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わかる!使える!製図入門
<基礎知識><指示方法><実作業>

定価(税込)  1,944円

著者
サイズ A5判
ページ数 162頁
ISBNコード 978-4-526-07933-7
コード C3053
発行月 2019年02月
ジャンル その他 機械

内容

わかりやすく、困ったときにいつでも使える、「新しい製図本」。図面や製図の基礎知識から実際の作業まで、必要な知識とノウハウを丁寧に解説。「図面、製図とは何か」からはじまり、図面と製図作業を理解するための一通りの知識がすべて集約されている。

小池忠男  著者プロフィール

(こいけ ただお)
長野県生まれ。
1973年からリコーで20年以上にわたり複写機の開発・設計に従事。その後、3D CADによる設計プロセス改革の提案と推進、および社内技術標準の作成と制定・改定などに携わる。また、社内技術研修の設計製図講師、TRIZ講師などを10年以上務め、2010年に退社。
ISO/JIS規格にもとづく機械設計製図、およびTRIZを活用したアイデア発想法に関する、教育とコンサルティングを行う「想図研」を設立し、代表。
現在、企業への幾何公差主体の機械図面づくりに関する技術指導、幾何公差に関する研修会、講演等の講師活動に注力。
日本規格協会(JSA) 3D製図に関するJIS原案作成委員会 委員。
製造科学技術センター(MSTC) 計測技術検討委員会 委員。
著書に、
・「“サイズ公差”と“幾何公差”を用いた機械図面の表し方」
・「これならわかる幾何公差」
・「実用設計製図 幾何公差の使い方・表し方」
・「はじめよう!カンタンTRIZ」(共著)
・「はじめよう!TRIZで低コスト設計」(共著)
(いずれも日刊工業新聞社刊)。

目次

はじめに



第1章 
機械製図について

1 「製図」と「図面」

・「製図」・「図面」とは何か

「図面」と「絵画」の違い
・主な図面の種類

2 「図面」に必要なもの

図面に求められる要件とは

図面に必要な情報と規格



第2章 
製図の基礎知識と指示方法

1 製図の基礎知識

図面の規則

2 製図の指示方法

・図形の表し方

尺度

図形の表し方の一般原則

基準と寸法の入れ方
3 公差の指示方法

・公差の入れ方

幾何公差の入れ方
・サイズ公差の入れ方

普通公差の入れ方



第3章 
加工法・機械部品の表し方

1 加工法の表し方

・はめあいの入れ方

表面性状の入れ方
・材料と加工法の指示方法

2 主な機械部品の表し方

・ねじの表し方

歯車の表し方
・ばねの表し方

軸受の表し方



第4章 
製図作業の段取り

図面を描く前に必要なこと

図面を描く中で大事なこと

1 準備作業

・手書き図面を描く準備

2次元CADによる図面作成の準備

・3次元CADによる図面作成の準備

2 実作業

・手書き図面の段取り

2次元CADによる図面作成(2D図面)の段取り

3次元CADによる図面作成(3D図面)の段取り
3 検図作業

・セルフ検図の段取り

はじめに

機械製図は、今、ある意味で移行期にあると思います。それは、2つの特徴からいえます。1つは、設計製図に用いる“ツール”に関することであり、もう1つは、“公差の表し方”に関することです。

 
 設計製図に用いる“ツール”には、手書き製図のための“ドラフターなどの道具類”、コンピュータによる“2次元CADシステム”、それに立体モデルを主とする“3次元CADシステム”の3つがあります。
 
手書き製図と2次元CADによる設計製図では、従来からの手法の多くが使えます。一方、日々変化し機能強化している3次元CADシステムの場合は、従来の手法のいくつかは、根本から見直す必要が出てきています。

 その端緒は、JISの新しい規格のJIS B 0060シリーズ(2018年の現時点で、第1部から第4部が発行されており、第10部まで発行される予定)に見ることができます。設計から次工程に伝える製品・部品情報を、従来の“図面”としてではなく、“要求事項付き3次元CADデータ”(これを“3Dアノテーションモデルデータ”と呼び、略して“3DAMデータ”といいます)として伝えようとするものです。これは、その表示方法について規定した規格シリーズで、これによって、従来の“製図”や“図面”は、大きく変化する可能性があります。

 
 もう1つの“公差の表し方”についてですが、これが顕在化したのは2016年と見てよいでしょう。“長さサイズ”や“サイズ公差”の規定を明確にしたJIS B 0420-1の発行が、起点になっています。
 
機械製図における“寸法”とその“公差”の表し方には、大きく2つがあります。つまり、1つは、従来通り、指示した上下の許容値を“2点測定”して検証してほしいと指示するもの。もう1つは、要求する公差域を平面的(2次元的)、空間的(3次元的)な領域として検証してほしいと指示するものです。
 
前者は、指示対象が“サイズ形体”に限定されるので、それに対しては“サイズ公差”を決めて指示することになります。それ以外の部分は、後者の公差域を規制するものとして“幾何公差”を用いて指示します。どのタイプの“幾何公差”を用いると正確な指示となるか、その公差値はいくらがよいか、などを判断して決めていくことになります。

 これらをきちんと使い分けて指示しないと“明確な指示の図面”にはならない、ということがはっきりしてきたのです。


 このような状況を踏まえて、この本書「わかる!使える!製図入門」は構成しました。ですから、今まで市販されている「機械製図」の入門書とは、かなり趣が異なっています。その点で、本書には目新しい内容が、幾つかあるのではないかと思っています。


 第1章の「機械製図について」では、図面を作る作業である製図のポイントと全体像を説明しています。

 第2章の「製図の基礎知識と指示方法」では、製図するにあたって、最低限知っておくべき基礎知識とそれらの指示方法について触れています。製図対象である部品の“形”と“大きさ”の表し方にとって、今後たいせつになる“幾何公差”を取り入れて、やさしく説明しています。

 第3章の「加工法・機械部品の表し方」では、“はめあい”、“表面性状”、“用いる材料”の使い方、表し方、それに“めっき”、“溶接”の使い方に触れ、さらに、代表的な機械要素である“ねじ”“歯車”“コイルばね”“軸受”などの表し方を説明しています。

 第4章では、「製図作業の段取り」として、図面を描く前と、図面を描いているときに必要なことやだいじなことについて触れ、最後に、“セルフ検図”として、チェック項目を多数、例示しました。

 内容としては、第2章と第3章のボリュームが、他に比べて多くなっていますが、“製図”という性格上、致し方ないこととして、了解いただきたいところです。
 
機械図面をこれから作成していく方には、是非、本書に書かれている内容をしっかり理解し、きちんと機械図面に反映していってほしいと思います。



 筆者は、機械設計および製図の実務から長い間、遠ざかっていました。今回は、原稿の作成段階から、電機・精密企業の設計・製図の現場で現役として活躍されている、亀田幸德さん、佐藤弘一さん、宮田剛さんの3名の方から貴重なご意見をいただきました。また、本書は「わかる!使える!」シリーズ本ということで、日刊工業新聞社の書籍編集部はじめ関係者のみなさんに、大変なご苦労をして編集していただきました。

 多くの方々にお世話になりましたので、最後になりましたが、心からお礼を申し上げます。


2018年12月 
小池 忠男

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