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図面って、どない読むねん!LEVEL 00 第2版
―現場設計者が教える図面を読みとるテクニック―

定価(税込)  2,420円

著者
サイズ A5判
ページ数 228頁
ISBNコード 978-4-526-08070-8
コード C3053
発行月 2020年07月
ジャンル 機械

内容

「図面って」シリーズでもっともやさしい本。図面を描く上での専門用語すら知らない「図面を読む立場の人」や、これから図面を描く「ビギナー」向け。図面に描かれている要素を解説することで「図面を読みとるテクニック」を学ぶ。第2版では、著者の10年間の指導経験を生かしてさらに進化を遂げた。JIS 製図の2019 年版の最新記号まで網羅!

山田 学  著者プロフィール

(やまだ まなぶ)

目次

図面はエンジニアの暗号文??


第1章 図面を見る前に知っとかなあかんことがあるねん!
1-1 業務プロセスにおける図面
1-2 図面の様式や書式
1-3 基本的な図形の名称
1-4 現場で多用する形状の専門用語

第2章 図面を読み解くヒントは表題欄にあるねん!
2-1 表題欄の情報からイメージする
2-2 代表的な加工方法を知る
2-3 部品名称は雰囲気で名付けられる
2-4 材質や表面処理記号という暗号
2-5 投影図の大きさを最適化する尺度

第3章 投影図は他から類推せなあかんねん!
3-1 投影法と投影図の配置
3-2 投影図は必要十分な数で表される

第4章 特殊な図示法を知れば理解が深まるねん!
4-1 投影図のテクニックを知る
4-2 図面から図形を読み解く順序

第5章 寸法数値に付けるいろんな記号があるねん!
5-1 寸法のルールを理解する
5-2 寸法補助記号の意味を理解する
5-3 加工形状を表す記号を理解する

第6章 加工によってばらつくから公差を記入するねん!
6-1 表記されない公差と表記される公差
6-2 記号で表すサイズ公差がある
6-3 サイズ公差に併記される条件記号
6-4 新旧記号が使われる表面粗さ記号

第7章 グローバル図面に欠かせない幾何公差ってなんやねん!!
7-1 幾何公差の必要性を知る
7-2 データムが部品の基準を示している
7-3 様々な幾何特性記号

第8章 溶接記号は思ったほど難しくないねん!
8-1 溶接基本記号と補助記号を知る
8-2 よく使う溶接の種類を知る

第9章 専門用語を知らな読めへん図面があるねん!
9-1 ばねの専門用語を知って図面を読む
9-2 歯車の専門用語を知って図面を読む
9-3 板金の専門用語を知って図面を読む
9-4 樹脂成形の専門用語を知って図面を読む

第10章 図面管理に必要な記号を見逃したらあかんねん!
10-1 図面が訂正・変更されるとつけられる記号


前向きな姿勢で図面を読み解こう
用語索引

はじめに

図面はエンジニアの暗号文??


 図面を広げて客先の担当者と電話で会話している声が聞こえてきます。
「 えーっと、右のほうにある、ガーッと行ってピュッと曲がってるとこがあるでし
ょ?ヾ(〃°▽°)ノアセアセ…」
 電話のように対面して図面を見ながら説明ができないシチュエーションでは、言
葉とニュアンスだけで相手に意図を説明しなければいけません。
 上記の会話は、一部の地域では通用するかもしれませんが、技術の世界では通用
しません。
 図面の中には投影図に加えて寸法線や専門用語で書かれた注記、各種製図の作法
に則った記号などがちりばめられており、製図の知識をもたない人にとっては、ま
るで暗号文か宝の地図のように見えてしまいます。
 もちろん、設計者はわざと難解で暗号のような図面を描いているわけではなく、
言語や文化の違う世界の人たちにでも理解ができるよう、世界共通の伝達手段とし
て、描き手の意思を投影図や文字・記号として正確に読み手に伝えようと努力して
図面を描いているのです。
 設計者が正しい図面を描いていても、読み手が製図の作法も知らずに勝手な解釈
で読み解くと、まるでバラエティー番組の“伝言ゲーム”のように意図する内容が
全く違うように解釈されてしまい、正しいモノづくりが行われません。


