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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい消臭・脱臭の本

定価(税込)  1,650円

編著
著者
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サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-08172-9
コード C3034
発行月 2021年11月
ジャンル 電子書籍 ビジネス 化学

内容

においに関心を持つ人が増えるとともに、においに悩みを持つ人も増加している。本書では、においの正体や嗅覚のメカニズムを解説し、日常生活に溢れているにおいの対処法について、豊富な図やイラストとともに場面ごとにやさしく紹介する。


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光田 恵  著者プロフィール

(みつだ めぐみ)
大同大学かおりデザイン専攻教授。公益社団法人におい・かおり環境協会理事、人間−生活環境系学会副会長。
岡山県生まれ。奈良女子大学大学院博士課程修了・博士(学術)の学位取得後、名古屋工業大学大学院講師、大同工業大学(現、大同大学)建設工学科講師、建築学科准教授を経て、2010年から現職。
〈受賞〉
臭気対策研究協会学術賞(1998)、人間−生活環境系会議奨励賞(2000)
〈著書〉
「心理と環境デザイン−感覚・知覚の実践−」(共著、技報堂出版、2015)、「きちんと知りたい においと臭気対策の基礎知識」(共著、日刊工業新聞社、2018)等

岩橋尊嗣  著者プロフィール

(いわはし たかし)
大同大学かおりデザイン専攻元教授、現在、非常勤講師・産学連携共同研究センター共同研究員(におい・かおり研究センター)。
北海道生まれ。明治大学大学院博士課程修了・工学博士の学位取得後、アイコー株式会社入社、同社中央研究所有機化学研究室室長、同社取締役支配人、新エポリオン株式会社常務取締役などを経て、2014年大同大学かおりデザイン専攻教授、2019年から現職。
〈研究開発〉
電気めっき及び無電解めっき時の光沢剤の研究開発、鉄鋼コイルの塩酸及び硫酸酸洗時の素地保護材の研究開発、畜産(鶏舎)向け消臭剤の研究開発、産業及び一般向消臭剤・芳香剤の研究開発
〈著書〉
「五感インターフェース技術と製品開発事例集」(共著、技術情報協会、2016)、「きちんと知りたい においと臭気対策の基礎知識」(共著、日刊工業新聞社、2018)等

一ノ瀬 昇  著者プロフィール

(いちのせ のぼる)
大同大学かおりデザイン専攻客員教授。ライオン株式会社、研究開発本部戦略統括部。
栃木県生まれ。東京理科大学理学部化学科卒。1976年ライオン油脂株式会社(現、ライオン株式会社)入社、同社研究開発本部調香技術センター副主席研究員を経て、2018年から同社研究開発本部戦略統括部にて現職。2016年から大同大学かおりデザイン専攻にて現職。
〈研究開発〉
家庭品の香料開発研究、香りの生理心理研究、嗅覚を中心としたクロスモーダル研究、においケア研究
〈著書〉
「次世代香粧品の「香り」開発と応用」(共著、シーエムシー出版、2011)、「新製品開発における高級感・本物感・上質感の付与技術」(共著、技術情報協会、2012)等

棚村壽三  著者プロフィール

(たなむら としみ)
大同大学かおりデザイン専攻准教授。臭気判定士。
愛知県生まれ。大同大学大学院工学研究科博士後期課程修了・博士(工学)の学位取得後、2011年大同大学かおりデザイン専攻講師、2017年から現職。
〈受賞〉
におい・かおり環境協会学術賞(2015)
〈著書〉
「自動車室内環境2013(総合技術レビュー)」(共著、公益社団法人自動車技術会、2014)、「きちんと知りたい においと臭気対策の基礎知識」(共著、日刊工業新聞社、2018)等

目次

第1章
におうという現象を探る

1 においが記憶を呼び覚ます「経験・記憶とにおいの関係」
2 においの正体は何だろう?「分子骨格構造と発香団」
3 におうということ「においを感じる条件は?」
4 においを感じる仕組み「におい分子の伝達経路」
5 におう時ヒトの体では何が起こっている?「嗅覚受容体でにおい分子をキャッチ」
6 電気信号でにおいを判断?「におい情報は電気信号で伝達」
7 脳へのにおい情報の伝達と判断「嗅覚特有の情報伝達経路」
8 混ぜるとにおいが変わるわけ「におい物質の調合とにおいの質の変化」
9 においの好みは人それぞれ「におい感覚の個人差」
10 同じにおいを嗅いでいるとわからなくなる?「においに対する順応と慣れ」
11 濃さが変わるとにおいの質が変化するわけ「においの濃さと質の関係」
12 五感の中の嗅覚「嗅覚の大切さを知ろう」
13 消臭効果はどう感じられるのか?「におい物質の濃度とにおい感覚の関係」


第2章
におい・かおりって何?

