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技術大全シリーズ
切削加工大全

定価(税込)  3,888円

編著
サイズ A5判
ページ数 372頁
ISBNコード 978-4-526-07892-7
発行月 2018年10月
ジャンル 機械

内容

高度化・知能化が進む切削加工領域の技術を網羅し、体系的にまとめた本邦初の全書。工法選択から工具・工作機械の選定、加工条件の決定、CAD/CAM活用、計測、超精密加工/5軸加工/難削材加工への対応など現場ニーズに即して解説。実務に役立つ情報を提供する。

森脇俊道  著者プロフィール

(もりわき としみち) (工学博士)
1968年 京都大学大学院工学研究科精密工学専攻修士課程修了
1968年 神戸大学 助手
1985年 神戸大学 教授
2007年 神戸大学 名誉教授、摂南大学 教授
2016年 摂南大学 名誉教授、同客員教授、学事顧問

〈執筆者〉
奥田 孝一
(おくだ こういち)(博士(工学))
1987年 神戸大学大学院自然科学研究科生産科学専攻博士課程修了
1978年 神戸市立工業高等専門学校 講師
1993年 姫路工業大学 助教授
2006年 兵庫県立大学 教授

鈴木 浩文
(すずき ひろふみ)(博士(工学))
1985年 大阪市立大学大学院工学研究科機械工学専攻博士前期課程修了
1985年 三菱電機(株) 生産技術研究所 研究員
1996年 東北大学 助手
2008年 中部大学 教授

中本 圭一
(なかもと けいいち)(博士(工学))
2004年 大阪大学大学院工学研究科生産科学専攻博士後期課程修了
2004年 神戸大学 助手
2008年 大阪大学 助教
2012年 東京農工大学 准教授

目次

はじめに

第1章 切削加工の動向
1.1 ものづくりにおける切削加工の位置づけと特徴
1.2 切削加工の代表的な応用例
1.3 切削加工技術の最近の動向

第2章 切削加工の定義と加工法
2.1 切削加工の定義
2.2 各種切削加工法とその特徴

第3章 切削加工の基礎
3.1 切りくず生成の基礎理論
3.2 傾斜切削と3次元切削
3.3 仕上げ面粗さ
3.4 切りくず形態
3.5 切削性能に影響を及ぼす要因

第4章 切削加工用工具
4.1 切削工具用材料
4.2 切削工具の形状
4.3 ツーリング
4.4 工具の損耗と寿命

第5章 切削加工用材料と被削性
5.1 被削性
5.2 切削力と比切削抵抗
5.3 工具寿命と被削性指数
5.4 仕上げ面粗さ
5.5 切りくず処理性
5.6 切削加工用材料

第6章 切削油とその供給法
6.1 切削油とその効果
6.2 切削油の供給方法とその効果
6.3 切削油と環境対応

第7章 切削加工用工作機械
7.1 工作機械の定義と分類
7.2 工作機械の基本構成要素
7.3 工作機械の基本性能
7.4 工作機械の自動化と制御
7.5 最近の工作機械

第8章 切削加工条件
8.1 切削条件設定の基本的な考え方
8.2 荒加工における切削条件の決定
8.3 仕上げ加工における切削条件の決定
8.4 切削加工の経済性と切削条件

第9章 加工計測
9.1 加工精度と加工面特性
9.2 寸法形状の測定法と測定器
9.3 表面形状の測定法と測定器
9.4 表面粗さの測定法と表面粗さ測定器
9.5 その他の測定項目と測定器

第10章 超精密切削
10.1 超精密加工と微細加工
10.2 超精密切削現象
10.3 超精密切削用工具
10.4 超精密工作機械
10.5 難削材の超精密切削加工

第11章 多軸制御加工法
11.1 多軸制御加工の背景
11.2 多軸制御加工法
11.3 多軸制御加工の事例紹介

第12章 難削材の加工
12.1 難削材とは
12.2 難削性の定義、評価基準
12.3 難削材の加工対策
12.4 複合切削による難削材の加工
12.5 代表的な難削材の加工特性

第13章 切削加工の高度化、知能化
13.1 CAD/CAM統合
13.2 切削加工の知能化

第14章 切削加工におけるトラブルシューティング
14.1 びびり振動とその対策
14.2 熱変形とその対策
14.3 切りくず処理とその対策
14.4 バリ生成とその対策

索引

はじめに

 切削加工は太古の昔から存在する加工技術の1つであるが、関連する工作機械と工具の技術進歩に伴って目覚ましい発展を遂げ、現在では機械産業を中心にものづくりの基幹技術としてなくてはならない地位を占めている。特に工作機械に関しては、18世紀後半における産業革命以来ハードウェアの技術進歩が目覚ましく、さらに1952年にアメリカMITで開発された数値制御(NC)技術が工作機械の革新をもたらし、近年のICT技術を取り込んで無人加工を含む高度な生産システムを実現するに至っている。またその一方で、工具に関しては1900年に高速度鋼が開発されて以来、20世紀には多くの新たな材料開発が進み、工具技術も格段の進歩を遂げてきた。

 特に最近ではCAD/CAMなどのプログラミング技術が進歩したことから、切削加工に関する基礎知識が無くても、比較的容易にNCプログラムを作成することができ、ほぼ自動的に加工を行うことが可能となってきている。しかしながら、加工精度、生産性、コストなどの観点から、より高度の切削加工を実現しようとすれば、工作機械や工具技術に加えて工作物の特性やこれらを組み合わせた切削加工プロセスに関する基礎的な知識に基づいて加工現象を理解しておくことが肝要である。また加工現場において発生する様々の問題に有効に対処するためには、単にこれまでの知識やノウハウに頼るだけではなく、問題の根幹に存在する現象を正しく把握しておく必要がある。

 最近では切削加工において比較的単純な部品加工から、極めて加工が困難ないわゆる難削材の加工、複雑な曲面を有する自由曲面加工、工作物や工具の限界に挑戦する超精密加工など、極めて高度な加工技術が求められるようになってきており、そのためには最先端の切削加工技術を駆使した加工法を理解しておくことが必要である。

 こうした観点から、本書は切削加工に関する基礎から高度の応用に至るまでの加工技術を幅広く取り上げ、基本的な考え方から最先端の技術までを網羅している。本書が切削加工を学ぼうとする初心者から切削加工を熟知したベテランの技術者まで、幅広い読者の参考になれば幸いである。

 本書は取り扱う範囲が極めて広いため、複数の共著者が専門性を生かして分担執筆した。全体としては森脇が担当したが、各章の担当は以下のとおりである。第5章は奥田が、第9章は鈴木が、第10章は奥田(一部森脇)が、第11章は中本(一部森脇)が、第12章は奥田が、第13章は中本(一部森脇)が、さらに第14章は奥田(一部森脇)が担当した。筆頭著者として本書の執筆に貢献して頂いた共著者にこの場を借りて御礼申し上げる。

 なお末筆ながら本書を執筆するにあたり、日刊工業新聞社の矢島俊克氏をはじめ、貴重な資料をご提供頂いた各位に深甚の謝意を表するものである。


2018年10月
森脇俊道

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