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わかる!使える!乾燥入門
<基礎知識><準備・段取り><実務作業>

定価(税込)  1,980円

著者
著者
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-08004-3
コード C3043
発行月 2019年09月
ジャンル 化学

内容

乾燥技術は学生時代に学習する機会が少ないため、基本が抜けている技術者もいる。また理屈と実務を結びつけられていないために、トラブル対策を十分に行えていないケースも多い。そこで本書では、基礎知識、事前準備・段取り、実務作業を体系的にわかりやすく解説する。

立元雄治  著者プロフィール

(たてもと ゆうじ)
1995年 名古屋大学卒業(工学部分子化学工学科)
2000年 名古屋大学大学院博士課程満了(工学研究科分子化学工学専攻)
2000年 静岡大学教務員(工学部物質工学科)
2005年 静岡大学助手(同上)
2006年 静岡大学助教授(同上)
2007年 静岡大学准教授(同上)
2015年 静岡大学大学院准教授(総合科学技術研究科工学専攻化学バイオ工学コース)
博士(工学)
専門:化学工学(乾燥工学、粉体工学)
著書:「はじめての乾燥技術」(共著)、「第2版 初歩から学ぶ乾燥技術」(共著)、「分離技術ハンドブック」(共著)、「スラリーの安定化技術と調製事例」(共著)、「エレクトロニクス分野における精密塗布・乾燥技術」(共著)、「乾燥大全集」(共著)、「過熱水蒸気技術集成」(共著)

中村正秋  著者プロフィール

(なかむら まさあき)
1965年 名古屋大学卒業(工学部化学工学科)
1970年 名古屋大学大学院博士課程満了(工学研究科化学工学専攻)
1982年8月〜1984年3月Research Associate, National Research Council, Canada
1994年 名古屋大学教授(工学部分子化学工学科)
1997年 名古屋大学大学院教授(工学研究科分子化学工学専攻)
2004年 名古屋大学大学院教授(工学研究科化学・生物工学専攻 分子化学工学分野)
2006年 名古屋大学名誉教授
工学博士
専門:化学工学(伝熱工学、反応装置工学、資源・環境学)
著書:「第2版 初歩から学ぶ乾燥技術」(共著)、「はじめての乾燥技術」(共著)、「実用乾燥技術集覧」(共著)、「分離技術ハンドブック」(共著)、「セラミックマシナリーハンドブック」(共著)、「化学工学ハンドブック」(共著)、「粉体工学ハンドブック」(共著)、「化学反応操作」(共著)、「移動層工学」(共編、共著)
HP:http://ntechx.com/

目次

第1章 これだけは事前に知っておきたい基礎知識
1 乾燥とは
1.1.1 洗濯物の乾燥
1.1.2 熱の伝わり方と熱移動量
1.1.3 乾燥に必要な蒸発熱

2 乾燥は湿度の影響を受ける
1.2.1 湿度とは何か
1.2.2 飽和蒸気圧ps
1.2.3 飽和蒸気圧psをExcelで求める(1)
1.2.4 飽和蒸気圧psをExcelで求める(2)
1.2.5 相対湿度φと絶対湿度
1.2.6 相対湿度φを絶対湿度Hに変換する
1.2.7 絶対湿度Hを相対湿度φに変換する
1.2.8 予熱空気の相対湿度を予測する
1.2.9 湿り比体積(湿り比容)vH
1.2.10 湿り比熱容量(湿り比熱)CH
1.2.11 湿りエンタルピー h

3 乾燥機の種類
1.3.1 乾燥に用いられる熱源
1.3.2 材料の加熱方式と供給方式
1.3.3 材料静置型の乾燥機
1.3.4 材料撹拌型の乾燥機
1.3.5 材料流動型の乾燥機
1.3.6 材料噴霧型の乾燥機
1.3.7 材料密着型の乾燥機
1.3.8 材料の形状と対応する乾燥機

第2章 基本作業のポイント(準備と段取りの要点)
1 材料の温度と含水量の変化
2.1.1 乾燥操作の7つ道具
2.1.2 材料の温度と時間の関係
2.1.3 材料の含水量と時間の関係
2.1.4 含水率の表し方
2.1.5 脱水量の求め方
2.1.6 乾き基準含水率と湿り基準含水率の比較

2 乾燥速度
2.2.1 乾燥特性曲線、限界含水率、平衡含水率
2.2.2 乾燥速度の表し方
2.2.3 定率乾燥速度
2.2.4 定率乾燥速度と乾燥条件
2.2.5 湿り材料内の水分移動
2.2.6 限界含水率が材料によって異なる理由
2.2.7 限界含水率が乾燥条件によって異なる理由

3 湿球温度と露点
2.3.1 蒸発速度の表し方
2.3.2 予熱期間の終了と湿球温度
2.3.3 湿球温度の求め方
2.3.4 湿球温度をExcelを使って求める
2.3.5 湿球温度を湿度図表を使って求める
2.3.6 露点

