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図解よくわかる
電車線路のはなし 第2版

定価(税込)  2,200円

著者
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サイズ A5判
ページ数 230頁
ISBNコード 978-4-526-07903-0
コード C3050
発行月 2018年12月
ジャンル 機械

内容

日本の鉄道は、そのほとんどが電気で動く電車であり、当然、電車に電気を供給する仕組みが必要になる。ところがあれだけのスピードで動く電車に、屋外で、決まった電圧の電気を安定して供給するには技術的な工夫がいる。本書はそれをわかり易く解き明かす改訂版。

鈴木安男  著者プロフィール

(すずき やすお)
1947年生 鈴木コンサルタント事務所 所長
技術士(総合技術監理部門、電気電子部門)、労働安全コンサルタント、CEAR環境審査員補(ISO14001)、プロジェクトZ代表。JR東日本(株)において電車線路の調査・計画・設計・施工を担当。電車線路の設計等の指導講師。(公社)日本技術士会 工事監査WG幹事、(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会神奈川支部監事、 NPO法人 かわさき技術士センター監事、(一社)日本鉄道電気技術協会会委員
‌修正事項:第1章1~5、7~9、18~20、第2章21~26、第3章36、38、39、41、第7章65、74~78、第8章79~82
追加事項:コラム①、コラム②、コラム⑦、コラム⑧、コラム⑬

猿谷應司  著者プロフィール

(さるや ふさじ)
1938年生 猿谷TCN(テクニ)代表
JR東日本(株)及び関連会社において電車線路の調査・計画・設計・施工・保全を担当。執筆活動。電車線路の設計・施工の基礎を確立。JR東日本(株)ヘルプデスク。電車線路の設計等の指導講師。前(一社)碓氷峠交流記念財団理事、東日本鉄道OB会会員、(一社)日本鉄道電気技術協会会委員
修正事項:第1章6、10、13、17、第3章29、31~33、35、37、43、第4章46、第6章61~64、66~73
追加事項:コラム③、コラム⑪、コラム⑫、コラム⑭

大塚節二  著者プロフィール

(おおつか せつじ)
1934年生 大塚技術士事務所 代表 技術士(電気電子部門)
JR東日本(株)及び関連会社において長年電車線路の調査・計画・設計・施工・保全を担当。電車線路の設計等の指導講師。執筆活動。電車線路設計・施工に関する基礎を確立。新型支持物の開発に従事。(株)シントーコー顧問、(一社)日本鉄道電気技術協会会員
修正事項:第1章11、12、14~16、第2章27~28、第3章30、34、40、42、44~45、第4章47、48、第5章49~60、第8章83
追加事項:コラム④、コラム⑤、コラム⑥、コラム⑨、コラム⑩

目次

はじめに

第1章 電車線路の基礎のきそ
01 電車線路設備の構成及び用語の意味
02 電車線路のシステム
03 電車線路方式の移り変わり
04 どうして直流と交流があるのか
05 電車線路の標準電圧
06 電車線路設備と建築限界・車両限界
07 電車線路と法令など
08 電車線路の材料
09 電車線路がいし
10 電車線の電圧が下がったら電車は停まるのか
11 電車線とパンタグラフの相互関係
12 トロリ線とすり板の協調
13 電車線路の設計は何をするのか
14 モノレールの電車線
15 地下鉄の電車線
16 路面電車の電車線
17 黒磯駅や藤代駅付近での交直切替設備
18 電車線路システムの新しい技術
19 電車線路の新技術と実用例
20 電気鉄道は優れもの

第2章 き電線のはなし
21 き電線のしくみ
22 き電線の移り変わり
23 き電線のはたらきと役割
24 き電線の設備はどのようなものがあるのか
25 き電線の腐食で電車が停まることがあるのか
26 き電線の工事
27 き電線にまつわる意外な現象
28 失敗のはなし(き電線の不具合が見えるとき)

第3章 電車線のはなし
29 電車線のしくみ
30 電車線の形とスピード競争
31 電車線の伸び縮みとその調整
32 電車線はなぜ裸か
33 電車線の高さ
34 電車線偏位とパンタグラフの関係
35 駅構内の複雑な電車線
36 あんなに細いトロリ線はどのくらい強いのか
37 区分装置のいろいろ
38 電車線金具
39 電車線材料や金具が腐食したときはどうなるのか
40 緩んだり疲れたりする電車線の金具
41 き電線のない電車線
42 架線は温度と風で変身する
43 電車線の工事
44 電車線の最新技術
45 失敗のはなし(消えた設備・幻の設備など)

第4章 帰線のはなし
46 電車線とレールの関係
47 レールに触っても安全か
48 レールを流れる電流は大地に漏れて迷走する

第5章 支持物のはなし
49 支持物のいろいろ
50 支持物の移り変わり
51 鋼材のいろいろと使い方
52 景観支持物とはなにか
53 電柱基礎の形と強度
54 いろいろな電柱基礎の工夫
55 電柱番号のはたらき
56 支持物と地震・雪
57 支持物と風の関係
58 支持物の工事
59 支持物の新技術
60 失敗のはなし(支持物の変形と破壊)

