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入門 物流(倉庫)作業の標準化
バラツキを減らし、ムダとミスをなくす!

定価(税込)  1,980円

著者
サイズ A5判
ページ数 116頁
ISBNコード 978-4-526-08048-7
コード C3034
発行月 2020年04月
ジャンル 生産管理

内容

倉庫、物流センターの作業手順や作業ツールなどを標準化することで、作業者間で発生する作業のバラツキを抑え、物流品質を高いレベルに保つことができる。本書では、物流工程(入荷、ピッキング、仕分け、梱包、出荷など)に沿って、標準化の考え方と実践方法をやさしく解説する。

鈴木邦成  著者プロフィール

(すずき くにのり)
 物流エコノミスト、日本大学教授(在庫・物流管理などを担当)。一般社団法人日本SCM協会専務理事、一般社団法人日本ロジスティクスシステム学会理事、日本卸売学会理事。パレットなどの物流機器のレンタル・販売の大手、ユーピーアールの社外監査役も務める。
 専門は物流およびロジスティクス工学。
 主な著書に『物流センター&倉庫管理業務者必携ポケットブック』、『トコトンやさしい小売・流通の本』、『お金をかけずにすぐできる 事例に学ぶ物流現場改善』、『運行管理者(貨物)必携ポケットブック』、『物流コストの計数管理/KPI管理ポケットブック』、『トコトンやさしい物流の本』、『物流・流通の実務に役立つ計数管理/KPI管理ポケットブック』『図解 物流センターのしくみと実務第2版』、『新・物流マン必携ポケットブック』、『アジア物流と貿易の実務』、『図解 すぐ役に立つ物流の実務』、『図解 国際物流のしくみと貿易の実務』、『図解 物流の最新常識』、『トコトンやさしいSCMの本 第2版』、『絵解きすぐできる物流コスト削減』、『絵解きすぐわかる産業廃棄物処理と静脈物流』(以上、日刊工業新聞社)、『スマートサプライチェーンの設計と構築の基本』、『すぐわかる物流不動産』(公益社団法人日本不動産学会著作賞授賞)、『グリーンサプライチェーンの設計と構築』(以上、白桃書房)、『Toward Sustainable Operations of Supply Chain and Logistics Systems (EcoProduction)』(英語版、共著、シュプリンガー社)などがある。物流・ロジスティクス・SCM関連の学術論文、雑誌寄稿なども多数。

目次

序 章 標準化の必要性と進め方のポイント
なぜ標準化か?-物流現場における標準化の必要性/標準化されていない現場の課題/
標準と標準化/物の標準化と事柄の標準化/標準の種類/標準化の原則/工場における物流工程/
物流コスト管理・物流KPI管理と標準化/標準化による作業平準化の実現/ABC分析の導入
Column 倉庫施設の標準化

第1章 積込み・積卸し作業
▶標準化の事例
1-1 効率的な積み付けの位置
1-2 積卸し方法
1-3 過積載・過密運行の防止
1-4 ストレッチフィルムの巻き付け方
1-5 積込みに使う台車・カゴ台車の管理
▶標準化のポイント
1-1 効率的な積み付けの位置
さまざまな荷物に応じた対応を
1-2 積卸し方法
重量配分に留意しよう
1-3 過積載・過密運行の防止
過密な運行計画はしない
1-4 ストレッチフィルムの巻き付け方
ストレッチフィルムの標準化
1-5 積込みに使う台車・カゴ台車の管理
台車の安全管理を定める

第2章 入出荷作業
▶標準化の事例
2-1 入荷・入庫作業
2-2 入荷検収作業
2-3 入出荷検品の手順
2-4 パレタイズの手順
2-5 格納・保管
▶標準化のポイント
2-1 入荷・入庫作業
入庫作業(入荷検品)の標準化例
2-2 入荷検収作業
確実にチェック項目を確認してからサイン
2-3 入出荷検品の手順
数量やアイテムなどの検品を確実に行う
2-4 パレタイズの手順
パレットの取扱いの基本
2-5 格納・保管
正しくロケーションできるシステムを構築

第3章 仕分け・ピッキング作業
▶標準化の事例
3-1 ピッキング手順
3-2 ピッキングエリアのレイアウト
3-3 ピッキング手順書の作成
3-4 負担を生じない合理的な仕分け手順
3-5 情報システムとリンクした作業手順
▶標準化のポイント
3-1 ピッキング手順
ピッキング作業を正確、迅速に
3-2 ピッキングエリアのレイアウト
ピッキング通路の最短化を目指す
3-3 ピッキング手順書の作成
ピッキングリストを受け取り、手順書に従う
3-4 負担を生じない合理的な仕分け手順
生産計画とのリンクが重要
3-5 情報システムとリンクした作業手順
マテハン機器の仕様や特性を把握

