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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしいロボットの本
第2版

定価(税込)  1,650円

監修
編者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-08200-9
コード C3034
発行月 2022年03月
ジャンル ビジネス 機械

内容

6年ぶりに内容を刷新。人手不足の解消や過酷作業の代替などで適用拡がる産業用ロボットに加え、インフラや医療・食品・接客領域で導入が進むサービスロボットの活躍ぶりがひと目でわかる。センシングやAI、アクチュエータなどロボットが働く要素技術もやさしく解説。

日本ロボット工業会  著者プロフィール

1971(昭和46)年3月に任意団体「産業用ロボット懇談会」として設立。1972年に任意団体「日本産業用ロボット工業会」に。1973年には社団法人化。1994年に現在の「日本ロボット工業会」へと改組。ロボットおよびそのシステム製品に関する研究開発の推進、利用技術の普及促進などを行うことにより、ロボット製造業の振興を図るとともに、産業の高度化と社会福祉の向上を目指している。

●執筆協力
石川憲二

目次

第1章
ロボットの
基礎知識
1 そもそもロボットとは? 「ロボットの定義」
2 ロボットの種類は大きく2つに分けられる 「ロボットの分類」
3 産業用ロボットの基礎知識 「ものづくりのキープレイヤー」
4 アメリカで生まれ日本で発展した産業用ロボット 「産業用ロボットの歴史」
5 生産拠点の再配分でロボットの活躍が広がる 「産業用ロボットの市場」
6 日本は世界最大の生産国 「産業用ロボットメーカーの世界地図」
7 「ロボット」メーカーの裾野は広い 「部品からシステムまで」
8 ロボットによる生産革命がGDPの成長につながる 「ロボット産業の経済波及効果を考える」
9 国家戦略「ロボット革命」が日本経済成長の切り札になる 「ロボット産業の将来を描く」


第2章
ロボットを構成
する要素技術
10 ロボットを構成する要素技術は大きく分けて3種類 「ロボットの3要素技術」
11 ロボットの感覚は自由に設計できる 「外界センサ1」
12 ロボットだけがもてる特殊感覚 「外界センサ2」
13 エンコーダがなければロボットはきちんと動けない 「内界センサ1」
14 力を加減するには「力覚」が必要だ 「内界センサ2」
15 加速度が測れればまっすぐ立て、移動距離や場所もわかる 「内界センサ3」
16 ロボットの頭脳は反応がよくないといけない 「知能 ・ 制御技術1」
17 ロボット専用のソフトウェアが続々登場 「知能 ・ 制御技術2」
18 ロボットの頭脳は体内になくてもいい? 「ネットワーク技術」
19 ロボットを動かすアクチュエータとは? 「駆動技術1」
20 サーボモータとステッピングモータ 「駆動技術2」
21 油圧と空圧の課題は正確な制御 「駆動技術3」
22 開発が期待される次世代のアクチュエータ 「駆動技術4」
23 モータの回転数を落としトルクを高める減速機 「動力伝達機構」
24 車輪、クローラ、二足歩行、四足歩行、昆虫、蛇…… 「移動機構」
25 強くて軽く、人にやさしいロボット材料とは? 「材料技術」
26 ロボットの意外なアキレスの腱、電源 「パワープラント」
27 ロボットにおける技術のトレードオフとは? 「全体最適化」
28 「ロボット大国」日本の強みと弱み 「ロボット技術の国際比較」


第3章
ものづくりを
支える
産業用ロボット
29 自動車から電機、化学、食品まで広い業種で活躍 「産業用ロボットの利用分野」
30 溶接、塗装、加工、組付、組立、ハンドリング…… 「産業用ロボットの用途」
31 薄板のスポット溶接から厚板のアーク溶接まで 「溶接ロボット」
32 作業箇所を面で捉え、むらのない均質な仕上げが条件 「塗装ロボット」
33 バリ取り・研磨作業に求められるきめ細かい動作を実現 「仕上げロボット」
34 人と協働する組立工程にロボットを導入するための課題 「組立ロボット」
35 マテハンの要となるパレタイジングロボット 「搬送 ・ 移送用ロボット」
36 プラスチック製品の陰にはロボットあり 「成形品取出ロボット」
37 微細化する回路と大型化する基板の両方向に対応 「クリーンルーム用ロボット」
38 食肉の加工から炊飯、弁当の盛りつけまでロボットで 「食品産業用ロボット」


第4章
身近な
インフラから
過酷な環境まで、
広がるロボットの応用範囲
39 ロボットの活動領域の広がり 「ロボットの拡散」
40 人工衛星との連携で精密に畑を耕すロボット農機 「農業ロボット」
41 遠隔操作から自動化へ、ますますロボット化する建設機械 「建設ロボット」
42 家庭用だけでなく高機能の業務用ロボットクリーナーへの期待 「清掃ロボット」
43 ロボットだから巨大なインフラを隅々まで調査できる 「点検 ・ 保守ロボット」
44 技術競技会まで開かれる注目分野 「災害対応ロボット1」
45 事故後の原発所内で調査や除染作業に活躍 「災害対応ロボット2」
46 警備員と連携しながら犯罪防止に努めるパトロールロボット 「警備ロボット」
47 宇宙ステーションのロボットアームから月面探査車まで 「宇宙ロボット」
48 電波の届かない海の中を自走するにはロボット技術が欠かせない 「海洋ロボット」


