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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい冷凍空調技術の本

定価(税込)  1,650円

編著
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-08059-3
コード C3034
発行月 2020年04月
ジャンル ビジネス 機械

内容

冷凍空調技術は、食品の冷蔵・冷凍から医療分野、建物や乗り物の空調などまで幅広く使われ、快適な生活には欠かせない技術。この本では、冷凍空調の基礎知識から冷凍空調を実現するうえでの構造、システムから設備までを図解見開き2ページでわかりやすく解説していく。

公益社団法人日本冷凍空調学会  著者プロフィール

香川 澄(かがわ・のぼる)

1982年 慶應義塾大学大学院工学研究科修士課程修了
(1989年工学博士)
同年 株式会社東京芝浦株式会社入社
家電機器技術研究所
2003年 防衛大学校機械システム工学科教授(現職)、
2014年─18年 同教務部長
1995─97年 
米国国立標準技術研究所(NIST)客員研究員
2017─19年
公益社団法人 日本冷凍空調学会会長
高圧ガス保安協会理事(非常勤)、
国際冷凍学会執行委員(日本国代表)等 在任


関口 恭一(せきぐち・きょういち)

1978年 静岡大学大学院工学研究科
機械工学専攻課程修了
1978年 日立ビル施設エンジニアリング(株)入社
1999年 (株)日立ビルシステム 冷熱システム事業部
新商品・新技術グループ長
2017年 公益社団法人 日本冷凍空調学会
政策委員会教育制度再構築分科会委員
現 在 関口技術事務所 代表


山本 慎之介(やまもと・しんのすけ)

1981年 北海道大学工学部原子工学科卒業
同 年 ダイキン工業株式会社入社
    大型冷凍機の設計・開発および開発管理業務、
サービス、研修部門(現職)の業務に従事
2017年 公益社団法人 日本冷凍空調学会
政策委員会教育制度再構築分科会委員

目次

第1章 なぜ空気は冷えるのか?

エアコンを運転すると、なぜ部屋全体が冷えるのか? 「エアコンから冷たい風 部屋全体の室温が低下」
エアコンから冷たい風がでる仕組み 「エアコンの内部では①」
蒸発してガス化した冷媒は圧縮機で圧縮される 「エアコンの内部では②」
圧縮された冷媒蒸気は室外機で冷やされ液化する 「エアコンの内部では③」
液化した冷媒は蒸発しやすいように低圧に減圧される 「エアコンの内部では④」
部屋の空気の熱が、屋外の空気に放出される 「室内には冷たい空気、屋外には温かい空気」
熱は温度の高いほうから低いほうへ移動する 「熱と温度の見えない関係」
エアコンは熱を持ち上げるポンプの役割をしている 「室外へ熱を移動させる(冷房)」
エアコンのウィークポイント 「結露と霜、除霜対策が必要」
エアコンの運転状態がわかる魔法の線図 「pーh線図とは?」
エアコンの心臓部は、圧縮機だ 「エアコンの性能は、圧縮機で決まる」

第2章 身の回りの冷凍空調技術
空調の目的は、空気の質を良好に保つこと 「快適性を求めて①」
輻射冷暖房、潜顕分離、人感センサー 「快適性を求めて②」
熱の搬送に、冷媒が使われる方式 「家庭用と大規模なビル ・ 病院では空調の方式が異なる①」
熱の搬送に、水または空気が使われる方式 「家庭用と大規模なビル ・ 病院では空調の方式が異なる②」
冷房・暖房だけでない、空調に関連する機器群 「いろいろな空調関連機器」
暖房機器にはいろいろな方式がある 「熱の伝わり方の違いと暖房機器」
世界中のあらゆる地域で増え続けるエアコン需要 「世界中で増えるエアコン需要」
世界の人口の2割を占める中国がエアコン需要の4割を占める 「日本の需要は世界の1割を占める」


