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きちんと知りたい!
電気自動車用パワーユニットの必須知識

定価(税込)  2,420円

著者
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-08150-7
コード C3053
発行月 2021年08月
ジャンル 機械

内容

人気シリーズ「きちんと知りたい!」の一冊。電気自動車を走らせるために必要なモーター、バッテリー(電池)、パワーエレクトロニクスなどのパワーユニットに関する技術と問題点を紹介。「なぜそうなるのか? どうしてそうなったのか?」という仕組みの部分を中心に、図・イラストで段階的に解説する。

高根英幸  著者プロフィール

(たかね ひでゆき)
1965年東京生まれ。芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は日経 Automotive、モーターファンイラストレーテッド、クラシックミニマガジンなど自動車雑誌のほか、Web媒体ではベストカー Web、日経 XTECH、ITmediaビジネスオンライン、ビジネス+IT、MONOist、Responseなどに寄稿中。
企業やシニア向けに運転講習を行なうショーファーデプト(https//:chauffeurdept.net)でチーフエンジニア兼チーフインストラクターも務める。
◎主な著書
『カラー図解でわかるクルマのハイテク』『エコカー技術の最前線』(以上 SBクリエイティブ /サイエンス・アイ新書)
『図解・カーメカニズム~パワートレーン編』(日経 BP社)
『ロードバイクの素材と構造の進化』(グランプリ出版)など。

目次

CONTENTS

はじめに

第1章
排ガス規制とクルマの電動化
●排ガス規制の強化と電気自動車
今後、電動化はどう進んでいくのか

1-1 厳しい燃費規制と気候変動が電動化を推進
1-2 環境規制は排ガスだけではなく、騒音規制も重要
1-3 今後はLCAでクルマの環境性能が評価される 8
1-4 今後、電動化はどう進んでいくのか
1-5 EV、FCVの両輪が電動化には必
COLUMN 1 EUが2035年にエンジン車を全面禁止へ! エンジンはどうなる?

第2章
電動パワーユニットを搭載した自動車
●電気自動車の種類
2-1 バッテリーEV(BEV)
2-2 レンジエクステンダーEV
2-3 シリーズハイブリッド
2-4 パラレルハイブリッド
2-5 シリーズ・パラレルハイブリッド
2-6 プラグインハイブリッド(PHEV)
2-7 マイルドハイブリッド
2-8 燃料電池車(FCV)

●電気自動車の特徴と課題
2-9 バッテリーが車両の生産コストを上昇させてしまう
2-10 バッテリーの能力が航続距離、加速性能などに影響する
2-11 過疎地でもインフラが整っており、日本中で充電可能
2-12 走行音が静か過ぎて歩行者が気付かない
2-13 車体は重いが低重心で安定感がある
2-14 減速時には運動エネルギーを再び電気として回収
2-15 運転操作が簡単、ワンペダルも実現
2-16 自動運転との相性が良い
COLUMN 2 EV、FCVにはエンジン車にない走りの楽しさもある!

第3章
電気自動車のモーター
●電気自動車が高効率な理由
3-1 電動モーターのエネルギー効率
3-2 レシプロエンジンは熱エネルギーを捨てている
3-3 モーターは高回転になっても損失が増えない
3-4 部品点数が少なく摩擦損失も少ない
3-5 静止している状態からの発進加速がすごい
3-6 モーターをより効率化する技術
3-7 レアアースの使用を減らす技術

●電気自動車のモーターレイアウト
3-8 FFが基本という考えは電気自動車には通じない
3-9 パワーユニットをまとめて生産性を高めたエンジン車
3-10 電動パワーユニットはシンプル&コンパクト
3-11 ハイブリッドは電動4WDで効率向上
3-12 1から4モーターまで目的に応じた自在のレイアウト
3-13 インホイールモーターは普及するか
COLUMN 3 日本がレアアース供給で世界一になる?

第4章
電気自動車のバッテリー
●バッテリーの種類と自動車用に求められる特性
4-1 一次電池と二次電池は何がどう違うのか
4-2 電気自動車に求められるバッテリー特性
4-3 リチウムイオンバッテリーの種類と特性の違い
4-4 バッテリーマネージメントの必要性

●電気自動車用バッテリーの最新技術
4-5 バッテリーの最新技術はいつ実用化されるのか
4-6 バッテリーを高効率にする開発中の技術.
4-7 高性能なリチウムイオンキャパシタ
4-8 金属空気電池、ナトリウム電池、マグネシウム電池

●バッテリーEV(BEV)のカギを握る充電技術
4-9 日本発の急速充電規格「CHAdeMO」とは
4-10 その他の充電規格と特徴
4-11 急速充電の電圧の変遷
4-12 非接触充電のしくみとメリット
4-13 その他の充電方法とバッテリー交換方式
COLUMN 4 アクアに初採用されたバイポーラ型ニッケル水素電池とは?

