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誰も教えてくれない
「生産管理システム」の正しい使い方

定価(税込)  1,944円

著者
サイズ A5判
ページ数 184頁
ISBNコード 978-4-526-07883-5
コード C3034
発行月 2018年09月
ジャンル 生産管理

内容

多くの工場で導入される生産管理システムが、期待通りのパフォーマンスを発揮せず単なる“金食い虫”になっている現状に斬り込み、融通を利かせてうまく使う手段を披露。システムベンダーが教えない「現場の実態把握」の方法と改善PDCAの回し方を手ほどきする。

本間峰一  著者プロフィール

(ほんま みねかず)
株式会社ほんま 代表取締役
1958年生まれ、東京都出身。電気通信大学電気通信学部応用電子工学科卒業。
NEC製造業システム事業部、みずほ総合研究所コンサルティング部を経て、2012年に経営コンサルタントとして独立(株式会社ほんまコンサルティング事業部として活動)
主に中堅製造業者の収益性改善、生産性改善、生産管理システム活用などのコンサルティングを実施中。
東京都中小企業診断士協会会員
東京都中小企業診断士協会中央支部認定「生産革新フォーラム研究会」代表
川崎市中小企業サポートセンター派遣専門員
東京都中小企業振興公社 派遣専門家
ICT経営パートナーズ協会 理事
アドバンスト・ビジネス創造協会 チーフコンサルタント
情報処理技術者試験 試験委員
日本生産管理学会会員、システム監査人協会会員。
主な資格:中小企業診断士、情報処理技術者(システムアナリスト、システム監査、プロジェクトマネージャ、アプリケーションエンジニア)
主な著書:『コストダウンが会社をダメにする』『社長が「在庫削減!」を言い出した会社は成長しない』『受注生産に徹すれば利益はついてくる』『誰も教えてくれない「工場の損益管理」の疑問』」『“JIT生産”を卒業するための本』(以上日刊工業新聞社)『サプライチェーン・マネジメントがわかる本』『生産計画』『失敗しないERP導入ハンドブック』(以上日本能率協会マネジメントセンター)など
本書に関するお問い合わせ、コンサルティングに関するご相談は下記にご連絡ください。
(株)ほんま コンサルティング事業部
ホームページ http://www.homma-consulting.jp/
E-Mail: m.homma@mbf.nifty.com

目次

はじめに

第1章 わが社の生産管理システムは本当に役に立っているか?
1-1 生産管理システムを伝票発行にしか使っていない
1-2 生産管理システムは購入品の調達だけに使っている
1-3 生産管理はExcelと追っかけマンが支えている
1-4 製造現場が指示通りに動いてくれない
1-5 在庫引当結果が信用できないので使わない
1-6 わが社には生産計画を作成する人がいない
1-7 販売管理システムと同じ使い方しかしていない
1-8 サバ読みが横行してシステムどころではない
Column 隣の生産管理システムは青く見える

第2章 生産管理データで生産の実態を分析する
2-1 在庫の実態を把握したい
2-2 「ほんま式在庫分析表」で過剰在庫を洗い出す
2-3 納期遅れを減らしたい
2-4 「リードタイム分布分析表」で異常な生産オーダーを見つける
2-5 「流動数曲線グラフ」で進捗と仕掛在庫を見える化する
2-6 製造時間データを用いて工程稼働分析をする
Column スーパーマーケット方式への誤解

第3章 生産管理システムは何を変えるか?
3-1 生産管理システムの活用目的を共有しているか
3-2 システム化で事務工数は減っているか
3-3 生産リードタイムは短くなったか
3-4 待ち時間を短くしないとリードタイムは短縮しない
3-5 システム化で在庫は減ったか
3-6 工場利益は増えたか
3-7 内製化を推進するだけで利益は生み出せる
3-8 制約(ネック)工程を管理して利益を増やす
3-9 生産平準化を実現させて利益を確保する
Column 消込バンクによる事務効率化

第4章 MRP生産管理システムが生産の邪魔をする
4-1 MRP生産管理システムとは
4-2 MRPはなぜ期待を集めたのか
4-3 MRPはなぜ理想通りに使えないのか
4-4 販売計画の精度が低いとMRPは機能しない
4-5 MRPの限界がスケジューラーを生み出した
4-6 MRPを工程管理に使ってはならない
4-7 大企業が展開する新しいMRP活用法
4-8 思い切ってMRPは使わない
Column システムベンダーに思いが伝わらない?

