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カラー版 目で見てナットク!はんだ付け作業

定価(税込)  2,090円

著者
サイズ A5判
ページ数 126頁
ISBNコード 978-4-526-08121-7
コード C3054
発行月 2021年03月
ジャンル 電気・電子

内容

電子機器の製造に欠かせないはんだ付け作業について、実際のはんだ付け作業を豊富なカラー写真とともに解説する。作業に必要な道具の選び方、作業方法や実際の不具合を見ながら、正しいはんだ付けが理解できる。

野瀬昌治  著者プロフィール

(のせ まさはる)
滋賀県東近江市出身。島根大学 理学部物理学科卒業 専攻は固体物理学。

大手制御機器メーカーの下請け企業を創業した父の元、製造業経営者の背中を見て育つ。NPO日本はんだ付け協会を設立後、10年で4,000人以上にはんだ付け講習を行ってきた経験から、わかりやすくはんだ付けの基礎知識・技術を教える腕を磨く。長年我流ではんだ付けをやってきた技術者、あるいは初心者に誤解や勘違いされないように正しいはんだ付けの基礎知識を伝えることに定評がある。

ハンダゴテを使ったはんだ付けの専門家として活動し、企業のはんだ付け技能教育に手腕を発揮。一部上場の自動車メーカー、電機メーカー、家電メーカー、JR、TV放送局をはじめ、「タモリ倶楽部」などではんだ付け講師を務める。はんだ付けをわかりやすく教えることにかけては右に出る者はいない。毎年400人以上の受講者にはんだ付け技術を指導し、はんだ付けの業界では「はんだ付け職人さん」と呼ばれている。

「はんだ付けに光を!」「はんだ付けに対する誤解・勘違いを撲滅する!」という理念のもと、わかりやすいはんだ付け教育教材の開発に力を注いでいる。原因不明のはんだ付け不具合、クレームに苦しむ企業への理論的で的確なアドバイスにより、「はんだ付けの良し悪しを判断できるようになった」「はんだ付け作業に自信が持てるようになった」「はんだ付けの道具選びがいかに大事かが理解できた」「お客様からの信頼度が向上した」「はんだ付けが楽しくなった」という声が絶えない。

観るだけではんだ付けが出来るeラーニングや、DVD版の「はんだ付け基礎知識講座」も累計5,000枚以上を販売。大手メーカー、大学でも多数採用されている。


著書:
『目で見てわかるはんだ付け作業』(金属・鉱学部門amazonベストセラー1位)
『目で見てわかるはんだ付け作業-鉛フリーはんだ編-』
『目で見てわかるはんだ付け作業の実践テクニック』(いずれも日刊工業新聞社)
『「電子工作」「電子機器修理」が、うまくなる はんだ付けの職人技』(技術評論社)
『はんだ付け職人の下請け脱却プロジェクト: 発明も特許も要らない! 自社商品の作り方』(kindle版)

目次

目次

【第1章】はんだ付けの接合原理
1-1 はんだ付けとは
1-2 はんだの材質と融点(融ける温度)
1-3 はんだ付け接合
1-4 はんだ付けに適した温度
第1章のまとめ ここに気をつけましょう

【第2章】ハンダゴテの選び方と温度の調整
2-1 ハンダゴテ選びの重要性
2-2 コテ先温度を250℃に設定して使用すると?
2-3 コテ先温度を上げてみると?
2-4 使いやすいハンダゴテとはんだ付けに最適な温度
第2章のまとめ ここに気をつけましょう

【第3章】コテ先の選び方と使用例
3-1 コテ先には様々な形のものがある
3-2 コテ先を正しく選ぶ基準
3-3 揃えておくと便利に使えるコテ先の種類と使用例
第3章のまとめ ここに気をつけましょう

【第4章】コテ台の選び方とお手入れ
4-1 コテ台を選ぶ基準
4-2 コテ先の掃除
第4章のまとめ ここに気をつけましょう

【第5章】フラックス
5-1 フラックスとは
5-2 フラックスの役割
5-3 フラックスの上手な使い方
5-4 フラックスの塗布
5-5 フラックス残渣
第5章のまとめ ここに気をつけましょう

【第6章】はんだ付けの仕上がり状態
6-1 フィレットの形成
6-2 不具合の原因①-熱不足
6-3 不具合の原因②-加熱しすぎ(オーバーヒート)
6-4 不具合の原因③-はんだ量過多(多すぎる)
6-5 不具合の原因④-はんだ量過少(少なすぎる)
6-6 不具合の原因⑤-母材への濡れ不良
第6章のまとめ ここに気をつけましょう

【第7章】はんだ付け作業の実例
7-1 はんだ付け作業の準備
7-2 チップ抵抗(表面実装)のはんだ付けの例
第7章のまとめ ここに気をつけましょう

【第8章】はんだ付けと健康
8-1 作業時に注意すること
第8章のまとめ ここに気をつけましょう

はんだ付け基本用語(50音順)
索引

豆知識1 はんだ付けと毛細管現象
豆知識2 濡れ(ヌレ)の良し悪し
豆知識3 共晶とは?
豆知識4 様々なはんだの使用形態
豆知識5 はんだ付けの道具の名称
豆知識6 ウィック(Wick)の使い方

