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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい工作機械の本
第2版

定価(税込)  1,650円

著者
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サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-08019-7
コード C3034
発行月 2020年05月
ジャンル ビジネス 機械

内容

工作機械は「マザーマシン」とも呼ばれ、機械工業の土台と言われている。日本のものづくりは工作機械に支えられているといっても過言ではない。本書は、工作機械とは何かから始まり、その仕組みや種類、加工方法から最新の工作機械事情まで盛り込んだ入門書である。

清水伸二  著者プロフィール

(しみず しんじ)
1981年 上智大学大学院理工学研究科 博士後期課程修了
((株)大隈鐵工所(現オークマ(株) 1973〜1978年、上智大学理工学部 1981〜2014年)
現在、日本工業大学工業技術博物館館長、同大学客員教授、上智大学名誉教授、MAMTEC代表(技術コンサルティング事務所)、工学博士
主な著書:『新版 初歩から学ぶ 工作機械』大河出版(2011)、『新版 工作機械の設計学(基礎編)』(一社)日本工作機械工業会(2020)など

岡部眞幸  著者プロフィール

(おかべ まさゆき)
1980年 上智大学大学院理工学研究科 博士前期課程修了
(東芝機械(株) 1980年~1982年、上智大学理工学部 1982年~2001年)
現在、職業能力開発総合大学校能力開発院教授・教務部長、工学博士
主な著書:『絵とき機械用語事典-工作機械編-』日刊工業新聞社(2012)、『ザ・手仕上げ作業-ものづくり現場で受け継がれる技術と技能-』監修、日刊工業新聞社(2016)

澤 武一  著者プロフィール

(さわ たけかず)
2005年 熊本大学大学院 博士後期課程修了 
現在、芝浦工業大学デザイン工学部デザイン工学科教授、博士(工学)
主な著書:『トコトンやさしいNC旋盤の本』日刊工業新聞社(2020)、『トコトンやさしい切削工具の本』日刊工業新聞社(2015)など

八賀聡一  著者プロフィール

(はちが そういち)
1968年 日本大学法学部卒業
((一社)日本工作機械工業会1968年~2011年(技術部長1999年~2003年、事務局長2004年~2011年)、(一社)SME日本支部2011年~2013年(事務局長2011年~2013年))

目次

第1章 工作機械って何?
1 機械とは 「機械の定義」
2 世の中には、どんな機械があるの 「人間の道具としての機械」
3 産業に役立つ機械 「ものづくりのための道具としての機械」
4 マザーマシンと呼ばれる工作機械 「あらゆる機械を生み出す」
5 工作機械は、一般の機械とどこが違うのか 「母性原理が成り立っている」
6 工作機械の基本構成 「工作機械を機能させる周辺構成要素」
7 工作機械の基本的な種類 「いろいろな切り口で分類」

第2章 工作機械が動く仕組み
8 工具・工作物が正確に回転する仕組み 「工具・工作物を回転させる主軸が必要」
9 テーブルが正確に回る仕組み 「工作物が大きい時と小さい時のテーブル回転の仕組み」
10 工具・工作物がまっすぐ動く仕組み 「正確に直進運動を行うための駆動方式と案内方式」
11 工具を自動交換する仕組み 「自動工具交換装置とツールマガジンで構成」
12 工作物を自動交換する仕組み 「自動パレット交換装置とパレット格納装置で構成」
13 工作機械の制御装置 「各種の制御指令を数値情報として入力する」
14 図面情報の流れとNCプログラムの仕組み 「図面情報がどのように制御情報信号に変換されていくか」

第3章 工作機械に求められる特性
15 工作機械に働く力の種類と特質 「工作機械に作用する力は微小な変形や変位の原因に」
16 静的な力による精度低下を抑制するためには 「静剛性を高めるための設計上の工夫」
17 振動に強くするためには 「動剛性を高めることが振動に強くなる」
18 熱に強くするためには 「熱変形の発生に偏りがない構造設計が重要」
19 高い精度で動かすためには 「運動誤差を極力なくす」
20 速く動かすためには 「慣性への対応方法が決め手」
21 長い間使えるようにするためには 「愛着を持って工作機械の世話をする」
22 環境に優しくするためには 「切削油の削減と代替がキーポイント」
23 省スペース・コンパクト化を実現するためには 「構造形態の見直しや発想の転換が重要」

