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シッカリ学べる!
機械設計者のための振動・騒音対策技術

定価(税込)  2,420円

著者
サイズ A5判
ページ数 204頁
ISBNコード 978-4-526-07972-6
コード C3053
発行月 2019年04月
ジャンル 機械

内容

「振動・騒音技術の基礎知識、対策技術や測定法・解析法」を、難しい数値解析技術の解説ではなく、現場の技術者からのニーズに応える形で、平易にわかりやすく紹介した実務書。振動・騒音全般の実務、測定・分析・解析の全体像とノウハウがこれ1冊でわかるようになっている。

小林英男  著者プロフィール

(こばやし ひでお)
有限会社アイトップ 代表取締役 技術コンサルタント

東京電機大学工学部機械工学科卒業
学生時代にESS(英会話部)に所属し、カリフォルニア大学バークレイ校に語学研修、および毎日新聞社後援英語弁論大会で3位入賞、全日本選抜英語集中トレーニングコースを2年連続で受講など英語の修得に力を入れた。東京電機大学第53代ESS部長。目的は世界で活躍できるエンジニアになるため。

大学卒業後、リオン㈱に入社し、騒音・振動の測定・分析・対策、および海外事業部でヨーロッパを担当しセールスエンジニアとして従事。

その後、㈱アマダに転職。
㈱アマダでは、工場で組立・製造・検査、海外事業部で技術サービスおよび技術コンサルタント、システム事業部で板金加工自動化ライン(FMS)の開発・設計、技術研究所でアマダ製品の低騒音・低振動化および快適音化などの研究開発に携わり、大ヒット商品を世に送り出した。製造、サービス、設計、開発、研究(製造から研究まで)の一連の実務経験を積んだ。
東京農工大学大学院工学研究科にて5年間特別研究員(産学協同研究、文部省認定)。

その後、有限会社アイトップを設立。技術コンサルタントとして独立して約25年が経過し現在に至る。
振動・騒音とその周辺技術の技術コンサルティング(技術指導)とセミナーの講師を約25年間実施。すでに、500社以上に技術指導、セミナーには3000社以上が受講(のべ人数で15000人以上が受講)。現在では自社主催のセミナーで振動・騒音だけでなく、機械設計、材料、熱処理、ディジタル信号処理、制御(古典制御・現代制御)、疲労破壊、有限要素法などによるコンピュータ・シミュレーション、実験解析、Excel VBAによる技術計算、流体、伝熱、機械学習などのための統計解析、応用物理、技術数学、技術英語など振動・騒音とその周辺技術などのセミナー講師を行っている。企業への出張技術セミナーも実施。30ヵ国以上に海外出張、エンジニアとして英語で仕事を実施。

趣味は、2016年から始めた極真空手(極真空手西湘支部小田原本部道場に所属)、および小学生時代からの山歩き(現在でも仲間と毎月山歩きをしている)。
有限会社アイトップのホームページ http://aitop.stars.ne.jp/
有限会社アイトップ主催のセミナーのホームページ
 http://aitop.sakuraweb.com/seminar/
技術指導・セミナーなどのお問合せ
 ktl@r4.dion.ne.jp
ブログ:技術コンサルタントのひとりごと
 https://aitop-1.amebaownd.com

目次

はじめに

第1部 機械の開発・設計者が振動・騒音技術を理解するために必要になる基礎技術を項目別に解説
1-1 振動と音は同じ波動現象ですが、物理現象としての違いは何なのでしょうか?
1-2 同じ波の現象(波動現象)なのに、音と振動で取り扱う上限周波数が違うのはなぜでしょうか?
1-3 音の継続時間が200msec以下なら人間は音の存在に気がつかないらしい!
1-4 周波数の低い騒音のほうが、うるさく感じない!
1-5 騒音は固体音と空気音に大別できます。どちらの騒音かによって騒音対策の内容が全く異なります。(よって、問題となる騒音が固体音であるのか空気音であるのかを明確にするのが騒音対策の1丁目1番地になります。また、振動による音の音響放射効率とは?)
1-6 実は物体には3種類あります。それらは質点、剛体、連続体です。(これは意外に重要なことなのです。各物体のための力学が構築されています。この3種類の物体は各々どのようなものなのでしょうか?)
1-7 振動体のモデル化のしかた(質量、剛性、減衰)

コーヒーブレイク●線形1自由度振動方程式における線形とは?
コーヒーブレイク●何自由度でモデル化しますか?

