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わかる!使える!NC旋盤入門
<基礎知識><段取り><実作業>

定価(税込)  1,944円

著者
サイズ A5判
ページ数 176頁
ISBNコード 978-4-526-07880-4
コード C3053
発行月 2018年09月
ジャンル 機械

内容

自在な金属加工を実現するNC旋盤。現場経験豊かな著者がNC旋盤の「これだけは知って欲しい内容」を体系的に解説する。NC旋盤の基本構成から、図面の加工情報の読み取り方、NCプログラムの読み方を取り上げる。さらに、加工段階だけでなく、品質特性や労働生産性や生産性向上策も紹介する。

伊藤勝夫  著者プロフィール

(いとう かつお)
1967年芝浦工業大学機械工学科卒業。日立精機(株)・設計部、システム技術部において、工作機械のシステム構築、加工法分析、プログラミングの指導に従事。
1995年より20年間、機械加工職種(NC旋盤)の中央技能検定委員としてNC旋盤の技能検定試験問題の作成に従事。普通旋盤、NC旋盤一級技能士取得。
2017年厚生労働省ものづくりマイスターに認定。
現在、加工技術教育活動に従事。

主な著書
・「絵とき『NC旋盤プログラミング』基礎のきそ」、日刊工業新聞社
・「NC旋盤作業の基礎知識Q&A」、日刊工業新聞社
・「マシニングセンタのプログラム入門」、大河出版
・「ターニングセンタのNCプログラミング入門」、大河出版
・「MCのカスタムマクロ入門」、大河出版、 など多数。

目次

はじめに

第1章 加工準備の基礎知識
1 NC旋盤の構成
・NC旋盤の主な構成
・主軸台の構造
・チャックの構造と名称① チャックと動力による分類
・チャックの構造と名称② 構造による分類
・チャックとトップジョーの関係
・チャックの把持力の緩み
・刃物台の分類
・ツールホルダ
・心押台の構造とセンタ穴の形状
2 加工の基礎知識
・バイトの種類
・工具材質の分類① ハイス系工具と超硬合金工具
・工具材質の分類② サーメット工具、セラミックス工具、CBN焼結体、ダイヤモンド焼結体
・超硬チップの呼び方
・外径、内径工具の切削条件
・ねじ切り工具と切削条件
・溝入れ工具と切削条件
・穴あけ工具と切削条件
・切れ刃の名称とその影響
・切削抵抗とモータ出力
・ビビリ現象と対策

第2章 加工手順と加工プログラムの作成
1 加工手順
・加工手順とは
・加工分析
・作業設計
・主軸回転数と切削速度
・表面粗さと切削時間
2 加工プログラムの作成
・準備機能:G
・補助機能:M
・主軸機能:Sと送り機能F
・工具機能:T
・工具の移動指令
・刃先R補正
・ねじ切り

第3章 加工の段取り作業と品質管理
1 加工の段取り
・段取り作業の流れと工具取り付け
・生爪の成形
・工具補正量とワーク座標系を求める①
・工具補正量とワーク座標系を求める②
・プログラムチェックと試削
2 品質管理の手法
・品質とは何か
・検査
・測定
・全数検査と抜き取り検査
・管理手法と計算記号
・データが多い場合の基礎データの計算
・データが多い場合の計算例
・ヒストグラム
・工程能力指数 Cp値① 工程能力指数とは
・工程能力指数 Cp値② 工程能力指数の求め方
・工程能力指数 Cp値③ 不良率の計算、例題、評価

第4章 生産性向上と自動化
1 生産性向上
・労働生産性の概要と指標
・作業時間
・標準時間
・ワークサンプリング法
・生産性向上対策① 現場の努力によるもの
・生産性向上対策② 現場の努力によるもの
・生産性向上対策③ 外部からの阻害要因の除去
2 自動化
・自動化のレベル
・バーフィード仕様NC旋盤
・コレットチャックとバーストッパ
・バー加工のポイント
・ロボット付きNC旋盤
・切屑対策のヒント①
・切屑対策のヒント②

