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液相からの結晶成長入門
育成技術と評価方法

定価(税込)  3,520円

編者
編著
編著
編著
サイズ A5判
ページ数 232頁
ISBNコード 978-4-526-08177-4
コード C3043
発行月 2021年12月
ジャンル 化学

内容

微結晶、大型単結晶、結晶性薄膜を得る技術を紹介。結晶の材料応用に興味を持つ学生や企業研究者を対象に、結晶の育成技術と評価方法を平易に説く。結晶育成の基礎科学と代表的な結晶育成技術、近年研究・開発が進む技術や材料について各専門家が解説する。

日本フラックス成長研究会  著者プロフィール

日本フラックス成長研究会(The Flux Growth Society of Japan)は、フラックス成長とそれに関連する科学(他の育成法、無機材料、有機材料など)に携わる研究者・技術者により、2006年に設立された。2021年現在、信州大学工学部物質化学科内に事務局を設置。フラックス成長に関わる研究者・技術者の交流活性化や、関連科学の技術向上に向け、会誌「Journal of Flux Growth」の発行(年間2冊)や日本フラックス成長研究発表会(毎年)の開催を行う。

吉川 彰  著者プロフィール

(よしかわ あきら)
1997年5月、東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻博士課程を中退し、東北大学金属材料研究所助手着任。1999年4月に博士(理学)取得。多元物質科学研究所の准教授を経て、2011年4月より東北大学金属材料研究所・未来科学技術共同研究センター教授 (現職)。2012年に東北大学発ベンチャー企業の株式会社C&Aを起業。2021年より大阪大学レーザー科学研究所・委嘱教授を兼務。日本フラックス成長研究会・常任理事。日本結晶成長学会・理事。最近の研究テーマは単結晶および共晶体の液相成長、形状制御結晶成長、シンチレータ・圧電結晶・高温強度材料・難加工性合金などの新規単結晶材料開発およびボディメイク。

横田有為  著者プロフィール

(よこた ゆうい)
2008年3月、東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻博士課程を修了し、「不定比酸素量を制御したペロブスカイト型Mn酸化物単結晶の低温物性」のテーマで博士(工学)の学位を取得。その後、2008年4月に東北大学多元物質科学研究所にて助教に着任し、2011年4月から東北大学金属材料研究所の助教、2013年4月から東北大学未来科学技術共同研究センター准教授を経て、2020年5月から現在の東北大学金属材料研究所の准教授として着任し、現在に至る。無機材料科学および結晶科学をもとにした機能性単結晶材料の創製や新たな結晶成長技術の開発を行っている。

我田 元  著者プロフィール

(わがた はじめ)
2011年3月、東京工業大学総合理工学研究科物質電子化学専攻を修了し、博士(工学)の学位を取得。2011年4月〜2012年3月、日本学術振興会特別研究員(PD)として東京工業大学応用セラミックス研究所およびUniversity of Konstanz(ドイツ)に勤務。2012年4月〜2016年3月、助教として信州大学工学部環境機能工学科に勤務。2016年4月より、明治大学理工学部応用化学科に専任講師として着任、現在に至る。研究テーマは水溶液法やフラックス法などによる結晶育成と結晶性薄膜の作製、および新規結晶性材料作製法の開発。

目次

液相からの結晶成長入門
育成技術と評価方法
【目 次】

Introduction 結晶の魅力
はじめに
「液相からの結晶成長入門」編集にあたり

第1章 結晶のつくり方
1.1 物質の結晶状態
1.2 結晶成長法 〜溶液成長・融液成長を主として〜

第2章 溶液成長
2.1 溶液成長における結晶成長メカニズム
2.2 化学組成に基づくフラックスの分類
2.3 ソルボサーマル法
2.4 TSSG法
2.5 LPE法
2.6 VLS成長法
2.7 スピンスプレー法
2.8 溶液成長法による新物質開発

第3章 融液成長
3.1 融液成長における結晶成長メカニズム
3.2 CZ法
3.3 FZ法
3.4 VB法、VGF法
3.5 μ-PD法
3.6 TSMG法

第4章 育成した結晶の評価
4.1 結晶構造
4.2 電子線キャラクタリゼーション
4.3 電気的特性および熱的特性
4.4 磁気特性
4.5 光学特性

索引

はじめに

日本の結晶材料の製造技術は世界的にリードしてきた分野であるが、諸国の結晶材料開発の進展も目覚ましい。特に5G時代を迎え、業界としても活気づいている中で、日本の国際競争力を一層高めるべく裾野を広げるアウトリーチ活動を活性化する必要性がある。そこで、日本フラックス成長研究会は、創設15周年の記念出版事業として本書を出版した。本書は、結晶材料研究分野に関わる大学院学生や企業の若手研究者・技術者を対象に、結晶材料の育成・評価に関する基礎から最新技術までをまとめた教科書・参考書として企画されたものである。
結晶材料分野に携わっている研究者や技術者は、工学部の電気電子系、工業化学・応用化学系、金属・冶金工学系、理学部地学などの出身であり幅広い専門分野にわたっていることからも、結晶材料の育成・評価に関する基礎学問としては、物理化学(熱力学、相平衡)、固体物性、結晶学など幅広い学問にまたがっている。そのため、学部の講義では十分に取り扱うことができず、大学院の講義や研究室ゼミにおいて独自で学習しているのが現状である。本書は、結晶材料の製造技術に関連する基礎学問や技術を系統的に学ぶための教科書・参考書として利用できるよう工夫されている。
本書が結晶材料製造分野に携わる若手研究者・技術者の育成に大いに役立つと信じている。

2021年11月
日本フラックス成長研究会
会長  田中 功


「液相からの結晶成長入門」編集にあたり

本書は液相からの結晶成長技術に関して解説したものである。
大学院の学生や企業で新規に結晶関連の研究開発に携わる方々を読者として想定して解説したが、別分野の専門家がご自身の研究に関係しそうなところだけを抜粋して斜め読みして情報を得ることもできるように、製法ごとに「節」や「項」を設ける章立てとした。
また、本文中に出てくる式や専門用語に対しても紙面の許す限り説明を加え、読者が本書のみで要点をおおよそ理解できるように工夫を施したつもりである。また、同時に可能な限りreferenceも充実させたので、さらに深く勉強したい人も便利に使っていただければ幸いである。
第1章では、結晶の定義を解説し、以下の章を読み進めるために必要な結晶の基本概念を説明した。第2章の溶液成長では、メカニズム・フラックスの分類から始まり、ソルボサーマル法、カイロポーラス法、LPE法、スピンスプレー法といった代表的な溶液法に加え、真空溶液法、新物質開発法などについても説明した。
第3章の融液成長では、メカニズムから始まり、引き上げ法、フローティングゾーン法、ブリッジマン法、マイクロ引き下げ法といった代表的な融液成長法について説明した。
第4章の結晶評価では、結晶構造、電子線を用いた観察、電気的特性評価、磁気的特性評価、光学特性評価について説明した。
結晶に携わったばかりの頃は、同じ条件でつくったハズなのに、自分と熟練者とでは出来上がった結晶の美しさに大きな差があり、熟練者を魔法使いと見紛うこともあろう。本書がその魔法の種を知る一助となれば幸いである。

2021年11月
日本フラックス成長研究会 出版委員会

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