第4章 基本的な工作機械
24 旋盤 「最も基本的な切削加工機」
25 フライス盤・中ぐり盤 「角物部品の加工を得意とするフライス盤」
26 ボール盤 「穴あけ加工に欠かせないボール盤」
27 円筒面加工用研削盤(円筒研削盤、心なし研削盤、内面研削盤) 「丸物部品に仕上げ加工を施す」
28 平面研削盤 「角物部品に仕上げ加工を施す」
29 ホーニング盤・超仕上げ盤・ラップ盤 「工作物を高精度仕上げし、付加価値を高める」
30 放電加工機 「アーク放電しながら工作物表面を加工する」
31 特定形状面加工用工作機械 「特定の工作物形状を加工する」
32 金切りのこ盤 「素材からの材料取りは金切りのこ盤で」

第5章 工作機械で出来る基本的な加工
33 旋盤で行う加工 「丸いものを形づくる」
34 旋削に必要な工具と取付具 「バイトとチャック」
35 フライス盤・中ぐり盤で行う加工 「角物部品をつくり出す加工が得意」
36 フライス削り・中ぐりに必要な工具 「創成加工と成形加工」
37 フライス削り・中ぐりに用いるツールホルダ・取付具 「工具や工作物をしっかり固定する」
38 ボール盤を用いた加工とその工具 「ドリル、リーマ、タップ、エンドミルなどを用いる」
39 研削盤で行う加工(1) 「円筒研削盤と平面研削盤、内面研削盤で仕上げを役割分担」
40 研削盤で行う加工(2) 「丸物部品の研削仕上げを行う心なし研削盤」
41 研削加工に用いる工具とその取扱い 「砥石の取扱いは注意事項が多い」
42 研削加工に用いる取付具 「工作物を高精度に保持する」
43 表面仕上げ工作機械で行う加工(1) 「穴の内面を仕上げるホーニング加工」
44 表面仕上げ工作機械で行う加工(2) 「表面粗さ、寸法精度、形状精度を確保」
45 放電加工機で行う加工 「三次元の複雑な輪郭や形状を加工」
46 特定形状面加工用工作機械で行う加工 「歯車やスプラインなどの機械要素形状をつくる」
47 特定形状面加工に必要な工具 「工具には加工法に応じた工夫が盛り込まれている」


第6章 付加価値を追求する工作機械
48 自動旋盤 「バー材を自動供給して加工する」
49 5軸制御マシニングセンタ 「軸数の増加で加工の幅を広げる」
50 ターニングセンタ 「旋削加工をベースに複数の機能を付加」
51 グラインディングセンタ 「複数の研削加工を集約」
52 超精密加工機 「ナノメートル単位の加工精度を実現」
53 超大形工作機械 「大きくなるほど高い技術が求められる」
54 レーザ加工機 「負荷の掛からない加工で変形しやすい材料も加工可能」
55 超音波加工機 「超音波振動による加工で欠けやすい材料も加工可能」
56 マシニングセンタベースの複合加工機 「MC+αの加工機能搭載」
57 ターニングセンタベースの複合加工機 「TC+αの加工機能搭載」
58 金属積層造形装置 「付加加工と除去加工の合わせ技もある」
59 IoTとAIを活用する工作機械 「知能化、自律化で生産性向上を実現」

第7章 工作機械の歴史
60 工作機械の生い立ち 「工作機械の歴史は人類の文明の歴史」
61 動力源および動力伝達機構の変遷 「当初は人力が動力源だった」
62 機械構造と送り機構の変遷 「均一精度の旋削部品を量産可能にしたモズレー」
63 各種の工作機械開発 「開発の舞台はヨーロッパからアメリカに」
64 NC工作機械開発と変遷 「大変革をもたらした数値制御(NC)工作機械」
65 日本の工作機械の歴史 「世界一の工作機械生産国への道」