第5章 生産管理システムへの疑問
5-1 受注生産企業に生産計画機能は必須か
5-2 原価管理が生産管理の邪魔をする
5-3 在庫削減を推進したら利益が減った
5-4 スケジューラーを使うとリードタイムが長くなる
5-5 なぜマスターの設定が重要か
5-6 EDIが業務効率を悪化させる
Column 「上流設計が重要」には気をつけよう

第6章 生産管理システム活用に向けて気をつけること
6-1 生産管理システムを取り巻く環境変化
6-2 ブルウィップ効果に注意しよう
6-3 「現状のまま」がシステムトラブルを引き起こす
6-4 パッケージベンダーの売り込み文句に注意する
6-5 パッケージ開発からプロトタイプ開発へ
6-6 生産管理と現場改善は両輪だ
6-7 ユーザー部門を巻き込むための秘訣
6-8 工場と営業が力を合わせる大切さ
Column SESと構内外注の違いに気をつけよう

補章 生産管理システム関連のワンポイント用語説明
S-1 生産管理システムの主要機能
S-2 生産管理方式
S-3 生産方式

参考文献
索 引

はじめに

 「高い金を払って生産管理システムを入れたのにうまく動いていない」。こうした話を聞くことが増えてきました。多額な費用を出してERPや生産管理システムを導入したのに、前よりもコンピュータシステムの使い勝手が悪くなった上に、今まで普通にできていた管理すらできなくなった、という声も少なくありません。
 関係者に話を聞いてみると、「他社で使っているパッケージシステムなら、問題なく動くと思っていた」「ユーザーがシステムを使いこなさないと、生産管理システムは機能しないとは、思いもよらなかった」というものです。多数の工場関係者が生産管理システムの導入を、はっきり言えば甘く考えて対応していたことがわかります。
 なぜ、こうした誤解が起きるのでしょうか。その背景には、生産管理担当者や情報システム担当者が、生産管理システムの構築方法を学ぶ機会が減少していることにあると見ています。生産管理の勉強をするのはシステム入れ替え時くらいで、それも10年から20年単位という工場がほとんどです。過去の経験に学ぶのは難しく、導入して初めて問題に気づくのが普通です。
 この状態を何とか改善できないか、と執筆したのが本書です。工場が生産管理システムを活用しようとした際に直面しやすい課題、さらに工場関係者がそれらの課題にどう向き合えばいいかを整理しました。ただし、本書は生産管理理論や生産管理システムの解説書ではありません。生産管理理論の勉強をしたい方は他書、できれば日本語だけではなく英語の専門書もお読みになることを勧めます。
 ところで、企業の業務課題や生産管理システムに求められる内容は、企業によってさまざまです。そもそも当該企業が置かれている事業環境や、製品および生産システムの特性は企業によって異なります。それを本にまとめて、体系的に説明することができるのか。最終的には個々の企業にコンサルティングに入らなければわからないのではないか。このように考える人は多いと思います。結論が「企業によって違う」というのでは本にはなりません。
 実際に多くの工場を訪問してみると、そこには各社に共通的な課題が数多く残っていることがわかりました。第1章の「わが社の生産管理システムは本当に役に立っているか?」では、そうした課題を紹介しました。読者のみなさんの会社でも、同様の悩みを抱えていないでしょうか。特にサバ読みの横行は、日本の製造業界に広く蔓延している大問題です。サバ読み問題を残したままコンピュータに頼ろうとしても、うまくいくはずはありません。
 また、第2章以降ではこれらの問題が起きている原因と、生産管理システムを使って解決するための考え方を、できるだけ綺麗ごとではない形で紹介しました。こちらは、会社の置かれている状況によって変わってきます。各社で思い当たる部分をピックアップしていただいて、システム活用の参考にしていただければ幸いです。
 システム活用のためには、第2章のデータ分析が何よりも重要です。担当者による課題認識は、思い込みによるハロー効果で増幅されている可能性があります。できるだけ数字で検証してから、生産管理システムの活用検討に入るようにしましょう。
 なお、筆者は日刊工業新聞社で「生産管理システムの使い方」に関する研修を定期的に実施していますので、あわせてご利用ください。
 本書の出版に際しては、さまざまな方にお世話になりました。過去のコンサルティング活 動を通じて知り合いました多くの企業や同志のみなさん、本書出版の機会を与えていただきました日刊工業新聞社、さらには関係のみなさんのご多幸をお祈り申し上げるとともに、心より感謝申し上げます。
 最後になりましたが、本書が日本の製造業者の利益向上とモノづくりの発展に、少しでもお役に立てればと願っております。

平成30年7月
本間 峰一

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