14 生活の中でのにおいの役割は?「生活に必要な嗅覚とにおい」
15 火の発見とかおり「魅惑的なかおりの加熱香気」
16 日本独自のかおり文化と歴史「繊細なかおり文化、香道」
17 においが混ざり合うとくさいのか「におい物質が混合された時の感じ方」
18 においの感じ方の個人差が香害を引き起こす「かおりの使用時の注意事項」
19 深い味わいにはにおいが関与「おいしさとにおい」
20 においは危険を知らせる信号「付臭剤の役割」
21 生活の中の悪臭の発生要因「加熱・燃焼と細菌の作用がにおいを発生させる」
22 においはくっつき、透り抜ける「におい物質の吸着、収着、透過」
23 雨のにおいは何のにおい?「天気とにおい」
24 人の体臭もさまざま「身体の部位でもにおいが違う」
25 食品の異臭問題「外部からのにおいの侵入」
26 食生活の変化と体臭「スパイスの多用化、体臭の変化」
27 無臭ってあるの?「生活の中の無臭空間」


第3章
身近なモノでの悪臭対処法

28 におい対策の種類「室内のにおい対策もさまざま」
29 防臭という考え方「菌のコントロールは適切に」
30 袋ににおいを閉じ込めることはできるのか「袋のバリア性」
31 におい対策の消臭と脱臭の違い「化学的方法と物理的方法」
32 酸化反応を用いたにおい対策「燃焼法、オゾン法、光触媒法」
33 かおりのちからで悪臭対策「感覚的消臭法」
34 換気によるにおい対策「空気の通り道をどう作るか」
35 窓がない部屋の換気法「サーキュレーターを使って上手に換気」
36 消臭剤、脱臭剤、芳香剤の上手な使い方「悪臭低減メカニズムと対策製品」
37 消臭剤、脱臭剤、芳香剤と空気清浄機の選び方「におい対策製品の形態と特徴」
38 においの吸着特性を利用した伝統的な対策「炭、ゼオライトのちから」
39 化学反応を利用した伝統的なにおい対策「重曹、クエン酸、ミョウバンのちから」
40 かおりを利用した伝統的な対策「お香、におい袋のちから」
41 生活の知恵の効果はホンモノか「濡れタオル、新聞紙、10円硬貨などの効果」


第4章
身の回りの嫌なにおいが発生する仕組みと対処法

42 体臭の発生原因とその予防「身体の部位で異なるにおいの特徴」
43 年齢による体臭の変化「加齢臭を予防しよう」
44 口臭の原因と予防「口臭の原因もさまざま」
45 ペットのにおいと対策「犬や猫の体臭や尿臭の対応策」
46 洗濯物の生乾きのにおい「洗濯物から嫌なにおいがする原因」
47 食べ物のにおいの変化「生魚、にんにくのにおいはなぜ変わるのか」
48 調理後のにおいの原因と対処法「調理後に油っぽいにおいはなぜ残るのか」
49 生ごみ臭の発生原因と対策「生ごみの腐敗を抑えよう」
50 エアコンのにおい発生メカニズムとメンテナンス「季節の変わり目に要注意」
51 外出先で付いたにおいを消すには「付着臭の除去方法」


第5章
住まいのにおいの正体と対処法

52 気になる家のにおい「住宅内の多様なにおいの原因と対策」
53 玄関に漂う靴のにおい「下駄箱のにおいの原因と対策」
54 台所はにおいの発生源の宝庫「生ごみ、排水口、調理、調味料」
55 LDK一体型のにおい「キッチン形式、調理熱源にも関係するにおいの広がり」
56 室内に漂う正体不明なにおい「リビング、寝室に漂う嫌なにおい」
57 収納スペースのにおい「クローゼットや押し入れにこもるにおいの対処法」
58 水回り空間特有のにおい「浴室、洗面所、水回り空間で発生するにおいの原因と対策」
59 やはり気になるトイレのにおい「アンモニア臭にどう対処する?」


第6章
周辺環境、乗り物、施設のにおいの正体と対処法

60 悪臭苦情の変遷「におい問題の移り変わり」
61 気になる屋外のにおいの正体「周辺環境のにおい」
62 屋外のにおいの規制基準「どこまでにおいを低減すればよい?」
63 季節、天気によってにおいが変わる?「環境要素とにおい」
64 自動車室内のにおい「実はにおいが濃縮された場所」
65 病院・高齢者施設のにおい「医薬品のにおいだけではない!」
66 分煙対策「喫煙室からのにおいにも注意」
67 災害時の避難所におけるにおいへの対処法「日頃からにおいにも備えを」
68 宿泊施設内のにおいと対処法「香水臭を除去したい」

【コラム】
●動物の嗅覚
●日本発のワサビのにおいが危険を知らせる
●健康と快適
●鉄棒のにおいって何のにおい?
●AIで好きなかおりのレシピが作れるか?
●省エネルギーとにおい 〜生活環境のにおいに秘められた可能性〜

