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工場IoT技術者のためのPLC攻略ガイド
よくわかるラダー言語の基本と勘所

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ A5判
ページ数 192頁
ISBNコード 978-4-526-07983-2
コード C3034
発行月 2019年06月
ジャンル 経営 生産管理

内容

工場IoT技術者が知っておきたい、機械設備を制御するためのPLCプログラミング(ラダー言語読み書き)の要点を手ほどきする。工事会社との事前調整やプロジェクトを行う上での留意点、障害発生時の対応など、実務課題に即した対処法も紹介する。

山田浩貢  著者プロフィール

(やまだ ひろつぐ)
1969年名古屋市生まれ。91年愛知教育大学総合理学部数理科学科卒業後、株式会社NTTデータ東海入社。製造業向けERPパッケージの開発・導入および製造業のグローバルSCM、生産管理、BOM統合、原価企画、原価管理のシステム構築をPM、開発リーダーとして従事する。
2013年株式会社アムイを設立。トヨタ流の改善技術をもとにIT/IoTのコンサルタントとして業務診断、業務標準の作成、IT/IoT活用のシステム企画構想立案、開発、導入を推進している。

目次

はじめに

第1章 工場IoT化における課題
1.1 日本の製造業の問題はどうして起こったのか?
省人化にしか目を向けなかった人材配置/高機能な設備活用による工程間連携の問題/IT投資を改善目的のみとしている問題
1.2 IoT導入における生産技術上の課題
制御方式はオープン化が進まず/当面はPLC+ラダー言語で通用する
1.3 IoT導入課題解決のための方策
ラダー言語は少数派に?/「収集」「蓄積」「活用」の最低限の知識を学ぼう

第2章 工場IoT技術者に求められるスキル
2.1 工場IoT技術者のスキル体系
管理・制御・情報処理技術を磨く/分業制の弊害を乗り越える人材
2.2 IoT技術者に求められる生産管理の基礎
生産管理のスキル体系/生産計画と生産統制/生産形態/生産管理組織と運営
2.3 5Sとトヨタ生産方式の実践
現場力を表す5S/確かな品質で効率良くつくるトヨタ生産方式
2.4 品質管理と設備管理の展開
顧客要求を満たす製品をつくる品質管理/付加価値を生まないロスのムダをとる設備管理
2.5 工場IoTに必要なITスキル
情報技術に関わる基礎知識/ネットワーク知識/データベース知識/セキュリティ知識/システム開発知識
2.6 スキル習得のためのステップ
IoT技術スキル習得のパターン/新人技術者の場合の進め方/IT技術者の場合の進め方/制御技術者の場合の進め方

第3章 電気の基礎知識
3.1 数学の基礎
電気を理解するための数学/計算の基礎10項
3.2 電気理論の基礎
電気工学で最も基本的な法則/電気回路とは/電気回路の構成/直流回路と交流回路/正弦波交流電圧の波形/交流回路の特徴
3.3 電気設計の基礎
電気設計とは/センサーを知ろう/スイッチを知ろう/コネクタを知ろう/ブレーカーを知ろう/制御盤を知ろう

第4章 PLCの基礎知識
4.1 シーケンス制御とは?
自動制御の分類/シーケンス制御の特徴
4.2 PLCとは?
PLCはリレー回路の代替措置/PLC利用のメリット
4.3 リレー回路を理解すればプログラムが容易に作成できる
一般的なリレー回路の外観/a接点とb接点/端子配列を確認しよう/リレー回路の機能を考える/タイマーもリレー制御の仲間/安全規格の定義/安全規格の基本的要求
4.4 光電センサーによる信号入力
透過形と反射形の受光原理/選択の際の基準/明暗の感知を切り替えるスイッチも/センサーの配線例/シリンダセンサーの接続
4.5 リレー制御の基本
リレー回路のレベルアップ/自己保持をかけてある回路/リレーで電磁弁に電源供給/複雑な動作を実現する歩進制御/回路設計の落とし穴
4.6 ラダー図の読み方・書き方
PLCでの制御に不可欠な言語/リレー回路をラダー図に置き換えてみる/出力コイルを追加して作動させる/シリンダの動作を制御するラダー回路
4.7 ラダー編集ソフトの使用例(GX Developer)
メーカーサイトか商社経由で入手/学習に必要なもの

第5章 情報収集のポイント
5.1 アドレス設計の手順
情報収集のエリアを決める/各設備のワード数をまとめる
5.2 リアルタイムエリア/履歴エリア設計
リアルタイムエリアのアドレス領域最大値の設定/履歴エリアのアドレス領域最大値の設定/データの整理・整頓に配慮しよう/アドレス区画の設定
5.3 同期処理設計
通信フラグによる履歴情報の収集/時刻合わせ項目の設定/格納する項目の設定/項目の並べ順の決め方

