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はじめて学ぶ電気電子計測
原理を理解し、正しく計測するための基礎知識

定価(税込)  2,640円

著者
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サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-08010-4
コード C3054
発行月 2019年09月
ジャンル 電気・電子

内容

電気電子計測は、大学や高専で電気を学ぶ人にとって基礎となる分野である。本書では初めて学ぶ人にも分かりやすく、電気電子計測に必要な知識を原理から解説し、正しい計測を行うための基本を学ぶ。また、実際に計測器を使用した計測についても解説する。

松川真美  著者プロフィール

(まつかわ まみ)
同志社大学大学院 工学研究科電気工学専攻 博士課程前期修了後,通商産業省工業技術院 大阪工業技術研究所勤務.博士(工学).
1996年同志社大学工学部,専任講師.助教授を経て,2006年より工学部教授.2008年から2012年まで生命医科学部教授.2012年より理工学部教授.
専門は超音波応用計測.

小山大介  著者プロフィール

(こやま だいすけ)
2005年同志社大学大学院工学研究科電気工学専攻 博士課程後期修了.博士(工学).
同年東京工業大学精密工学研究所助手,2011年同准教授.
2012年より同志社大学理工学部電気工学科准教授,2018年同教授.
専門は超音波工学.

目次

第1章 計測とは
1-1 計測の定義
1-2 “測定”と“計測”の違い
1-3 計測手法

第2章 雑音,雑音指数
2-1 内部雑音と外部雑音
2-2 SN比
2-3雑音指数

第3章 標準
3-1 単位
3-2 標準
3-3 電磁気標準
3-4 トレーサビリティ

第4章 測定値の取り扱い
4-1 有効数字
4-2 “誤差”と“不確かさ”
4-3 不確かさ
4-4 不確かさの伝搬

第5章 電圧・電流の測定
5-1 電圧計・電流計使用時の注意点
5-2 測定範囲の調整
5-3 アナログ計器の動作特性
5-4 交流信号の測定
5-5 電位差計
5-6 熱電形計器,静電形計器
5-7 可動鉄片形計器
5-8 電流力計形計器
5-9 高電圧・大電流測定
5-10 微小信号測定

第6章 抵抗やインピーダンスの測定
6-1 ブリッジによる抵抗測定
6-2 低抵抗の測定
6-3 高抵抗の測定
6-4 インピーダンスの測定

第7章 電力の測定
7-1 交流電力の測定
7-2 積算電力計
7-3 多相交流電力の測定

第8章 オシロスコープの基礎
8-1 アナログオシロスコープの原理と構造
8-2 周波数特性とステップ応答
8-3 電圧プローブ・電流プローブ

第9章 ディジタル計測
9-1 アナログ-ディジタル変換
9-2 量子化誤差
9-3 AD変換器
9-4 実時間サンプリングと等価時間サンプリング
9-5 ディジタルオシロスコープ

第10章 磁気量測定
10-1 磁界に関する量の測定
10-2 磁性材料の測定

第11章 時間・周波数測定
11-1 時間と周波数
11-2 周波数の測定
11-3 位相差の測定
11-4 周波数成分の測定

索  引
参考文献

はじめに

 目に見えない電気を測るにはどうしたらよいのだろうか.
 本書は,電気系学科で学ぶ1,2年次の大学生などの初修者や,若手のエンジニアの復習用に,「電気電子計測の基礎」に重点をおいて構成されている.電気電子計測は,どの国においても基礎科目の一つとして取り扱われることが多いが,実は電気回路学,電気磁気学,ディジタル信号処理技術など,様々な内容を包含する応用科目の側面も持つ.実際,電気系の各科目で学んだ知識は,様々な計測技術として具現化される.このため,大学生にとって電気電子計測は,実験講義とともに,学んだ内容を深化して再履修する科目ともいえるかもしれない.実際,大学の4年次生の卒業研究に至って,初めて電気電子計測で学んだ意味が頭にストンと入った,という率直なコメントもよく聞く.そしてもちろん,実務家であるエンジニア・研究者にとっても電気電子計測は欠かせない内容であり,習熟するにつれて,その理解と範囲がさらに進む興味深い分野でもある.
 一方,これまで測定できなかった量を測定するために,基礎知識を融合し,活用し,新しいものを創造するという立場から見ると,計測技術は独創的なアイデアの宝庫である.簡単な回路による高精度の可変抵抗の実現や,電圧計のみで電力を計測する手法など,高校生でも理解できる(思いつきそうな!)例も少なくない.様々な先人の発想に思いを馳せながら,みなさんの創造的思考力の涵養にも役立つことができれば幸いである.
 なお,本来の「計測」とは,電気電子計測,機械計測,化学計測など様々な専門に特化するものではなく,工学や理学あるいは医学など,広範囲の学問領域を横断する分野である.2019年5月,約130年ぶりに「質量」の標準が改定され,「原器」が使用されなくなった.この計測分野の新しい門出を祝うべく,本書もSI単位系の改定について少し触れた.
 いま,「測る」ことを通じて,様々な領域の,世界中のエンジニアや研究者がつながっている.本書を通じて,そのような計測の醍醐味も楽しんでいただきたい.

 本書をまとめるにあたり,日刊工業新聞社の国分様,岡野様には多大なるご協力をいただいた.ここに深く謝意を表する.

2019年5月
小山 大介

松川 真美

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