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工学教育と産学連携
表面工学研究の半世紀

定価(税込)  1,650円

著者
サイズ 四六判
ページ数 352頁
ISBNコード 978-4-526-08126-2
コード C3050
発行月 2021年03月
ジャンル 金属 機械

内容

関東学院大学は工場を持つ大学、産学協同のルーツともいえる。そこで表面処理の分野、特に「めっき」の研究を精力的に行い、プラスチックへのめっき方法を世界に先駆けて工業化し、その後エレクトロニクス実装技術発展に大きく貢献した著者が、これまでの考えを研究・教育等の切り口でまとめる。

本間英夫  著者プロフィール

(ほんま ひでお)
一九四二年富山県生まれ。一九六八年関東学院大学工学研究科工業化学専攻修士課程修了。同年より助手、専任講師を経て、一九八二年大阪府立大学で工学博士の学位を授与された後、関東学院大学工学部教授に就任。表面処理の分野、特に「めっき」の研究を精力的に行い、プラスチックへのめっき方法を全世界に先駆けて工業化し、その後エレクトロニクス実装技術の発展に大きく貢献した。また、産学協同研究にも積極的に取り組み、これらの業績は国内外の主要な関連学会の学会賞、論文賞として高く評価されている。主な受賞歴は表面技術協会論文賞、協会賞、エレクトロニクス実装学会論文賞、特別賞、国際表面処理サイモンワーニック賞、アメリカ電気化学賞、産学官連携特別賞、神奈川文化賞など多数。二〇〇二年から表面工学研究所所長、二〇一二年から材料・表面工学研究所所長。現在、特別栄誉教授、研究所顧問。
主な社会活動として経産省管轄公害委員、サポイン委員長、臨時審議委員、特許庁高密度配線板調査委員長、神奈川県技術アドバイザー、研究調和型研究顧問、技術審議委員、関連学会の副会長、会長、海外関連学会リサーチボードメンバー、文科省および経産省管轄化学関連財団理事などを歴任。

目次

【第1編】工学教育と産学連携
第1章 工学教育について
第2章 大学の舵取り
第3章 企業の技術者養成
第4章 技術環境の整備を
第5章 下請け産業から提案型産業へ
第6章 ハイテク日本の復活

【第2編】研究所設立と産学協同、技術開発から特許まで
第1章 研究所の設立に向けて
第2章 技術の伝承と推進 その評価
第3章 環境を意識したものづくり
第4章 大学の教育と企業のニーズ
第5章 さらなる展開、改革に向けて
第6章 表面処理関連の企業と共に―技術力の向上を―
第7章 セレンディピティー
第8章 新しい技術の展開
第9章 特許について―アンチパテントからプロパテントへー

あとがき


はじめに

二〇一二(平成二四)年に七十歳で定年を迎えた際の節目として、これまで関東学院大学 材料・表面工学研究所のホームページにアップしてきたエッセイ『雑感シリーズ』の原稿を加筆修正し、最後の作品との思いで『教育研究と産学連携の軌跡―次世代に伝えたい50の提言』と題し、関東学院大学出版会から上梓しました。当時は横浜市工業技術支援センターの一階から三階までのフロアーをレンタルし、産業界からのサポートのもと、自助努力で研究所を運営していました。そんな折、「法学部があった小田原キャンパスを国際研究研修センターとして活用するので、研究所を移設してくれないか」と大学から要請され、四年前に小田原へ。研究設備、研究スタッフも揃い、さらには大学院博士後期課程も立ち上がったことで、私自身は身を引くつもりでした。
ところが、この本の中でも少し触れましたが、もうしばらく教育と研究の環境整備に尽くさなければならない事情が出てきました。さらには新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい、企業に対する講演会、コンソーシアムの活動、経営者や技術者等の打ち合わせなどのほとんどは、オンラインでの交流にならざるを得ない状態になりました。時間に大幅に余裕が出てきたので、「ピンチをチャンスに」と、五十年以上にわたる教育と研究、産業界との連携の内容を改めてまとめることにしました。教育と研究に重心を置いているために硬い文章になってしまいましたが、半世紀にわたる教育研究さらには産学連携に携わってきた軌跡となっています。
少子高齢化の教育研究はいかにあるべきか、日本のものづくりが発展するには何をするべきか、中小企業の明日はどうあるべきか、産学連携の進め方はどうあるべきか等々について、これまで学生と共に行ってきた、研究内容および特許に関する考え方や実績に絡めてまとめました。『教育研究と産学連携の軌跡―次世代に伝えたい50の提言』の内容と重複する部分もありますが、これまでの半世紀にわたる研究と教育の軌跡を本書ではさらに詳しく記しています。読み物としては面白みに欠けますが、経営者、技術者、教育・研究に携わる方々に、目を通していただければ幸いです。

二〇二一年 春
本間英夫

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