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マテリアルズ・インフォマティクス
材料開発のための機械学習超入門

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ A5判
ページ数 152頁
ISBNコード 978-4-526-07986-3
コード C3050
発行月 2019年07月
ジャンル その他 コンピュータ・情報 機械

内容

機械学習はAI(人工知能)の中核をなす、統計数理に基づいた技術であり、これを含む情報処理技術をフル活用し材料開発を進めていく分野をマテリアルズ・インフォマティクスと呼ぶ。本書は、材料開発に従事する人のための機械学習の入門書である。

岩崎悠真  著者プロフィール

(いわさき ゆうま)
NEC中央研究所 システムプラットフォーム研究所 主任
JSTさきがけ研究員「理論・実験・計算科学とデータ科学が連携・融合した先進的マテリアルズ・インフォマティクスのための基盤技術の構築」

1986年 静岡県清水市生まれ
2005年 静岡県立清水東高等学校 卒業
2009年 千葉大学理学部物理学専攻 卒業
2011年 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 修了
2011年 NEC中央研究所 入社
2015年 メリーランド大学 客員研究員
2017年 JSTさきがけ研究員

目次

はじめに
第1章
マテリアルズ・インフォマティクスとは
1.1 機械学習とマテリアルズ・インフォマティクス
1.2 機械学習さえあればすべて解決するの?
1.3 理論科学・計算科学・実験科学・データ科学(機械学習)
1.4 演繹的と帰納的
1.5 材料開発における機械学習のメリット
コラム1 マテリアルズ・インフォマティクスの歴史
コラム2 コンビナトリアル実験

第2章
材料開発における機械学習の基礎知識
2.1 機械学習ってそもそも何?
2.2 機械学習ってどうやって使うの?(PythonⓇとR)
2.3 機械学習ってどんな種類があるの?
2.4 教師あり学習って何?(その1:回帰)
2.5 教師あり学習って何?(その2:分類)
2.6 ちょうどよい複雑さのモデルとは?(過学習と汎化性能)
2.7 ちょうどよい複雑さのモデルを作るには?(その1:正則化)
2.8 ちょうどよい複雑さのモデルを作るには?(その2:交差検定)
2.9 ちょうどよい複雑さのモデルを作るには?(その3:変数選択)
2.10 予測性能が良いと『真のモデル』に近いの?
2.11 予測性能とモデル解釈性(ブラックボックスとホワイトボックス)
2.12 データが全くないところも予測できるの?(内挿と外挿)
2.13 相関関係と因果関係
2.14 教師なし学習って何?(その1:クラスタリング)
2.15 ハードクラスタリングとソフトクラスタリング
2.16 そもそも『似ている』とは?(類似度/非類似度)
2.17 各クラスターの意味は? クラスターの数は?
2.18 教師なし学習って何?(その2:次元削減)
2.19 材料データの構造化
2.20 データの前処理
コラム2 ハイスループット計算
コラム3 ロボティクス

第3章
機械学習アルゴリズムとその材料開発への応用
3.1 線形回帰と蓄電池材料開発
3.2 LASSO回帰と太陽電池材料開発
3.3 決定木と熱電材料開発
3.4 ランダムフォレストと新物質探索
3.5 ニューラルネットワーク(MLP)とSiC材料シミュレーション
3.6 Interpretable ML(FAB/HMEs)と熱電材料開発
3.7 ベイズ最適化と磁性合金材料探索
3.8 階層的クラスタリングと結晶構造解析
3.9 非負値行列分解(NMF)と結晶構造解析
3.10 多次元尺度(MDS)と結晶構造解析
3.11 主成分分析(PCA)とデータドリブン周期表
3.12 パーシステントホモロジー(PH)とガラス材料開発
コラム4 材料データベース
コラム4 日本のMIプラットフォーム

はじめに

 新しいことを勉強しはじめるときに心がけることとして、以下のような言葉を耳にしたことがある方は多いと思います。
「まずは超簡単な本でその領域のイメージを大雑把につかみ、その後に専門書や教科書を読むべし」
 本書の位置づけは、上記において一番初めに読むべき“超簡単な本”のつもりで書きました。マンガ感覚で気軽に読めて、マテリアルズ・インフォマティクスの大雑把なイメージがつかめるようになっている(といいなと思っています)。そのため、本書の細かい部分を全部正しく理解しようと頑張る必要はありません。なんとなく機械学習っていうのはこういうもので、こういうアルゴリズムで、こういう特徴があって、こういう風に材料開発に使えるんだ〜、というのがイメージできればそれでいいと思っています。
 全体の大雑把なイメージをつかむことができ、さらに深く学びたいと感じたら、専門書や教科書を別途購入して、勉強に励むと良いと思います。いきなり専門書や教科書に飛びつくよりも、理解が格段に速いはずです。
 また、機械学習そのものに関する情報(参考書、Webサイト、セミナーなど)は、すでに世の中に山のように存在しますので、本書では機械学習そのものの記述は最小限にとどめ、なるべく材料開発の要素を多く盛り込んでいます。本書に記載されている機械学習アルゴリズムすべてにおいて、実際の材料開発への応用事例を記載しています。そして、これらマテリアルズ・インフォマティクスの応用事例は、意図的に、海外での事例は載せず、日本の大学もしくは国研の先生方が行った事例を載せました。そのため、もし各応用事例に興味がありましたら、各先生方に問い合わせてみてもいいかもしれません。(マテリアルズ・インフォマティクス領域は、産学連携および人材育成が非常に重要ですので、もし産業界や学生から問い合わせがあった際には、お手数かもしれませんが大学の先生方にはご対応いただけたらと思います。)
 近年、マテリアルズ・インフォマティクスへの期待は非常に大きなものになっています。しかし、その大きな期待に応えられるほどの人材・人手が確保できていないというのが現状です。要は人材不足です。人手不足ということは、マテリアルズ・インフォマティクスを身に付ければ、希少人材になれるということを意味します。本書がきっかけとなり、一人でも多くの方が、マテリアルズ・インフォマティクスの世界に飛び込み、企業や研究所で活躍されることを願っております。

2019年7月
岩崎悠真

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