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今日からモノ知りシリーズ
トコトンやさしい宇宙ロケットの本
第3版

定価(税込)  1,650円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07975-7
コード C3034
発行月 2019年04月
ジャンル その他 ビジネス 機械

内容

宇宙ロケットの開発の歴史、燃料やエンジンの仕組み、打上げや軌道投入の基本を専門家がわかりやすく解説します。コラムには著者ならではの裏話を書きおろし、イプシロン、H3、「はやぶさ2」などの最新の話題を盛り込んだ、待望の新版。

的川泰宣  著者プロフィール

(まとがわ やすのり)
1942年(昭和17年)2月23日、広島県呉市生まれ。
1965年(昭和40年)東京大学卒業。
1970年(昭和45年)東京大学大学院博士課程最後の年に、日本初の人工衛星「おおすみ」の打上げに参加。以後、ハレー彗星探査、科学衛星計画、「はやぶさ」など、数々のロケット開発・衛星開発に携わる。東京大学宇宙航空研究所・宇宙科学研究所・宇宙航空研究開発機構(JAXA)を経て、現在JAXA名誉教授、はまぎん こども宇宙科学館館長。工学博士。

主な著書
『宇宙飛行の父 ツィオルコフスキー』(勉誠出版)
『ニッポン宇宙開発秘史 元祖鳥人間から民間ロケットへ』(NHK出版新書)
『的川博士が語る宇宙で育む平和な未来 喜・怒・哀・楽の宇宙日記5』(共立出版)
『図説宇宙工学』(共著、日経印刷)
『「はやぶさ」物語』(NHK生活人新書)
『いのちの絆を宇宙に求めて』(共立出版)
『小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡』(PHP出版)
『どうやって、宇宙へいくの?』(ポプラ社)
『なぜ、宇宙へいくの?』(ポプラ社)
『なぜ、星は光っているの?』(ポプラ社)
『宇宙人は、ほんとうにいるの?』(ポプラ社)
『わたしたちは、星からうまれたの?』(ポプラ社)
『宇宙なぜなぜQ&A』(ポプラ社)
『人類の星の時間を見つめて』(共立出版)
『図解:宇宙と太陽系の不思議を楽しむ本』(PHP出版)
『宇宙なぜなぜ質問箱』(朝陽会)
『宇宙の旅 太陽系・銀河系をゆく』(誠文堂新光社)
『逆転の翼 -ペンシルロケット物語』(新日本出版社)
『轟きは夢を乗せて』(共立出版)
『宇宙からの伝言』(数研出版)
『宇宙はこうして誕生した』(佐藤勝彦編、ウェッジ)
『やんちゃな独創 - 糸川英夫伝』(日刊工業新聞社)
『ロシアの宇宙開発の歴史』(東洋書店)
『月をめざした二人の科学者』(中公新書)
『宇宙に取り憑かれた男たち』(講談社)
『宇宙で暮らすための69の基礎知識』(大和書房)
『宇宙の謎を楽しむ本』(PHP文庫)
『宇宙は謎がいっぱい』(PHP文庫)
『ロケットの昨日・今日・明日』(裳華房)
『宇宙にいちばん近い町』(春苑堂出版)
『飛び出せ宇宙へ』(岩波ジュニア新書)
『星の王子さま宇宙を行く』(同文書院)
『宇宙へのはるかな旅』(大月書店)
『軟式テニス・上達の科学』(共著、同文書院)
『人工の星・宇宙の実験室』(岩崎書店)
『ハレー彗星の科学』(新潮文庫)

目次

第1章 宇宙ロケットのあゆみ
1 初期のロケット「火薬ロケットは13世紀に中国からヨーロッパへ」
2 パイオニアたち「ジュール・ベルヌのSFに刺激される」
3 ロケット・ブームとV2「近代ロケットの元祖はドイツのV-2」
4 米ソの宇宙開発競争のはじまり「先行したソ連」
5 月面への先陣争い「月に立った最初の人、アームストロング」
6 宇宙ステーションの時代「長期の宇宙滞在をめざす」
7 日本も宇宙時代へ「東大のペンシル・ロケットが最初」
8 イプシロンとH3の新時代「新しい二つのロケット」

第2章 ロケットはなぜ飛ぶか
9 ロケットの推進原理「「反動」による力」
10 化学ロケット「化学反応でガスを発生、噴射する」
11 ロケットと運動量「「運動量保存の法則」でスピードを増す」
12 質量比と比推力「ロケットは推進剤のお化け」
13 ツィオルコフスキーの公式「質量比が小さいほど、比推力が大きいほどスピードが出る」
14 ロケットのスピードを上げる工夫「ガスの噴出速度を速く、質量比を小さく」
15 多段式ロケット「質量比と比推力の限界を越える工夫」

第3章 ロケットの推進剤
16 推進剤の役目「酸素は燃料の何倍も必要」
17 固体推進剤とグレイン「コンポジット系が主流」
18 液体推進剤「密度や取り扱いやすさ、貯蔵性が決め手」
19 液体推進剤のタンク「容れておき供給する」
20 固体ロケットと液体ロケットの違い「高性能な液体、シンプルな固体」
21 庶民の味方ハイブリッド・ロケット「環境にやさしく安全で扱いやすい」