第5章
電気自動車のパワーエレクトロニクス
●パワーエレクトロニクスの実際
5-1 半導体とは? パワー半導体の誕生前後
5-2 パワー半導体の進化が電動車の未来を決める?
5-3 インバーターの変換ロスは無視できない
5-4 シリコン半導体よりも高効率な次世代パワー半導体
COLUMN5 日本は地熱発電と潮流発電のポテンシャルが高い

第6章
ハイブリッドの技術革新
●エンジンが秘めている可能性
6-1 エンジンが発電するとEVはグンと実用性が高まる
6-2 THSの電動無段変速機のしくみ
6-3 発電のためにエンジンに求められる特性
6-4 発電専用エンジンの開発には制約がない?

●ハイブリッドの最新技術
6-5 ハイブリッドはレイアウトによっても分類される
6-6 ロータリーエンジンやガスタービンで発電
6-7 開発中の色々なエンジン
6-8 マイルドハイブリッドの電圧にも種類がある
6-9 プラグイン燃料電池車が最強のハイブリッド車?
COLUMN 6 利便性の高いエネルギー資源として石油はどう利用されていくべきか

第7章
燃料電池車の技術革新
●燃料電池の技術
7-1 燃料電池とは
7-2 将来の実用化が期待される燃料電池技術

●燃料電池の実際
7-3 燃料電池の水素燃料を充填する環境
7-4 商用車にこそ燃料電池が向いている
7-5 水素エンジンとの共存
COLUMN7 今注目されている水素は本当に使えるエネルギーなのか

第8章
電気自動車における今後の開発課題
●電気自動車のトランスミッション
8-1 電気自動車にトランスミッションは必要か
8-2 EVのパワーユニットはこれからどうなっていくか
●今後の開発課題
8-3 バッテリー関連で取り組むべき課題
8-4 モーター関連で取り組むべき課題
8-5 車体の効率化で航続距離を延長する
8-6 EVやプラグインハイブリッド車の充電環境の整備
8-7 水素インフラを普及させるための積極的な取り組み
COLUMN 8 温室効果ガスCO 2を回収、分解する技術も開発中

索引
参考文献

はじめに

はじめに
 2020年からクルマを取り巻く環境が、大きく変わってきました。それは欧州の排気ガス規制が強化されたことや、ドイツの自動車メーカーによるディーゼルエンジンの不正事件などが影響していると思われますが、それ以外にも米カリフォルニア州のZEV規制や中国のNEV規制なども無関係ではなく、世界中でクルマの環境対策が厳しくなっています。
 私はクルマの先端技術をはじめとした、メカニズムを中心に解説する自動車ジャーナリストです。そのため新型車に採用された新しいメカニズムだけでなく、部品メーカーが開発中の技術にも注目して取材してきました。
 それだけに、これまでゆっくりとしたペースで進められていたクルマの電動化が一気に加速したこと、ここ5年ほどはパーツサプライヤーや自動車メーカーの試作品として展示されていた先進技術が一挙に現実に投入されるモノへと進化してきていることを実感しています。 そうした自動車関連の技術や部品の展示会を見て回り、1つ1つその構造を確認するように取材してきた経験が、この本を作るにあたって、本当に役立ったと思っています。

 本書では現在のクルマに採用されている技術、これからのクルマに採用されるような電動車のメカニズムを中心に取り上げました。できる限り、電動車の各メカニズムの特徴や構造が理解しやすいよう、表現や図版にもこだわったつもりです。
 そんなことから、この本の作成にはかなりの時間をかけて取り組みました。それは、でき上がってみれば無駄な時間も多かったのかも知れませんが、この本を作る上で必要な作業だったと今でも思っています。私が電動車の技術に対して面白いと思うこと、興味を持ったことをわかりやすく伝えることが、この本を手に取ってくれた方に役立つ情報になると信じて、情報を集め、理解し、解説していきました。
 それでも私が手掛けた単行本の中では、これまでで最も短期間に書き上げることができた書籍であることは間違いありません。それには長年取材して先端技術、電動化に関する情報を集めるだけでなく、しっかりと理解することに取り組み続けたことがベースにあったことも大きな理由です。

 クルマは大気汚染の主犯格のように思われてきた部分もありますが、各国の経済や生活レベルを発展させてきた功績も大きいということを疑う余地はありません。
 もちろん公害をもたらしたことは否定できません。これから新興国ではクルマの需要が高まり、世界レベルではクルマの保有台数は増加することも予測されています。そうした流れは基本的には変わることはないでしょう。
 そのためにもクルマの環境性能をもっともっと高める必要があり、電動化はそのキーデバイスとして欠かせない存在です。
 誰もが思うままに、行きたいところへ向かえる、それがクルマの持つ最大の魅力ではないでしょうか。そこにはモーターやエンジンの性能、バッテリーの充電環境が大きく関わってきます。
 登場したばかりの技術、現在開発中の技術、これまでのクルマで利用されてきた技術や考え方などについては、この本を読んでいただければ、理解を深められると思っています。
 本書を通じてクルマの新たな可能性を感じて、さらにこれからのクルマに興味を持っていただけたなら、それ以上に嬉しいことはありません。

2021年8月吉日 高根英幸

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