1-8 ダランベールの原理のおかげで振動を方程式で表すことができます!
(静力学では力が釣り合っているときは物体が静止していますので等号を使用して釣り合いの式を作成することができます。振動では物体が動いているにもかかわらず、力の釣り合いの式を作成するように振動を式で表すことができます。なぜでしょうか?)
1-9 力学は静力学と動力学に大別できます。静力学と動力学、どう違うのでしょうか?
1-10 静剛性と動剛性、どう違うのでしょうか?
1-11 一言で物体の質量と言っても、静的質量と動的質量(等価質量)があります。どのように違うのでしょうか?
1-12 比例粘性減衰力はなぜ、物体の振動速度に比例するのだろうか?
1-13 非減衰固有振動数、減衰固有振動数とは? 固有振動数とは何のことでしょうか?

コーヒーブレイク●非減衰固有振動数、減衰固有振動数、共振振動数

1-14 振動モードとは? 減衰固有振動数との関係は?

コーヒーブレイク●集中定数系で自由度と固有振動数の総数を考えてみよう!

1-15 シンプルな形状の物体の固有振動数や振動モードはクラドニ図形やストロボによって知ることができます。
1-16 世の中の物体は1自由度系では振動しないのに、振動の技術専門書には線型1自由度系の振動理論が多くのページをさいて解説されているのはなぜでしょうか?
1-17 力の回転モーメントとはどのようなものでしょうか? 回転振動を考える上で重要ですので具体的にイメージしてみましょう。

コーヒーブレイク●任意の大きさの位相を数式で表すには?

1-18 直線におけるニュートンの運動方程式から回転における運動方程式を導くことができます。そのやり方は?
1-19 回転の勢いと角運動量との関係は?
1-20 直線運動と回転運動、エンジニアとしてどのように考えどのように取り扱えばよいのでしょうか?
1-21 断面2次モーメントと慣性モーメント、どのように違うのでしょうか?
1-22 回転軸の振れ回りと危険速度
1-23 ねじり振動の固有振動数の求め方
1-24 機械や装置などの物体の減衰固有振動数を測定するための理論は?

コーヒーブレイク●フーリエスペクトルとパワースペクトルの違いは? そして周波数応答関数
コーヒーブレイク●FFT(高速フーリエ変換器)の使用に際して、操作者が自分で決めなければならないこと
コーヒーブレイク●各種の周波数応答関数の呼び方

もう少し詳しく! FFTでイナータンス→モビリティ→コンプライアンスへの変換における積分特性
もう少し詳しく! 実際の周波数応答関数(イナータンス)の測定データから共振周波数であるかないかを検証してみよう!
もう少し詳しく! 測定時に過負荷インジケータ(オーバーロードインジケータ)を常に監視していますか?

1-25 多自由度(2 自由度以上)の線形減衰振動のニュートンの運動方程式の作成のしかたとそれらの行列表示のしかた
1-26 振動加速度ピックアップの接触共振周波数とは?

コーヒーブレイク●振動加速度ピックアップの選定では重量が重要、MEMSによる振動センサとは?

1-27 要注意! 振動加速度ピックアップのケーブルの取り扱いノウハウ
1-28 有限要素法などで使われている「場の支配方程式」とはどのようなものですか?
場の支配方程式の例として音の波動方程式を詳しく考えてみましょう!

もう少し詳しく! 非定常の波動方程式から定常の波動方程式を導出
もう少し詳しく! 流体や電磁場でもよく使用されるベクトル解析という数学をワンポイント解説

1-29 (振動放射音の発生メカニズムには近接音場と遠音場の物理も含まれます。これからすると全ての振動エネルギーにより放射された音が遠音場に到達しているわけでありません。)近接音場における音響エネルギーの渦とは?

