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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい化粧品の本
第2版

定価(税込)  1,650円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-08034-0
コード C3034
発行月 2020年01月
ジャンル ビジネス 化学

内容

人気書籍の第2版が登場!シワなどに関する新しい技術、全成分表示や部外品の申請などの実用的な内容、安全性や環境問題、さらには幹細胞、アレルギーや抗酸化の生体メカニズムなどの新たな項目を追加し、皮膚の機能・構造、化粧品の種類や作り方などの基本を解説する。

福井 寛  著者プロフィール

(ふくい ひろし)
1974年 広島大学大学院工学研究科修士課程修了。同年 (株)資生堂入社、工場、製品化研究、基礎研究〈粉体表面処理〉などの研究に従事。香料開発室長、メーキャップ研究開発センター長、素材・薬剤研究開発センター長、特許部長、フロンティアサイエンス事業部長、資生堂医理化テクノロジー㈱社長、東北大学客員教授、東京理科大学客員教授、信州大学客員教授、大同大学客員教授などを歴任。
現在、福井技術士事務所代表。工学博士、技術士(化学部門)、日本化学会フェロー、日本技術士会理事、学術振興会先端・ナノデバイス・材料テクノロジー第151委員会顧問、千葉工業大学非常勤講師。

主な著書
「おもしろサイエンス美肌の科学」日刊工業新聞社、「トコトンやさしい染料・顔料の本」日刊工業新聞社(共著)、 「きちんと知りたい粒子表面と分散技術」日刊工業新聞社(共著)、「トコトンやさしいにおいとかおりの本」日刊工業新聞社(共著)、「トコトンやさしい界面活性剤の本」日刊工業新聞社(共著)など
“Cosmetic Made Absolutely Simple” BELLE VIENUS Co., Ltd.(「トコトンやさしい化粧品の本」の英語版)

目次

第1章 化粧品って何だろう
1 化粧品とは何だろう「化粧品の定義」
2 医薬部外品って何が違うの?「部外品は承認が必要」
3 ラベルを見てみよう「化粧品に必要な表示項目」
4 化粧品成分の考え方「消費者にとって大切な全成分表示」
5 どれくらいの量が使われているの?「化粧品の出荷額」


第2章 外部から身を守る仕組み
6 外界への対応「五感と皮膚の関係」
7 最前線にいる皮膚「皮膚の構造」
8 八面六臂の働き者「皮膚の生理作用、皮膚の役割」
9 水も漏らさぬ仕組み「皮膚の保湿作用」
10 お肌の大敵・紫外線「紫外線で赤くなる・黒くなる・癌になる?」
11  お肌の老化はなぜ起こる「老徴、自然老化と光老化」
12  アレルギーはなぜ起こる「アトピー性皮膚炎」
13  あなたの肌を調べてみよう「皮膚の保湿性の計測方法」
14 肌質って何だろう「皮脂量と保湿能で肌質を分類」
15 毛だって機能を持っている「毛の機能と構造」
16 毛の寿命「毛髪の発生・種類・ヘアサイクル」
17 注目の的・幹細胞「分裂能力のある分化していない細胞」
18 触ってわかる仕組み「触覚受容器」
19 匂いがわかる仕組み「匂いを捕まえる」
20 見える仕組み「光の情報を電気信号に変える」


第3章 化粧品は何でできている?
21 化粧品の原料はどんなもの?「化粧品を構成している物質」
22 水の優れた特性「水素結合の力」
23 化粧品とコロイド科学「さまざまな物質が混じり合った状態」
24 界面を上手く作る物質「界面活性剤の種類と機能」
25 混ざらないもの同士を混ぜる「可溶化とエマルション」
26 泡の秘密「泡の性質と利用」
27 古くて新しい油の使い方「油性原料の種類と機能」
28 高分子の働き「高分子増粘剤や皮膜形成剤」
29 メーキャップは色が命「色を出す顔料、染料」
30 活躍する粉体「化粧品に使われる無機粉体や高分子粉体」
31 紫外線から身を守ろう「紫外線吸収剤や紫外線散乱剤の役割」
32 香りを付ける「香料の役割と機能」


第4章 化粧品の作り方とその性質
33 化粧品が世にでるまで「化粧品の特性を踏まえて中味、外装を決める」
34 化粧品を大量に作る装置「中味の製造装置、成型・充填・包装装置」
35 見た目と使い勝手も重要です「化粧品の容器・包装の機能」
36 昔から使われてきた石鹸「石鹸の作り方と特性」
37 汚れの落とし方「洗浄の機構とメーク落とし」
38 シャンプーもリンスも進化しました「洗浄だけではない機能」
39 保湿成分知ってますか「ヒューメクタントとエモリエント剤」
40 スキンケア製剤の作り方「化粧水、乳液、クリーム」
41 自然で美しく粧う「ファンデーション」
42 アイメークの世界「アイシャドーやアイライナーを使う理由」
43 二次付着レス「つや」あり口紅「口唇の生理と口紅の有用性」
44 美しい指先は爪から「爪の構造とネールエナメル」
45 決まったね!そのヘアスタイル「ヘアワックス、ムース、ヘアリキッド、パーマネント」
46 髪の色を好みのままに変える「ヘアカラー、ヘアブリーチの利用」
47 フレグランスは香りの芸術「揮発性を活かしたフレグランス」