第3章 いろいろなところで使われる冷凍冷蔵技術
食品冷凍冷蔵機器の種類 「家庭用冷蔵庫、業務用冷凍冷蔵庫、ショーケース、自動販売機など」
低温物流は時空を超えて我々の豊かな生活を支えている 「コールドチェーンで世界がつながる」
食品を凍結させる 「産地での急速冷凍の方法」
冷凍冷蔵食品を運ぶ 「低温 ・ 定温のまま輸送」
冷凍冷蔵食品を保存する 「食品により保管温度が違う」
大量低温保管だけでなく、必要なときに必要な量だけ自在に入出庫 「冷蔵倉庫いろいろ」
野菜や魚介類を新鮮な状態で食卓に届ける冷凍冷蔵技術 「豊かな食生活を支える冷凍冷蔵技術」
食材により最適な保存温度は異なる 「冷凍と冷蔵はどう違う」
冷凍冷蔵は食品だけでなく医療、交通、レジャーなどいろいろ 「冷凍冷蔵機器と我々の生活」
エネルギーの消費の4割は熱に変換して利用している 「冷熱・温熱として利用している」
業種や作業内容により、熱の利用温度帯は幅広い 「産業界では幅広い温度領域の利用」


第4章 冷凍空調技術の歴史
古代エジプト時代から繋がる冷やす技術 「水が蒸発するとき周りから熱を奪う」
氷水に塩を混ぜると0℃より低い氷水になる 「0℃より低い温度の氷水」
熱を運ぶ物質(冷媒)の登場で冷やす技術の発展 「液体が蒸発して気化するときの熱を利用」
蒸気を圧縮する方式が冷凍サイクルの主流 「蒸発したガスを圧縮することで冷凍サイクルを構成」
飛行機内の冷房は蒸気圧縮式とは異なる方式 「空気を圧縮、冷却、減圧して冷房」
今までのカーエアコンの仕組みと電気自動車 「カーエアコンはエアコン?」
無色無臭で人に悪影響をあたえない冷媒の登場 「人にやさしいフロン」
フロンの登場で飛躍的に発展した冷凍空調機器 「安全で使いやすく効率のよい冷媒」
大気中で安定であるが故にオゾン層を破壊する原因に 「フロンの功罪」


第5章 冷凍空調の新技術 ・ 将来技術
最新のエアコンはこんなに高効率 「高効率化で地球温暖化防止」
知らないうちに漏れていたなんてことがないように 「フロンを漏らさない」
地球にやさしいフロン 「フロンもどんどん進化している」
不凍タンパク質って何? 「北極海でも平気で泳ぐ魚がいる」
磁力で温度変化?圧縮機なしの冷凍機 「磁気で冷える?」
豊洲で活躍、空気を圧縮・膨張させるだけで超低温 「空気の力でマグロを冷凍」
冷やさず除湿のデシカント潜顕分離で省エネを 「結露させるだけが除湿ではない」
こんなところにも冷凍空調① 「宇宙服、作業服、土壌凍結工法…」
こんなところにも冷凍空調② 「スターリングサイクル・ペルチェ素子」
冷凍空調技術でエネルギー管理 「余剰電力を上手に使う」


第6章 冷凍空調技術と社会の課題
冷凍空調で豊かな生活を支えるにはたくさんのエネルギーが必要 「エネルギー問題」
日本の電力事情 「化石燃料は有限、しかもそのほとんどは輸入に依存」
20世紀に使っていたフロンはオゾン層を破壊 「オゾン層破壊問題」
フロンの温暖化影響削減のため、新冷媒への挑戦 「地球温暖化問題」
エアコンをしっかり管理して環境に貢献 「フロンの漏れ防止、廃棄時のフロン回収」
上手なエアコンの使い方 「省エネ運転のすすめ」
限りある資源、家電もリサイクル 「家庭用エアコンの再商品化率は92%」
これからの冷凍空調機器に求められること 「省資源、省エネ、環境負荷削減を求めて」
トップランナーは業界をリード 「マラソンのペースメーカーは記録を向上させている」


