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凛穂の…気ままな散歩道

定価(税込)  1,760円

著者
サイズ 四六判
ページ数 118頁
ISBNコード 978-4-526-08012-8
コード C3034
発行月 2019年10月
ジャンル その他

内容

「modern 書 art」を提唱し、ルーブル美術館での個展経験などを持つ書家によるてん(※特殊漢字)書エッセイ。一文字をてん書で揮毫し、その文字と関連する日々の出来事、思い、記憶などを「気まま」に記している。文字の成り立ち、由来も紹介し、「書」や「文字」が持つ力を感じられる一冊。

木積凛穂  著者プロフィール

(こづみ りんすい)
リファインホールディングス株式会社 こころのリファイン事業
7歳から書道を習い、漢字五体、仮名を学び指導する中で、書道を身近なものにとの思いから、独自の「modern書art」を生む。世界中の人々の心を書で優しく包みたいという夢をいだき、京都市中京区の町屋「遊筆町屋 凛穂」を拠点に、書道の楽しさを伝え続ける。
ホームページ http:www.re-sense.jp

目次

●はじめに
〔好〕書への想いますます強く
〔底〕感動体験〝海中参拝〟
〔育〕経験を与え成長を願う
〔歩〕精いっぱい足跡残し進む
〔祝〕奉納式の祝詞に感激
〔織〕帯に作り手の心を織り込む
〔美〕華やかな大自然、心が喜ぶ
〔太〕実はぷっくり育ったかな?
〔愛〕フランスのママと心は一緒
〔相〕墨と紙に相談しながら
〔根〕重い心に負けないで!
〔想〕空舞う綿毛の旅にワクワク
〔筆〕毛の一本一本が指先に
〔風〕見えない〝存在〟感じながら
〔森〕緑のじゅうたん、心ふわふわ
〔目〕真っすぐな瞳、伝わる熱意
〔葉〕晩秋のもみじ、〝写真館〟に
〔書〕文字に人を想う心込めて
〔願〕地球をいたわり元気に
〔祈〕書を奉納、スペイン巡る旅
〔喜〕〝お手伝い〟に感謝の言葉
〔険〕危ないペッチャンコだよ
〔際〕限界を超えて山頂に到達
〔夜〕夕暮れ時〝母〟の声に景色霞む
〔壱〕やっと十回目の個展決めた
〔著〕母の愛あふれる振袖 今は娘に
〔笑〕「あっはっはー」病気吹っ飛ぶ
〔梅〕愛する花の香りに誘われて
〔歳〕まだ未経験な事いっぱい
〔如〕苦労の先に不思議な感覚
〔顔〕面白い!楽しい!文字が笑う
〔自〕長所も短所もありのままに
〔芽〕草木の生命力に季節感じて
〔参〕鳥居をくぐると空気が一変
〔春〕ご先祖に嬉しいご報告
〔降〕山の木々、雨粒でキラキラ
〔蛇〕あの日会った白蛇様の御陰
〔姿〕健気に咲く桜が愛おしく
〔令〕新時代、学ぶ楽しさ伝える
〔旬〕春の野菜が食卓にぎわす
〔火〕パリの大聖堂、胸が痛む
〔受〕物事の感じ方、千差万別
〔歯〕奥歯に心臓があるようだ
〔墨〕擦ってみたい、飾りもしたい
〔知〕キリバスの危機感、共有を
〔紙〕書き損じも捨てられない…
〔聴〕聞き手しだいで会話楽しく
〔環〕生命は巡りつながる
〔尊〕相手を思い合う精神、大事
〔稽〕技だけでなく内面を磨く
〔水〕雨上がりあふれる生命力
〔医〕体の声を聴き、感謝して使う
〔感〕豊かな暮らし、未来へつなぐ

はじめに

 『書』を始めて半世紀になる。書くということ、そのものが好きだった子供の時から『modern 書 art』という世界を創り、書家という立場に移り、作品を創り上げるための私自身の内面も大きく変化してきたように思う。
 この本を多くの方に見て頂くころは、ちょうど10回目の個展『深く感じて、ときめいて・・・』が東京で開かれている。私にとってはとても思い入れのある個展になっていると思う、9回目の個展から8年という月日が流れているのだから・・・
 この8年間は、ある意味葛藤の時であったのかもしれない。書が人の心を優しく包み、日本が誇れる伝統芸術であることには疑いもないが、地球環境の急激な劣化、自国ファースト、難民、格差・・・どんどん閉塞感を増してゆく社会、荒廃する人心に、どのようにすれば幾何かでも『書』が貢献できるのだろうかと考え続けてきた時間でもあった。
 日刊工業新聞からのエッセイの連載をお引き受けしたのは、そんな思いの集大成が出来るかもしれないとの思いとともに、文字の源の神秘を伝えたく白川静先生の字典を紐解いた。鳥の囀り、せせらぎ、風、陽の光に輝く木々、自然の心地よい空気感をお伝えし、一緒に山を歩いているような、心に潤いをもたらせたらと願いつつ、小さな幸せを見つける喜びを伝えたかった。それはまさに私自身が葛藤の中で救われた自然の中の当たり前の一風景である。一方では、書を通して文章を書くのは初めてで、感じていることや思いがありのままにお伝えできているのかはとても悩ましいところだった。ただ、一年間書き綴り、書き綴ることそのものが心の中にある葛藤を一つ一つ解きほぐし、一つのかたちに収束して行く大きな力になることを初めて知った。
 地球のことを想い、未来の子供たちのことを想い、それを『書』に託すこと、それはまさに心を仕立て直すことだと思う。エッセイのテーマとなる文字を考えるため、毎朝歩いての神社へのお詣りは、大切な日課となり、その行き帰りの時間は、自然に生かされていることの大事さをあらためて知り、すべての自然がつながっていることを体感する時間でもあった。それこそが今社会に求められているのだろうとも確信した。
 地球環境問題や社会の閉塞感に、私が出来ることは『書』を通して一縷の可能性を示すことだけかもしれない、それは目に見えないものかもしれないが、是非とも感じて欲しいし、それこそが、私の使命だとも思っている。
 あらためて、多くの『生(いのち)』がつながっている地球が元気でいることを願い、そこに生きる人々が幸せであることを願い、そのためには自分に何ができるのかをこれからも問い続け、それを『書』に託したいと思う。
 さあ、ここからまた、たんぽぽの綿毛のように大空を悠々と散歩し、種が土から発芽し、可憐な優しい花を咲かせ続けることができるように全身全霊で使命を果たしていきたい。
 このような機会を頂いたことを心から感謝し、皆様の心豊かな日々を心よりお祈りいたします。
2019年8月
木積 凛穂

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