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写真で見る鋼管平面ビーム実用化の話
次世代の電車線路用ビーム

定価(税込)  1,728円

著者
サイズ A5判
ページ数 96頁
ISBNコード 978-4-526-07994-8
コード C3050
発行月 2019年07月
ジャンル その他 土木・建築 機械

内容

電車の歴史は100年を超え、その設備内容は大きく変貌してきている。そんな中本書では、大量輸送や省力化に対応し、災害にも強くなった鋼管柱と鋼管ビームの実用化のステップと、その構造の中に取り入れられた多くの工夫と優れた点を写真でわかりやすく解説していく。

大塚節二  著者プロフィール

(おおつか せつじ)
・昭和 9(1934)年 2月生 群馬県出身
・昭和27(1952)年 3月 群馬県立富岡高等学校卒業
・昭和27(1952)年 3月 日本国有鉄道 橋本自動車工場
・昭和33(1958)年 3月 中央鉄道教習所 電気科卒業
・昭和33(1958)年 4月 日本国有鉄道 東京電気工事局
・昭和41(1966)年 7月 日本国有鉄道 札幌電気工事事務所
・昭和43(1968)年 9月 日本国有鉄道 東京電気工事局
・昭和53(1978)年 2月 日本国有鉄道 東京電気所
・昭和58(1983)年 3月 高崎鉄道管理局 高崎電力区長
・昭和59(1984)年 3月 高崎鉄道管理局 電気部電力課長
・昭和61(1986)年 2月 日本国有鉄道 新宿第一電気工事所長
・昭和62(1987)年 4月 東日本旅客鉄道株式会社 新宿電力工事区長
・平成 6(1994)年 3月 日本電設工業株式会社 鉄道本部設計部長
・平成 9(1997)年 6月 東京電気保全株式会社 取締役設計部長
・平成11(1999)年 7月 東日本電気エンジニアリング株式会社 取締役設計部長
・平成13(2001)年10月 株式会社シントーコー 設計部長
・平成18(2006)年 2月 大塚技術士事務所 代表
・平成22(2010)年11月 株式会社シントーコー 顧問


【資 格】
・平成 2(1990)年12月 第一種電気工事士
・平成 4(1992)年 2月 技術士(電気電子部門)
・平成 5(1993)年 3月 1級電気工事施工管理技士

目次

はじめに

第1章 鋼管平面ビームのルーツ
1-1 上越線の雪対策ビーム
1-2 奥羽本線の雪対策ビーム
1-3 函館本線の軟弱地盤対策ビーム

第2章 電車線路作業の機械化と設備改良
2-1 電車線路作業の機械化のニーズ
2-2 検討・試行された機械化作業の例
2-3 支持物塗装作業機械化の検討<概要>
2-4 V形トラスビームのねじれ剛性試験<復刻版>
2-5 電路設備の簡素・統合化施策

第3章 長い鋼管平面ビームの検討
3-1 長い鋼管平面ビームのニーズ
3-2 鋼管平面ビームの使用区分など
3-3 鋼管平面ビームの特長と課題
3-4 長い鋼管平面ビームの構面外座屈問題
3-5 長い鋼管平面ビームの構面外座屈対策
3-6 長さ28mビームの試作と強度計算

第4章 鋼管平面ビームの課題と試験
4-1 鋼管平面ビームの課題
4-2 モデル構造による強度試験
4-3 工場内試験の方法<抜粋版>
4-4 試験結果の概要
4-5 許容座屈応力度(fk)算定方法の提案
4-6 長い鋼管平面ビーム標準構造の検討
 〈閑話休題〉 古いノートから拾った話

第5章 製作実績と後世への課題など
5-1 長い鋼管平面ビームの実績と課題
5-2 試作から約15年間の製作実績
5-3 予想される巨大地震による現象把握
5-4 鋼管平面ビーム設計指針の見直し
 〈参考〉 長い鋼管平面ビームの計算例

・参考資料

コラム
コラム① 除雪作業車による「ラッセルゲージ」のこと
コラム② 長い鋼管平面ビームの意外な使い方
コラム③ 作業の機械化・ロボット化の要件など
コラム④ 新しい設備を「見える化」した完成予想図
コラム⑤ 装柱と発生モーメントの分担は?
コラム⑥ 強度があるのに撓むビーム
コラム⑦ 鋼管平面ビーム設計指針のこと
コラム⑧ 鋼管構造物の時代へ


・引用・参考文献
・おわりに
・索 引
・執筆協力
・著者略歴

はじめに

わが国の鉄道における電気運転の歴史は、すでに100年を超えその設備内容は大きく変貌してきました。路面電車の直吊式架線に対応したスパン線ビームから、輸入されたビーム設備の時代を経て、わが国独自な形鋼ビームの時代になり、様々な構造のビームが工夫されてきました。
その後、経済発展に伴う輸送需要の増大から、高速で高密度な列車ダイヤに対応した架線系と門形構造や可動ブラケットの時代となりました。
先に刊行した「写真で見る電車線路とビームの話」では、その歴史や構造の特徴などの紹介と共に、これからの少子高齢化時代に向けて喫緊の課題となる省力化を目指し、工事施工とメンテナンスの機械化に対応可能で経済的な構造のビームを開発、実用化が始ったことから、鋼管柱と鋼管ビームの時代が到来した事を提唱いたしました。
しかし、実用化されてから十数年の「長い鋼管平面ビーム」は、まだ試行段階の設備ともいえます。本書はその実用化のステップと、構造の中に取り入れられた多くの工夫と優れた点や課題を解説し、より良い設備に成長する事を期待して「次世代の電車線路用ビーム」を紹介するものです。
鉄道の設備は大きな自然災害を教訓に、基本的な改善が進められてきた歴史があります。例えば昭和36年に名古屋地区を襲った「伊勢湾台風」の経験から、風圧荷重が見直されると共に、クロスビーム構造と線路に対して直角方向の用地外に設置された横支線は廃止され、ラーメン構造を基本とする標準に改正されました。
また、昭和57年に東北地方に大きな被害をもたらした「宮城県沖地震」の経験から「電車線路支持物耐震設計指針」が制定され、更に、平成23年に発生した東北地方太平洋沖地震で、高架箇所の電車線柱に未曾有の被害を経験した結果、耐震設計指針が見直されました。
従って、近い将来に発生が予想される巨大地震によって「長い鋼管平面ビーム」がどのような影響を受けるかを観察し、的確な対策がなされる事が期待されます。なお、記載した年号は参考文献などから私自身が記憶をたどるのに便利な元号を使わせて頂き、計算例と使用した単位などは引用した文献のままとした事を予めお断りさせて頂きます。

平成31年3月記す
株式会社シントーコー顧問 大塚節二

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