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わかる!使える!3Dプリンター入門
<基礎知識><段取り><業務活用>

定価(税込)  1,980円

著者
サイズ A5判
ページ数 156頁
ISBNコード 978-4-526-07895-8
コード C3053
発行月 2018年12月
ジャンル 機械

内容

設計・製造現場で使える入門書。3Dプリンターの使いこなしやメリット出しのポイントを紹介する。データの準備から出力までの段取りなどの実務フローを解説するとともに、業務応用のヒントを併せて紹介する。

水野 操  著者プロフィール

(みずの みさお)
1967年東京生まれ。1992年Embry-Riddle Aeronautical University(米国フロリダ州)航空工学修士課程修了。外資系CAEベンダーにて非線形解析業務に携わった後、PLMベンダーや外資系コンサルティングファームにて、複数の大手メーカーに対する3D CAD、PLMの導入、開発プロセス改革のコンサルティングに携わる。さらに、外資系企業の日本法人立ち上げや新規事業企画、営業推進などに携わった後、2004年にニコラデザイン・アンド・テクノロジーを起業し、代表取締役に就任、オリジナルブランド製品の展開や、コンサルティング事業を推進。2016年に、3D CADやCAE、3Dプリンター導入支援などを中心にした製造業向けのサービス事業を主目的としてmfabrica合同会社を設立。さらに、2017年5月に高度な非線形解析業務を展開する株式会社解析屋の設立に参画。CTOとして積極的に解析業務を推進。さらに2018年6月からは、法政大学アーバンエアモビリティ研究所の特任研究員も務めている。
主な著書に、『絵ときでわかる3次元CADの本 選び方・使い方・メリットの出し方』『3D CAD+CAEで設計力を養え』『思いどおりの樹脂部品設計』『例題でわかる!Fusion360でできる設計者CAE』(以上、日刊工業新聞社)、『3Dプリンター革命』(ジャムハウス)、『2025年のブロックチェーン革命、仕事、生活、働き方が変わる』(青春出版社)など。

http://www.mfabrica.com/
http://www.nikoladesign.co.jp/

目次


第1章 3Dプリンターを活用したものづくりの基礎知識
1 3Dプリンターをものづくりに活用する
・3Dプリンターはものづくりのどこで活用できるか
・ものづくりの様々な加工法と3Dプリンターによる加工
・3Dプリンター活用方法の進化
・試作における3Dプリンターの活用の利点
・製品のモックアップなどへの活用
・進化する3Dプリンター活用、4つのポイント
・3Dプリンターが要請するこれからのものづくり
2 3Dプリンターの仕組みを知る
・3Dプリンターに共通する原理
・3Dプリンターの方式(1) 光造形の仕組みと特徴
・3Dプリンターの方式(2) FDMの仕組みと特徴
・3Dプリンターの方式(3) インクジェットの仕組みと特徴
・3Dプリンターの方式(4) 粉末焼結(SLS)の仕組みと特徴
・3Dプリンターの方式(5) バインダジェットの仕組みと特徴
3 3Dプリンター活用の基礎
・3Dプリンター活用の基本的な手順
・3Dプリンターで活用できる主な材料
・3Dプリンターの活用に必要なソフトウェア
・用途に応じた3Dプリンターの活用
・3Dプリンター活用に必要なスキル
・3Dプリンターの制限と限界

第2章 3Dデータ作成のポイント
1 3Dプリンターのためのモデリングの基礎
・3Dプリンターの活用のキーとなる3Dデータの作成
・様々な種類の3Dデータ
・3Dプリンターで出力可能な3Dデータ
・3Dデータの作成:CAD編 基本となるソリッドデータの作成
・3Dデータの作成:CG編 基本となるポリゴンの作成
・3Dデータの作成:3Dスキャン編 点群データのとりこみと編集
・3Dプリンターを意識したモデリング(1):肉厚の設定
・3Dプリンターを意識したモデリング(2):サポート除去の難しい形状
・3Dプリンターを意識したモデリング(3):必要に応じた部品の分割
・3Dプリンターを意識したモデリング(4):サイズの問題
・3Dプリンターを意識したモデリング(5):複数部品のアセンブリ
・最終製品の加工方法を意識したモデリング
2 STLファイル作成のポイント
・エクスポート前の3Dデータの確認
・STLファイルとは何か
・STLファイルの詳細度はどのように設定するか
・色やテクスチャを出力するには
・STLファイルに起こりがちなエラーと修正方法
・3Dプリンター出力サービスの利用

