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幾何公差<見る見るワカル>演習100

定価(税込)  2,640円

著者
サイズ A5判
ページ数 222頁
ISBNコード 978-4-526-08111-8
コード C3053
発行月 2021年02月
ジャンル 機械

内容

「幾何公差」の正しい理解とその指示方法を解説した演習形式の学習本。2頁(裏表頁)で1つのテーマを理解するための本で、演習形式ではあるが、テキスト本としても使える。また、理論がわかっても実践できない読者のために、従来の指示方法との違いを1つひとつ理解して乗り越えていけるように丁寧に解説している。

小池忠男  著者プロフィール

(こいけ ただお)
長野県生まれ。
1973年からリコーで20年以上にわたり複写機の開発・設計に従事。その後、3DCADによる設計生産プロセス改革の提案と推進、および社内技術標準の作成と制/改定などに携わる。また、社内技術研修の設計製図講師、TRIZ講師などを10年以上務め、2010年に退社。
ISO/JIS規格にもとづく機械設計製図、およびTRIZを活用したアイデア発想法に関する、教育とコンサルティングを行う「想図研」を設立し、代表。
現在、企業への幾何公差主体の機械図面づくりに関する技術指導、幾何公差に関する研修会、講演等の講師活動に注力。
製造科学技術センター(MSTC)計測技術検討委員会 委員。
著書に、
・「実用設計製図 幾何公差の使い方・表し方 第2版」
・「わかる!使える!製図入門」
・「“サイズ公差”と“幾何公差”を用いた機械図面の表し方」
・「これならわかる幾何公差」
・「はじめよう!TRIZで低コスト設計」(共著)
・「はじめよう!カンタンTRIZ」(共著)
(いずれも日刊工業新聞社刊)。

目次

【HOP】
レベル1 40問
《図表》幾何公差を用いた設計要求の表し方
001:幾何公差が規制対象とする形体とは
002:データムに指定されている形体は外殻形体か誘導形体か
003:幾何公差の公差記入枠が指示する形体は何か
004:複数の軸線が存在する場合の真直度の指示方法
005:円筒部品に対して2つある真直度の指示方法
006:真直度を用いて2つの軸線を真っすぐに規制する指示方法
007:円すい形状をした形体に対する幾何公差の指示方法
008:円筒部品に指示された円筒度公差の公差域とは
009:2つの軸線の共通軸線に対する同軸度の指示方法
010:図示で同軸上にある2つの軸線の同軸度の指示方法
011:傾斜した表面への位置公差と姿勢公差の指示方法
012:円筒の軸線や平面の、平面に対する直角度の指示方法
013:軸線に対する姿勢公差の正しい指示方法
014:データム平面に直角な形体と平行な形体の姿勢公差の規制
015:データム軸直線に対する軸線の姿勢公差の指示方法
016:外側形体と内側形体のある部品での同軸度と直角度の指示方法
017:傾斜した面の姿勢の規制
018:直交するデータムに対する姿勢公差の指示方法
019:円筒穴のある部品における位置度、円筒度等の指示方法
020:2つの中心面を基準にした円筒の軸線への対称度の指示方法
021:規制対象と公差域を考慮した正しい指示方法
022:球体の中心の位置の指定範囲内への規制
023:同軸上に複数ある軸線への位置度を用いた規制
024:曲面上の曲面形体の輪郭の規制
025:曲面上の線要素の輪郭の規制
026:両端の軸線を共通データムとする円周振れの指示方法
027:軸線と直角にある表面の円周振れの指示方法
028:内側形体と外側形体をもつ回転部品への正しい幾何公差指示
029:姿勢公差と振れ公差のある部品への幾何公差指示
030:規制対象の形体が外殻形体か誘導形体かを明確にした指示方法
031:円すい形状をした部品に対する振れ公差の指示方法
032:円すい形状をした形体に対する円周振れの指示方法
033:複数の形体をデータムに設定する指示方法
034:鼓形状をした外側形体表面の形状の規制
035:円すい形状をした部品に対する形状公差の指示方法
036:円すい形状をした形体に対する真円度の指示方法
037:データム設定により拘束される自由度
038:データム指示により設定されるデータム系と拘束される自由度
039:データム指示により設定されるデータム系と拘束される自由度
040:ゼロ幾何公差方式を適用した真直度公差と同等の指示方法