コラム
・設問1
・設問2
・設問3
・コラムの解答

・参考文献
・索 引

はじめに

 戦後生まれの多くの高齢労働者が定年退職され労働人口が減少、一方少子化も一段と進んで若年労働者が年々減少しています。現在の推定では15才から64才のいわゆる生産年齢人口は7600万人といわれ、毎年数十万人の労働人口が減少すると推定されています。さらに日本人の残業労働時間は主要先進国と比較するとはるかに多く、労働生産性は主要先進国の中では最下位になっています。
 
 このような危機の時代に直面して、最近「働き方関連法案」が議論されていますが、その骨子は労働人口を増大させるとともに、労働時間を短縮して労働生産性を向上させるというものです。具体的には残業時間の規制、従来からの年功序列賃金・終身雇用から脱時間給・成果賃金への転換、外国人の滞留期間の延長などいろいろ議論されていますが、今後の労働環境は健康で健全な環境とし、労働生産性の向上を求めています。 

 その達成のためにはいろいろな分野の科学、技術の進歩が不可欠であり、第4次産業と言われているAI(人工知能)やIoT(インターネット オブ シングス)が提唱され、AIを活用すれば手を汚さなくとも成果を得ることができるなどと唱える方もいますが、現状の機械加工技術においてはスマートな機械に変身したとはいえ、汗まみれ、油まみれになって試行錯誤する経験工学に変わりはないと著者はいつも思っています。
 
 高等教育を受けた方が多くなり、いろいろな方面で技術力が向上して大いに結構なことですが、いわゆる3K(きつい・きたない・きけん)職場の経験が非常に浅い方たちが「ネクタイ職人」となってマネージメントし、生産性という現象を単にコンピュータ上の数字を追い回している状態では、真の生産性向上のシステム思考は難しいのではないでしょうか。
 
 かつて生産現場は3K職場といわれ、大変嫌われていましたが、現在の工場環境は大変良くなっています。なんでもそうですが、「経験した」と「経験を積んだ」とは大いに異なります。大いに経験を積んで、本書がこれからの実力重視の世界を乗り越えるイノベーションの一助となれば幸いです。

 長年にわたり中央職業能力開発協会中央委員としてNC旋盤の課題に携わった経験を生かし、コラム欄に技能検定の模擬試験を掲載しましたので、ご利用ください。 



 本書は下記の構成になっています。

 第1章

  NC旋盤の基本構成として主軸台、刃物台、心押台について説明します。実際に作業時に手掛けるチャックと生爪の関係、心押台とセンタの関係を述べます。さらに、スローアウェイチップの呼び方、各種NC旋盤加工における切削条件など実用に役立つと思われる事項を説明します。

 第2章
  
図面から加工情報を読み取り、加工までの手順について述べます。プログラマと現場作業者との共通情報でもあるツールレイアウト作成例と作成に必要な知識を説明します。NCプログラムに関しては、作業時にNCプログラムが読める程度の説明にとどめました。NCプログラムの詳細については拙著「絵ときNC旋盤プログラミング基礎のきそ」(日刊工業新聞社)をお読みいただければ幸いです。
 
第3章 
  
加工段取りとして工具の取り付け、生爪成形、ワーク座標系設定の注意点を説明します。さらに、単に加工するだけにとどまらず、加工した製品が品質特性を十分満足しているかどうかの判定指標として、工程能力指数Cp値について説明します。 

 第4章

  労働生産性の概要と生産性向上対策について説明します。さらに生産性を高める半自動レベルのバーフィード装置、ロボット付きNC機械を説明します。



 最後に、本書の出版に当たり企画の段階からご尽力をいただきました日刊工業新聞社出版局の鈴木徹氏、土坂裕子氏に深く感謝申し上げます。


2018年6月 伊藤勝夫

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