第3章 3Dプリンターによる造形の基本
1 3Dプリンターによる造形フロー
・全方式に共通する造形の注意点
・光造形方式での造形フロー(1):データのセットアップ
・光造形方式での造形フロー(2):サポートの作成
・光造形方式での造形フロー(3):造形における注意点
・光造形方式での造形フロー(4):造形終了時の操作と後処理の準備
・光造形方式での造形フロー(5):造形物取り出し後の後処理
・光造形方式での造形フロー(6):サポートの除去と表面の仕上げ
・FDM方式での造形フロー(1):データのセットアップ
・FDM方式での造形フロー(2):サポートの作成とパーツ造形の設定
・FDM方式での造形フロー(3):造形における注意点
・FDM方式での造形フロー(4):造形途中と取り出し時の注意点
・FDM方式での造形フロー(5):造形終了時の後処理
2 3Dプリンターによる造形のポイント
・大物部品対策とパーツ分割
・造形不良に対する対策
・造形方向と品質の関係
・出力サービス業者の選び方:ゴールを見据えた外部委託を考える
・造形物の二次加工について(1):見栄えのための表面仕上げ
・造形物の二次加工について(2):見栄えのための塗装処理

第4章 業務の中での活かし方
1 業務における3Dプリンター活用の実際
・業務の中での典型的な活かし方(1):試作に活用する
・業務の中での典型的な活かし方(2):コミュニケーションやアイデア創出に活用する
・機種選定のヒント(1):出力サービス利用による造形と普及機の導入
・機種選定のヒント(2)実際の導入コストと運用コスト
・機種選定のヒント(3):性能の確認
・3Dプリンター活用の実際(1):パーツの物理的なすり合わせを事前に検証
・3Dプリンター活用の実際(2):材料特性を活かしたパーツの機能検証
・3Dプリンター活用の実際(3):光硬化性樹脂の活用と見栄え向上のテクニック
・効率的な造形のヒント(1):積層ピッチ選択のポイント
・効率的な造形のヒント(2):精度の高い造形をするためのヒント
・3Dプリンターの機体メンテナンス
・他の加工方法との使い分け
・シミュレーションソフトとの連携
・3Dプリンターの特徴を活かした造形

索 引

はじめに

 3Dプリンターは、1990年代からすでに自動車関連や試作ビューロなどで活用され始めており、それ自体は決して新しいものではない。しかし当時はまだ限られた企業でのみ活用されていたというのが実態であった。3Dプリンター自体が高価だったこと、3Dによる設計が特に中小製造業であまり浸透していなかったことがその理由だろう。
 ところが、2012年頃から始まったブームがこの状況を一変した。3Dプリンターを導入する企業や業種が急増したのである。今や3Dプリンターは特に珍しいものではなくなった。さらにその用途についても当初の試作活用中心から現在では製品開発全般の様々な領域へと広がりを見せている。活用が大きく進んだ理由は何か。機体の進化と低価格化が同時に進んだこともその一因だが、他の工作機械に比べて使用のハードルが圧倒的に低いこと、造形可能な形状の制限が少ないことなども大きな要因である。使い勝手の面で言えば、加工の専門家でなくても3Dデータさえあれば、とにかく作ることができる。
 とはいえ、使用にあたってノウハウがまったく必要ないというわけではない。ワープロ文書を紙に印刷するのとは違って、3Dプリンターにはデータの作り方、造形の準備、造形中の注意、あるいは造形後の後処理など様々な注意点が存在する。これらはすべての3Dプリンターに共通するものもあれば、方式ごとに異なるものもある。結論から言えば、使いながらベストな方法を会得していくしかないのだが、そうは言っても「常識」としてあらかじめ知っていないと造形自体が成立しないといった注意点も多々ある。本書で説明するのはその基本的な部分である。すでに3Dプリンターについてある程度の活用経験がある人にとっては目新しい知識ではないかもしれない。その一方で初心者はその常識を知らないために多大なまわり道をしてしまう。本書が目指したのはそのまわり道をできるだけしないよう道標になることである。
 3Dプリンターに関する最新情報はネット検索すれば山ほど見つかる。その中には役立つノウハウを紹介した良記事も少なくない。しかしどの分野でもそうだが、自分にとっての正しい情報にたどり着くには、基本的な知識を持っていることが大前提となる。本書は、そのような常にアップデートされる情報を探すためのガイド役として使っていただけるようにと願いを込めて執筆した。様々なノウハウを限られたページ数の中で説明しきれたとは到底言えないが、これから3Dプリンターを活用していこうという製造業の皆さんのお役に立てたら幸いである。

2018年11月吉日
著者

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