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おもしろサイエンス
火山の科学

定価(税込)  1,760円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-08050-0
コード C3034
発行月 2020年03月
ジャンル ビジネス 環境

内容

日本には、富士山をはじめとして多くの火山があり、災害をもたらすこともある反面、観光地ともなっていて、私たちにとって身近な存在である。本書では火山の分布、種類、仕組み、火山からの恵みなどをやさしく紹介すると同時に、防災という視点からも科学的におもしろく解説する。

西川有司  著者プロフィール

(にしかわ ゆうじ)
1975年早稲田大学大学院資源工学修士課程修了。1975年〜2012年三井金属鉱業(株)、三井金属資源開発(株)、日本メタル経済研究所。放送大学非常勤講師(2014〜2018)。
主に資源探査・開発・評価、研究などに従事。その他グルジア国(現在ジョージア)首相顧問、資源素材学会資源経済委員長など。
現在、EBRD(欧州復興開発銀行)EGP顧問、英国マイニングジャーナルライターなど。
著書は、トコトンやさしいレアアースの本(共著、2012)日刊工業新聞社、トリウム溶融塩炉で野菜工場をつくる(共著、2012)雅粒社、資源循環革命(2013)ビーケーシー、資源は誰のものか(2014)朝陽会、資源はどこに行くのか(2019)朝陽会、おもしろサイエンス地下資源の科学(2014)日刊工業新聞社、おもしろサイエンス地層の科学(2015)、おもしろサイエンス天変地異の科学(2016)、おもしろサイエンス温泉の科学(2017)、おもしろサイエンス岩石の科学(2018)、おもしろサイエンス地形の科学(2019)など。「資源と法」(2012〜2019)記事連載 朝陽会発行(編集雅粒社)また地質、資源関係論文・記事多数国内・海外で出版。

目次

はじめに

第1章
火山とはいったいどんな山?
1 火山とはどんな山なのか
2 火山はどこにあるのだろう?
3 火山の下からマグマが噴出してくる
4 海の底からも溶岩が湧き出て山脈をつくる
5 地球の内部の熱の放出と火山の形成は密接につながっている
6 地球の誕生以来火山活動は続いている
7 地震と火山の関係

第2章
噴火はどうやって起こるのか?
8 噴火はどのように起こるのか
9 マグマにはでき方と性格がある
10 火山から出てくるいろいろな噴出物
11 地中のマグマが地上に出てくると溶岩となる
12 海の火山も陸の火山も噴火は同じだ
13 なぜ、噴火が収まり、再び噴出するのか
14 プレート・テクトニクスと火山の関係

第3章
火山はどんな場所にあるのだろう?
15 3つ火山活動の場所と噴火種類、形の特徴
16 火山の種類と岩石の関係
17 火山の種類と分布には関係がある
18 噴火の規模は何に関係するのか
19 カルデラはどんな噴火でできるのか
20 溶岩台地はホット・スポットと関係があるのか
21 地球規模の破局噴火は起きるのか
22 地球の創世記を感じさせる溶岩湖

第4章
日本は火山列島なのだ
23 日本は世界有数の火山大国
24 日本の火山の特徴と分布
25 日本周辺の海底火山活動 ─西乃島も海底火山、国土が拡がる
26 伊豆火山島が伊豆半島に ─本州に潜り込んでいる
27 山体崩壊を繰り返す浅間山
28 阿蘇カルデラの噴火と桜島
29 富士山もプレートの働きでできた火山

第5章
世界にもいろいろな火山がある
30 太平洋の海山列はどのようにできたのか
31 世界の火山帯と主な火山の分布
32 世界の気候が変わってしまう破局噴火
33 「ホット・スポット型」キラウエア火山の特徴
34 大量の火山灰放出ピナツボ山の大噴火は、火山爆発指数6の「並外れて巨大」
35 富士山に似ている欧州最大のエトナ火山
36 アイスランドに見られる海嶺 ─海底火山山脈

第6章
火山を利用する─地熱、農業、景観・観光
37 地熱資源と発電
38 火山による熱をどのように利用するのか
39 火山活動は資源をもたらす
40 石材は火山の活動から生まれる
41 美しい景観を生み出す火山は、観光の目玉
42 これからの火山はどのように利用されるのか

第7章
火山と災害、予知、防災
43 噴火による様々な災害 ─噴石、火砕流、火山灰、溶岩流
44 有史以来火山災害は多発している ─気象変化や飢饉をもたらす
45 世界・日本の火山災害
46 農業にダメージを与える火山噴火
47 火山噴火の交通などインフラへの影響
48 飛行機のエンジンへのダメージ
49 火山噴火の予知は可能なのか
50 どのような防災対策がとられているのか
51 火山と社会の将来


Column
火山の国アイスランドの火口探検ができる火山
海を越える火砕流
珍しい天地の変動 ─昭和新山、畑のなかから突然に山ができた
深海底で莫大な溶岩が流れ出ている
日本のポンペイ
庭石の三波石は海底火山の石 ─海底火山の噴火の様子を知る
マグマ発電

参考文献

はじめに

 火山噴火は脅威です。地球の内部からマグマが湧き出し、噴出すれば私たちの社会生活を脅かし、破壊をもたらします。しかし、一方で、火山は美しい地形をもつ景観もつくります。
 世界には1500の活火山があり、日本には111の活火山が北から南までいたるところに存在しています。日本は「火山の国」なのです。
火山は「地球の熱を排出する煙突」です。地球の中心となるコアの5500℃という超高熱がマントルに伝わり、マントルを動かし、大陸を移動させ、海溝で沈み込み火山をつくり噴火させます。これが「海溝型」の火山です。
 他方、この超高熱マントルがコア直上から地上めがけて密度差、温度差があるマントルの中を上昇し、火山をつくります。ハワイのような「ホットスポット型」の火山です。
 また、海洋では数千キロメートルと長い海底山脈をつくっていますが、山脈に沿い溶岩が湧き出ています。これが「海嶺型」の火山です。火山にはこの3種類の火山型があります。日本の火山はすべて海溝型です。また海嶺の中心、溶岩噴き出しの割れ目を境に溶岩が両方の方向にプレートとなって移動していきます。ここがプレートテクトニクスの出発場所となります。

 火山活動は太古より起こっています。山をつくり、爆発し、山が壊れそして噴火し、どろどろに燃え滾る溶岩湖をつくり、数万年に1回は地球の景色を一変させる破局噴火を起こします。成層圏に達した噴煙によって地球は火山灰に覆われ寒冷化し、食糧難が起こります。
 また火山は大惨事となる災害をももたらします。家が破壊され、田畑が埋もれ、たくさんの犠牲者をだし、都市や町や村も無くなります。しかしその一方で火山活動は多くの恵みももたらします。火山が生み出す熱による地熱発電や温泉、熱で寒冷地でも野菜栽培ができます。
 本書では火山を体系化し、火山全体をわかりやすく表しました。火山とプレートテクトニクス、火山活動の起こる場所、噴火の仕方、日本の火山の特徴、火山災害と防災など、火山を理解しやすいように描き、火山を通し地球への興味を持っていただければ幸いです。また、本書は、おもしろサイエンスの「岩石の科学」や「地形の科学」「天変地異の科学」と相互に関係します。本書を通して火山のおもしろさや怖さを感じていただければ、さらに科学的な眼で火山を見、眺めていただければ、筆者の望外の喜びです。
 日刊工業新聞社藤井浩氏には執筆の機会を与えてくださり、執筆編集のご指導をいただき、深く感謝を申し上げます。

2020年3月
西川有司

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