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製造業のための
目標原価達成に必要なコスト見積もり術

定価(税込)  2,200円

著者
サイズ A5判
ページ数 144頁
ISBNコード 978-4-526-08053-1
コード C3053
発行月 2020年04月
ジャンル 機械

内容

製造業では、製品の開発時にはまず目標原価をシミュレーションし、目標に沿って設計・開発が進められる。しかし、現実にはコストの作りこみが達成できず、目標原価から大きく外れることもしばしばある。本書では、目標原価による利益の作りこみ方法、必要なコスト見積もりとその運用方法を示す。

間舘正義  著者プロフィール

(まだて まさよし)
1957年生まれ。産業能率短期大学卒業。日東工器㈱、関東精工㈱などで生産、営業などの実務経験を経て、1998年日本コストプランニング株式会社を設立。経営コンサルタントとして、製品のコストを切り口にコストダウンを指導する。加工について、膨大なデータをソフト化した見積ソフトを開発し、指導に活用している。また、企業の新製品開発プロジェクトの体制作りや管理も行っている。著書:「図解 原価管理」、「これならできる!経営分析」、「業務別に見直すコストダウンの進め方」、「原価管理入門スクール(通信教育)」、「設計者のためのコスト見積もり力養成講座」ほか。

目次

はじめに

第0章 とある「どんぶり勘定」見積もり会社の日常
0-1 とある「どんぶり勘定」見積もり会社の日常

第1章 なぜ目標原価を設定するのか
1-1 目標原価に悩む設計者
1-2 目標原価を達成できないとどうなるの?
1-3 利益の源は製品にある
1-4 なぜ、製品原価について設計段階が注目されるのか
1-5 コスト見積もりの重要性とそのマインドがあるか
1-6 利益計画のスタートは原価企画から始まる
1-7 一度決めたら放ったらかし……では NG!
1-8 目標原価はどのくらい詳細でなければならないか

第2章 原価はどのように決まって行くのか
2-1 事例で考える
2-2 設計段階の製品企画書には目標原価が設定されている
2-3 コスト意識を持たない会社の成長は無い
2-4 目標原価は何を指しているのか
2-5 あいまいな製品仕様書は、目標原価の意味を無くす
2-6 設計のステップごとに必要な見積もり方法(1)
2-7 設計のステップごとに必要な見積もり方法(2)
2-8 過去の原価があてにならない理由(1)
2-9 過去の原価があてにならない理由(2)
2-10 過去の原価があてにならない理由(3)
2-11 コスト見積もり方法の種類(1)
2-12 コスト見積もり方法の種類(2)
2-13 開発した製品の原価情報はすぐに取り出せるのか
2-14 製品開発に役立つコスト見積もりシステムとは
2-15 結局ものづくりを理解していないと儲けのしくみは作れない

第3章 コスト見積もりの考え方と方法
3-1 生産活動を知らないで原価は語れない
3-2 原価を作るのは自社の技術力と管理力
3-3 まずはコスト見積もりの基準を持つことが大切
3-4 具体的なコスト基準を考える
3-5 原価の標準値と実際原価の食い違いをどうするか
3-6 コスト見積もりの二つのルートとモジュール化
3-7 コスト積上げ法
3-8 コスト展開法
3-9 原価情報のフィードバック機構の取り入れ方
3-10 原価情報を入手できるしくみの構築は簡単ではない
3-11 コスト見積もりに必要な能力を育てる

第4章 製品構成のひな形化による攻めのコスト戦略
4-1 設計には「技術開発」と「製品化」の二つの要素がある
4-2 製品設計では機能的な視点とアイデア力を必要とする
4-3 製品開発のステップを機能的に考える
4-4 まずは仕様書で方式とモジュールを決める
4-5 モジュールとコストの関係の整理をする
4-6 モジュールの原価はプロトタイプ(ひな形)で考える
4-7 モジュールとコストを整理する
4-8 モジュールごとにプロトタイプ(ひな形)を決める(1)
4-9 モジュールごとにプロトタイプ(ひな形)を決める(2)
4-10 モジュールごとにプロトタイプ(ひな形)を決める(3)
4-11 プロトタイプ(ひな形)から部品を設定する(1)
4-12 プロトタイプ(ひな形)から部品を設定する(2)

第5章 コスト見積もりシステムの作り方、生かし方
5-1 コスト見積もりシステムを作るには
5-2 コスト見積もりシステム化のポイント
5-3 材料費の求め方 5-4 加工費の求め方(1)
5-5 加工費の求め方(2)
5-6 加工費の求め方(3)
5-7 加工費の求め方(4)
5-8 加工費の求め方(5)
5-9 スピード見積もり法(1)
5-10 スピード見積もり法(2)
5-11 コスト情報の情報共有化とひな形のメンテナンス
5-12 設計でのコスト見積もり業務のまとめ


参考文献
索引

はじめに

 製品の開発・設計では、「目標原価」が当たり前に設定されています。そして、その「目標原価」が達成できないと、開発を中止にする会社もあります。 「なぜ予算(目標原価)をオーバーしているのか分からない」、「原価の明細が分からない」、「原価の明細は分かったが、それが適正なのか分からない」、「コストダウンのポイントが分からない」などの理由で製品の開発を先へと進めることができず、無限ループ状態に陥っている会社もあります。
 製品の開発・設計の業務は、顧客ニーズという「かたちのない状態」を「かたちある製品」に作り上げていくことです。このとき、設計者は、製品に要求される品質や性能と目標原価の双方を満たさなければなりません。 
しかし、設計者は、図面を作成したあとになって、「予算(目標原価)が達成できていない」ということがあります。この場合、設計者は、開発・設計の見直しを行って、目標原価を満たすことを検討するのですが、「なぜ、予算をオーバーしたのか分からない」、「何に重点を置いて検討すべきか?」、「コストの内訳が分からない」などと困惑しています。 
そして、目標原価を満たすために設計者は、上司や同僚の協力を得て、VE(コストダウン)提案を作成し、有力なコストダウン提案から検討を進めます。また、VE
(コストダウン)提案には、その効果の程度を判断しにくいため、追加のテスト作業をすることもあります。このような製品開発の進め方では、効率が悪く、見直しによる費用の増加や開発期間の延長につながってしまいます。
 開発・設計業務では、設計の見直しが発生することのないように、ステップごとにコストレビューの行い、スムースに進めるべきです。設計者は、設計の見直しが発生しないように確認しているはずが、そうはならないのです。
 図面が作成された段階で、コストレビューの時の金額と大きく異なってからでは遅いのです。そして、設計者は、その原因を追究するよりも、目標原価を達成することを優先します。この結果、開発・設計プロジェクトごとに設計の見直しが繰り返されてしまうのです。
 本書は、設計者がコストレビューで用いる原価についての課題を述べ、見積もりについての理解を進めるとともに、コストレビューで活用すべき見積もり方法を紹介し、スムースな目標原価の達成をする方策を解説するものです。

2020年 4月 著者

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