コーヒーブレイク●場とは? どこまでが近接音場かを簡単に確認する方法は?

もう少し詳しく! 音響インテンシティはどのような理論に基づいて計測されているのでしょうか? 音響インテンシティ計測における直接法、間接法とは?

1-30 振動・騒音分野ではごく普通に複素数が使用されます。なぜ複素数を使用するのでしょうか?
1-31 振動加速度をFFTで2回積分すると変位になりますが、この変位データは使用しないほうがよいでしょう。

コーヒーブレイク●振動加速度ピックアップの縦感度と横感度

1-32 空気の粒子速度とは? 粒子速度と音の伝播速度は異なります!
1-33 有限要素法による振動解析の種類と概要(機械分野にて)

コーヒーブレイク●有限要素法を言葉で単刀直入に短い文章で説明すると

第2部 機械の開発・設計者に必要になる振動・騒音の低減技術と問題解決技術
2-1 たたみ込み積分、周波数応答関数、コヒーレンス関数とは?
2-2 モード信頼性評価基準(MAC)とは?
2-3 製鉄所の燃焼炉の燃焼音の低減
2-4 電子部品が高密度実装されたプリント基板にてどの部品が騒音源であるのかを見つける方法は?この場合の騒音の最大低減量の数値を求める簡単な方法とは?

コーヒーブレイク●通常使用している騒音計で20 dB(A)という大きさの騒音を測定することができるでしょうか?

2-5 大きな振動は大きな騒音を放射するというのは間違いであるということが多い。振動体の音響放射効率を考えないといけません。(また、正方形の板と細長い板を比較すると細長い板の音響放射効率は通常低くなります。)
2-6 衝撃振動は、時間幅が大きくなるにつれて周波数帯域が狭くなります!
2-7 振動を測定するとき振動加速度ピックアップをどのような方法で取り付けておられますか?
2-8 自分が実測した測定データに対して測定した瞬間に違和感(このデータはおかしい、変だ)を感じたもう1つの例
2-9 丸型防振ゴムで防振支持した系全体の固有振動数の計算のしかた

コーヒーブレイク●バネーマス系の剛体の固有振動数を求める式と変位を求める式を導出してみましょう
コーヒーブレイク●バネーマス系の剛体の固有振動数を求める式を実務エンジニアリングに使用しやすくなるように変形してみよう!

2-10 共振を回避できないときはダンピング(減衰)により共振の程度を弱めることができる!
2-11 意外に多いコイルばねの設計・選定における失敗!実務におけるサージングしないコイルばねの設計のしかたと計算例題!
2-12 (固有値解析には「標準的な固有値解析」と「一般的な固有値解析」があります。)実固有値解析による振動モードでは絶対値が求まらず相似比しか求まらない理由は?この2つの固有値解析の関係と計算例

もう少し詳しく! 「一般的な固有値問題」と「標準的な固有値問題」が等価になる理由
もう少し詳しく! 固有値解析のための行列[A]の計算のしかた

コーヒーブレイク●実固有値解析による振動モードでは絶対値が求まらず相似比しか求まらない理由

2-13 部品やユニットの固有振動数の値をある範囲内に抑え共振回避するための設計計算法の例
2-14 有限要素法の実固有値解析による機械カバーの問題点の抽出と対策
2-15 実例で考えよう! 実際の機械設計にて静剛性と動剛性はこんなに違う!
2-16 ねじり振動系を直線振動系に置き換えて固有振動数を計算する方法
2-17 スティック・スリップの場合の自励振動のモデル化と相対速度依存性
2-18 実務エンジニアリングの観点からのパッシブ(受動)消音とアクティブ(能動)消音

コーヒーブレイク●日本におけるANCの歴史的経緯の概略
コーヒーブレイク●実務にける要領のよいアクティブ・ノイズ・コントロールの使い方
コーヒーブレイク●いろいろな制御理論について