【コラム】
●知って得する現場用語①
●知って得する現場用語②
●知って得する現場用語③
●知って得する現場用語④
●「切りくず」は切削状態のバロメータ
●異色な工作機械、パラレルメカニズム形工作機械
●「レオナルド・ダ・ビンチ」工作機械の始祖

参考文献
索引

はじめに

 工作機械は、「マザーマシン」とよばれており、世の中に存在しているあらゆる機械の頂点に立つ、「機械をつくる機械」です。そして、それら工作機械が、世界のものづくりを支え、世界の人々の生活を豊かにするために大活躍し、日常生活の中でも、我々が工作機械から多くの恩恵を受けていることは、一般には余り知られておらず、その存在すら、知られていないのが現状かと思います。
 日本は、この工作機械技術では、世界トップクラスであり、その生産額も1980年より40年間、世界のトップスリー(そのうちの26年間はトップ)の座を続けております。日本が、ものづくり立国として、世界をリードできるのも、日本の工作機械技術が世界のトップクラスであるからなのです。
 工作機械は、機械の頂点に立つ機械ですので、非常に高度な最新技術がたくさん使われているため、理解するのが困難であり、したがって教えるのも難しく、それらを解説している最新の教科書も少ないのが現状です。このことが、工作機械がその存在すら知られていない状況をつくり出しているといえます。そこで、本書では、この工作機械を徹底的にやさしく解説して、工作機械をもっと身近なものとして感じていただき、ものづくりの重要性と、このような産業の重要性を認識し、より多くの方々に工作機械産業を盛り立てていただきたく、本書を執筆しました。
 工作機械は、機械をつくる「機械」ですので、本書では、まず、そもそも機械とはどのようなもので、また、工作機械はどのような機械を生み出しているのかについて述べます。これらを通して、工作機械のお陰で、我々の日常生活がどのように豊かになっているのかが理解できることと思います。そして、工作機械には、基本的にどのような種類が存在し、それらは、どのような共通な仕組みを持っているかについて説明します。さらに、機械の頂点に立つためには、工作機械にはどのような特性が必要なのかについても、やさしく解説します。
 次に、おもな工作機械と、その基本構造と加工機能、その際に用いられる加工用の工具と、工作物の取付具などについて、より具体的に説明します。そして、さらに最新の工作機械とそれら工作機械によって作られる製品事例、加工事例を紹介します。
 最後には、今日の工作機械に至るまでの歴史を、色々な切り口から振り返り、これまでの先人の偉業について解説し、このような研究開発を今後とも継続し、工作機械技術をさらに発展させていくことの重要性について述べます。是非、本書を一読し、工作機械の世界をより身近なものとして感じて頂きたく思います。
 初版は、2011年10月に発刊され、すでに8年が経過する間に、インダストリ4.0をはじめとして、ものづくりに大変革を起こそうとする第4次産業革命への取り組みが本格化しています。また、本年は、令和になり2年目の年ですが、この新たな年が始まったのを機会に新たな著者を迎えて、全体的に内容を見直しすることにしました。特に4から7章の基本的な工作機械、基本的な加工、最新の工作機械、歴史については、新たな視点で、より分かりやすくご執筆いただきました。これまで以上に、より工作機械の理解が深められることを願っております。なお本書の執筆は、第1章〜第2章を清水伸二、第3章〜第5章を岡部眞幸、第6章を澤 武一、第7章を八賀聡一がそれぞれ担当しました。  
 おわりに、本書執筆にあたり内外の多数の著書、文献、カタログを参考にさせていただきました。
 また、多くの工作機械および関連のメーカの皆様から貴重な資料の提供、ならびにアドバイスをいただきました。ここに厚く御礼申し上げます。また本書出版の企画を立てられ、著者らの出版趣旨と思いを同じくし、出版にこぎつけるまで種々のご尽力を賜りました日刊工業新聞社出版局の奥村功、岡野晋弥の両氏に心から感謝申し上げます。


2020年5月 
執筆者代表 清水伸二

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