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異物不良「ゼロ」徹底対策ガイド
一般エリアからクリーンルームまで即効果が出る

定価(税込)  2,200円

著者
サイズ A5判
ページ数 200頁
ISBNコード 978-4-526-08018-0
コード C3034
発行月 2019年11月
ジャンル 生産管理

内容

事例から導き出した経験則を体系化した本邦初の異物管理マニュアル。半導体や自動車、精密機械、化成品など多くの業種で悩まされている製造工程内の異物不良を、伝達経路・発生源から対策してシャットアウトする方法と進め方を図解で詳述する。

中崎 勝  著者プロフィール

(なかざき まさる)
株式会社ロンド・アプリウェアサービス 代表取締役社長
1981年慶應義塾大学工学部計測工学科卒業後、株式会社ブリヂストン入社。生産技術業務に従事する。87年日本デジタルイクイップメント株式会社に入社し、システムエンジニアリング業務に携わる。92年ロンド・アプリウェアサービスを設立。
当初はITコンサルティングをしていたが、現場改善の必要性と重要性を感じ、TPMのコンサルタントとして再デビュー。その後、QC、IEと分野を拡げ、最終的に不良ゼロ、ロスコストマネジメント、SCMとトータルコンサルティングを展開。その効果とスピードは好評で、現在までに46社(協会)・47事業所でコンサルティングを実施。その集大成として本書を執筆した。

目次

はじめに
第1章 異物不良をゼロにするには
 1.なぜ異物不良はゼロにならないのか
 2.異物不良をゼロにするには
 3.異物の正体は何か
 4.どの工程で発生したか
 5.徹底清掃で異物不良をゼロにする
 6.複数の異物が慢性不良を起こす
 7.異物の発生源は6つあり、20の異物が発生する
 8.6つの伝達経路から異物は製品に至る
 9.清掃をきちんとやってもらうには
10.異物ゼロへのアプローチ
11.異物の経験則を活用する
思い込みを捨て、ステップ通り実施する
第2章 異物不良を一発でゼロにする徹底清掃
 1.準備はしっかりする
 2.事前に安全を確保する
 3.徹底清掃には3つの基本がある
 4.清掃場所、服装・用具、汗の3つに注意
 5.全体一斉による徹底清掃
 6.プロセス系設備の徹底清掃
 7.エアシャワーの清掃
 8.クリーンベンチの清掃
 9.見落としがちの4つの場所
10.仕上げ清掃の意義
11.清掃を記録する
12.結果をまとめる
徹底清掃で異物との闘いのゴングを鳴らす
第3章 発生源対策で根本的に手を打つ
 1.購入品により持ち込まれる異物への対策
 2.材料から発生する異物への対策
 3.塗布機はノズル先端が発生源
 4.設備から発生する異物への対策
 5.原則の崩れにより異物が発生する
 6.見落としがちな重要部品
 7.人から発生する異物への対策
 8.クリーンスーツの寿命管理
 9.清掃用ウェスの選定と使い方
10.製品・部品から発生する異物に対する対策
異物オリンピック 2019
第4章 伝達経路対策で異物を遮断する
 1.購入品異物の防衛策
 2.外から持ち込まれる異物をシャットアウト
 3.落ちる異物への対策
 4.浮遊異物はどのくらいあるかを知る
 5.見えない気流を見る
 6.気流に合わせた設備レイアウトとモノの置き場所、置き方
 7.気流を制御する
 8.異物不良をゼロにしたいならエアブローは禁止
 9.異物をつかまえる
10.静電気の存在を知る
11.静電気対策の常道はイオナイザー
12.イオナイザーの管理
13.接触する伝達経路への対策
14.再付着する異物はどうするか
15.液中異物測定と純水管理
風邪予防は伝達経路対策
第5章 最小の労力で最高の効果を出す清掃基準書の作成
 1.清掃基準書がなくても現場は清掃する
 2.段取り① 清掃基準書を4つの手順でつくる
 3.段取り② みんなが守れる清掃基準書をつくる
 4.全社で清掃基準書づくり
 5.実際のビデオ清掃基準書① 準備編
 6.実際のビデオ清掃基準書② 実践編
清掃は生活の原点
第6章 ゼロに復元・維持する異物管理
 1.異物管理のフレームワーク
 2.異物不良は絶対に外に出さない
 3.正しい異物の除去方法
 4.異物をデータで管理する
 5.清掃で異物不良ゼロ状態を維持する
 6.操業以来の異物不良をゼロに
 7.行動規制で最小限に抑える
 8.クリーンルームに入る前に
 9.エアシャワーの浴び方
10.その行動が異物を発生させる
11.普段やっていることでもクリーンルーム内ではダメ
12.温湿度管理の重要性
13.すべては人がすることだから教育・訓練は大切
なぜ、外観検査にAIを使うのか
第7章 実際の活動に見る異物ゼロ化の勘所
 1.事例Ⅰ−① 顧客クレームにより活動開始
 2.事例Ⅰ−② 発生源対策と清掃で異物不良がゼロに
 3.事例Ⅱ−① もう1つの半導体後工程
 4.事例Ⅱ−② 活動の結果、貴重な経験則も得られた
 5.事例Ⅲ−① 原因不明の問題に取り組む
 6.事例Ⅲ−② すべての生産要素に対策
 7.事例Ⅳ−① 自動車・塗装工場における異物対策
 8.事例Ⅳ−② メカニズムがわかれば、あとは対策
 9.活動を継続させるには
10.これからクリーン化を始めるみなさんへ
経験から得た知識を積み上げ活用する