第5章
医療 ・ 福祉分野で
活躍するロボット
49 ロボットアームの操作で治療する手術支援ロボット 「医療用ロボット1」
50 病院の中を自動的に歩き回って薬品や検体を運ぶ搬送ロボット 「医療用ロボット2」
51 車いすやパーソナルモビリティが移動支援ロボットに進化する 「介護 ・ 生活支援ロボット1」
52 介護作業を大幅に軽減するさまざまな支援ロボット 「介護 ・ 生活支援ロボット2」
53 日常生活を支援する装着型ロボット 「介護 ・ 生活支援ロボット3」
54 人と共存するロボットに問われる安全と安心 「介護 ・ 生活支援ロボット4」


第6章
日々の生活をよりよくしてくれる
サービスロボット
55 もっとも身近な家庭用ロボット? 「ロボット掃除機」
56 人と一緒に行動し、会話や感情の交流を図るロボット 「コミュニケーションロボット1」
57 表情やしぐさを加えるとロボットの表現力が高まる 「コミュニケーションロボット2」
58 個人が気軽にロボットをもてる時代になってきた 「パーソナルロボット」
59 人造人間への道の長さがロボットの可能性を示している 「ヒューマノイドロボット」
60 無人航空機「ドローン」に集まる期待と不安 「ロボット航空機」


第7章
ロボットと
社会の未来
61 ロボット化の波は、すでに家の中まで来ている 「ロボットと私たちの関わり1」
62 ロボットは人から仕事を奪わずに増やしてくれる「ロボットと私たちの関わり2」
63 ロボットが活躍舞台を広げていくための技術課題 「ロボット技術(RT)の未来1」
64 超高速、超小型、脳波操作など新たな価値を創造するRT 「ロボット技術(RT)の未来2」
65 「ロボット」の世界は拡張しながら進歩する 「ロボットの進化」


【コラム】
●ロボット工学三原則はロボット開発の基本か?
●コンピュータからIT、ロボットからRT
●ロボットの経営効果はお金だけで判断できない
●ロボット開発者になるには要素技術をしっかり学ぼう
●生物から学ぶロボット開発─バイオミメティクス
●ロボットに関連した新しい職業が生まれる?
●社会に貢献できる技術に贈られる「ロボット大賞」

参考文献
索引

はじめに

 マンガやテレビ、映画などで誰もが子供のころから親しんでいながら、案外、実態を知らないのがロボットです。
 現在、もっともたくさん活躍しているのは産業用ロボットと呼ばれるタイプで、自動車や電気・電子機器、生活製品、食品などの生産に欠かせない存在になっています。ところが、その姿は多くの人がイメージするヒーローのようなロボットとはまったく異なるせいか、マスメディアで大々的に採り上げられることはあまりありません。このため、圧倒的な多数派であるにもかかわらず、先進的なロボットとして認識されないのです。
 本当のロボットに興味があるなら、自動車会社の工場に見学に行くことをお勧めします。溶接工程では壮大に火花を上げながら次々と車体を完成させていく勇姿に目を見張りますし、塗装工程ではあっという間にさまざまな色に仕上げていく匠の技に圧倒されるでしょう。ほかにも、組立やハンドリングなどロボットたちが奮闘する姿は感動ものです。
 ロボットとは、「知能・制御系(頭脳と神経)」「センサ系(感覚器)」「駆動・構造系(筋肉と骨格)」という3つの要素技術の組み合わせにより、複雑で精密な作業を、正確かつ高速に行うマシンのことをいいます。産業用として実用化されて以来、半世紀以上の間に著しい進歩を遂げてきました。そして、それぞれの目的や用途に合わせて最適化された結果、今ではヒューマノイド(人型)であることにはこだわらなくなっています。
 それにもかかわらず、産業用ロボットとそれ以外のロボットを同じ視点で解説してくれる本はあまりありませんでした。しかし、ロボットの研究や開発をしたり、新たなロボットの利用方法を考えたりするような仕事に就きたい人にとって、ロボットの全体像を知ることは大切です。そんな理由から、「トコトンやさしい」シリーズの一冊として、ロボットの総合ガイドブックをつくることになったのです。
 2015年の初版発売から6年以上経ち、ロボットはさらに進化しています。もちろん産業用ロボットが主流であることに変わりはありませんが、それらの開発で培った技術やノウハウを活かし、私たちの暮らしに近いサービス分野なども含め、新しい領域で活躍する次世代ロボットにも注目が集まるようになってきたのです。そこで、新しい情報も含めた改訂版として制作されたのが本書になります。
 読み進めていただければわかるように、ロボットの基礎から必要な技術、産業用ロボットの役割、公共分野や生活分野で新たな活躍が期待されるロボット、そしてロボットと社会の未来について端的にまとめました。したがって、これさえ読めば「ロボットとは何か?」という疑問に、正しく答えられるようになるはずです。内容的には、高校生以上であれば理解できるように努めましたので、安心してページをめくってください。
 これからの時代、ロボットはますます重要になっていくでしょう。新しい産業がロボットから生まれますし、家庭で働くロボットも増えていくはずです。そのとき、もっと上手にロボットたちと付き合うためにも、彼らの姿をきちんと見てあげてください。
 それでは、ロボットの世界に向けて、扉を開けましょう!

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