第4章 保管・梱包作業
▶標準化の事例
4-1 梱包作業の手順と荷姿の統一
4-2 段ボール箱の大きさ・サイズ
4-3 通い箱・クレートの形状・サイズと管理方法
4-4 パレットの規格・サイズ・材質
4-5 コンテナ輸出の作業手順
4-6 PPバンドとガムテープの取扱い
▶標準化のポイント
4-1 梱包作業の手順と荷姿の統一
積み荷の重量やサイズを設定
4-2 段ボール箱の大きさ・サイズ
段ボール材の強度などを統一
4-3 通い箱・クレートの形状・サイズと管理方法
通い箱の取扱いマニュアル・作業手順書を整備
4-4 パレットの規格・サイズ・材質
扱う物品や業界標準などに合わせる
4-5 コンテナ輸出の作業手順
確実なバンニングで荷物を固定
4-6 PPバンドとガムテープの取扱い
ガムテープの貼り方
Column 輸出用貨物のくん蒸処理

第5章 状況に応じた物流改善手順
▶標準化の事例
5-1 強化段ボール箱の導入
5-2 パレット荷役の改善
5-3 人材配置の適正化
5-4 倉庫の労災管理
5-5 倉庫の防災管理
▶標準化のポイント
5-1 強化段ボール箱の導入
強化段ボール箱で改善
5-2 パレット荷役の改善
フォークリフトによる荷役が原則
5-3 人材配置の適正化
標準人時を設定して標準作業手順書を作成
5-4 倉庫の労災管理
安全な作業に留意
5-5 倉庫の防災管理
避難路の確保

資料編
標準化に役立つ物流KPI一覧表/コンテナの基本知識/
包装貨物の荷扱い図記号/レンタルパレットの寸法例/国際貨物の梱包/ABC分析


主要参考文献
索引

はじめに

 工場などの生産現場では効率化や品質管理の視点から標準化が推進されてきた。機器や設備の寸法や仕様を統一するだけでなく、一連の手順についてもマニュアルや手順書を設けて作業プロセスを明確化している。しかし、生産現場とは異なり、物流工程の標準化は立ち遅れていた。
 けれどもここにきて物流工程についても標準化を推進する流れが加速されてきている。少子高齢化の進行や労働環境のホワイト化の推進などが大きな要因となり、物流工程に携わる労働力の質は多様化し、手順書を用意するなどして作業ルールをしっかり定めておかなければ、仕事量や作業効率に大きなバラツキが発生してしまうことになる。
 また、近年はAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などがさまざまなかたちで現場の効率化のために導入されてきているが、物流工程を標準化することでその導入もスムーズに進むことになる。
 そこで本書は、物流工程の一連のプロセスに沿って作業標準化への流れを現場改善の視点を踏まえてわかりやすく解説する。
 序章「標準化の必要性と進め方のポイント」では、標準化を行うことによって得られる効果と、その実践におけるポイントを解説する。標準化を進めるにあたっての考え方や方針をまとめている。
 第1章「積込み・積卸し作業」では工場、倉庫、物流センターでの積込み、積卸し作業について標準化への道筋を解説する。同様に第2章「入出荷作業」では入出荷に関する一連の作業手順について、第3章「仕分け・ピッキング作業」では仕分け・ピッキング作業の効率化について、第4章「保管・梱包作業」では包装・梱包の手順について、それぞれ標準化の手順や方針について解説する。
 そのうえで第5章「状況に応じた物流改善手順」では標準化により作業現場の課題がどのように改善されていくかを実践的な視点から紹介し、あわせて労災管理や防火管理のルール作りについても解説する。
 なお、各章の前半に標準化の課題(実践事例)を1項目見開きで「改善前」と「改善後」の状況が理解できるように紹介し、章の後半で補足的な説明を加える構成とした。あわせて☆印をつけることで各項目の重要度も判断できるようにした。なお、イラストについては現場の雰囲気、イメージを伝えることを優先したので、必ずしも専門的な正確性を有しているわけではないこともお断りしておきたい。
 本書を読むことで、工場や倉庫における物流工程のしくみと実務について読者の皆さんの理解がより一層深まり、日々の実務などに活用していただければ筆者の望外の喜びです。

2020年4月
鈴木邦成

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