【STEP】
レベル2 40問
《図表》幾何公差・サイズ公差・はめあい関連図
041:製作された部品の円筒穴の測定データからの公差値の推定
042:?と?が指示された図示における検証ゲージについて
043:規制形体が複数の場合の位置公差と姿勢公差の新しい指示方法
044:一方向に公差域がある場合の位置度公差の指示方法
045:二方向に公差域がある場合の位置度公差の指示方法
046:表面に対する真直度公差と平面度公差の指示方法
047:回転部品に対する位置度、同軸度、直角度の指示方法
048:水平・垂直二方向の公差域を要求する位置度の指示方法
049:離れて複数ある表面をデータム平面に設定する方法
050:複数形体を規制対象とする面の輪郭度の指示方法
050:複数形体を規制対象とする面の輪郭度の指示方法
051:輪郭度を用いて固定と変動の2つの公差域を指定する方法
052:傾斜面に対する位置度と傾斜度の2つの指示方法
053:傾斜した円筒穴に対する位置度と傾斜度の指示方法
054:対称度指示における参照データムの正しい選び方
055:第2次、第3次データムに指定するデータム形体の指示方法
056:公差域が直角二方向となる直角度の指示方法
057:傾斜度の基本的な指示方法
058:部品内の円筒形体を正確に位置付ける図示方法
059:段差のある表面をデータム平面に設定する位置度の指示方法
060:測定データからの位置度公差の推定
061:複数形体に対して内部拘束を要求する位置度公差の指示方法
062:複数形体に対して異なる幾何公差を同時に要求する指示方法
063:複数形体に対する同時要求の幾何公差の指示方法
064:複数形体に対して幾何公差を同時要求する指示方法
065:複数形体に対して幾何公差を同時要求する指示方法
066:冗長性のないデータム参照についての指示方法
067:データム指示とデータムターゲットの正しい使い方
068:第2次データムと第3次データムの正しい設定方法
069:包絡の条件と幾何公差とが一緒に指示された場合の意味
070:包絡の条件と幾何公差とが一緒に指示された場合の意味
071:最大実体公差方式が指示された場合の幾何公差の意味
072:最大実体公差方式が指示された場合の幾何公差の意味
073:複数の形体に対する面の輪郭度の指示方法
074:円筒形体への位置度と輪郭度の2つを要求する指示方法
075:参照するデータムを姿勢拘束限定とした場合の指示方法
076:穴部品と軸部品のはめあいの達成
077:内側形体を検証する機能ゲージの設計寸法
078:面の輪郭度で公差域を不均等に配分する場合の指示方法
079:大きな固定公差域と変動する小さな公差域を指示する方法
080:大きな固定公差域と変動する小さな公差域を指示する方法

【JUMP】
レベル3 20問
《図表》「複数形体」に対する指示の進め方
081:三平面データム系の設定方法
082:複数の形体に対する位置度と輪郭度を用いた規制方法
083:面の輪郭度で公差域の大きさを連続的に変化させる指示方法
084:面の輪郭度で公差域の大きさを連続的に変化させる指示方法
085:最大実体公差方式で共通データムを参照する場合の指示方法
086:面の輪郭度を用いた複数形体に対する個別要求事項の指示方法
087:誘導形体である軸線を規制する輪郭度公差の指示方法
088:誘導形体である中心面を規制する輪郭度公差の指示方法
089:公差域を不均等配分する面の輪郭度の指示方法
090:複数形体に対する公差値の異なる位置度公差の指示方法
091:公差値の異なる位置度公差指示を相互に関係付ける指示方法
092:公差域の形が異なる複数形体に対する同時要求の指示方法
093:離れて存在する2組のパターン形体に対する指示方法
094:離れて存在する2組のパターン形体に対する同時要求の指示方法
095:離れて複数ある同じパターン公差域への同時要求の指示方法
096:極限で隙間なしではまり合う軸部品と穴部品の公差設定
097:極限で隙間なしではまり合う軸部品と穴部品の公差設定
098:極限で隙間なしではまり合う部品同士の組立における公差設定
099:最大実体公差方式?における検証ゲージ
100:?と?が指示された円筒穴とねじ穴がある部品の検証ゲージ

用語集
参考資料
索引

はじめに

 図面に記載された内容は、それを受け取る人にとって、非常に重要な伝達情報である。規則にしたがって、きちんと記載されていることによって、その内容を誤解なく伝えることができる。設計者の意図を正確に表現し、それが正確に解釈されることによって、はじめて設計意図通りの部品・製品がつくられる。
 いま、機械図面において、“形状がどうであればよいか”、“どこまで許容するか”、これを明確に表現する確かな方法が、“幾何公差”を用いることである。今まで、“寸法公差を中心とした機械図面”をつくってきた機械設計者にとって、この“幾何公差を使いこなすこと”は、容易なことではないようだ。
 幾何公差を図面に取り入れていただくために、ここ十数年以上にわたって、数多くの機械設計者に働きかけ、接してきた。その中で、多くの設計者の悪戦苦闘している様子を見せられ、幾何公差を取り入れた図面にすることが、いかに難しいかを実感した。

 しかし、この苦闘は避けて通れないものだ。世界は着実に“幾何公差を主体とした機械図面”へと進んでいる。図面の世界での共通言語に精通することなしに、世界におけるモノづくりには生き残っていけない。
 実際の図面において、幾何公差を活用できるようにするためには、該当する規格や書物を読んだだけでは、なかなか身につかない。では、どうすればよいか。その1つの方法は、演習問題に数多く取り組むことではないだろうか。筆者は幾何公差に関する図面指導や講習会をしながら、演習問題になりそうなものを少しずつノートに書き溜めてきた。ここに取り上げたのは、その中から選んだ100問である。一部は、身の回りにある書籍に載っている図例をヒントにしたものもある。

 設問は全体を3段階に分けて、初級レベルから中級および上級レベルの内容を用意した。これを陸上競技の“三段跳び”になぞらえて、Hop(レベル1)、Step(レベル2)、Jump(レベル3)とした。
 幾何公差が初めてという方は、まずレベル1を確実に身につけてほしい。既にわずかでも幾何公差を使って図面をつくっている方は、レベル2までしっかり理解していただきたい。さらに、幾何公差に関する“世界の最近状況”までを踏まえて理解したい方は、レベル3まで確実にやり遂げる、そんな姿勢を期待する。

 筆者は今回はじめて、“演習問題を主とした書籍”を、世に出すことになった。私にとっては、まさにHopの段階であり、多くの方々の知恵を活用させていただいた。原稿の段階で、亀田幸徳、三瓶敦史の両氏に見ていただき、多くの貴重な意見をいただいた。たいへん感謝している。最後に、出版に際して日刊工業新聞社の方々にも随分とお世話になったので、お礼申し上げる。

2020年12月 コロナ禍において
小池 忠男

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