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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい地球学の本

定価(税込)  1,650円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-08153-8
コード C3034
発行月 2021年08月
ジャンル 土木・建築 環境 ビジネス

内容

地球は、時速1500キロという超高速で自転し、巨大で、46億年という長い歴史を通して形作られてきた。今、様々な要因で地球の環境は変わりつつあり、危機に瀕している。そこで本書は、地球の基礎からその将来、そして新たな地球の見方までを解説する。

西川有司  著者プロフィール

(にしかわ ゆうじ)
1975年早稲田大学大学院資源工学修士課程修了。1975年〜2012年三井金属鉱業(株)、三井金属資源開発(株)、日本メタル経済研究所。主に資源探査・開発・評価、研究などに従事。その他グルジア国(現在ジョージア)首相顧問、資源素材学会資源経済委員長、放送大学非常勤講師など。
現在、EBRD(欧州復興開発銀行)EGPアドバイザー、英国マイニングジャーナルライターなど。

著書は、トコトンやさしいレアアースの本(共著、2012)日刊工業新聞社、トリウム溶融塩炉で野菜工場をつくる(共著、2012)雅粒社、資源循環革命(2013)ビーケーシー、資源は誰のものか(2014)朝陽会、資源はどこに行くのか(2019)朝陽会、おもしろサイエンス地下資源の科学(2014)日刊工業新聞社、おもしろサイエンス地層の科学(2015)、おもしろサイエンス天変地異の科学(2016)、おもしろサイエンス温泉の科学(2017)、おもしろサイエンス岩石の科学(2018)、おもしろサイエンス地形の科学(2019)、おもしろサイエンス火山の科学(2020)など。「資源と法」(2012〜2019)記事連載 朝陽会発行(編集雅粒社)、また地質、資源関係論文・記事多数国内・海外で出版。

目次

【第1章】地球とはいったいどんなものなのか
1 地球は不思議な惑星だ 「地球は丸い星」
2 地球にはどんな特徴があるの? 「球体が歪んだ楕円形」
3 宇宙の中の地球 「ちっぽけな星、太陽系」
4 地球はどんな動きをしているのか 「自転、公転、磁場」
5 地球の内部はどうなっているのか 「マグマ、硬い石」
6 地球の表面の動き 「気象、異常気象、温暖化、大陸移動」
7 月と地球の関係は 「引力の働き」
8 地球の重力とは? 「引力と重力とニュートン」
9 溶岩が噴出 「洪水玄武岩、大陸縁辺部」

【第2章】地球はどう見えてきたのだろう
10 地球の見方は様々あった 「平面、立体、時代とともに変化」
11 私たちの時代の地球の見方 「丸い地球が太陽の周りを回る」
12 紀元前の地球のとらえ方 「天は動く、地球は不動」
13 日本人はどのように考えていたか 「宇は空間 宙は過去と未来」
14 コペルニクスの天体革命 「地動説、コペルニクス的転回」
15 ガリレオの天体観測 「月面の凹凸、太陽の黒点を発見」
16 地球平面説から球体説への変貌 「古代の宇宙観から人工衛星探査」
17 宇宙に浮かぶ地球—惑星の比較、組成から見た地球 「宇宙を探る時代」
18 生物の繁栄する地球 「多種多様な動物、生物が生存」
19 地図(地球図)の変遷 「地球表面の細部にわたる表現」

【第3章】もっと私たちの地球を知ろう
20 地球の内部は成層構造 「地殻、マントル、コア(核)」
21 マントルは動いている 「対流し、水平、上にも動く」
22 地殻はマントル対流で動く 「大陸の移動。分裂・衝突・合体を繰り返す」
23 5500℃のコアの動き 「熱源は地球の中心」
24 地球内部への探索 「地球は岩石の塊」
25 地殻の様々な動き 「地震、褶曲、断層、火山、造山運動」
26 大気圏の動き 「空気の循環、気象現象は地上から10 ㎞」
27 太陽熱と風がおこす海の動き 「海流、深層流など絶えず動いている」
28 気象変化と地磁気の影響は 「気温低下と寒冷化」
29 物理的特徴—温度、圧力変化、粘性、組成 「地球の特性を表わす」
30 火山の活動が地球の姿を変える 「3つの火山タイプが地球を特徴づける」
31 様々な資源 「地殻は、石油、石炭、非金属、金属など有用資源の宝庫」

【第4章】温暖化現象が地球を脅かす
32 炭酸ガスが増大している 「大きな問題になりつつある気温上昇」
33 炭素の循環 「炭素は姿を変え地下、地上、空中を循環する」
34 温暖化はどんな現象か 「海面上昇、降水量の増大、熱波などの頻発、砂漠化」
35 温暖化はどんなふうに広がるのか 「地球規模、世界中どこも」
36 気候の変化が極端になってきた 「極端な高温/低温や強い雨など」
37 北極の氷が減少中 「海氷の融解、気温上昇、生態系の破壊」
38 南極の温暖化の影響 「氷床の融解、南極半島での著しい気温の上昇」
39 生態系の変化 「魚の活動域が変化、果物の産地が北上」
40 温暖化に起因する災害 「乾燥—山火事、豪雨—水害」
41 温暖化の原因と取り組み 「世界的な温暖化対策」

