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攻略!「射出成形作業」技能検定試験
<1・2級>学科・実技試験

定価(税込)  2,860円

著者
サイズ A5判
ページ数 200頁
ISBNコード 978-4-526-08099-9
コード C3053
発行月 2020年12月
ジャンル 資格試験 機械

内容

技能検定試験の職種「プラスチック成形」の中の作業「射出成形作業」における、1・2級の学科試験と実技試験の出題傾向とその対策について解説。必要最低限の技術の基礎を学びながら、学科・実技試験で注意すべき点を紹介する。過去3年分の過去問題付き。

横田 明  著者プロフィール

(よこた あきら)

慶應義塾大学工学部機械工学科卒業
技術士(化学部門、高分子製品)
特級プラスチック成形技能士

大手機械メーカにて、射出成形機の設計、新成形技術研究開発を行った後、その技術展開のため関連会社射出成形工場に責任者として出向。成形品質および生産性向上に寄与。多くの射出成形一・二級技能士も育成。その後、外資系自動車メーカ(担当部門はグローバル部品メーカとしてスピンオフ)に移り、自動車樹脂部品の開発を担当。射出成形部品の成形問題を事前予測して、新規開発に展開する方法を採用することで開発期間の効率化とコストダウンを達成。欧米含むグローバル全社でシニアテクニカルフェロー5人のうちの1人として、アジアをはじめ、欧米、南米などの海外で金型開発、射出成形技術指導を行う。退職後、現場のわかる技術コンサルタントとして、「技能から技術へ」をモットーに指導中。6シグマブラックベルトでもある。ペンネーム、有方広洋(Arikata Koyo)でも出版。

主な著書:
『200の図とイラストで学ぶ 現場で解決!射出成形の不良対策』『プラスチック成形加工 基礎と実務』『射出成形加工の不良対策』『絵とき「射出成形」基礎のきそ』『射出成形加工のツボとコツQ&A』『エクセルを使ったやさしい射出成形解析』『現場で役立つ射出成形作業の勘どころ』『トコトンやさしいプラスチック成形の本』『射出成形大全』(いずれも日刊工業新聞社)など

目次

まえがき

第1章 1・2級技能検定試験について
1.1 技能検定試験「射出成形作業」について
1.1.1 技能検定試験とは
1.1.2 1・2級受検資格
1.1.3 検定試験の概要
1.1.4 合格の基準
1.1.5 合格率
1.2 学科試験の範囲と対策
1.2.1 学科試験の範囲
1.2.2 学科試験内容と試験時間
1.2.3 学科学習方法
1.3 実技試験の概要
1.3.1 実技試験の内容と試験時間

第2章 学科試験の対策
2.1 プラスチック成形法
2.1.1 プラスチック成形のいろいろ
2.2 成形材料
2.2.1 プラスチックとは
2.2.2 各種樹脂材料とその特性
2.2.3 樹脂材料の試験方法
2.3 射出成形機
2.3.1 射出成形機の概要
2.3.2 射出成形機の駆動と制御
2.3.3 電動成形機の駆動
2.3.4 射出成形機の制御
2.4 射出成形機の周辺機器と金型
2.4.1 周辺機器
2.4.2 金型
2.5 成形条件と成形不良
2.5.1 射出成形機と成形条件
2.5.2 成形不良の原因と対策
2.5.3 予備乾燥
2.5.4 アニーリング
2.5.5 色替え、材料替え
2.5.6 計算
2.5.7 測定
2.6 加飾、着色、二次加工、およびインサート
2.6.1 塗装、印刷、接着、除電
2.6.2 めっき、真空蒸着、しぼ
2.6.3 成形材料の着色
2.6.4 プラスチックの溶着
2.6.5 インサート
2.7 電気基礎、品質管理、安全衛生、設計製図JIS、法規
2.7.1 電気基礎
2.7.2 品質管理
2.7.3 安全衛生
2.7.4 設計製図JIS
2.7.5 法規

第3章 実技試験の対策
3.1 技能検定の事前検討
3.1.1 事前情報から予測される成形条件
3.1.2 実技試験作業内容と時間予想、および材料配分
3.2 実技試験の内容
3.2.1 事前準備
3.2.2 検定作業
3.3 成形作業
3.3.1 ショートショット成形からフル充填へ
3.3.2 成形不良の調整と良品選定
3.3.3 X材成形終了後からY材成形へ
3.4 PE材料交換と金型取り外し
3.4.1 PE材料交換
3.4.2 金型の取り外し
3.5 最終提出製品選定と寸法測定、および計算
3.5.1 良品選別と成形品寸法測定
3.5.2 作業の終了と報告

