買い物かごへ

きちんと知りたい!
続・自動車メカニズムの基礎知識
<ステップアップ編>

定価(税込)  2,420円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-08193-4
コード C3053
発行月 2022年03月
ジャンル 電子書籍 機械

内容

メカニズムを丁寧に解説する「きちんと知りたい!」シリーズ第15弾。「なぜそうなるのか? どうしてそうなったのか?」という仕組みの部分を中心に解説した「きちんと知りたい!自動車メカニズムの基礎知識」のステップアップ版。進化する自動車のメカニズムの中から、最新システムを含めて「知っているようで、じつは理解できていないこと」ことを丁寧に紹介する。
★各種電子書籍の購入はこちら★
Kindleストア  楽天kobo  honto  Kinoppy

高橋康夫  著者プロフィール

(たかはし やすお)
東京生まれ。モータースポーツ誌の編集部員を経て、フリーランス・ライターとして活動を開始。カーメカニズム、カーメンテナンス、チューニング、ドライビングテクニックの解説を中心に自動車雑誌、ウェブサイトなどで執筆している。カーメカニズム、チューニング、モータースポーツ関連の著書がある。

目次

はじめに

第1章
次世代の自動車に必要なものは?

1.自動車を評価する要素
1-1 安全なクルマとは
1-2 いいクルマは人間の感性によって作られる
1-3 LCAとクルマの関係
COLUMN1  古いクルマでも気持ちいい、感覚とクルマの安全性に関する雑感

第2章
進化を続けるエンジン

1.基礎知識の確認
1-1 4サイクルエンジンの原理
1-2 エンジンの搭載位置と駆動方式
1-3 トルクと出力は何が違うか
1-4 直列エンジンの特徴
1-5 V型、水平対向エンジンの特徴
1-6 ロータリーエンジンの特徴
2.エンジンの構造
2-1 4サイクルエンジンの構成パーツ
2-2 シリンダーヘッドの構造
2-3 シリンダーブロックの構造
2-4 燃焼室の構造と圧縮比
2-5 電装系の役割としくみ
2-6 点火系の役割としくみ
2-7 潤滑系の役割としくみ
2-8 冷却系の役割としくみ
3.ピストン、シリンダー周辺パーツ
3-1 ピストンの構造と最新の工夫
3-2 ピストンとシリンダーの摩擦を減らす工夫
3-3 シリンダー内の混合気の流れ方
3-4 ダブルプレーンとシングルプレーン
4.吸排気バルブ周辺パーツ
4-1 吸排気バルブの作動とバルブスプリング
4-2 吸排気バルブとバルブシート
4-3 バルブタイミングとカムシャフトの関係
4-4 可変バルブタイミング・リフト機構の登場
5.吸排気系
5-1 エアインテークとそれに関連したシステム
5-2 インテークマニホールドの工夫
5-3 吸気システムの工夫
5-4 排気システムの工夫
5-5 排出ガス浄化の工夫
5-6 排気干渉とは何か
6.燃料噴射システム
6-1 キャブレターの役割としくみ
6-2 インジェクションの制御
6-3 インジェクターの工夫
6-4 成層燃焼によるリーンバーン
6-5 直噴エンジンのメリット
7.エンジンの諸問題とさまざまな工夫
7-1 エンジンの振動
7-2 圧縮比とノッキングとガソリンの問題
7-3 CO2削減とハイブリッドシステム
7-4 オットーサイクルとアトキンソン

第3章
注目度を増す電動車
1-1 電動車とは
1-2 駆動用に使用されるモーターの種類
2.いろいろな電動車
2-1 HEVとPHEV
2-2 48Vハイブリッド(マイルドハイブリッド)とは
2-3 EVのしくみ
2-4 FCVのしくみ
COLUMN 3 実は電動化には慣れている? 昭和40年代生まれの著者の実態

第4章
効率よく力を伝える駆動系

1.トランスミッション
1-1 MTの構造と進化
1-2 ATの構造と進化
1-3 CVTの構造と特徴
1-4 DCTの構造と特徴
2.伝達系
2-1 デファレンシャルギヤの役割
2-2 LSDのしくみ
2-3 等速ジョイントの進化
3.4WD
3-1 従来の4WDの基本構造
3-2
COLUMN 4 MT派のこだわりは尽きない、ヒール&トウをメカニズムから考える