第5章 化粧品の安定性、安全性と環境対応
48 化粧品成分を実際に調べるには「化粧品に使われる成分の分離方法」
49 化粧品成分の構造を決めよう「化粧品成分の構造解析」
50 使い心地を測定する「流動の様式、レオロジーの測定方法」
51 色の世界「表色系を用いて色を特定」
52 品質劣化させないために「各種の安定性と保証試験」
53 微生物汚染を防ぐ!「一次汚染・二次汚染、防腐防黴」
54 計算科学はここでも活躍「コンピュータを駆使して化粧品開発に利用」
55 安全性は何より大切「長期間用いられるので絶対的な安全保証が必要」
56 待ったなしの環境問題「ライフサイクル全体を考慮した化粧品開発」


第6章 機能性化粧品とその将来
57 シワを改善する技術「シワ、たるみの発生、評価法と老化防止」
58 毛穴が目立つのはなぜ?「毛穴ケアとケミカルピーリング」
59 活性酸素の功罪「活性酸素と抗酸化」
60 いまだ若者はにきびに悩む「にきびの発生と対策」
61 日焼け止め化粧品の効果は?「日焼け止め化粧品、UVA、UVB防止効果」
62 美白のメカニズム「メラニン生成機構と抑制剤」
63 育毛のメカニズム「育毛に関する調節因子と育毛有効成分」
64 体臭とデオドラント「足臭、加齢臭などの発生機構とその防止」
65 歯を守る歯磨き粉「虫歯の生成と歯磨き粉の成分」
66 香りの生理・心理効果「嗅覚の重要なはたらき」
67 有効成分を皮膚内に入れる「経皮吸収をコントロールする」
68 これからの化粧品は?「テーラーメード化粧品、3Dメーキャップ」


【コラム】
●境界のない化粧品研究
●心臓に毛が生えている?
●カメレオンの色
●川柳でわかる江戸の化粧
●分析化学の進歩
●時計遺伝子

参考文献
索引

はじめに

「美しく健康でありたい」というのは昔からの私たちの願いでした。化粧品は人類の歴史と同じくらい昔からありますが、それを使えたのは一握りの貴族だけでした。今では多くの人たちが使っています。お店には多くの種類の化粧品が並び、女性週刊誌には毎週、きらびやかな写真入りの化粧品の記事が載っています。そこにはさまざまな皮膚理論が展開され、どれが本当に良いのかわかりにくい場合も多いのではないでしょうか。テレビでも毎日のように健康や美容に関する番組が組まれ「シワ改善」や「幹細胞」などの言葉が飛び交っています。
 このように化粧品は私たちの身近にあり、毎日使っていますが、本屋さんに行っても化粧品をやさしく解説した本はあまり見当たりません。皮膚の専門書は医学的な立場で書かれたものが多く、皮膚病の写真が多数掲載されていて一般の読者の皆様は抵抗を感じることもあるのではないかと思います。もっと化粧品の中味も含めたやさしい入門書があればということで、10年前に「トコトンやさしい化粧品の本」が出版されました。
 その後10年で化粧品を取り巻く環境も大きく変わり、改訂版を出版することになりました。
第1章は化粧品の定義と現状で、「化粧品の歴史」の紹介をラベルの見方や全成分表示などの実用的な内容に変えました。第2章は皮膚や五感の仕組みと機能で、各項に若干の新しい知見を加え、アレルギーと幹細胞の項を新たに加えました。第3章は化粧品原料の構造と機能で、粉の項を変えています。
 第4章はスキンケアやメーキャップなどの化粧品の特徴と製造方法で、石鹸とファンデーションを具体的な内容に変えました。第5章は化粧品の安定性、安全性および環境問題です。加水分解小麦配合石鹸のアレルギー問題や美白化粧品の白斑問題、EUの動物実験禁止による代替法の検討などがあったため、安全性の項を大きく変えました。また、マイクロプラスチックの海洋汚染、環状シリコーンの水質汚染、紫外線吸収剤による珊瑚の白化のなどの問題もあり環境の項も大きく変えています。第6章は美白、抗老化などの機能性化粧品と化粧品の将来ですが、この10年で化粧品効能では56番目にシワの効能が入り、医薬部外品でもシワ改善が認められ、活況を呈しています。シワ以外にも生体の抗酸化メカニズム、体臭などを新しくし、にきびや育毛剤のガイドラインなども加えました。
 この本は化粧品についてなるべくわかりやすく説明しました。限られたページの中でイラストを使うことで最大限の情報が入っていると考えています。イラストはその項の大きな枠組みがわかり、その中で個々の事項がどのような位置にあるかを示すことを主眼にしました。何気なく使っている化粧品の中にいろいろな技術が入っていることもわかると思います。イラストや表には少し難しい言葉もあるかもしれませんが、わからない単語があればインターネットなどで調べて書き加えれば、全体の中でのその言葉の位置づけもわかると思います。
 本書はできるだけやさしい説明を心がけたために、厳密な意味でのあいまいさなどがあるかもしれません。そのような箇所があれば是非お教えいただきたいと思います。
 最後に本書の出版にあたり多くの文献、図表などを参考にさせていただきました。厚くお礼を申し上げます。また、日刊工業新聞社出版局の方々をはじめ関係者各位に大変お世話になりました。ここに改めて感謝申し上げます。

 令和元年十二月                   福井技術士事務所 福井 寛

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