そう、図面を読むということは、形状を的確に理解し、第三者に表現できる能力
が必要なのです。まずは図面にある図形の部分的な要素である基本的な形状の名称
や専門用語を知り、製図で使う記号や注記が意味するところまでを知らなければ、“図
面が読める”とは言えません。 
 会社の組織の中で、図面を使って業務を行うのは設計者だけではなく、設計に関
係なさそうな担当者までが図面を使って業務を行っています。
 図面を使って業務を行う人たちには次のような部門の担当者が該当し、その立場
によって図面を見る目的が異なります。


・設計……………製品の機能を保証するために寸法基準や公差、材質、表面処理
        など、品質・安全・環境などを保証し、コストを実現させる
・生産管理………加工条件や納期、コスト、得手不得手などから総合的に判断し、
        社内製作か外注製作の決定、外注の場合、最適な外注先を選
        定する
・生産技術部門…加工法や加工機械の選択、加工工程の設計、治具の必要性、
        加工コストの見積もり、生産性向上を策定する
・加工部門………加工法や加工機械の選択、加工工程の設計、治具の必要性、
        生産性向上を策定する
・検査部門………計測法や計測機器を選択し、効率よい検査を策定する
・品質保証………製品の機能を保証するための公差や材質、表面処理などを確
        認し、品質・安全・環境を保証する
・営業……………客先設計者との打ち合わせ、コストの妥当性説明などを行う


 製図には誰が描いても読み手が同じように解釈できる、つまり答えをひとつにす
るためのルールがあります。
 ところが現実問題として、企業ごとにより良い図面になるように改定され、その
企業独自の〝ローカルルール〟が採用されています。つまり、国家規格である日本
工業規格の定めるJIS製図どおりの図面が世の中に流通しているわけではないの
で厄介なことです。
 さて、ある部品の投影図と寸法線だけを取り出したものを下記に示しました。


 読者の皆さんはこの図を見てどう思いますか?
「寸法線が多いし、いろんな記号があってさっぱり意味わからん!」「どんな形状
をした部品なのか想像もできへん!」(ノー"ー)ノ ┫ ゜・∵。と叫びたくなり
ますよね。


 図面を読むときに悩む項目は、次のようなものがあります。
「どんな形状なの?」「投影図にある記号は何?」「寸法数値の前後に書いてある記
号やアルファベットは何?」「幾何公差の記号ってどういう意味?」などなど、言
い出したらキリがないほど、わからないことだらけです。


 図面を読み解くということは、投影図と寸法線だけを見るものだと早合点しては
いけません。実は、図面には投影図と寸法線以外に、図枠や表題欄があり、それら
も大変重要な役割を持ち、図面を読む人に大きなヒントを与えてくれるのです。


 実は、難しい形状や投影図でも、それをひも解くと単純な形状の集合体なのです。
先に出た難しそうな図面の立体形状を見てみましょう。その立体形状から要素ごと
にパーツを分解してみると単純な形状であることがわかります。
 そう、難しい形状だからといって、何も恐れることはないのです。


 拙著「図面って、どない描くねん!」シリーズの書籍の位置づけを下表に示しま
す。レベル0(図解力・製図力おちゃのこさいさい)、レベル1(図面って、どない
描くねん!)、レベル2(図面って、どない描くねん! LEVEL2)は、世界標準で
あるJIS 製図に則り、正確に図面を描くことを目的にした書籍です。しかしながら、
ルールブックが全てではなく、ルールにないものは設計者自身で考え、図面に盛り
込むことも必要であるとして「図面って、どない描くねん! Plus +」があります。
本書は、レベル00 と最下位番号ながら、実はレベル0~レベル2 に加えて、レベル
Plus +までを含めて、最上位に位置づけされます。ローカルルールも蔓延してい
る設計現場の実情も盛り込み、実務優先に特化した書籍といえます。
 本書を活用し、図面によく用いられる用語や投影図、各種記号を理解し、最終的
に難しい図面を読み解ける読解力を養っていただきたいと願っています。


 今回、初版から第2 版を発刊するにあたって、変更点を説明いたします。
・書籍の流れが理解しづらい構成であったため、初心者がより理解しやすいように
知っておきたい情報から順になるよう再構築いたしました。
・JIS の改定により新しい記号などが増えたため、それらを反映しました。
 読者の皆様からのご意見や問題点のフィードバックなど、ホームページを通して
紹介し、情報の共有化やサポートができ、少しでも良いものにしたいと念じており
ます。


 最後に本書の執筆にあたり、お世話いただいた日刊工業新聞社出版局の方々にお
礼を申し上げます。
2020年7月 山田 学














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