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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい包装の本 第2版

定価(税込)  1,650円

著者
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サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-08101-9
コード C3034
発行月 2020年12月
ジャンル その他 ビジネス

内容

包装は、中身を保護したり、便利に持ち運んだり、中身の素性や取扱いなどを説明したりと私たちの日常生活に不可欠なものだ。本書は、その包装の基礎から、近年の異物混入防止包装、包装をめぐる省資源・省エネ化、そして環境問題までをわかりやすく図解で解説していく。

石谷孝佑  著者プロフィール

(いしたに たかすけ)
日本食品包装協会 理事長

1943年鳥取県生まれ、農学博士
1967年東京農工大学農芸化学科卒。農水省食品総合研究所入所、1980年同研究所食品包装研室長。1990年農業研究センター総合研究チーム長、1996年同作物生理品質部長。1999年国際農研企画調整部長・副所長。2002年日中農業研究センター首席顧問(北京)。2005年より現職、フードシステム学会理事、青果物鮮度保持包装研究会会長、農流技研理事、食品産業センター評議員など
編著書に「食品と包装」(1982)、「食品包装便覧」(1988)、「機能性・食品包装技術ハンドブック」(1989)、「食品工業総合事典」(1993)、「食品包装用語辞典」(1993)、「最新機能包装実用事典」(1994)、「包装技術便覧」(1995)、「機能性・食品包材の開発と応用」(1998、新版2006)、「食品と乾燥」、「食品と熟成」(2008)、他多数

水口眞一  著者プロフィール

(みなくち しんいち)
水口技術士事務所 所長

1938年神奈川県生まれ、技術士
1960年凸版印刷入社、技術部長、販売促進部長、開発部長、研究所所長を歴任し、2005年東京自働機械製作所に企画部長として入社。日本技術協会技術参与、日本包装機械工業会参与、日刊工業新聞社「包装技術学校」副委員長、技術士包装物流会元会長、日本食糧新聞社表彰審査委員など
編著書に「包装実務ハンドブック」(2001)、「リサイクル・省資源包装」(2001)、「機能性・環境対応方法材料」(2001)、「輸送・工業包装の技術」(監修、2002)、「包装機械とメカニズム」(2002)、「パッケージ」(2004)、「Q&A規制・基準の手引き(加除式)」(2000~現在)、「包装技術学校テキスト12冊」(1990~2010)、他多数

大須賀 弘  著者プロフィール

(おおすが ひろし)
大須賀技術士事務所 所長

1938年生まれ、技術士
1961年ユニチカ入社、フィルム事業開発室、フィルム技術サービス課長、プラスチック技術サービス部長、プラスチック事業本部理事を経て、1996年定年退社。1997年、ニットーパック入社、茨城工場長、管理責任者としてISO9001認証取得、2001年退社。
ISO9000審査員、日本食品包装協会顧問、神山包装材料技術顧問
編著書に「包装環境便覧」(1994)、「食品包装とPL法」(1995)、「包装技術便覧」(1995)、「食品・医薬品包装ハンドブック」(2000)、「包装実務ハンドブック」(2001)、「新・食品包装用フィルム」(2004)、「包装材料評価法の科学」(2009)、他多数

目次

【第1章】包装にはどんな目的があるのか?
1 包装とは 「そもそも包装ってな~に!!」
2 包装に使われる資材とは 「どこまでを包装というの?」
3 大昔、昔の包装 「包装っていつからあるの?」
4 20世紀の包装 「プラスチックが包装を変えた」
5 21世紀の新しい包装 「新しい機能が包装を変えた」
6 もしも包装がなかったら 「なぜ包装はなくてはならないのか?」
7 包装を分類してみた 「包装にはどんな種類があるの?」

【第2章】包装の半分以上は食品用途
8 包装は保護性が最重要機能 「食品包装では内容物の保護が最も大切」
9 食品の品質を守る様々な保存法 「様々な食品が包装され流通される」
10 食品を微生物の被害から守る包装 「細菌・酵母・カビから守る」
11 食品を化学的変質から守る包装 「酸化 ・ 変色から守る」
12 食品を物理的変質から守る包装 「破損・吸湿・移り香から守る」
13 食品を人為的な危害から守る 「異物 ・ 毒物の混入から守る」
14 いつでもどこでも使えるのが商品包装 「商品の持ち運びやすさ ・使いやすさ」
15 商品を演出する快適機能 「きれいに見せる、きれいに処理する」
16 食品の表示も快適性 「情報伝達も大きな包装の役割」

