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未来の科学者との対話19
第19回 神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞 受賞作品集

定価(税込)  1,760円

編者
サイズ A5判
ページ数 268頁
ISBNコード 978-4-526-08136-1
コード C3050
発行月 2021年05月
ジャンル その他

内容

今の学校教育では「理科離れ」が進み、学生には創造性のある探究活動や課題研究を積極的に行う姿勢が求められている。そこで高校生の理科・科学の研究発表の場として、理科人材を育成するために設けられた理科・科学論文大会の受賞作をまとめた本。

学校法人 神奈川大学広報委員会 全国高校生理科・科学論文大賞専門委員会  著者プロフィール

紀 一誠(きの いっせい)
1943年群馬県生まれ。1968年3月東京大学工学部計数工学科数理工学コース卒業。工学博士。1968年4月NEC入社(データ通信システム事業部)。1999年4月NECC&Cシステム研究所主席研究員を経て、神奈川大学理学部情報科学科教授。2013年神奈川大学理学部数理・物理学科教授。2014年4月 神奈川大学名誉教授。1996年日本オペレーションズ・リサーチ学会フェロー。専門分野 待ち行列理論。
著書:「待ち行列ネットワーク」(朝倉書店、2002年)、「性能評価の基礎と応用」(共立出版、亀田・李共著、1998年)、「計算機システム性能解析の実際」(オーム社、三上・吉澤共著、1982年)、「経営科学OR用語大事典」(朝倉書店、分担執筆、1999年)、他。


齊藤 光實(さいとう てるみ)
1943年滋賀県生まれ。1967年京都大学薬学部卒業。1972年京都大学薬学研究科博士課程満期退学。薬学博士(京都大学)。1972年住友化学宝塚研究所研究員。1973年より京都大学薬学部助手、助教授。その間、米国テキサス大学医学部ヒューストン校博士研究員。1989年神奈川大学理学部教授。神奈川大学名誉教授。専門は生化学、微生物学。
著書に“Intracellular Degradation of PHAs”(共著)(Biopolymers, Polyesters II、Wiley-VCH、2002)


庄司 正弘(しょうじ まさひろ)
1943年愛媛県生まれ。1966年東京大学工学部卒業、1971年東京大学工学系大学院修了、工学博士。東京大学工学部専任講師(1971年)、助教授(1972年)、教授(1986年)を経て2004年退官、名誉教授。同年、独立行政法人産業技術総合研究所招聘研究員。2006年神奈川大学工学部教授、工学部長、理事・評議員(職務上)を歴任。専門は熱流体工学。日本機械学会名誉員、日本伝熱学会会長を務め永年名誉会員。著書に「伝熱工学」(東京大学出版会)、編著に“Handbook of Phase Change”(Taylor & Francis)、“Boiling”(Elsevier)等。Nusselt-Reynolds国際賞、東京都技術功労賞、Outstanding Researcher Award(ASME:米国機械学会)など。


菅原 正(すがわら ただし)
1946年 東京都生まれ。1969年東京大学理学部卒業、1974年東京大学理学系研究科修了、理学博士、1975〜1978年米国ミネソタ大学、メリーランド大学Research Fellow、1978年岡崎国立共同研究機構分子科学研究所助手、1986年東京大学教養学部基礎科学科助教授、1991年同教授、2010年東京大学名誉教授、2010年〜2014年放送大学非常勤講師、2012年神奈川大学理学部化学科特任教授、2013〜2017年同教授、2017〜2019年同特任教授、2019~現在同客員教授、2006~現在日本学術会議連携委員(2009~10年結晶学分科会委員長)、2013~2016年豊田理化学研究所客員フェロー 専門有機物理化学(有機磁性、導電性)、有機生命科学(人工細胞)著書 超分子の科学(共偏、裳華房)、現代科学(共偏、放送大学)、“Minimal Cell Model to Understand Origin of Life and Evolution”、(共著、Evolutionary Biology from Concept to Application II, Springer Verlag 2009)他 受賞 2008年電子スピンサイエンス学会賞、2012年第3回分子科学会賞、2017年電子スピンサイエンス学会名誉会員、2018年基礎有機化学功績賞


内藤 周弌(ないとう しゅういち)
1943年 北海道生まれ。1967年東京大学理学部卒業。理学博士。東京大学理学部助手・講師・助教授、トロント大学 Research Fellow、神奈川大学工学部教授、神奈川大学名誉教授。専門は触媒化学。
著書に『反応速度と触媒』(共著)(技報堂、1970年)、『界面の科学』(共著)(岩波書店、1972年)、『触媒化学』(共著)(朝倉書店、2004年)、『触媒の事典』(分担執筆)(朝倉書店、2006年)、『触媒化学,電気化学』(分担執筆)(第5版実験化学講座25、日本化学会編、丸善2006年)、『触媒便覧』(分担執筆)(触媒学会編・講談社、2008年)、『固体触媒』(単著)(共立出版、2017年)ほか。