第3章 実務作業のポイント(必要量の算出と条件決め)
1 乾燥する材料の処理量・脱水量を算出する
3.1.1 乾燥前後の材料の性質
3.1.2 乾燥機と乾燥する材料の処理量
3.1.3 回分式乾燥機による脱水量の算出
3.1.4 連続式乾燥機による脱水量の算出

2 乾燥に必要な熱量を算出する
3.2.1 回分式乾燥機の必要熱量
3.2.2 連続式乾燥機の必要熱量

3 乾燥機容積を概算する
3.3.1 乾燥機内での材料への伝熱量
3.3.2 乾燥機の並流式と向流式の違い
3.3.3 熱源と材料との接触面積(伝熱面積)
3.3.4 対流伝熱乾燥機の伝熱面積・乾燥機容積の概算
3.3.5 伝導伝熱乾燥機の伝熱面積の概算

4 対流伝熱乾燥機の熱風条件を決める
3.4.1 乾燥機内の熱・物質収支
3.4.2 湿度から見た乾燥不良の原因
3.4.3 熱風の湿度調整

5 乾燥機のスケールアップの考え方
3.5.1 対流伝熱乾燥機のスケールアップ
3.5.2 伝導伝熱乾燥機のスケールアップ

6 エネルギー効率向上と省エネルギー対策
3.6.1 熱量から見た乾燥不良の原因
3.6.2 乾燥機の熱効率(1)
3.6.3 乾燥機の熱効率(2)
3.6.4 熱風循環の検討(1)
3.6.5 熱風循環の検討(2)
3.6.6 熱風循環の検討(3)
3.6.7 顕熱・潜熱の回収
3.6.8 ヒートポンプの利用

7 材料をハンドリングするときのポイント
3.7.1 材料の乾燥前脱水
3.7.2 材料の分散
3.7.3 材料の流動性評価・付着防止対策
3.7.4 材料の供給・輸送

8 製品の品質制御
3.8.1 低温度乾燥の適用
3.8.2 真空凍結乾燥の適用
3.8.3 材料の変形・収縮・割れ防止
3.8.4 均質製品を得るための乾燥
3.8.5 材料中の成分保持
3.8.6 過熱水蒸気乾燥の適用(1)
3.8.7 過熱水蒸気乾燥の適用(2)
3.8.8 洗浄操作時の乾燥

コラム
・相対湿度と絶対湿度
・C.G.S単位湿度図表の作成
・乾燥操作に関連する身近な現象

・引用文献
・記号一覧
・索 引

はじめに

 乾燥操作とは、液体で湿った材料に熱を加えて液体を蒸発除去する操作をいいます。洗濯物の乾燥(洗濯乾燥機)や食器乾燥機などが家電製品として身近にありますが、工業的にもさまざまな製造工程で使用されています。
 本書では、工業的に乾燥操作に関わる技術者にとって必要な知識、注意すべき事項を解説しました。乾燥操作は、例えば食品や医薬原料、化学原料から木材、セラミックスなど多くの分野で使用されますが、「乾燥操作」という括りで基本事項を十分に理解していればどのような分野でも通用します。
 特に本書では、「段取り」というキーワードを念頭に解説しました。乾燥操作において「段取り」といっても、乾燥操作との関わり方は人それぞれ異なるでしょう。例えば、乾燥機の運転方法や条件の改善、現状のトラブル解決、乾燥機の設計・導入、既存のラインナップからの乾燥機の選定、乾燥法の変更による製品品質向上や新規材料開発などがあるでしょう。そこで本書では、人それぞれの乾燥操作との関わりの違いを意識した上で、次の項目に分けて必要な事項をまとめて解説しました。
 第1章では、「これだけは事前に知っておきたい基礎知識」と題し、乾燥操作に使用される加熱方法とその特徴について解説したのちに、乾燥操作によく使用される加熱空気(熱風)の性質(温度や湿度)についてExcelを用いた計算例を取り入れつつ解説しました。なお、乾燥操作において材料が接する空気の性質は乾燥特性(乾燥速度や材料温度)に大きく影響します。後段では、既存の乾燥機を挙げてその特徴を解説し、乾燥機の選定方法について触れました。
 第2章では、「基本作業のポイント(準備と段取りの要点)」と題し、乾燥操作の評価法(含水率、材料温度の測定と評価)、乾燥操作時に起こる現象、乾燥速度および乾燥速度に与える諸因子の影響についてExcelを使用した計算例をまじえて解説しました。
 第3章では、「実務作業のポイント(必要量の算出と条件決め)」と題し、前半では、乾燥機の容積概算法や乾燥機への必要熱量の概算(設計・導入あるいは既存の乾燥機の評価)、スケールアップの考え方(乾燥機導入の段取り)などの乾燥機の性能・仕様に関する項目について解説しました。後段では、乾燥操作においてトラブルになりやすい事項を、エネルギー効率向上と省エネルギー対策、材料のハンドリング、製品の品質制御に分類して留意点を解説しました。
 本書によって、乾燥操作に必要な知識や段取りを理解することで、現場での多くの課題が解決できることと期待しています。
 最後に、本書の執筆の機会を与えていただきました日刊工業新聞社出版局書籍編集部に深く感謝申し上げます。

2019年7月
立元雄治

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