第5章
乗り心地を追求する足回り

1.ボディの役割
1-1 安全性とモノコックボディ
2.サスペンション形式
2-1 サスペンションの基本構成
2-2 リーフ式リジッドの構造
2-3 5リンク式リジッドの構造
2-4 トーションビーム式リジッドの構造
2-5 マクファーソンストラット式(ストラット式)の構造
2-6 トレーリングアーム式の構造
2-7 ダブルウイッシュボーン式の構造
2-8 マルチリンク式の構造
3.サスペンションの構成パーツ
3-1 スプリングと乗り心地
3-2 ショックアブソーバーの役割
3-3 そのほかのサスペンション系部品
4.ステアリング系
4-1 ラック&ピニオン式とボールナット式
4-2 タイロッドの前引き、後ろ引き
4-3 4WSシステムの役割
5.ブレーキ系
5-1 ディスクブレーキの構造と特徴
5-2 ドラムブレーキの構造と特徴
5-3 制動力を増すためのシステム
5-4 ABSのしくみ
6.タイヤ・ホイール
6-1 タイヤの構造
6-2 ホイールの構造
7.アライメント
7-1 トー角とキャンバー角
7-2 キャスター角とキングピン角
COLUMN5 スポーティに走るのに、必ずしもスポーツカーは必要ない

第6章
新時代の自動車技術

1.CASEとMaaS
1-1 CASEとは何か
1-2 MaaSとは何か
2.自動運転
2-1 自動運転のしくみ
2-2 自動運転のレベル
COLUMN 6 EV化はそれほど大きな問題ではない? 自動車社会の未来像

索引
参考文献

はじめに

 広く普及し、人間の生活を変え、しかもある人にとってはそれが趣味にまでなる工業製品が自動車です。単にクルマと呼ばれることが多いかもしれません。何より人間の移動に大きな自由を与えたクルマは、画期的な発明品といえるでしょう。歴史をさかのぼれば外燃機関(蒸気機関)を利用したクルマ(3輪車)は、1770年頃にフランスのニコラ・ジョセフ・キュニョーが作りましたが、これは実用的なものではありませんでした。
 それから約100年を経て1876年にニコラウス・アウグスト・オットーが4ストロークの内燃機関を発明します。これが、現代的なクルマの発端といっていいでしょう。そのエンジンは定置型で非常に重いという欠点がありました。そこでゴットリープ・ダイムラーとヴィルヘルム・マイバッハの2人が、走行装置に搭載可能でコンパクトなエンジンの開発を始めます。1885年には木製2輪車に載せて、初めてエンジンで走行する乗り物が誕生しました。同年にはカール・ベンツがガソリンエンジンのクルマ(3輪車)の開発に成功、その翌年の1886年にはダイムラーとマイバッハが4輪のクルマを開発します。ここから現代的な乗用車の発展につながっていきます。

戦後の日本経済の礎となったのが自動車産業
 日本でも明治時代から内燃機関が作られ、快進社(日産自動車、いすゞ自動車の前身)や白楊社などが独自に乗用車を開発し、少数ながら輸出もされました。さらに戦後になると、自動車産業は壊滅状態にあった日本の経済の屋台骨を支えることになっていきます。乗用車ではトヨタ、日産、ホンダ、三菱自動車、マツダ、スバル、ダイハツ、スズキなどが活発な開発を行うことによって、日本が豊かになっていく礎を築いたといっていいでしょう。
 1970年にアメリカでマスキー法という厳しい排出ガス規制が提出されたときにも、日本メーカーは果敢にその克服に挑戦し、ホンダがCVCCエンジンで世界で初めてそれをクリアしたことはエポックメイキングとなりました。また、現在は市販されていませんが、マツダは技術的に不可能といわれたロータリーエンジンを実用化し、1991年のルマン24時間レースでそれを搭載したマツダ787Bが優勝したことも伝説のように語り継がれています。
 日本車は、世界では「安い」から買われるという時代を経て、段々と「壊れない」、「燃費がいい」というのがイメージとなり、その後「高性能」という面でも世界中に認められて日本ブランドとなっていきました。
 そして現在、日本車を含めたクルマは大きな岐路に立たされています。それは世界的なCO2削減に向けた動きの中で進む電動化、そしてあらゆる利便性が集約された自動運転が求められる時代となったからです。その中で、日本メーカーは必ずしも「進んでいる」というイメージではありません。電動化が本当に正しいのか?の答えも出ていないという不透明な状態でもあります。

クルマの過去、今、これからのメカニズムを解説
 そんな中で、クルマのメカニズムの本を書くというのは、なかなか難しいテーマとなりますが、本書では、これまでのクルマ、今のクルマ、そしてこれからのクルマがどうなるのか、ぼんやりとでもわかるように心がけて書いてみました。特にこれからのクルマや技術については不透明な部分が多いのですが、おそらくここは変わらないだろうと思うキーとなるテクノロジーは網羅したつもりです。
 また、内燃機関、駆動系、サスペンションなどに関しては、これまで自動車メーカーが持てる技術の粋を集めてきたことから書くことが多いのですが、基本的なところや、新しい技術を含めて「知っていそうで知らない」可能性が高そうな部分を整理してピックアップし、解説してみました。
 もうひとつ、少なくとも現代のクルマが楽しい乗り物である事実は変わらないと思います。ですので、技術を解説しながらも、その楽しさが伝わるように心がけてみました。楽しい乗り物としてのクルマに少しでも興味を持っていただければ、著者としてこれに勝る喜びはありません。

2022年3月吉日  高橋康夫

買い物かごへ