第4章 平成29-31年度技能検定1・2級 プラスチック成形
実技・学科試験問題(射出成形作業)
4.1 平成31年度技能検定1・2級 実技試験問題
4.2 平成31年度技能検定1・2級 学科試験問題
4.2.1 平成31年度技能検定<1級> 学科試験問題
4.2.2 平成31年度技能検定<2級> 学科試験問題
4.3 平成30年度技能検定1・2級 学科試験問題
4.3.1 平成30年度技能検定<1級> 学科試験問題
4.3.2 平成30年度技能検定<2級> 学科試験問題
4.4 平成29年度技能検定1・2級 学科試験問題
4.4.1 平成29年度技能検定<1級> 学科試験問題
4.4.2 平成29年度技能検定<2級> 学科試験問題
4.5 平成29-31年度技能検定 学科試験正解

あとがき

はじめに

 現在では、携帯電話や繊維、家電、自動車、その他あらゆるところにプラスチックが使われており、すでにプラスチックなしでは生活できないのが現状である。そのプラスチック成形の中でも、最も多く使われているものが射出成形であり、射出成形の位置付けは大きいと言える。
 技能検定試験には、公的なものではなく企業の行うものもあるが、射出成形の技能検定試験は、国の認めている国家試験である。
 著者が所有している「技能士章について」には、「1.1.1技能検定試験とは」でも説明するが、「昭和41年(1966年)に制定された」と記されているので、すでに50年以上の歴史がある。時代の変化に応じた内容の変化も一部にはあるが、面白いことに、射出成形作業の技能検定はあまり変わっていない。その理由を筆者なりに考えると、射出成形の成形方法の基本的なところ自体に大きな変化がないからではなかろうか。50年もすれば、身の回りのものは大きく変化している。射出成形においても機械の制御や駆動装置などに、さまざまな変化・進歩はあったにせよ、溶かして金型に入れて冷やすという成形の動きや工程は昔と同じなのだ。
 ここ数十年で、射出成形不良現象の科学的解明も大きく進歩している。しかし、これだけ時代が進歩しても、今のAI技術を使ってでさえも、自動で成形不良を対策することはできない。このような現実が理解できない管理者には、プラスチック成形の現場は時代に遅れていると思っている人たちも多い。射出成形の不良もさまざまあるが、対策が非常に困難なケースもある。しかし、場合によっては、成形不良を対策した者が評価されるのではなく、それまでの対策の解析方法がシステム的でなかったとか、科学的・理論的でなかったと思い込む管理者も多いという現実を目にしてきた。射出成形の現場は、素人が思っているよりも厄介なものなのだ。現実を理解していない管理者も無能だが、技能士には、成形不良を技能だけではなく、技術も含めて説明できる能力も必要な時代となって来ていることは確かであろうと感じる。
 技能検定試験「射出成形作業」には、実技だけではなく、学科もある。その学科の範囲も、射出成形だけではなく、その周辺技術の知識も求められる。
 これからの時代は、新型コロナウイルスを1つの転機として、出張で現場に簡単に出向いて状況調査できる時代ではなくなった。今後、新型コロナウイルス問題が収束したとしても、遠隔操作での効率化を求められる時代となることは確実である。
 そのためにも、技能検定を通して、学科および現場(実技)の実際を、身を持って体験し感じ取ることは、プラスチック成形の現場技能士だけでなく、技術者や管理者にとっても役立つものと信じる。
 本書には、これまでの試験内容を分析することで出題問題の傾向を見出し、試験対策に向けた必要最低限の情報を絞り込んだ形にまとめた。ただ、過去問題の出題の解説だけでは読み難いので、全体像をつかみやすいような形としている。さらに、実技試験対策に関しては、公開されている製品図から、理論を含めた条件解析と対策案をまとめている。
 技能検定合格へのガイドとなることが主たる目的であるが、単にペーパードライバーのような技能士ではなく、本書を通じて、もっと広い視野での射出成形を学んでもらい、技能検定試験に合格し、世界に通用する技能士になってもらうことを願っている。

注:技能士章の制定は昭和41年(1966年)と記されているが、技能検定自体は、昭和34年から種類を増やしながら始まり、プラスチック成形については昭和43年から変遷を経ながら現在まで続いている。

2020年10月  横田 明

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