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わかる!使える!ダイカスト入門
<基礎知識><段取り><実作業>

定価(税込)  1,980円

著者
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-07997-9
コード C3057
発行月 2019年08月
ジャンル 金属 機械

内容

ダイカストは、寸法精度に優れ、生産性が高く、安価であることなどから自動車部品を中心にさまざまな部品の製造に使用されている。本書は、ダイカストの若手の現場技能者・技術者が実作業をするうえで必要な現場技術(知識・技術・技能)を中心にわかりやすく解説する。

西 直美  著者プロフィール

(にし なおみ)
1955年 長野県に生まれる
1985年 東海大学大学院工学研究科金属材料工学専攻博士課程修了(工学博士)
1985年 リョービ株式会社入社
2002年 一般社団法人日本ダイカスト協会
2016年 ものつくり大学技能工芸学部総合機械学科 教授 現在に至る

専門分野:材料工学、鋳造工学

主な著書
「ダイカストを考える」ダイカスト新聞社(2010)
「トコトンやさしい 鋳造の本」(共著)日刊工業新聞社(2015)
「絵とき ダイカスト基礎のきそ」日刊工業新聞社(2015)
「ダイカストの欠陥を考える」ダイカスト新聞社(2017)
「わかる!使える!鋳造入門」日刊工業新聞社(2018)

目次

わかる!使える! ダイカスト入門
目 次

第1章
これだけは知っておきたい
ダイカスト基礎のきそ

1 ダイカストの基礎知識
・ダイカストの定義と特徴
・他の鋳造法との比較
・ダイカストの用途
・ダイカストの歴史
2 ダイダイカスト用合金の種類と特徴
・JIS規格に規定されているアルミニウム合金
・JIS合金以外のアルミニウム合金
・亜鉛合金
・マグネシウム合金
・その他の合金
3 ダイカストマシンと周辺装置
・ダイカストマシンの構造と射出動作
・ダイカストマシンの原理を理解する(その1)
・ダイカストマシンの原理を理解する(その2)
・コールドチャンバーマシン
・ホットチャンバーマシン
・周辺装置
4 ダイカスト金型
・ダイカスト金型の構造
・金型に使用される材料
・ダイカスト金型の熱処理・表面処理

第2章
ダイカスト設計の実際

1 ダイカスト設計の概要
・量産までの工程
2 製品設計
・肉厚の設定
・抜勾配と鋳抜穴の設定
・寸法公差の設定
・鋳肌と削り代の設定
・アンダーカット
・その他の設計要素の設定
3 鋳造方案設計
・ダイカストの鋳造方案
・許容充填時間の設定
・ゲートからの溶湯の流出とJ値
・P-Q2線図を理解する(その1)
・P-Q2線図を理解する(その2)
・CAE解析とその流れ
・射出スリーブおよびランナーを設計する
・ゲートランナーおよびゲートを設計する
・オーバーフローおよびエアベントを設計する
4 金型設計
・キャビティレイアウトと金型分割を設定する
・縮み代を設定する
・金型の大きさを設定する
・押出ピンの設定
・金型冷却の設定

第3章
鋳造作業の実際

1 溶解作業
・溶解原材料
・アルミニウム合金の溶解
・脱ガス処理とその検査
・脱滓処理とその検査および化学組成の検査
・亜鉛合金の溶解
・マグネシウム合金の溶解
2 鋳造作業の準備・段取りと実作業
プランジャーチップ潤滑剤と離型剤の選定
・鋳造条件の設定①(鋳込温度・金型温度・充填時間)
・鋳造条件の設定②(射出速度)
・鋳造条件の設定③(鋳造圧力・キュアリングタイム・サイクルタイム)
・鋳造作業①(金型清掃、離型剤・チップ潤滑剤塗布)
・鋳造作業②(型締、注湯、射出)
・鋳造作業③(増圧、キュアリング)
・鋳造作業④(型開き、離型、製品取出し)
3 後処理作業
・トリミングと鋳バリ取り作業
・ひずみ取り作業と熱処理作業
・機械加工作業
・含浸処理作業
・表面処理作業
・ダイカストの検査作業
・機械的性質の検査