はじめに

「はんだ付け」は、中学校や高校の授業に取り入れられることが多く、仮に私が「はんだ付けできる?」と尋ねれば、「できるよ」「やったことある!」という答えが返ってくるのではないでしょうか? このように、はんだ付けは広く一般の方にも馴染みのある技術であり、世の中の電機・電子機器の製造において欠かせない技術でもあります。 はんだ付けの高い技術があったからこそ現代の便利な電機・電子機器が発展、普及してきたと言っても過言ではありません。
はんだ付けの歴史はとても古く、発祥は紀元前3,000年頃(今から5,000年前!)にまで遡ります。 はんだ付けは長い歴史を持ちつつ、現在でも最先端の分野では代替え不可の技術であり、 今もなお進化を続けている非常に奥の深いものです。
このように、世の中の電気製品には必ずと言ってよいほど使われているはんだ付け技術ですが、「はんだは、なぜくっつくの?」「はんだ付けの良否は、どうやって判断するの?」「はんだ付けしてみたけど、これはOKなの?」といった基本的なことを知っている人は意外に少ないのです。
私は、一般の方と電話やメールでお話ししたり、電気・電子機器メーカーの方や、はんだ付けセミナーで受講生の方々とお話をしたりするうち、世間一般の方がはんだ付けに対して誤解していることがとても多いことに気付かされました。おそらく、およそ99%の人が誤解・勘違いをしているだろうと考えています。
確かに、はんだ付けは一見すると金属を融かし、その金属が固まることでくっついているように見えます。溶接や接着剤と同じようなものだと錯覚してしまっても不思議ではありません。
しかし、その誤解・勘違いがはんだ付けを難しく感じさせる一番の要因になっています。そこで、はんだ付けを楽しんだり、高性能な電気・電子機器を製造したりするためには、正しいはんだ付けの基礎知識を広く一般の方やメーカーの方に知っていただく必要があると考え、本書を執筆しました。
これからはんだ付けを始められる方、はんだ付け作業に興味を持った方、数十年はんだ付け作業に携わってきた方にも、本書を通じて少しでも「ああ、そうだったのか!」と思って頂けたら大変嬉しく思います。

★工業的技術としてのはんだ付け
(趣味ではんだ付けされる方は、ここは読み飛ばしていただいても結構です。)
はんだ付けはISO9001(国際標準化機構)の中で「特殊工程」に位置付けされています。具体的には、はんだ付け作業に携わる作業員にはスキル管理が必要であり、スキルの確認と資格認定が必要であるとされています。
特殊工程とは「見た目で品質が判断できない技術」のことを指します。例えば、ペンキ塗りも特殊工程の一つです。ペンキ塗りは我々素人でも出来るように思えますね。


刷毛を使って塗ってやれば、そこそこの出来栄えに仕上がります。しかし、ペンキ塗りのプロは、サビ落としや下地処理、適切なペンキの素材選択、マスキング処理など、我々素人よりも多くの必要な手順を踏んで作業を行います。このため、我々素人が塗ったペンキは2~3年でベロリと剥がれるなどの不具合が発生する恐れがありますが、プロの塗ったペンキは長期間美しさを保ちます。このように、決められた作業手順によって正しく作業するしか品質を確保できない作業を「特殊工程」と呼びます。
その他の特殊工程の例としては、溶接やメッキなどが挙げられます。こうした、溶接やメッキには国家資格があるわけですが、どうしたわけか「はんだ付け」には国家資格がありません。
はんだ付け技術は、例えるなら寿司職人の修行のようにベテランの職人や先輩の下で作業を真似ることで覚える「目で見て盗め」という教育が長年続けられてきました。(学校の先生でさえ例外ではありません。)「飯炊き3年、握り8年」の世界です。現在でもはんだ付けを理論的に学ぶことのできる機会は非常に少ないのが現実です。このような状況で、はんだ付けのスキルを管理することが出来るのか? というのははなはだ疑問です。
冒頭でもお話ししましたが、はんだ付けは誤解や勘違いが非常に多い技術です。電気・電子機器メーカーでも、誤解や勘違いがはんだ付けの不具合を発生させる一番の原因になっています。
正しい基礎知識を学ぶことは非常に重要です。例えば先ほどの「飯炊き3年、握り8年」の寿司職人の話に戻りますと、実際に理論的な指導を行うことで、3か月で江戸前寿司の職人を養成する学校がTVでも紹介されていました。この学校では、寿司を握るための最適な道具や温度条件(例えば、何グラムの寿司飯を炊いて、寿司飯の温度が何℃まで下がったら酢を何CC投入する……といったこと)、魚のおろし方、材料の良しあしの見分け方などを理論的に学びます。こうして学んだ職人さんが、開業してすぐにミシュランの星を取る例もあるそうです。
スポーツや武道の世界でも同じです。我々の世代は、「練習中は水を飲むな!」「うさぎ跳びで足腰を鍛えろ!」と根性論で練習をやらされていました。しかし、現在ではプロやオリンピックの選手は科学的にトレーニングしないと勝てなくなってきています。
結論を言いますと、はんだ付け技能を身に付けるためには次の3つが必要です。
1:正しいはんだ付けの基礎知識を学ぶ
2:正しい道具選びができるようになる(道具で8割は決まる)
3:正しい道具の使い方を学ぶ
本書では、正しいはんだ付けの基礎知識についてお話しします。それでは始めましょう。

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