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SDGsアクション
<ターゲット実践>インプットからアウトプットまで

定価(税込)  2,420円

編者
著者
著者
サイズ A5判
ページ数 302頁
ISBNコード 978-4-526-08084-5
コード C3034
発行月 2020年09月
ジャンル 経営

内容

国連加盟国によって採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、17の目標と169のターゲットで構成されている。本書では、日本企業が取り組みやすいターゲットを取り上げ、ターゲットの要約、具体的な実践例を紹介し、インプットとアウトプットの両面から解説する。

松木 喬  著者プロフィール

(まつき たかし)
日刊工業新聞社 記者
1976年生まれ、新潟県出身。2002年、日刊工業新聞社入社。2009年から環境・CSR・エネルギー分野を取材。日本環境ジャーナリストの会理事、日本環境協会理事。主な著書に『SDGs 経営“社会課題解決”が企業を成長させる』(日刊工業新聞社、2019年)、雑誌『工場管理』連載「町工場でSDGsはじめました」(日刊工業新聞社、2020年1月号-10月号)。

松本麻木乃  著者プロフィール

(まつもと まきの)旧姓・大城(おおしろ)
日刊工業新聞社 記者
1978年生まれ、沖縄県うるま市出身。2004年、日刊工業新聞社入社。化学や食品業界担当を経て2010年から10年間、国際担当。2020年から不動産・住宅・建材業界担当のかたわらSDGsを取材。

はじめに

はじめに

長い梅雨が明けた8月初旬、講師をするSDGsセミナーの講演資料づくりに追われていた。主催者からは企業のSDGs活動事例を紹介してほしいと頼まれていた。
「事例紹介」と言われると本当に迷う。「あの企業の、あの活動はどうだろうか」「取材で聞いた、あの会社のエピソードは印象的だ」「けど、次に紹介したい事例と内容が重複する」……と、スポーツの日本代表メンバーを選ぶような検討は延々と続く。講演の持ち時間は30分。「1時間ほしい」というと大げさだが、多くの人に知ってもらいたい取り組みがたくさんある。
とにかく日刊工業新聞にはSDGs関連の情報が豊富だ。記事データベースで「SDGs」と検索すると1304件がヒットした(2020年8月21日現在)。2015年9月25日に国際連合(国連)総会でSDGsが採択されてから、ほぼ5年。発行のない土日をのぞくと1日1本はSDGs関連の記事が掲載された計算になる。それだけ同僚がSDGsの取り組みを丹念に取材してきた証拠だ。「ビジネスとSDGs」の記事は国内メディア最多だろう。

蓄積した記事を参考に多くの事例を盛り込んだのが本書だ。そしてターゲット別に具体的な活動を整理したのが、類似本にない特徴である。
17のゴールのアイコンを目にした人が多いと思う。カラフルなアイコンのおかげでSDGsの認知度が上がったはずだ。一方で、「貧困をなくそう」というアイコンを見て「その通りだ」と賛同しても、具体的に何をしようと想像できる人は少ないのではないだろうか。
各ゴールに連なる169のターゲットには、具体的な行動が示されている。企業はターゲットを読むことで自社ができるSDGsアクションを検討しやすいはずだ。また、ターゲットをベースにした取り組みはSDGs活動として実践的であり、社外にも説得力を持って発信できる。
前著『SDGs経営 “社会課題解決”が企業を成長させる』(日刊工業新聞社、2019年)のインタビューで国際連合大学上級副学長/東京大学未来ビジョン研究センター教授・総長特別参与の沖大幹氏は「ターゲットや指標はあまり普通のビジネスとは関係がなく、どちらかといえば国の行動指針、政府の責任で達成に取り組むべき内容だったりします」と語っている。確かにターゲットすべてを企業の目標にするのは無理がある。
また「金科玉条として一語一句ともそのまま使わざるを得ない、と考えるのはいかがなものでしょうか」と指摘し、「SDGsをヒントとして事業に取り組み、社会課題を解決し、それが利益につながることが企業には大切なんです」と助言してもらった。
SDGsの取り組み方にルールはない。ターゲットも自在に解釈し、自社の実践的な活動に結びつけ、企業価値向上につなげると良いのだと思っている。

本書はSDGsを推進したい企業関係者に具体的な活動のヒントを得てもらうことを目指し、ターゲットにこだわって編集した。ただし、すべてのターゲットを網羅できていない。沖氏のコメントにもあったが、明らかに政府に要求しており、企業活動に置き換えられないターゲットがある。私たちの取材・知見不足で、参考となる事例を紹介できなかったターゲットもある。中には、日本企業になじみにくいという理由で事例を発見できていないターゲットもあった(事例が抜けているターゲットに合致するビジネスを思いついたら、先行者利益が得られるブルーオーシャンかもしれないが)。
また、掲載したどのターゲットも私たちが勝手に解釈し、企業活動に当てはめた。当然「違う」という指摘があるだろう。企業の発表文やホームページ、SDGs関連書籍を参考にしたターゲットの解説もある。内容が薄いと思ったら、自社なりの方法で深い活動にしてほしい。

真面目な不良―。CSRコンサルタントの薗田綾子さん(クレアン社長)から教えてもらった言葉だ。当たり前をうのみにせず、上司の指示にも疑問を持つような厄介者だが、組織を元気にするために大切な存在。書籍『アクション・バイアス』(ハイケ・ブルック、スマントラ・ゴシャール著、野田智義訳、東洋経済新報社、2015年)に詳しい説明があるという。
先進企業の後追いや教科書通りではなく、同僚と議論した個性的なSDGs活動を追求してほしい。「わが社のSDGs」と呼べる活動が増えるほど、講師を頼まれた時に紹介する事例選びで迷う。それでも良い。取材意欲が高まり、筆にも勢いが出て、たくさんの人に知ってもらえる記事が書けるはずだから。

2020年8月21日  日刊工業新聞社 松木 喬

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