西村 いくこ(にしむら いくこ)
1950年京都市生まれ。1974年大阪大学理学部卒業、1979年大阪大学大学院理学研究科博士課程修了、同年学位(理学)取得。岡崎国立共同研究機構助手(1991年)、同助教授(1997年)、京都大学大学院理学研究科教授(1999年)、甲南大学大学院自然科学研究科及び同学理工学部教授(2016年)を経て、甲南大学特別客員教授(2019-2020年)、日本学術振興会学術システム研究センター副所長(2017-2020年)。専門は、植物細胞生物学。日本学術会議連携会員(2006-2014年)、日本植物生理学会会長(2014-2015年)、日本生化学会名誉会員(2015年)、アメリカ植物生理学会名誉会員(2015年)、京都大学名誉教授(2016年)、甲南大学名誉教授(2021年)日本学術会議会員(2014年)。中日文化賞(2006年)、文部科学大臣表彰科学技術賞(2007年)、日本植物生理学会賞(2013年)、紫綬褒章(2013年)受賞。

目次

未来の科学者との対話19 目次

はじめに
●審査委員講評
光と闇 紀 一誠
科学と技術 齊藤光實
科学技術進歩のもつ危うさ 庄司正弘
科学者としての視野を広げよう 菅原 正
未来への若々しい着想に期待する 内藤周弌
身近なことから不思議を感じる力 西村いくこ

●大賞論文
「開口端補正」は事実ではなく考え方だった!
群馬県立藤岡中央高等学校 F.C.Lab

●優秀賞論文
「ヒラメやマダイの生産工場」を目指して
浦和実業学園高等学校 生物部
プラズマの正体を確かめる手作り簡易分光器
兵庫県立姫路東高等学校 科学部 プラズマ班
コミヤマスミレはなぜミヤマスミレ節に分類されているのか?
兵庫県立小野高等学校 スミレ班

●努力賞論文
大蛇ヶ原湿原の植生は40年前の姿を残していた
北海道札幌南陵高等学校 科学部
ドミノ倒しの複雑な伝播現象を解明
岩手県立一関第一高等学校 理数科 物理1班
デジタルカメラでの流星の分光画像撮影
宮城県古川黎明高等学校 自然科学部 流星班
もうカロリーを気にしない!ダイエットチョコ
山村学園 山村国際高等学校 生物部
深層強化学習モデルにおける報酬設定の自動化に挑む
広尾学園高等学校
植物の葉の付き方「葉序」が展開能に優れている理由
東京都立武蔵高等学校
S12=S3のような「美しい関係式」はなぜ成り立つのか
滋賀県立彦根東高等学校
「寺田寅彦にささげる」線香花火の研究
仁川学院高等学校
瀬戸内海に流れ込む砂の軌跡
兵庫県立姫路東高等学校 科学部 砂粒班
植物の匂いは農薬として使えるか?
岡山県立井原高等学校 生物同好会 植物班
南海トラフ大地震に備えマグネシウム空気電池を改良
愛媛県立西条高等学校
「肱川あらし」の出現原理を探る
松山聖陵高等学校 科学研究部 肱川あらし班
「水のはね上がり」を科学する
愛媛県立松山南高等学校 水滴班2020
砥部焼を温かみのある赤色釉薬で覆いイメージ刷新
愛媛県立松山南高等学校 砥部焼梅ちゃんズ

●第19回神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞
団体奨励賞受賞校、応募論文一覧
神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞の概要
おわりに 引地史郎

はじめに

神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞 事務局

2020年は、コロナで明けコロナで終わった一年でした。人も物流も経済もグローバルな方向に進んでいた世界が、あっという間にコロナの渦に巻き込まれ、あらゆる面で今までの「普通」とは何だったのか?を問い直すことになった一年でした。
当コンテストの対象となる全国の高校生諸君においても、大きな変化や新しい経験が相次いだことでしょう。本学も大学キャンパスは閉鎖され、講義もすべて遠隔講義となり、対面による人的交流が不可能な事態となりました。
このように学校教育の現場が大きな混乱状態にある中で、本年度も全国98校の高等学校から秀逸なる論文の提出を頂き、その総数は222件を数えました。これは、参加校数・論文数においても、過去最高です。私たちの予想を上回る応募に驚くと同時に心から感謝いたします。生徒諸君のたゆみない努力と精進の結果と感服するとともに、ご指導頂いた各先生諸氏のご尽力に改めて敬意を表します。

さて本年度も素晴らしい内容の論文が数多く提出されました。提出された論文は、学内に組織された専門委員会での専門の立場からの詳細な審査に引き続き、選ばれた優秀な論文を課題の選択法、論文の展開法、結論の正確さ、さらには科学用語、単位系の厳密さなどといったことに加えて、高校生らしい研究論文のあり方などを最終審査の基準にしながら最優秀賞1編、優秀賞3編が決定しました。あわせて努力賞14編が選ばれましたが、これらの中には、優秀賞と遜色ないものも含まれ、今後の発展次第では素晴らしい論文になるとの評価が下されたものばかりでありました。加えて、団体奨励賞4校も選ばれております。受賞された皆さん、本当におめでとうございます。

今般のコロナ禍においても、問題解決のためにさまざまな科学的思考・研究・実践が積み重ねられています。そのような弛みのない歩みの先に私たち人類の未来があるのです。身近な課題や問題を発見し、実験や観察を繰り返す中で、科学的思考は鍛えられていきます。

皆さんの一歩一歩がいずれ大きな人類的課題を解決するかもしれません。このコンテストや書籍がその一助になれば幸いです。これからも、どんどん独創的な研究をお寄せください。

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