参考文献
索引

はじめに

日々、心も身体も健康に過ごすには、私たちを取り巻く生活環境の快適性も求められます。「におい」は、生活の三大要素と言われる衣食住のすべてに関わっており、生活環境の快適性に密接に関係しています。「におい」と聞くと、悪臭が連想され、悪いイメージを抱かれるかもしれません。実際に、身の回りの「におい」というと、体臭、生ごみ臭、排水口臭、カビ臭、洗濯物の生乾き臭などの嫌なにおいが思い浮かぶのではないでしょうか。こうした嫌なにおいをなんとかしたい時には、においの発生原因によって対策が変わるため、まず、そのにおいの発生原因を把握することが大切です。
ところで、悪いイメージが強い「におい」ですが、古くは、嗅覚を刺激するものというだけではなく、視覚で捉えられる色の際立ちや美しい様をいう言葉として使用されていました。万葉集でも、「青丹よし 奈良の都は 咲く花の におふがごとく 今盛りなり」と、平城京の美しく色づき、映える様子が「におふ(におう)」という言葉で表現されています。「におい」は、色とにおいが美しく映え、香るといった良いイメージを抱かせる言葉だったと言えるでしょう。
今では、嗅覚を刺激する上品で心地よいものには、「かおり」という言葉が使われることが多くなっています。「かおり」は、身にまとったり、空間に流したりして、人や空間の演出にも使われています。しかし、「かおり」の使い方によっては、周囲の人に不快感を与えるになるなど、昨今、新たな問題になっています。
「におい」は、適切に制御、管理されることで、元来の意味のように、生活を彩り、心を癒す効果をもたらしますが、「適切に」というところが難しく、「におい」の受け止められ方には個人差があることに注意しなければなりません。また、近年、生活の中には、さまざまな消臭・脱臭製品、かおりを使った製品があふれており、それぞれの使い方に戸惑うほどです。においの発生原因を把握しないまま、対策を実施した場合、かえって不快になってしまうこともあります。
本書では、私たちを取り巻く生活環境の「におい・かおり」に着目し、人の感じ方やにおい・かおりの特性を解説し、生活の中の身近なにおいを例に、そのにおいがなぜ発生するのか、においのもとはなんなのかをわかりやすく解説するとともに、これまで筆者が取り組んできた研究成果から言える各においの効果的な対策を紹介しています。
快適な生活環境を創造するために必要な消臭・脱臭などのにおい対策を中心に、「におい・かおり」についてさまざまな角度からトコトンやさしく解説することを心がけ、全6章にまとめました。
第1章では、においの感覚である嗅覚を取り上げました。嗅覚の仕組みは長年、謎に包まれていましたが、1991年にリンダ・B・バックとリチャード・アクセルによって嗅覚受容体が発見され、2004年にその業績に対してノーベル生理学・医学賞が授与されて以来、嗅覚機構に関わる分野の発展にはめざましいものがあります。第1章は「におうという現象を探る」と題して、においの感覚である嗅覚の仕組みと特性を解説しています。
第2章では、嗅覚を刺激するものである「におい・かおり」に焦点をあて、「におい・かおりって何?」という疑問に答えられるように、「におい」が発見されてから紡いできた歴史や文化、生活の中でのにおい・かおりの役割、物理的・化学的特性、そして無臭という状態について解説しています。
第3章では、身近なモノを使ったにおいの対策を解説しています。古くから使われている生活の知恵ともいうべき手軽なにおい対策についても取り上げ、科学的知見からその消臭・脱臭メカニズムと性能を解説し、効果的と考えられる用い方について「身近なモノでの悪臭対処法」としてまとめています。
第4章では、体臭・口臭、食べ物のにおい、生ごみ臭、洗濯物のにおい、エアコン臭、ペット臭などの身近なにおいを対象として、「身の回りの嫌なにおいが発生する仕組みと対処法」として、嫌なにおい、気になるにおいの発生原因と対策について解説しています。
第5章は「住まいのにおいの正体と対処法」と題して、住宅の各空間、各部屋のにおいの発生原因と対策を解説しています。
第6章は「周辺環境、乗り物、施設のにおいの正体と対処法」と題して、地域環境のにおい・かおりに対する意識の変遷と実情を紹介し、自動車、医療・福祉施設、宿泊施設、喫煙所、避難所などの乗り物や施設で発生し、問題になりやすいにおいの対策について解説しています。
本書が、日々の生活の中で感じられる嫌なにおいに対する消臭・脱臭などのにおい対策の参考となり、快適な生活環境創造の一助となりましたら幸いです。出版にあたり、日刊工業新聞社の河辺乃樹実さんをはじめ、関係者の皆様に多大なるご尽力を賜りました。ここに改めて感謝申し上げます。

2021年11月

光田 恵
岩橋 尊嗣
一ノ瀬 昇
棚村 壽三

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