2-19 工場の防音対策を安価に行う方法は? 防音工事は防音工事屋でなく自分たちだけで十分できます!
2-20 空気中での音の吸音率と超低周波音対策の実際例
2-21 (通常の事務所や工場などでは対象とする機械の騒音を正しく測定できません。音響反射や定在波が生じるからです。)定在波により実際に発生した騒音問題とその解決のしかた!
2-22 実務ですぐに使える実験データによる慣性モーメントの求め方とは?
2-23 動吸振動器(ダイナミック・ダンパー)を設計するための最適設計理論とは?
2-24 等価質量同定法は大変便利! 等価質量同定法を使用した動吸振器の実務的な設計法とは?
2-25 片持ちはり構造を持つ製品の固有振動数の計算のしかた
2-26 実験モード解析とは? シンプルに解説すると
2-27 線型1自由度系減衰振動を制御工学のブロック線図で描いてみよう。
(このように表すと、MATLABのSimulink上にすぐに描くことができます。)
2-28 実務エンジニアリングの観点からの振動のパッシブ制御技術とアクティブ制御技術について
2-29 振動センサのIoT化のしかた
2-30 機械学習を使用した振動による故障予知診断のしかた
2-31 マルチフィジックスの物理現象をモデル・ベース・デザイン(MBD)によるフロントローディングで研究・開発・設計を行う。発生している物理現象の本質を見抜きそれを数式で表す技術を修得するには?

おわりに

はじめに

 今までの約25年間の技術コンサルティング(技術指導)と技術セミナー講師の経験をもとに、いろいろな技術分野の実務エンジニアに役立つ最大公約数的な振動・騒音技術を選び出し、仕事にすぐに役立つ技術と技術ノウハウを少しでも多く書こうと考え、本書を執筆しました。
 当社の技術コンサルティングは単なる技術指導だけでなく、わかりやすい技術解説を加え、技術移転を行いながら技術コンサルティングを実施し、お客様の望まれる成果を出してきました。契約の基本期間は1年間で、必要に応じ毎年契約を更新するというスタイルで技術コンサルティング(技術指導)を実施させてきて頂いており、10年以上技術指導させて頂いている会社もあります。この方法は当初想定した以上にご好評を頂き、現在でも基本的にはこの方法で技術指導をさせて頂いております。
 また、技術コンサルティングや技術セミナーの講師だけでなく、お客様が抱える実際の振動・騒音問題解決のための研究・開発・設計・製造・現地据付・測定評価の仕事も過去10年間くらいやっておりました。
 本書にはこれらの経験が反映されておりますが、お客様との秘密保持契約が現時点でも有効な内容については当然のことながら本書に記載しておりません。それでも執筆し始めると、書くべき内容が思っていた以上に多く頭に浮かび、どれを記載するのか選定するのに多少迷いました。
 また、振動・騒音の技術指導をさせていただく過程で、信号処理技術、有限要素法などによるコンピュータ・シミュレーションなどによるモデル・ベース・デザイン&ディベロップメントをはじめとして、振動・騒音分野だけでなく関連する技術分野、例えば、制御技術(古典制御技術、現代制御技術)、熱・流体技術、電気・電子技術、疲労・破壊技術、統計解析技術などを必要に応じて勉強し、振動・騒音問題を解決するために、多くのかつ幅広い技術分野の観点から技術指導させて頂いてきました。
 本書は、実務エンジニアが仕事をする上で大いに役に立つことを目的として、振動・騒音技術を中心にしてそれを取り巻く多くの関連する技術分野と連携させながら、厳密さよりもわかりやすさを優先して執筆されています。技術を楽しみ積極的に仕事に大いに役立てようという観点で本書をお読み頂ければ幸いです。ここでいうところの実務エンジニアとは、企業で機械・装置の開発や設計業務を行っておられるかたをさしておりますが、企業の技術研究所に勤務されているエンジニアにも役立つ内容になっていると考えます。特に、機械設計にて力学設計のベースとして活用される材料力学の知識をどのように振動工学に連携させ、設計時において、手計算程度でできる振動対策(共振対策)計算にどのようなものがあってどのように考えて設計すればよいのかについても、ある程度は解説できたのではないかと考えています。そして、具体的には下記のようなかたがたを想定して執筆しました。