【第5章】地球でおこっている異変の顕在化
42 人類を取り巻く異変 「温暖化、氷河の融解、生物絶滅種の増大」
43 人類がつくり出した脅威 「砂漠化、天候異変、CO2増大」
44 地球内部からの脅威 「破局噴火イエローストーン、地震」
45 巨大地震の脅威 「日本は地震大国、巨大地震にたびたび襲われる」
46 人類は今、脅威に曝されている 「殺人熱波、飢餓、感染症」
47 海の無酸素化拡大 「海の生物の消失」
48 宇宙からの地球への脅威 「隕石の衝突、オゾン層の破壊」
49 地磁気の逆転の恐怖 「いつ逆転してもいい時期、ナビゲーションシステム破壊」
50 気候変動の脅威 「水没、洪水、豪雨の日常化、日照り」

【第6章】地球の異変はくいとめられるのか
51 プレートの動き 「造山運動、火山、断層、地震等の様々の地殻変動の発生」
52 気候変動への対処 「化石燃料の利用停止」
53 放射能はどうなるのか 「処理困難、廃棄、汚染、人類への脅威」
54 微細プラスチックによる脅威 「プラスチック製品の使用制限」
55 大陸移動の停止 「超大陸の形成、分裂、移動、14 ・5億年後に終了説」
56 冷えていく地球 「寒冷化、温暖化による海流の変化」
57 環境問題を考える 「温暖化からの災害、汚染、酸性雨、森林破壊、自然災害」

【第7章】これからの地球の行方
58 地球の行方—希望はあるのか 「75 億年後、赤色巨星段階に入る?」
59 生物は消えていくのか 「生物多様性の崩壊、自然環境の破壊や乱獲 死海の拡大」
60 人類はいなくなるのか 「人口過多、生態系の崩壊、地球温暖化」
61 地球脱出は可能か 「月、火星、酸素・水・食料の確保」
62 地球の消滅は現実なのか。太陽に飲み込まれるのか 「遠い将来」
63 地中生活の可能性 「光、空気の確保、空洞作成・維持技術の発達」
64 人類の希望 「自然システムの修復、維持」
65 未来の地球 「自然システムの死守」

【コラム】
●コアに向かう
●火星での酸素の生産
●海嶺が顔を出すアイスランド
●メタンハイドレートは温暖化に関係 石油時代の終焉
●福島の廃炉には何年かかるのか?ー放射能の処理の限界
●魚が食べられなくなる日
●地球の語源も宇宙観も輸入

参考文献
索引

はじめに

「地球」と聞いても宇宙に浮く天体という感じはしません。「46億年の歴史」といってもその長さはピンときません。「ゆくゆく太陽に飲み込まれる」と言われてもまったく現実感が湧きません。地球に住んでいる私たちにとって地球はわからないことだらけです。誰も見たことがないのに「マントル対流」「大陸が衝突」「大陸が移動」と言われてもスケールが違いすぎ、時間の長さもまったく異なり、理解が簡単ではありません。
今〝地球〟を考えると、温暖化が大きなテーマになります。年々深刻さを増す温暖化は災害にも結びつき、私たちの生命にもかかわってきています。温暖化は脅威になってきているのです。原子力の利用も同様で、いずれも人類が生み出した私たち自身への脅威です。さらに、ほぼ80億人の人類は、生物の多様性を破壊したり、温暖化を加速させたり、プラスチックごみを海に流したりしています。これらのことを一因に、生物や私たちの営みの環境自体が悪化してきています。
その一方で宇宙が少しわかってきました。地球の位置づけが理解できるようになってきています。しかし、地球の内部はわからないことだらけです。地球は私たちのスケールから見れば、広く、巨大です。
地球には誕生がありました。地球は猛スピードで宇宙を公転し自転しながら生命を育み、様々な生物が繁栄し、絶滅し、また繁栄してきています。火山は世界中で噴火しています。、山が生まれ、砂漠がつくられ、美しい自然は広がっています。人類も誕生し、地球はじつに変化に富んでいます。まさに「生きている」地球です。しかしいずれ消滅する日がくるのかもしれません。
本書では全体をトコトンやさしく表しました。地球はどんな惑星か、人々は地球をどのようにとらえていたのか、地球の内部はどのようになっているのか、温暖化はどのような現象で、どんな災害を起こしているのか、地球はどんな脅威に曝されているのか、地球の将来はどうなるのか、などについてわかりやすく書きました。宇宙の中の地球を、地球自身を俯瞰的に眺め、理解しやすいように描きました。皆さんの地球への興味が少しでも増してくれれば幸いです。
地球に関する本はたくさんありますが、「地球学」の本はほとんどありません。多くは「地球科学」です。この本は地球を従来のような地球科学の科学的側面だけから見るのではなく、地球と科学との一体の人文科学の面も一部抱合しています。より地球を総合的に見る見方が視点になっています。さらにおもしろサイエンスの「岩石の科学」や「火山の科学」「天変地異の科学」とも相互に関係します。
本書を通して地球のおもしろさや脅威を感じていただければ、さらに科学的な眼で地球を見、眺めていただければ、筆者の望外の喜びです。
日刊工業新聞社藤井浩氏には執筆の機会を与えてくださり、執筆編集のご指導をいただき、深く感謝を申し上げます。

2021年8月
西川有司


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