからです。本書はできる限り読みやすいように図を多用し、説明や数式はできるだけ簡略化しました。また数字は直感的にわかりやすくするため、1桁目や2桁目は四捨五入しています。そのため計算するとつじつまの合わない場合がありますが、数字の正確さより直観的なわかりやすさを重視したためとご理解願います。
本書の主な対象は、多品種少量生産やロット生産で大量生産を行っている中小企業です。モデル企業は次の2社です。
A社 切削加工・組立
B社 樹脂成形加工
モデル企業は筆者のこれまでの経験を元につくった仮想の企業です。現実の企業とは異なる点があることをご理解願います。モデル企業の詳細は巻末に記載しました。

本書が対象とした多品種少量生産やロット生産は、大企業の大量生産と比べて原価計算や工場管理の考え方に違う点が随分あります。具体的な違いは各節で述べましたが、この点も意識して読んでいただくと理解しやすいと思います。

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