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そうか!わかった!
プラント配管の原理としくみ

定価(税込)  2,420円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-08092-0
コード C3043
発行月 2020年10月
ジャンル 化学

内容

産業の基幹技術の1つである「配管技術」について、理論・定理・計算式などの「原理・原則」にまで遡ってわかりやすく解説。また、配管装置を構成するパイプ、バルブなどのコンポーネントのしくみを、その原理にも触れながら豊富な図で説明し、実践で役立つ内容とした。

西野悠司  著者プロフィール

(にしの ゆうじ)
1963年 早稲田大学第1理工学部機械工学科卒業。
1963年より2002年まで、現在の東芝エネルギーシステムズ株式会社 京浜事業所、続いて、東芝プラントシステム株式会社において、発電プラントの配管設計に従事。その後、3年間、化学プラントの配管設計にも従事。
一般社団法人 配管技術研究協会元編集委員長。
同協会主催の研修セミナー講師を務め、雑誌「配管技術」に多くの執筆実績がある。
現在、一般社団法人 配管技術研究協会監事。
   日本機械学会 火力発電用設備規格構造分科会委員。
   西野配管装置技術研究所 代表。

主な著書
「絵とき 配管技術 基礎のきそ」日刊工業新聞社(2012年)
「トコトンやさしい配管の本」日刊工業新聞社(2013年)
「絵とき 配管技術用語事典」(共著)日刊工業新聞社(2014年)
「トラブルから学ぶ配管技術」日刊工業新聞社(2015年)
「絶対に失敗しない配管技術100のポイント」日刊工業新聞社(2016年)
「配管設計実用ノート」日刊工業新聞社(2017年)
「プラントレイアウトと配管設計」(共著)日本工業出版(2017年)
「わかる!使える!配管設計入門」日刊工業新聞社(2018年)

目次

はじめに
【第Ⅰ編】 配管の原理
第1章 配管技術はどんな技術か
1.1 “プラント”てなに?
1.2 配管技術者の仕事
1.3 プラント配管に求められるもの
1.4 配管技術習得のポイント

第2章 内圧により生じる力と応力
2.1 基礎のきそ
2.2 内圧により推力の発生するしくみ
2.3 伸縮管継手により生じる外力
2.4 管に生じる長手方向応力
2.5 管に生じる周方向応力
2.6 負圧で起こる座屈

第3章 流れにおける損失水頭
3.1 基礎のきそ
3.2 損失水頭を求める
3.3 損失水頭の展開
第4章 熱膨張の伸びを逃がす
4.1 基礎のきそ
4.2 熱膨張応力範囲
4.3 熱膨張反力とコールドスプリング

第5章 配管振動と疲労
5.1 基礎のきそ
5.2 曲げ振動と圧力脈動
5.3 配管振動に対処する
5.4 振動は金属疲労を引き起こす

第6章 配管の材料力学
6.1 基礎のきそ
6.2 自由体図の活用
6.3 静定梁と不静定梁
6.4 曲げモーメント図とせん断力図
6.5 構造梁、配管のたわみと曲げモーメント

第7章 配管レイアウトの原則
7.1 配管レイアウトに求められるもの
7.2 プラントの性能と機能・安全を満たす配管
7.3 合理的で経済的な配管
7.4 運転操作が容易な配管
7.5 メンテナンスを考えた配管

【第Ⅱ編】 配管コンポーネントのしくみ
第8章 パイプと管継手
8.1 パイプの種類
8.2 パイプのサイズ
8.3 継手(Joint)
8.4 管継手(Fitting)

第9章 バルブのしくみ
9.1 バルブの目的と機能
9.2 仕切弁のしくみ
9.3 玉形弁のしくみ
9.4 ボール弁のしくみ
9.5 バタフライ弁のしくみ
9.6 逆止弁のしくみ
9.7 安全弁のしくみ
9.8 調節弁のしくみ
9.9 自動弁駆動装置のしくみ

第10章 スチームトラップのしくみ
10.1 スチームトラップの用途
10.2 流体判別の方法
10.3 フロート式スチームトラップのしくみ
10.4 下向きバケット式トラップのしくみ
10.5 サーモスタティックトラップのしくみ
10.6 ディスク式スチームトラップのしくみ

第11章 配管支持装置のしくみ
11.1 配管支持装置とは
11.2 リジットハンガのしくみ
11.3 スプリングハンガのしくみ
11.4 コンスタントハンガのしくみ
11.5 ばね式防振器のしくみ
11.6 スナッバのしくみ

資料
1 配管技術でよく使う単位
2 配管技術でよく使う物性値
3 梁の曲げモーメント· たわみ
4 種々断面の断面性能
5 よく使うスケジュール管諸元
6 よく使われる規格·基準
7 配管関係でよく使われる略語
8 有効数字を意識して計算する
9 さらに技術を磨きたい人のために