第4章
ダイカストのトラブルと対策

1 ダイカスト金型損傷と対策
・金型損傷の種類
・ヒートチェックとその対策
・型割れとその対策
・焼付きとその対策
・型侵食とその対策
・その他の金型損傷とその対策
2 ダイカストの品質と鋳造欠陥対策
・ダイカストの品質と鋳造欠陥の種類
・鋳バリとその対策
・湯流れ欠陥とその対策
・めくれ・はがれとその対策
・鋳巣欠陥とその対策
・割れ欠陥とその対策
・破断チル層とその対策
・ハードスポットとその対策
3 ダイカストの高品質化技術
・特殊ダイカスト法の種類
・低速充填ダイカスト
・セミソリッドダイカスト
・高真空ダイカスト
・PFダイカスト法、局部加圧技術

コラム

・寸法上の欠陥
・外部欠陥(その1)
・外部欠陥(その2)
・内部欠陥

・参考文献
・索 引

はじめに

 鋳造法は、金属を溶かして、砂や鉄などの金属で作った鋳型の中に鋳込んで冷やして固める金属加工方法の1つです。鋳造法は、紀元前4,000年頃にメソポタミア地方で始まったとされ、その歴史は6,000年にも及びます。ダイカストが鋳造の歴史に登場したのは、産業革命終盤の1838年で、アメリカのD.Bruce(D.ブルース)によって手回し式の活字鋳造機が発明されたことに始まります。6,000年を1日の24時間にたとえると、ダイカストは午後11時17分に誕生したことになります。日本でダイカストが始まったのは1917年ですから、100年そこそこ経過したことになります。1日の24時間にたとえると午後11時36分に始まったことになります。
 いずれにしても鋳造の歴史の中においてダイカストの歴史は非常に短いと言えます。しかし、今日ではダイカストは、自動車、オートバイといった輸送機器、家電製品、一般機械、日用品などのさまざまな工業製品の製造法として不可欠な存在となっています。

 著者は、この鋳造あるいはダイカストを中心とした鋳物の研究・開発に30年以上携わってきました。これまで、日刊工業新聞社から「トコトンやさしい鋳造の本」(2015)、「絵とき『ダイカスト』基礎のきそ」(2015)、「わかる!使える!鋳造入門」(2018)を発行させていただきました。さらに、今回「わかる!使える!」シリーズのダイカスト入門のお話をいただきました。「わかる!使える!鋳造入門」では、第4章にダイカストを取り上げましたが、今回はダイカストに特化した内容となっています。
 「わかる!使える!」シリーズは、キャリア1~3年程度の初心者・初級向けの「実務に役立つ入門書」がコンセプトになっています。これまでの入門書では扱われなかった実作業に即した準備・段取りにフォーカスしたシリーズで、本書もできる限り具体的に書きました。

 本書は、4章で構成されています。第1章ではダイカストの基礎を取り上げ用途・歴史などの基礎知識、ダイカスト用合金、ダイカストマシンと周辺装置、ダイカスト用金型について解説しています。第2章では、ダイカスト設計の実際として、製品設計、鋳造方案設計、金型設計の基礎を解説しています。第3章では鋳造作業の実際として、溶解作業、鋳造作業の準備・段取りと実作業、後処理作業について解説しています。また、第4章では、ダイカストのトラブルと対策として、ダイカスト金型の損傷と対策、ダイカストの品質と鋳造欠陥対策、ダイカストの高品質化技術について解説しています。
 また、第1章から4章のコラムでは、本文では紙面の関係上解説できなかった鋳造欠陥について取り上げて解説しました。
 字数、ページ数の制約の関係から十分説明できてないところもあるかと思いますが、できる限り図表を用いてわかりやすく解説したつもりです。本書が読者の皆様のお役に立てていただけたら幸いです。
 最後に、本書の執筆機会をいただいた日刊工業新聞社出版局長の奥村功さま、企画や編集作業などでご助言をいただいたエム編集事務所の飯嶋光雄さまに心より感謝の意を表します。
また、(一社)日本ダイカスト協会はじめ、各方面から貴重な資料をご提供いただきました。紙面を借りて厚く御礼申し上げます。

2019年8月
西 直美

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