索 引
添付シート

はじめに

 本書の内容は、すべて体験に基づいています。
異物の素人だった私が、27年間のコンサルティングの中で異物不良を実際にゼロにし、その過程で体験し知識としたものです。その中で、業態が違う会社でも共通すると思ったことを経験則とし、それを別の会社でも使い、効果があったものだけを掲載しました。
 書こうと思ったきっかけは、3つです。
 1つ目は、海外の優良企業で異物のコンサルティングをしたとき、そこの責任者が日本の支社に異物の本を探すことを指示し、それが見つからず、「この手法はオリジナルですね」と言われたこと。 
 2つ目は、経験則をまとめた異物の事例集をセミナーで展示したところ、参加者のみなさんがすべて写メに撮って帰ろうとしたこと。
 3つ目は、この手法が20年以上前から多くの企業で使われ、すべての企業で大きな効果を上げ、現在に至るまでコンサルティングの依頼が来続けていることです。
 しかし、いざ書き始めると知らないことばかりで、お客さんにメールしたり改めて事例をもらったり、現場に行って実際に確かめたり実験したりで、自分の知識がいかに浅かったかを思い知りました。そんなことをやっていて、完成するのに11カ月もかかってしまいました。
 本書を書いてみて良かったことは、今まであやふやだった異物管理というカテゴリーで、考え方と進め方を体系化できたことです。これまで、ある特定分野での異物対策、食品向けの異物混入に関しての書籍は数冊あるようです。本書では半導体、液晶、電子部品、自動車、窯業、家電、精密機械、プラスチック成形、金属加工、金型、紙加工など私が実際にコンサルティングした業種で体験したことをまとめました。ですから、本書で一般エリアからクリーンルームまで対応できます。
そして、異物の素人の方、玄人の方両方に対応できます。何せ異物の素人が一からつくったのですから、素人の方に対応できるのは当然です。そして、その素人が異物の玄人の方の会社を訪問し、効果を上げたのですから、玄人の方のお役に立つのも当然です。
 私は、難問を解くのに必要な考え方は論理的思考と現場・現物主義だと思っています。私はもともとタイヤ生産会社で働いていて、その後アメリカのコンピュータ会社でSEをやっていました。ですから、コンサルタントになって訪れた会社はすべて別業種であり、その業種の知識やノウハウなどある訳がなく、必然的に論理的思考と現場・現物で問題を解いていくしかなく、その結果生まれたのが本書です。したがって、背骨には論理的思考と現場・現物主義が通っています。

