買い物かごへ

はじめての治具設計

定価(税込)  2,420円

著者
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-08021-0
コード C3053
発行月 2019年12月
ジャンル 機械

内容

業種を問わずモノづくり現場の課題は、QCDすなわち「製造品質」「製造原価」「生産期間」を改善することで、この達成手段の1つが治具である。本書は、「メカ設計」と「作業設計」の両面から治具設計について解説した入門書。

重版中

西村 仁  著者プロフィール

(にしむら ひとし)
ジン・コンサルティング代表 / 生産技術コンサルタント
http://www.jin-consult.com

●略歴
1962年生まれ 神戸市出身
1985年 立命館大学 理工学部機械工学科卒
2006年 立命館大学大学院 経営学研究科修士課程修了
株式会社村田製作所の生産技術部門で21年間、電子部品組立装置や測定装置等の新規設備開発を担当し、村田製作所グループ全社への導入設備多数。工程設計、工程改善、社内技能講師にも従事。特許多数保有。
2007年に独立し、製造業およびサービス業での現場改善による生産性向上支援、及び技術セミナー講師として教育支援をおこなう。
経済産業省プロジェクトメンバー、中小企業庁評価委員等歴任。

●著書
『図面の読み方がやさしくわかる本』日本図書館協会選定図書
『図面の描き方がやさしくわかる本』
『加工材料の知識がやさしくわかる本』
『機械加工の知識がやさしくわかる本』
『機械設計の知識がやさしくわかる本』以上、日本能率協会マネジメントセンター
『基本からよくわかる品質管理と品質改善のしくみ』日本実業出版社

目次

はじめに

第1章 治具を導入する狙い
1.1 治具とは
1.2 治具の効果と基本要素

第2章 位置決め方法
2.1 位置決めの基本
2.2 角形状の端面基準「面当たり方式」の位置決め
2.3 角形状の端面基準「ピン当たり方式」の位置決め
2.4 角形状の端面基準「調整方式」の位置決め
2.5 角形状の穴基準「丸ピン方式とダイヤピン方式」の
位置決め
2.6 角形状の穴基準「長穴方式とダボ方式」の位置決め
2.7 角形状の底面基準の位置決め
2.8 丸形状の位置決め

第3章 固定方法
3.1 固定の基本
3.2 市販の固定具
3.3 丸形状の固定方法
3.4 固定の機構
3.5 真空吸引による固定

第4章 ねじの活用
4.1 ねじの基礎知識
4.2 メートルねじ
4.3 ねじとボルトの種類
4.4 ねじの選び方
4.5 ねじ関連の知識

第5章 運動の案内と測定器
5.1 平面運動の案内部品
5.2 往復直線運動の案内部品
5.3 回転運動の案内部品
5.4 治具に便利な機械要素部品
5.5 測定の基礎
5.6 直接測定の測定器
5.7 間接測定の測定器
5.8 その他の測定器

第6章 作業性と段取り性
6.1 効率の良い作業手順と作業環境
6.2 作業性の良い治具構造とミスを防ぐポカヨケ
6.3 段取り改善

第7章 設計のコツ
7.1 頑丈な設計のコツ
7.2 材料の重さと熱による影響
7.3 はめあい公差のコツ
7.4 標準化を進めるコツ

おわりに

コラム
治具改善の進め方
費用対効果の試算方法
アイデアはアナログで考える

はじめに

●楽に作業するために
突然ですが「いま読んでいるこの本を、机の左から100mm、手前から70mmの位置に置いてください」といわれたら、けっこう手間取ると思います。定規をもってきて寸法通りに置こうとしても、正確に置くのは難しいものです。数ミリは簡単にずれてしまうし、傾きも出てしまいます。
次に「この作業を50回繰り返してください」となれば、もっと楽に作業できないだろうか、と考えます。まずは、100mmと70mmの位置に線を引くことでしょうか。そうすれば、線に合わせて置けば良いので、定規を使う面倒な作業はなくなります。しかし、毎回微妙なズレと傾きは出てきそうです。
では、もっと良い方法はないでしょうか。そこで、L形状の当たり部品を所定の位置に貼り付けておき、Lの内側二辺に当てることで、毎回同じところに置くことができます。この方法であれば、経験のないはじめての人でも、バラツキなく短時間で置くことができます。このL形状の部品が治具になります。
治具の狙いをひと言でいえば、「楽に作業するため」です。楽に作業できれば「品質が上がり」「早く作業ができて」「安くつくれる」のです。それでいて、機械のように何百万円も何千万円もせず、数千円や数万円のレベルでつくることができます。これほどおいしい改善ネタは、他にはなかなか見つかりません。

●本書の対象と特徴
本書は、治具をはじめて設計する方や、基礎をきちんと学んでみたいと思っている方を対象にしています。そのために以下の点を心掛けました。
①専門用語を避けて、工学の知識がなくても理解できるように解説
②イメージしやすいように、できる限り図表を用いて紹介
③実務上必要のない力学の計算式は省略
④市販品については、おおよその価格を参考情報として記載

●治具設計に必要な2つの知識
治具を設計する上で必要な知識は「メカ設計の知識」と「作業設計の知識」の二本柱です。機械の設計には、前者のメカ設計の知識だけで良いのですが、治具を使う主体は人なので、楽にできる作業性がとても大事です。これが作業設計になります。メカ設計と作業設計の習得を本書の目標とします。

●本書の構成
第1章は、治具の狙いとモノづくりの自動化レベルについて紹介します。第2章と第3章は、治具の基本要素である「位置決め」と「固定」の具体的な方法を解説します。第4章はねじの基本知識と使用方法を、第5章は運動を支えるベアリングなどの案内部品と、品質を確認する測定器を紹介します。
第6章は作業性と段取り性を向上させるための視点を、最後の第7章は治具設計を進める上でのコツと、効率良く設計するための標準化について解説します。

買い物かごへ