第6章 諸設備のはなし
61 雷から電車線路を保護しているのはなにか
62 電車線路の地絡事故は、どのように保護するのか
63 電車線路の標識と標

第7章 電車線路と安全のはなし
64 電車線路と事故防止
65 電車線路と離隔距離
66 踏切の安全対策
67 電車線路作業とルール
68 電車線路の作業はいつやっているのか
69 電車が走っている区間の一部を停電できるのか
70 へびやカラスで電車が停まるのか
71 電車線路事故(天災)
72 電車線路事故(踏切)
73 電車線路にかかわる事故例
74 電車線路の環境対策はどうなっているのか
75 電車線路と安全の新しい技術
76 電車線路作業と高年齢化対策
77 電車線路とリスクマネジメントシステム
78 電車線路とヒューマンエラー

第8章 電車線路のこれから
79 電車線路と国際規格化
80 電車線路の若手の人材育成
81 メンタル面の事故防止対策
82 実施基準は会社のバイブル
83 新しい支援物の傾向は

コラム
コラム① 鉄道技術基準
コラム② 鉄道安全とは
コラム③ 「ありがとう」と皮肉を言われて学んだ設計
コラム④ 強度があるのに撓む(たわむ)
コラム⑤ 架空複線式電車線が消えてゆく
コラム⑥ 全国新幹線網整備後の電車線路は?
コラム⑦ まず列車を通す
コラム⑧ 電車線路にまつわる教訓
コラム⑨ 高速架線変身の歴史
コラム⑩ ビームの世代交代
コラム⑪ 幹線鉄道でき電電圧650Vの珍しい鉄道
コラム⑫ 信越線横川・軽井沢間のアプト式鉄道の集電方式
コラム⑬ 気づき
コラム⑭ ダム建設で消えた半斜ちょう式架線方式

おわりに
引用・参考文献
索引

はじめに

はじめに(第2版)

 初版「図解よくわかる電車線路のはなし」の出版から約10年の歳月が流れ、その間に東日本大震災という未曽有の災害を経験しました。鉄道電車線路にまつわる状況も、海外への技術移転・展開、若年層の意識の変化、新技術導入など大きく変化してきました。
 これらを踏まえて今回、初版の内容を全面的に見直し、内容を変更・整理、いま、伝えておきたいこと、時代の流れに対応したもの、世代交代による若年層の意識変化、今後の国際化の流れの話題などを取り入れ改訂し、「図解よくわかる電車線路のはなし〈第2版〉」を出版することにしました。
 また、ちょっと役に立つコラムを多数追加し、初版とは一味違った趣に配慮しました。
 初版でも紹介したように毎日、皆さんが通勤・通学の足として利用している鉄道は、わずか直径10mm程度の細いトロリ線が、電車のパンタグラフに電気を送ることで日夜、正確なダイヤで動いています。つまり、この細いトロリ線が、1列車当り何百人、何千人もの人や大量の物を輸送する動力となっているのです。
 このように、架線がないと電車は動かず、安全で安定な輸送は確保できません。そしてこの架線も、鉄道車両のモデルチェンジほど派手ではありませんが、過去から現在まで、その線区の輸送需要、重要度、経済性、保守性などを考慮して、適切な架線方式の採用やモデルチェンジ等をしてきました。
 例えば、縦に2本線の電線が並んだシンプル架線や3本線が並んだコンパウンド架線、地下鉄のように1本の鉄やアルミ等を使った剛体架線と呼ばれるものなど、いろいろな種類の架線があります。また、電柱にしてもコンクリート柱のように太くて長いものから、鋼管柱のようにスリムで景観的にすっきりしたものなど多種多様なものがあります。
 このような鉄道の架線や電柱等は、一見単純に見えますが、電気計算、強度計算、集電理論、試験やシミュレーション等の裏付けを基に計画・設計され、工事施工についても多くの実務と経験の上に成り立っています。よく「経験工学」などと呼ばれる所以です。
 しかし、これら架線、電柱、電線等について書かれ市販されている図書や雑誌には、わかりやすく電車線路に特化して書かれたものが見当たりません。電気鉄道全般にわたる概論的なものの一部として書かれた例はありますが、総花的になるためか、物足りないきらいがあります。そこで、これら一般には架線とも呼ばれる電車線、電柱、電線等について、わかりやすく解説することを目標にこの本を執筆しました。
 今回の執筆に当たっては、次のような人を対象にいかに「わかりやすく」ということを基本に解説し、構成しています。
・鉄道を利用している皆さんの中で何気なく景色の一部として見ている線路の上にある架線などに、興味を感じ内容を知りたいと思っている人
・鉄道設備の「過去、現在、未来」に興味を持っていて、電車線路について、もう少し知り、話のタネや話題等として活用したいと思っている人
 このような方々に気楽に読んで頂き、さらに興味をもって日常の電車線を見て頂ければ幸いです。

2018年12月
プロジェクトZ代表
鈴木安男

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