第6章 ラダー言語の書き方
6.1 ポカヨケツールへの適用に学ぶ
ホースへの金具の取付間違いを防ぐ/色の塗り分けを検知する
6.2 基本制御の考え方
それぞれの回路パターンの違い/入力がないときに出力接点がONになるLDI/AND命令とOR命令の違い/ラダー回路の最も基本的な形
6.3 入出力の基本
入出力リレーの適用法/ラダー言語での運用法/補助リレーに記述を移す理由/出力部分の記述例
6.4 自己保持回路(セット/リセット回路)
自己保持回路とは/自己保持回路の書き方/自己保持回路の停止方法
6.5 タイマー回路
タイマー回路の必要性/タイマー回路の記述方法/FPツールの記述内容補足/タイマー回路を使った事例の整理
6.6 カウンタ回路
カウンタ回路の必要性/カウンタ回路の記述例/データレジスタを使用したカウントの応用例
6.7 設備情報収集
設備情報収集の作業手順/情報収集のラダーを記述する/PLCにラダー図を作成する/PLCからラダー図を取り込む/PLCにラダー図を追加する/動作確認をする
6.8 リアルタイム情報アドレス格納
リアルタイム情報アドレス格納の目的/ラダーの記述例
6.9 履歴情報アドレス格納
履歴情報アドレス格納の目的/ラダーの記述例
6.10 同期処理
PLCの時刻合わせの目的/ラダーの記述例
6.11 マスタ情報設定
マスタ項目設定の必要性/ラダーの記述例

第7章 開発手順(設計、実装、試験の進め方)
7.1 組込み系システム開発の流れ
システム開発プロジェクトの傾向/レスポンスに対する要求精度の違い/ソースプログラムが正という前提/デザインレビューを徹底的にこなす/項目長とピーク時のトランザクション量に着目/情報共有でバージョン管理を徹底
7.2 要件定義1(現状把握)
モノと情報の流れ図で前・自・後工程を見える化/物理的な生産資源を見える化/情報の流れはシステム、人手の手段を明確にする
7.3 要件定義2(情報項目抽出)
情報項目の抽出/現在はBINが主流/ケタ数と単位を決める/値のサンプルを記入する
7.4 概要設計1(通信方式設計と収集インフラ設計)
アドレス設計・システム方式設計が重要/通信方式の概要/データ収集の方法
7.5 概要設計2(ネットワーク、サーバインフラ設計)
ネットワークによる通信/サーバへの蓄積/データのバックアップとリカバリー/システムテスト項目の準備
7.6 詳細設計1(タスク概要とPLC設定内容)
詳細設計のタスクの概要/PLC設定内容の詳細設計
7.7 詳細設計2(ラダーフローチャート)
アドレス割り付けと制御上の留意点/フローチャートをまず書いてみる
7.8 詳細設計3(入出力ラダーフローチャート)
入出力デバイスと内部リレーの割り付け/タイマーとデータレジスタの割り付け
7.9 詳細設計4(DBデータ格納ツールとDBデータ処理)
DBデータ格納ツールのシステム設定/DBデータ格納ツールのデバイスタグ設定/DBデータ格納ツールのタグ要素設定/DBデータ格納ツールのサーバサービス設定/DBデータ格納ツールのジョブ設定/DBデータ格納ツールのジョブアクション設定/DBデータ処理概要の記述/DBデータ処理のフロー/テーブル更新仕様/結合テスト項目の準備
7.10 実装の手順
ソース管理の方法/コーディング規約の作成/テンプレートの作成/ソースコードレビューの実施/ソース管理の体制(管理者の設定)/単体テスト項目の準備
7.11 試験の手順(机上、設備と接続、サーバや情報機器との接続)
開発環境テストの要点/実環境テストの勘所/実負荷を見て問題を事前につぶす/テスト通りのシステム運用は意外と大変/関係者との調整事項について/安定稼働のために

付録 簡易FPツールラダーサンプル全体
索 引

はじめに

 次世代の生産現場づくりに向けて、IoT/AIの活用が必須となる状況を迎えました。そのため設備やロボット、自動搬送機器などからさまざまな情報を収集する機運に迫られています。情報は、設備を制御するPLCに格納されています。生産技術・設備保全担当者、および機械メーカーの方はPLCを制御するラダー言語に精通するものの、IoTで「つなぐ」「蓄える」、AIで「活用する」というようなIT(情報技術)活用領域の話題は、未知で不得意なように映っています。
 本書は、工場IoTを主導する技術者として、必要な基礎知識を身につけられることを目的としています。生産技術、設備保全、機械メーカーの制御技術者の高齢化が進む中、機械制御の経験が浅いIT技術者でもPLCから情報収集ができるように手ほどきすることが、IoT活用の促進につながると感じ、以下の点を考慮して解説したものです。
 ①電気の基礎知識の習得
 ②PLCの情報収集の設計手法
 ③利用シーンによるサンプルコーディングを用いたラダー言語の習得
 本書を通じてIT技術者が設備から情報を収集し、IoTの「収集」「蓄積」「活用」における一連の作業を担い、多能工化による生産性向上が図れるようになることを願っています。
 最後に本書を執筆する機会を与えてくれた日刊工業新聞社の矢島俊克氏、生産技術に関わる指導をしてくださった肱岡和己氏、株式会社アムイのメンバーである坂東隆三さん、石黒隆宏さん、澁谷奎悟さん、直燎さんに心から感謝申し上げます。
2019年6月
山田 浩貢

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