内容
近い未来、さまざまなアンドロイドが誕生することが考えられるが、我々に、人間存在をアンドロイドとして甦らせる権利などあるのだろうか?夏目漱石のアンドロイドを製作する過程を通じて見えてきた、人間を複製することに関しての課題、疑問について考える。
漱石アンドロイド共同研究プロジェクト 著者プロフィール
(そうせきあんどろいどきょうどうけんきゅうぷろじぇくと)
目次
はじめに
刊行に寄せて
第1章 アンドロイドとは何か
1アンドロイド何か
2アンドロイド制作において考慮すべき問題
3アンドロイドの基本原則の必要性
第2章 我々はアンドロイドを作った
1漱石アンドロイド計画―発案から本体完成まで
2漱石アンドロイドの制作
3動きはじめる漱石
第3章 アンドロイドをめぐるいくつかの論点
1漱石と出会う体験の創出(1) アンドロイド×心理
2漱石と出会う体験の創出(2) アンドロイド×心理
3再生ロボットに権利はあるのか? それは誰が行使するのか? アンドロイド×法
4アンドロイドによる進化 アンドロイド×社会
5アンドロイドの発話行為、どこまでホンモノに近づけるか アンドロイド×ことば
6アンドロイドとのコミュニケーションと体験の価値 アンドロイド×ビジネス
第4章 アンドロイド基本原則はどうあるべきか
・偉人アンドロイドの基本原則(1) アンドロイド制作の自由原則
・偉人アンドロイドの基本原則(2) アンドロイド運用の自由原則
・偉人アンドロイドの基本原則(3) アンドロイドの尊厳原則
・偉人アンドロイドの基本原則(4) アンドロイドの無権利原則
・基本原則案のまとめ
・ガイドラインを越えて
・「漱石の偶像化」への疑義
第5章 人がアンドロイドとして甦る未来
特別付録
・漱石アンドロイド演劇台本・二松学舎大学版 『手紙』
・漱石アンドロイド演劇『手紙』解説