【第3章】包装に使われる包装材料
17 包装に使われる様々な材料と原料 「紙・プラスチック・金属・ガラス・木製容器・陶器」
18 スチールを使った容器(缶、箔、ラミネート缶)、コンポジット缶 「最も保存性に優れた金属容器」
19 アルミを使った容器(缶、缶蓋、箔) 「優れた加工性と遮断性に優れるアルミ資材」
20 ガラス容器 「ワイン容器としては3500年前から」
21 薄膜蒸着(アルミ、シリカ、アルミナ) 「極薄膜による抜群の酸素遮断性」
22 紙は万能な包材 「包装資材の約半分を占める紙」
23 輸送包装は段ボール箱が主役 「段ボール包装」
24 紙袋・ 紙器、紙管など 「分解性の紙容器が増加」
25 プラスチック包材 「プラスチックがなければ機能性を満足できない」
26 プラスチックフィルム・シート 「インフレーション法とTダイ法」
27 プラスチック単体フィルムと複合品 「複合品は新しいフィルムの登場!」
28 プラスチックトレイとカップ 「様々な加工法で安価な薄肉容器」
29 プラスチック成形容器(ボトル等) 「プラスチックはどんな形にもなる」

【第4章】包装されているものにはどんなものがあるのか?
30 食品の保存は微生物と酸素との戦い 「食品の種類は多様、微生物との闘い」
31 便利さを求めるテイクアウト食品の包装 「テイクアウト食品の種類と包装効果」
32 いつでもどこでもロングライフ食品 「災害にも役立つロングライフ(LL)食品」
33 かび、酵母の繁殖を抑え、酸化・変色を防止 「長持ちする中間水分食品と半生菓子」
34 高品質な日本の乾燥食品と包装 「乾燥食品の種類とメリット」
35 食品の匂いの変化の要因と風味を保つ包装 「良い匂いを逃がさない、悪臭を造らない、移さない」
36 青果物の鮮度保持包装 「青果物の鮮度を保持する包装技法」
37 医薬品の種類 ・特性と医療品の包装 「使いやすく、安全で安心が最重要」
38 日用品てな~に、日用品の包装 「日用品は、食料品、医薬品、衣料品以外の生活雑貨」
39 日用品の容器は詰め替え用が普及 「今や洗剤・シャンプーは詰め替えがほとんど」
40 家電・精密機械への包装 「様々な家電の特性に合わせる」
41 静電気を嫌う電子部品の包装 「静電気対策が基本の電子部品包装」
42 贈り物に対する包装 「真心を伝える贈り物の包装とは」
43 液体の輸送包装:BIB、BIC、BID、ポリ容器など 「いまや通いが主流の業務用液体容器」
44 輸送包装における重量物包装 「産業用途の粉体・粒体の輸送に活躍」
45 コンテナ、木箱 ・ 木枠など 「大型物品の輸送効率化に活躍するコンテナなど」


【第5章】包装機械を中心とする包装システム
46 計量 ・ 計数と充填方法 「中身によって計量・充填方法が異なる」
47 粉粒体、粘体、液体への包装機 「袋 ・ 容器を作り商品を入れる包装システム」
48 固体 ・ バラ物への包装機 「横形ピロー包装、上包み包装」
49 真空・ガス置換包装システム 「袋内の酸素をなくし、酸化を防ぐ包装」
50 容器成形・充填・封緘する包装システム 「衛生 ・ 安全のための成形 ・ 充填 ・ 封緘システム」
51 食品の無菌充填包装システム 「クリーン包装(無菌化包装)すると常温で長持ち」
52 レトルト殺菌包装システム 「包装食品を超高温殺菌すると常温で長期保存が可能」

【第6章】様々な機能性包装
53 多様なニーズから様々な機能性包装が生まれる 「機能性包材の種類と機能」
54 ガス遮断包材と用途 「酸素から味、色、香りの変化を防ぐ脱酸素剤の包材」
55 衝撃材料の種類と緩衝包装 「壊れないように優しく包む」
56 電子レンジ適性 ・オーブン適性包装 「耐熱性と蒸気抜きが重要」
57 防湿包装と水分調整包装 「乾いたまま、湿ったままで保存する」
58 悪戯防止包装とチャイルドレジスタント包装 「包装を開けたことがわかる安全機能」
59 人にやさしい包装:ユニバーサル・デザイン 「誰にでも優しい機能を持った包装」
60 携帯性、易開封性、再封性包装 「携帯できる包装あれこれ」
61 ICタグを用いた包装 「無人レジにつながるスマート包装」

【第7章】包装と環境保全
62 包装に関連する資源 ・ 環境問題 「日本の包装廃棄物は資源リサイクルと海洋プラ防止」
63 プラスチックのサーマルリサイクル(ごみ発電) 「大形施設での焼却で発電効率の上昇を狙う」
64 プラスチックごみによる海洋汚染問題 「開発途上国の海洋投棄問題は深刻」
65 バイオプラスチックの利用 「バイオマスからのプラスチックをどう使うか」

