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マテリアルズ・インフォマティクスⅡ
機械学習を活用したマテリアルDX超入門

定価(税込)  2,640円

著者
サイズ A5判
ページ数 168頁
ISBNコード 978-4-526-08192-7
コード C3050
発行月 2022年03月
ジャンル その他 コンピュータ・情報 電子書籍 機械

内容

材料開発にAIを使う「マテリアルズ・インフォマティクス」。最近では、物質の組み合わせだけでなく、作り方や評価、理論についても機械学習を利用している。材料開発に携わる人の機械学習超入門。


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岩崎悠真  著者プロフィール

(いわさき ゆうま)
物質・材料研究機構(NIMS) 主任研究員

1986年 静岡県清水市生まれ
2005年 静岡県立清水東高等学校 卒業
2009年 千葉大学理学部物理学専攻 卒業
2011年 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 修了
2011年 NEC中央研究所 入社
2015年 メリーランド大学 客員研究員
2017年 JST-さきがけ『マテリアルズインフォ』 研究員
2019年 産業技術総合研究所(AIST) 特専研究員
2020年 社会人博士号取得
2021年 物質・材料研究機構(NIMS) 主任研究員
2021年 東京大学Beyond AI研究所 客員研究員
2021年 JST-CREST『未踏物質探索』 研究代表者

目次

まえがき

第1章
4つのインフォマティクス
1.1 マテインフォ・プロセスインフォ・計測インフォ・物理インフォ
1.2 マテリアルズ・インフォマティクス(マテインフォ)
1.3 プロセス・インフォマティクス(プロセスインフォ)
1.4 計測インフォマティクス(計測インフォ)
1.5 物理インフォマティクス(物理インフォ)
コラム1 マテリアルDX

第2章
よく起こるシチュエーションとその解決策
2.1 探索範囲が広い場合は?
〜バーチャルスクリーニングとアクティブラーニング〜
2.2 目的変数が複数ある場合は?〜多目的最適化〜
2.3 学習データが少ない場合は?〜効率的データ蓄積と少数データ解析〜
2.4 その相関関係は信じていいの?〜合流点バイアス〜
2.5 その予測性能は信じていいの?〜Nested Cross Validation〜
コラム2 説明可能AI(XAI)

第3章
インプットデータの種類とその活用方法
3.1 数値や文字列データ
3.2 曲線データ
3.3 画像データ
3.4 グラフデータ
3.5 その他のデータ
コラム2 量子アニーリング

第4章
材料開発の事例紹介
4.1 ベイズ最適化を用いて高磁化合金材料を開発する研究
4.2 ベイズ最適化とパレート最適を用いて、
ホイスラー合金材料を探索する研究
4.3 決定木を用いて、MOFの材料開発プロセスを可視化する研究
4.4 AIロボット自律合成装置を用いて
TiO2薄膜を自動最適合成する研究
4.5 ニューラルネットワークを用いて
酸化物のスペクトルから物性を予測する研究
4.6 ECMアルゴリズムを用いて、
スペクトルデータを高速自動フィッティングする研究
4.7 パーシステントホモロジーを用いて迷路磁区構造を解析する研究
4.8 GANとCNNを用いて、カーボンナノチューブを開発する研究
4.9 グラフニューラルネットワークを用いて、
分子構造から材料物性を予測する研究
4.10 シンボリック回帰を用いて自然法則の定式化をする研究
索引

はじめに

マテリアルズ・インフォマティクス(MI)の領域で研究を続けていると、よく以下のような言葉を耳にすることがあります。

「日本のMI技術は米国に比べると周回遅れである」

 筆者は米国・日本の両方でMI研究をしてきましたが、上記のように日本がMI技術で負けているのかどうか正直よくわかっていません。ただ、間違いなく言えることとしては、今は上記のようなことをあまり気にする必要はないということです。その理由は、MIは生まれたばかりの技術であり、まだまだ発展途上だからです。MIの最終形態がLv.100だとしたら、今はまだ我々はLv.4〜Lv.5あたりで競っている感じでしょうか。全員がほぼスタートラインに立っています。そのため、今からMIを始める学生・新人さんでも、頑張ればすぐにキャッチアップできる研究領域です。

 さて、本書『マテリアルズ・インフォマティクスⅡ 〜機械学習を活用したマテリアルDX超入門〜』は、上記でいうところのLv.2くらいの人を対象に書かれた超入門書です。ちなみに前書『マテリアルズ・インフォマティクス 〜材料開発のための機械学習超入門〜』はLv.1の人向けに書かれた超入門書です。本書(Lv.2本)は前書(Lv.1本)を一応読んでいる人(理解していなくてもよい)が読者であることを想定して書かれていますが、いずれにしても超入門書の域は出ません。完全に初学者向けの本となっています。MIの研究をこれから開始しようとしている若い方や、自分自身で研究・開発をする気は無いけれども会社でMIのそれっぽい説明資料を作らなければならない年配の管理職の方などが想定読者層です。マンガ感覚で気軽に読めて、MIやマテリアルDXの全体像がなんとなーくイメージできるようになっている本を目指して書かれています。

 本書(Lv.2本)や前書(Lv.1本)を読んでMIの全体像のイメージをなんとなくつかみ、自分がやりたいことが見えてきたら、より詳細に書かれている別の参考書や論文やWebページを見て勉強を進めると良いでしょう。本書(Lv.2本)では、参考文献の量を意図的に増やしました。また、機械学習そのものに関する情報(参考書、教科書、セミナー、Webページなど)は世の中に山のように存在しています。そのため本書(Lv.2本)でも前書(Lv.1本)と同様に、機械学習そのものにかかわる記載は最小限にとどめ、材料学の観点からの記載を多くしています。

 前書(Lv.1本)は、機械学習のアルゴリズムごとに基礎知識や応用事例の説明をしました。一方、本書(Lv.2本)では、技術領域(マテリアルズ・インフォマティクス、プロセス・インフォマティクス、計測インフォマティクス、物理インフォマティクス)およびデータの種類(数値・文字列データ、曲線データ、画像データ、グラフデータなど)に分けて記載をします。読者の方がやりたいことに必要な知識や事例が、より早く見つかる構成になっていると思います。

 最後に、当時は書籍を執筆することなど夢にも思っていなかった私に、前書(Lv.1本)や本書(Lv.2本)の企画のお話をもってきてくださった日刊工業新聞社の岡野晋弥様および国分未生様に深く感謝申し上げます。本書を通じて日本のMI技術の発展に少しでもお役立ちできれば幸いです。

国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS) 主任研究員
国立大学法人 東京大学 Beyond AI研究所 客員研究員
JST-CREST『未踏物質探索』 代表研究者
岩崎悠真

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