第7章 冷凍空調業界を支える冷凍空調技術者
空調機の選定から運転まで、さまざまな仕事がある 「一 般的な空調工事全体の流れ」
安全面や地球環境保全に必要な業務は有資格者が行う 「電気配線工事や冷媒を取り扱う公的資格」
冷凍空調設備は、メンテナンスで機器の寿命が左右される 「性能の維持、機器寿命を左右」
冷凍空調技術者になるには 「社会への貢献、地球環境への貢献を実感」
免許を取ってプロになろう 「冷凍空調技術者の代表的な資格と難易度」
そのほかこんな資格も 「仕事の幅を広げるには、こんな資格も」
業界団体は、国民生活の維持向上と業界の発展のために活動している 「冷凍空調業界での業界団体の役割」


【コラム】
●人の健康、勉強や仕事の効率と空調の関係
●空調機の能力の表示は、こう表現されている
●冷凍冷蔵業界での業界団体の役割
●潜熱と顕熱
●コールドチェーンで輸送されているものいろいろ
●エアコンの効率COPは1を超える
●日本の食の安全を守るHACCP
●冷凍食品、いま ・ むかし
●急速冷凍でフードロス削減



参考文献
索引

はじめに

 今や冷凍空調機器は、社会のみならず私たちの家庭でもなくてはならないものになっています。本書では私たちが毎日の生活をより快適に、そして安心して過ごせるように、エアコンや冷凍機がいろいろなところで活躍していることをやさしく、そしてトコトン紹介します。
 冷凍空調技術は本当にいろいろなところで使われています。しかしそのわりには、その仕組みはあまり知られていません。冷凍空調では、一般的なエンジンなどとは逆に、動力エネルギーを熱に変換する仕組みを利用して、効率よく冷熱や温熱を得ています。これに加えて、古代より使われている、物質の状態が変化するときに吸熱したり放熱したりする現象を利用して、性能を向上させています。室内に入ったときに、気持ちのいい冷風や温風がエアコンから流れてくるのはそのおかげです。
 より快適に、そして環境にやさしくなるように最新の機械が開発され、いろいろな工夫が凝らされていて、これらの技術が家庭用のみならず店舗用やビル用の空調機に利用されています。
 快適な生活環境を得る上で、エアコンは欠かせないものになっていますが、一方で、冷凍冷蔵技術が私たちの生活を安全、安心で、豊かなものにしていることも忘れられません。冷凍冷蔵機器は食べ物の安全だけではなく、さまざまなインフラが安定するように働いており、私たちの暮らしと現代社会を支えています。
 私たちにとってなくてはならない冷凍空調ですが、その影響により、近年では地球がダメージを受けていると心配されています。冷凍空調機器の運転時に使われるエネルギーや排出される二酸化炭素の問題、そして作動流体、いわゆるフロン系冷媒による地球温暖化の問題などです。しかし、これからも冷凍空調が発展していくように新技術が開発され、それがうまく発揮できて役立つようにできる技術者をたくさん育てています。
 これまでも冷凍空調技術に関する専門書はいろいろ発行されていますが、本書では私たちにとって大切な冷凍空調のすべてをトコトン理解していただけるように、読者の皆様にとってできるだけやさしく、かつ幅広くて深い内容の少しぜいたくな本にしました。多くの方々に本書に触れていただき、冷凍空調について知っていただけることを心より期待しております
 最後になりますが、この本を丁寧に校正していただき、編集において特別なご尽力をいただきました日刊工業新聞社の藤井浩様、日本冷凍空調学会事務局の香川渚様、佐藤翔様に深く感謝いたします。また、同事務局におきましては業務多忙の中、本書に適切な図表の選定など広く作業を行っていただきましたことを特記させていただきます。資料について参考とさせていただいた各位、各団体様にも深く御礼申し上げます。


2020年4月
 公益社団法人 日本冷凍空調学会 「トコトンやさしい冷凍空調技術の本」出版WG主査 
香川 澄

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