第4章 ロケット・エンジン
22 ノズルの役割「高速で噴射、大きな推進力を生む」
23 固体ロケット・モーターのしくみ「モーター・ケース、推進薬、ノズル、点火器からなる」
24 液体ロケット・エンジンのしくみ「燃焼室で推進剤が燃え、できた高温ガスが吹き出す」
25 液体ロケット・エンジンの冷却「高温の燃焼に耐えて推力を生み出す」
26 液体ロケットのエンジン・サイクル「「開サイクル」と「閉サイクル」」
27 液体ロケット・エンジンの作動「たくみなエンジン作動のしくみ」

第5章 ロケットの構造
28 軽く、薄く「打上げ時の重量の80%以上が推進剤」
29 ロケットのいろいろな構造「設計荷重に耐える構造」
30 ロケットの材料に求められること「構造材料と機能材料」
31 固体ロケットのモーター・ケースに使われる材料「燃料が燃える時の高圧・高温に耐える」
32 固体ロケットのノズルのつくり「特別の熱対策が必要」
33 液体ロケットのタンクの様子「推進剤の振動に対処」

第6章 ロケットを正確に飛ばすには
34 ロケットの誘導制御って何?「「航法」「誘導」「姿勢制御」」
35 ロケットの航法「慣性航法が多く使われる」
36 回転するジャイロと回転しないジャイロ「姿勢と角速度を測る」
37 二つの慣性航法「センサの付け方が異なる」
38 「こま」式ジャイロスコープ「ジャイロのいろいろ」
39 「こま」のないジャイロスコープ「振動ジャイロと光ジャイロ」
40 ロケットの誘導「目標の軌道に所定の精度で投入」
41 姿勢制御「飛翔中のロケットの姿勢を目標姿勢に向ける」

第7章 ロケットの打上げ
42 世界のロケット発射場「低緯度ほど燃料が得」
43 日本のロケット発射場「各地の射場と歴史」
44 ロケットをどっち向きに飛ばすか「目標とする衛星の軌道傾斜角で決まる」
45 ロケットの下段は海に落ちる「落下予想区域では事故防止を徹底」
46 中国とインドの台頭「宇宙強国をめざして」

第8章 惑星への旅
47 人工衛星と惑星探査機の違い「地球の重力圏を脱出して探査する」
48 ホーマン軌道と会合周期「最も燃料消費を小さくする」
49 惑星探査機の打上げと地球脱出「秒速11.2キロメートルを越える」
50 地球脱出のやり方「第二宇宙速度に余裕を残す」
51 省エネルギーの航法スウィングバイ「惑星の引力を利用」
52 軟着陸と再突入「無事に着陸する工夫」

第9章 宇宙往還の時代
53 スペースシャトルによる往還「ロケット・ブースターと外部燃料タンクは上昇中に切り離す」
54 ソユーズによる帰還「ソユーズは三人乗りの有人宇宙船」
55 ISSへの物資輸送と「こうのとり」「ISSへの物資輸送を支える補給機」
56 民間ロケットと普通の人の宇宙旅行「海外旅行気分で宇宙へも」
57 「はやぶさ」から「はやぶさ2」へ「太陽系往還時代が始まった」

第10章 これからの宇宙ロケット
58 世界のロケットの比較「国家・民間・国際協力」
59 未来の宇宙輸送「電気、原子力、レーザーから光子まで」
60 イオンエンジンとソーラーセイル「「はやぶさ」と「イカロス」」
61 完全再使用のスペースプレーン「夢の宇宙輸送システム」
62 核エネルギー推進「核分裂で発生する熱で高温にする」
63 光子ロケット「光子を放出して推力を得る」
64 レーザー推進「地上や宇宙ステーションからレーザーを照射」
65 宇宙エレベーター「ロケットに代わる宇宙輸送の手段」

【コラム】
●轟音と煙とともに消えた男
●打上げ成功確率
●「かぐや」搭載のハイビジョン
●JAXAという名前
●オッタッタ?
●悪魔の「ハイフン」
●性能計算書
●「はやぶさ」の陰に糖尿あり
●適度な貧乏
●二台のパソコンで打上げ管制

参考文献
索引

はじめに

 ある雑誌に「ロケットは大きなおなら」と書いたら、読者の一人から「品がない」とお叱りを受けた。だれもが経験する事柄をもとにしてロケット推進の原理を説明しようと試みたつもりだったが、「品」を問題にされるとは思わなかった。「作用反作用の法則」で説明すると、ほとんどの人は誤解をする。何が作用なのかはっきりしないのである。
 今後人類の未来と宇宙への進出は、切っても切れない縁で結ばれ続けるだろう。その際の主役である宇宙ロケットについて、できるだけ平易に語ってみたいと思ってワープロを叩いた結果が本書である。方程式の分かる人ならば、巻末に掲げた参考書をお薦めする。恩師の糸川英夫先生は「初めて学ぶ事柄の場合は、私はまずマンガから入ります。概念的につかんでおけば、専門書に一気に入っても戸惑うことがないのです」と語っておられた。その「入門のマンガ」的な使い方をしていただければと思っている。

〈改訂にあたって〉
 宇宙へ飛び立った衛星の数が五千機を越えたが、宇宙輸送の主役がロケットであることは、当分変わりそうにない。宇宙へのアクセスが多様になり、民間も本格的に乗り出してきた宇宙新時代にふさわしい内容に改めて、現代の要求に応えることにした。
2019年4月                        
的川 泰宣

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