 本書は、全部で7章からなります。
 第1章は、「なぜ異物不良はゼロにならないのか」から始まり、その理由を8つ挙げ、対応策として「異物不良をゼロにするための基本的な考え方」を紹介します。そして、その考え方を具体的な進め方として展開した「異物ゼロへのアプローチ」を紹介します。
 第2章では、徹底清掃について解説します。
 徹底清掃は、異物不良を一発でゼロにする手法です。全社員で一斉に行えばマインドも一気に変わり、異物不良ゼロ活動を加速させます。もし今、異物不良に悩んでいて、すぐにでも効果が欲しいという方がいらっしゃれば徹底清掃から始めるとよいでしょう。
 第3章では、発生源対策に取り組みます。
 発生源は異物不良を起こす異物を発生させる根源であり、発生源対策は根本対策となります。それだけに効果は大きいのですが、中には材料、生産プロセス、サプライヤーに大きく依存する異物もあり、技術的に難しく時間とコストがかかる対策もあります。それらの異物に対しては、伝達経路対策と清掃との合わせ技で対応していきます。
 第4章では、伝達経路対策を解説します。
 異物の発生源はなくすことはできませんが、その異物が製品に至る経路を遮断し、異物不良を減らすことはできます。それが伝達経路対策です。異物対策に取り組み始めたら、一刻も早く効果を上げたいというのが本音でしょう。それを実現するのが伝達経路対策です。徹底清掃をした後で、すぐに異物不良が発生することがあります。それは、伝達経路対策を事前にしていなかったことが原因です。
 伝達経路対策は、以上3つの理由から発生源対策に先立ち、実施することもあります。
 第5章では、清掃基準書の作成について説明します。
 発生源対策と伝達経路対策をしても、異物をゼロにすることはできません。そのまま放置しておけば、現場は異物だらけになってしまいます。それを防ぐのが清掃です。清掃は、異物不良をダイレクトにゼロにできる現場の作業者が持つ最強の武器です。
 しかし、時間がかかり過ぎては生産に支障をきたしてしまいます。そこで、限られた時間で最高の効果を出す清掃基準をつくります。そして、それをビデオ化し、誰でもいつでも覚えられる環境を整え、清掃を通常の生産の中で自然にするようにします。
 第6章は、異物管理です。
 ここまでの活動で異物不良ゼロは実現できますが、その状態を維持し続けることは難しいことです。それを、異物管理の9つの機能で実現します。
 検査でお客様に異物不良を出さない体制を整え、サプライヤーや外部から入ってくる異物を防ぎ、データで異常を検知し、清掃と行動規制で異物ゼロ状態を復元・維持します。そして、教育・訓練によりそれらを確実に実施する人材を育成します。第1章から第6章でたくさんの事例を紹介しますが、それは理論を証明したり解説をわかりやすくしたりするためのものであり、部分的なものです。
 第7章では、実際の活動をストーリー的に4つ紹介します。
 初めに半導体の後工程の2つの事例を紹介します。ここでは、違う会社にもかかわらず同じような異物が発生し、同じような対策をしていることを知ってもらいます。
 次に、半導体前工程の特性検査の事例を紹介します。ここでは、誤判定というまったく原因がわからず、異物対策が最適かということにも確信が持てなかった現象を、異物対策だけでなく設備の原則整備や作業改善まで実施し、なくしたことを知ってもらいます。
 4つ目の自動車の塗装工程の事例からは、「異物ゼロへのアプローチ」が一般エリアでもどんなに難しい異物不良でも通用することを知ってもらいます。最後に「これからクリーン化に取り組む方々へ」と題し、異物不良ゼロ工場を実現するには、何から始めどう進めていったらいいかの手順を説明します。
 巻末の添付シートには、その際に使う「スタートアップリスト」と「現場チェックリスト」を入れました。今、異物不良に悩んでいる方は、そのリストで自職場の課題を抽出し、対策するとよいでしょう。

 本書を読んでいただき、現場で実際に使っていただき、異物不良ゼロ工場をみなさんの手でつくり上げてくれることを願っております。



2019年 著 者

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