【コラム】
●自然界にある包装
●ナイロンの発明裏話
●紙を使った各種容器
●包装材料には何がどのくらい使われているのか?
●包装機械はスーパーマン!
●日本の包装は世界一
●プラスチック海洋汚染の対策について

巻末資料
参考文献
索引

はじめに

改訂にあたって

 初版出版から10年が経ち、この間、世の中の包装に対するニーズは急速に変化し、包装業界も、これを乗り越えるための努力を日々行っています。「もし包装がなかったら」を考えると、コンビニやスーパーマーケットは存在できなくなり、ロスが多く、不衛生な状態でものの受け渡しが行われ、災害などの備蓄もできず、日常生活に支障をきたします。今後はさらに、災害大国の日本において災害備蓄や長期保護を対象にしたロングライフ包装、アクティブ包装、食品ロスの低減対応などの安全・安心を担保した包装が重要視されます。
 環境関連では、地球温暖化対応のさらなる推進と、昨今問題となっている海洋プラスチックごみ、バイオマス利用のプラスチックなどが大きな課題です。高齢化社会が進むなかで誰でも使えるユニバーサルデザイン(アクセシブルデザイン)、簡便性や携帯性なども必要とされます。
 さらに、ICT化が進行する中で、顔などの認証制度やICタグ付のキャッシュレスに対応したスマート包装などもこれからは必要とされます。これら新しいニーズを盛り込んだコンテンツを改訂版に掲載しましたが、縁の下の力持ちの包装を理解していただければ幸甚です。

2020年12月
水口 眞 一

はじめに(初版)

 包装は、私達の日常生活に欠かせないものであり、毎日何かでお世話になっています。毎日食べる食品も必ず包装されていますし、たとえ農家の庭先で売られている裸の農産物でも、必ず袋や箱に入れて持ち帰ります。毎日使う歯磨きから整髪料・化粧品、病院などでもらう薬まで、全てが包装され、パソコンやデジカメなどの精密機器類も、工場から消費者まで届ける輸送中に破損しないよう、しっかりと包装されています。さらに日本では、お礼の品などは心遣いとして包んで渡すことが習慣になっており、包装された商品やお金も風呂敷やに包んで渡します。これは「心を包んで渡す」という日本人の「つつましい」気持ちを表すものといえます。
 このように包装は、非常に重要でいろいろな役割を担っている他、近年では、食品などに異物や毒物を入れられる危害から中身と人を守る意味でも重要になっています。
 包装は、1940年代後半の戦後の荒廃した時代には、缶や瓶、木箱などが便利に再利用されていました。買い物の際の包材として、青果物は新聞紙の再利用、魚介類は経木、肉類は竹の皮、卵はを入れて輸送し新聞紙で包装して渡すなど、天然素材を利用したものがほとんどでした。それが瞬く間にプラスチック包材が便利に使われるようになりました。1950年代の後半には、簡単に食べられるインスタント食品が大量に出回るようになり、インスタント時代といわれるようになりました。このような簡便食品が可能になったのも、ポリセロやポリ塩化ビニリデンなどの優れた包材の開発によるものです。1960年代には、これにポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルなどの優れた包材が加わり、金属缶、ガラス瓶、木箱、紙・紙箱で包装されていたものにも、順次プラスチックや段ボールが普及していきました。
 1970年代になると、国民生活も豊かになり、付加価値の高い様々な商品が作られるようになり、包装にも、機能的に優れ、商品の品質保持・流通に適した包材が強く求められるようになりました。包材の機能も多様化・高度化し、様々な機能を付与した包材が開発されました。同時に包装ゴミの問題も深刻になり、包装廃棄物を処理するために、易廃棄性、易分別性、生分解性などの機能を持った包材も開発されるようになりました。
 1980年代には、当時のバブル経済を反映して、様々な機能性包材を開発する一大ブームが起こり、「日本発の新技術」も数多く開発されました。これらの日本の包装技術が「アクティブパッケージ」として世界に紹介され、欧米ではこれをさらに発展させた技術開発が行われました。
 包装は極めて学際的な技術領域であり、紙・金属・ガラス・プラスチックなどの原材料の製造から、包材原料への一次加工、印刷・製袋・成型等の二次加工、包材の商品への利用等、多くの技術分野の知識と経験が集積されて初めて効果的な「包装」が可能になります。日本の包装技術は、そのきめ細やかさでは世界一になっていますが、包装の技術的発展があまりにも速く、またあまりにもニーズが卑近であり多様であったため、残念ながら体系的に包装の教育を受ける機会がほとんどなく、学問としても充分に発展することなく今日に至っています。
 本書が、包装の日常生活における重要性とその応用範囲の広さや奥深さの理解に役立ち、包装の技術開発や利用を志す方々のお役に立てば、望外の喜びとするものです。

2010年6月       
一般社団法人 日本食品包装協会 理事長 石谷孝佑



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