① 自分で設計した機械・装置を試作したら、想定していたよりもかなり振動や騒音が大きかった。
この振動・騒音を小さくしないと新商品として販売できない状況になった。
② 販売した機械・装置の振動や騒音が原因で、客先でクレームが発生しておりこの問題解決をしなくてはならなくなった。
③ 設計段階で少しでも低振動化設計、低騒音化設計をしたい。このためのエンジニアリング・センスも修得したいし、そのために使える技術にはどのようなものがあるのかも知りたい。
④ 低振動化・低騒音化のための技術の研究・開発を行いたい。
などです。さらに、「自分の専門分野は機械・装置の開発や設計であり、振動・騒音技術については詳しくないので技術的にどのように対応すればよいのかわからず困ってしまった。現時点では上記のような状況にいないが、今後このような状況に遭遇することが十分にありえるので今のうちから仕事ですぐに役立ちそうな振動・騒音技術を勉強しておきたい。あるいは自分は有限要素法などによる振動や騒音の数値解析が専門で、実験解析技術など数値解析技術以外の技術には不案内なので、これらも含め広く勉強しておきたい。」というかたがたにも十分に役立つ内容になっていると考えます。
 実験モード解析ソフト、伝達経路解析ソフト、有限要素法などによる各種の数値解析ソフト、最適化ソフト、他のさまざまなモデル・ベース・デザインのためのソフトなどさまざまなソフトが市販されていますが、基礎技術を修得せずにこれらのソフトを使用しても、解析結果が正しいのかどうかの妥当性を技術面から検証できなければ、解析結果に振り回されてしまうだけです。
 本書では、そういうことにならないための基礎技術と実務面での応用のしかたについて、実例と計算例を用いて解説しております。本書をお読み頂ければ、本書に記載されていることを自分の仕事にこういうふうに応用展開すればよい、ということが思い浮かぶのではないかと考えております。思い浮かばないかたは思い浮かぶようになるまで、本書をお手元において頂きご活用頂ければ幸いです。
 また、各項目の並び順は、筆者の感覚などによるものであり、特に理由があっての並び順ではないところもあります。その項目にわからない技術専門用語などがあり解説されていない場合は、関連する他の項目をご参照頂ければその解説を見つけることができると思います。
 ところで、技術コンサルタントとしてお客様を訪問させて頂いた際、特に訪問先が設計部門の場合、下記のようなことをよく感じました。
 「機械・装置の設計者としては優秀で経験豊富なかたでも基本は材料力学をベースにした静力学による設計技術に優れたかたであり、動力学である振動技術のことはほとんど理解されていないことが多い。騒音工学についてもほとんど勉強されてないかたが多い。」
 こうした状況にもかかわらず、発生した振動・騒音などの動的な問題を自分が理解している静力学に基づいた設計技術で解決しようとしておられました。振動を理解するには、まずは動力学としての振動工学を、騒音を理解するには騒音工学を実務の観点から勉強してからでないと、的外れな対策が多くなり、多くの時間と費用をかけても結局問題解決ができないということになりかねません。勘だけに頼っていると、100発打っても1発もあたらないということもあり得るのです。
 よって本書では、振動・騒音問題を解決するに際し、機械設計者が勘違いしやすい技術、陥りやすい技術、理解しにくい技術にも焦点をあてて解説致しました。
 本書は振動・騒音技術についての実務書という観点から、学問的な内容の技術ではなく、主に機械・装置の開発・設計者にすぐに役立つ内容を、筆者の知見の中からではありますが、ポイントをわかりやすく解説したつもりです。お忙しい方は必要なところだけを単独で読んで頂いても理解しやすいように工夫しました。
 また、振動・騒音問題が発生したときに、発生している現象を物理現象として捉え、その物理現象の本質を見抜き、どのように対策すればその問題が解決できるかという技術を身につけるに際しても、本書に書かれていることがその道標になると考えております。
 とはいえ、私自体がいまだに勉強中であり、一人よがりな内容になっている可能性があるかと思いますが、上記の趣旨を考慮してお読み頂ければありがたいです。
 この本が一人でも多くの実務技術者のお役に立てば幸いです。

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