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わかる!使える!ねじ入門
<基礎知識><段取り><実作業>

定価(税込)  1,980円

著者
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-07987-0
コード C3053
発行月 2019年07月
ジャンル 機械

内容

“締結・接合”技術は、複数の部品を組み立てる際に必要不可欠。本書では、ものづくりの鍵となる“締結”またその中の“ねじ締結”に絞って説明。ねじの基礎からねじ締結の適正な使用まで、製品設計者、現場従事者に重要な技術を丁寧に解説する。

橋村真治  著者プロフィール

(はしむら しんじ)
芝浦工業大学工学部機械機能工学科材料強度学研究室 教授
博士(工学)

1994年九州大学大学院修士課程修了、同年三菱重工業株式会社入社、2007年久留米工業高等専門学校准教授、2013年芝浦工業大学工学部 機械機能工学科准教授、2017年から現職。

著書
『トラブルを未然に防ぐ ねじ設計法と保全対策』日刊工業新聞社

目次

はじめに

第1章
ねじ部品の基礎知識
1 ねじの種類と特徴
締結・接合とは
ねじとは
ねじの種類
締結用ねじ
ねじの表記と図示方法
2 鋼製ボルト・ナットの材質と強度
応力と引張試験
ボルトとナットの強度区分と強度
ねじ部品の引張強度と締結時の最大締付け軸力
ねじの応力集中
ボルト・ナットの表面処理
3 様々な材質のボルト
ステンレス鋼製ボルトの種類と強度
アルミニウム合金製ボルトの種類と強度
非鉄金属製ボルトの種類と強度
4 ねじの基礎知識
ねじ部品の締付け工具
ねじの測定
ねじ部品の製造

第2章
ねじの締結作業のための
準備と設計
1 ボルト締結における主な問題
ねじ締結体としての機能
ボルトの破損とその原因
締付け軸力がなぜ重要なのか?
2 ねじ締結体の設計
ねじ締結体の締付け線図(締付け三角形)
ねじ締結体の内外力比
ねじ締結体に作用する荷重形態
ねじ締結体のばね定数
3 ねじのゆるみとは
戻り回転を伴わないゆるみ
戻り回転を伴うゆるみ
ゆるみを起こさない設計
4 ねじ締結体の疲労強度とは
金属疲労とボルト単体の疲労強度
ボルト単体の強度とねじ締結体の強度
5 信頼性の高い設計とは
ねじ締結体の疲労破壊を防止する設計
ねじ締結体を設計する上での注意点

第3章
ねじ締結における問題と対策
1 ねじ部品の維持
ねじ締結体を維持する上での問題と課題
トルク法締付け
ねじ面と座面の摩擦係数
ねじ面と座面の摩擦係数の計測
ボルトの形状精度の重要性
2 締付け作業のポイント
トルク法における締付け作業上の注意点
増締めによる締付け確認
3 様々な締付け法
回転角法締付け
トルク勾配法締付け
その他の締付け法
弾性域締付けと塑性域締付け
4 メンテナンスのポイント
戻り回転を伴わないゆるみ発生時の処置
戻り回転を伴うゆるみ発生時の処置
ダブルナットの締付け法
ボルトの疲労破壊が発生した場合の処置
ねじ締結体の維持管理の方法
ボルトの遅れ破壊


参考文献
索 引

はじめに

 本書の依頼を頂くにあたり、「現場で使えるわかりやすいねじ締結の本を」というリクエストを頂きました。さて「現場で使える」とは、どのような内容にすべきなのだろうか?先に出版した拙著である「トラブルを未然に防ぐ ねじ設計法と保全対策」とは、何を変えればよいだろうか?このようなことに悩みながら、構想を考えてきました。
ねじ締結については、これまでねじ研究協会やその他の出版社から多く書籍が出版されています。内容的にも、ねじ締結の理論からゆるみや疲労、応用例まで、幅広く網羅されています。それらの本を見ると、著者らのような研究者やねじ締結体の設計者に必要な知識がしっかりと説明されています。一方、実際にねじを締結する作業者やねじ締結の作業をサポートする生産技術者にとって、知っておいた方がよい内容とはちょっと違うような気もします。また、最近ねじ締結で問題を抱えた企業の方から、よく相談を頂きます。その内容は多岐にわたり、著者のような大学教員が直接解決できる内容はその一部でしかありません。しかし相談に来られた方に、解決まではいかなくても糸口を掴んで頂きたい、と思って真剣に相談に応じていると、ある日、結果として著者が回答していることは、毎回「しっかりと締め付けて下さい」と同じ言葉であることに気付きました。しっかりと締め付ける方は、作業者です。したがって、しっかりと締め付ける作業者に、ねじ締結で何が重要かを理解してもらうことは、何より重要であることに今更ながら気付きました。
本書では、ねじの締結作業者やねじ締結に関連する生産技術者が知っておいた方がよい内容を、著者なりに考えて構成することにしました。ただ書き終えてみると、意識していたほど作業者や生産技術者向けにはなっておらず、職業柄どうしても理屈が多くなってしまいました。その点は、ご容赦頂ければと思います。
本書は、第1章の「ねじ部品の基礎知識」において、ねじ部品とはどのような種類があるかなど、基礎的な名称や見方について説明します。第2章では「ねじの締結作業のための準備と設計」として、ねじ締結体で起きる破壊やゆるみ、ねじ締結体の特徴について説明します。第3章の「ねじ締結における問題と対策」では、締付け管理法の概要と、特にトルク法締付けにおける問題点や対策法などを中心に説明しています。
これらの内容は、現場の作業者やねじ締結現場を支援する生産技術者ばかりでなく、重要なねじ締結体を含む機器の設計を行う若手設計者にも役立つものと思います。本書で取り扱う「ねじ締結」は、ねじ締結の中でも強度上の信頼性を確保する必要があるねじを指します。したがって、とりあえず締まっていればよいだけのねじには、本書で説明することは過剰になるでしょう。本書を通じて、「たかが、ねじ!されど、ねじ!」といわれるねじ部品の大事さを理解頂ければ、著者として何より幸せです。
本書は、これまで著者に関わって頂いた多くの方々からのご指導やご助言、ご協力の下に出来上がりました。大分大学准教授の大津健史先生と東日製作所 小松 恭一氏には、下読みを頂くとともに貴重な意見を頂きました。また芝浦工業大学大学院 理工学研究科修士課程の井上翔太君、上別府和煕君、師富優君には原稿の準備から下読みで協力を頂きました。また、著者の研究室で共に研究を行った芝浦工業大学の卒業生の方々には、著者の無理なお願いにも快く応えて頂きました。この場を借りて、心より御礼を申し上げます。最後に、本書執筆の機会を与えて頂いた日刊工業新聞社の土坂氏には、深く感謝申し上げます。

2019年6月
橋村真治

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