索引

はじめに

本書執筆のねらい
いまはスマートフォン、パソコンの時代です。技術の世界における計算・解析の多くはパソコンで処理されています。パソコンソフトを使用しなければ実行不可能な、あるいは多大な時間を要する耐震計算、フレキシビリティ解析、過渡解析などはもちろんのこと、電卓を使ってもできる圧力損失計算、管や管継手の耐圧強度計算、梁の強度計算などさえもパソコンソフトで結果を得ています。
業務に就き始めの段階から、I/P(インプット)すればO/P(アウトプット)が出る、すなわち、思考を経ずに結果が出てくる“短絡系”で仕事をしていると、課題から結果を得るまでの考え方や道筋、式などを知らなくても済ませることができます。その結果、パソコンソフトを使わなければ、簡単な計算でも結果を得ることができなくなるようなことも起こります。また、たとえばI/P条件を少し変えたとき、結果がどのように変わるかを頭の中で予測することができなくなります。したがって、結果をある方向へ変えたい場合、やみくもにI/P条件を変えてみることになり、よさそうな結果を得たとしても、そのI/P条件が最良のものであるかの判断がつかなくなります。また、I/Pや初期設定のミスから誤った結果が出たとしても、それに気づかない事態も起こります。
I/PからO/Pに至るまでの考え方や道筋を理解していれば、I/PとO/Pの間の因果関係がわかるので、「何を、どの程度変えれば、結果がどのように変わるか」を予測でき、最適のI/P条件の選択が可能となります。また、簡易計算などによって、結果の大まかな値を予測することができ、O/Pが正しいかチェックすることも可能となるでしょう。さらに、設計されたものが運転に入り、トラブルが発生した場合、その原因の推定、改善策の立案にも役立つことでしょう。
以上述べたように、能率の観点から、パソコンソフトを使うのは必要ですが、I/PからO/Pに至る考え方、計算過程、式を理解していることは、配管技術者として非常に重要なことです。
そして設計段階において、あるいはトラブルの対応時などにおいて、機会を捉え、電卓をたたいて結果を出してみることは、知識、ノウハウを錆びつかせないために大事なことです。
さて、本書「そうか!わかった!プラント配管の原理としくみ」ですが、本書は、“職場でOJTで教えられ”、“参考書を読んで”、“セミナーで学んで”、得た表面的な配管技術の知識ではなく、配管技術のもう少し原理的なところを理解していただきたいという思いで書きました。また、配管技術を「知識として捉える」ことに加え、「直感的に、あるいはイメージ的に捉える」工夫も試みました。
皆様が本書によって日常業務に、また技術的な新しい課題、局面に遭遇したとき、配管技術を自家薬篭中のものとして使いこなし、成果を上げられることを願っております。
最後に、本書の執筆の機会を与えていただいた日刊工業新聞社の奥村功さま、また企画段階からアドバイス、ご支援いただいたエム編集事務所の飯嶋光雄さまに心からお礼申し上げます。そして、本書執筆にご協力いただいた多くの方に感謝申し上げます。

本書の構成
本書は2つの編から構成されます。
第Ⅰ編 「配管の原理」は導入部である第1章に続いて、第2〜6章では理論、定理、計算式など、“エンジニアリング”がものをいう配管技術の分野をできるだけ原理に近いところまで遡って説明しています。そして第7章では、経験がものをいう配管レイアウトの原則について解説しています。
第Ⅱ編 「配管コンポーネントのしくみ」は、配管装置を構成するパイプ、バルブ、スペシャルティ*などのコンポーネントを対象とし、そのしくみを図解を多用して説明しています。この領域は、持っている知識の広さ、深さがものをいう分野ですが、それらの知識を原理で裏打ちすることによって、より強固な知識となるよう考えて第8〜11章で配管コンポーネントのしくみを解説しています。

本書使用上の手引き
・直感的理解をうながすような図・絵を多く取り入れました。
・文章中の重要な用語をゴシック体として注意を引くようにしました。
・第2章の強度計算式は、規格、基準によって、若干の差異があります。本書では、代表的な規格、基準として、ⒶJIS B 8201「陸用鋼製ボイラ-構造」、Ⓑ日本機械学会「火力発電用設備規格」詳細規定 STA1 第Ⅴ章(ASME B31.1 Power Pipingがベース)、Ⓒ日本石油学会「石油工業プラントの配管基準JPI 7S77(ASME B31.3 Process Pipingがベース)」の式を取り上げ、Ⓐの式を主体に説明し、Ⓑ、Ⓒの式の、Ⓐの式との差異を示しました。
・参考文献は、各章ごとに章の最後に載せています。

2020年10月 西野 悠司

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