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きちんと知りたい!
ドローンメカニズムの基礎知識

定価(税込)  2,160円

監修
編者
サイズ A5判
ページ数 184頁
ISBNコード 978-4-526-07848-4
コード C3053
発行月 2018年06月
ジャンル 機械

内容

本書は、ドローンの機体や操縦システムに関するメカニズムを分かりやすくまとめた本。飛行の基本原理をはじめ、ローターやモーター、各種センサーといったパーツや、無線システムなどドローンを飛ばすシステムに至るまでその仕組みを解説。そのほか安全に飛行するための管制や法規制などの運用面の仕組みも網羅。1冊でドローン技術に関するすべてが分かる。

鈴木真二  著者プロフィール

(すずき しんじ)
1953年岐阜県生まれ。1979年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。(株)豊田中央研究所を経て、現在、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻教授。工学博士。専門は航空工学。日本航空宇宙学会会長(第43期)。国際航空科学連盟(ICAS)理事など。著書に、『飛行機物語』(筑摩書房)、『現代航空論』(編集、東京大学出版会)、『落ちない飛行機への挑戦』(化学同人社)、「トコトンやさしいドローンの本」(監修/一般社団法人日本UAS産業振興協議会編、日刊工業新聞社)などがある。一般社団法人日本UAS産業振興協議会 理事長。

(一社)日本UAS産業振興協議会  著者プロフィール

一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)

 JUIDAは、日本の無人航空機システム(UAS)の、民生分野における積極的な利活用を推進し、UAS関連の新たな産業・市場の創造を行うとともに、UASの健全な発展に寄与することを目的とした中立、非営利法人として、2014年7月に設立されました。
 国内外の研究機関、団体、関係企業と広く連携を図り、UASに関する最新情報を提供するとともに、さまざまな民生分野に最適なUASを開発できるような支援を行っています。
 同時に、UASが安全で、社会的に許容されうる利用を実現するために、操縦技術、機体技術、管理体制、運用ルール等の研究を行うとともに政策提言を行っています。
JUIDAの主要活動
●操縦者・安全運航管理者養成スクールの認定と証明証の交付
●JUIDA試験飛行場の運営:つくば、けいはんな、富士箱根ランド、大宮

「JUIDA無人航空機安全ガイドライン」「JUIDA無人航空機物流ガイドライン」の策定
●JUIDA委員会/安全委員会、国際標準化等の委員会の設置・開催
●官民協議会等、政府委員会への参加
●JUIDA団体保険の制度設計・提供
●ドローン専用飛行支援地図サービス(SORAPASS)の開発・提供
●国際展示会・国際コンファレンスの開催:Japan Drone EXPO
●セミナー、シンポジウム、海外ドローンビジネス視察会等の開催
●各種プロジェクトおよび地方創生事業支援 農林水産、物流、新技術開発
●国際協力、国際連携

国際標準化機構(ISO/TC20/SC16)会合・無人航空機システム(RPAS)国際会議・国際民間航空機関(ICAO)会合への参加
●国の機関への協力
●大学等教育機関との連携
●情報提供:ニュースレター/メールマガジンの発行
ホームページ:http://uas-japan.org/

目次

第1章 ドローンとは?
1-1 なぜドローンと呼ばれるようになった?
1-2 ドローンにはどんな種類がある?
1-3 ドローンはいつごろ生まれたか?
1-4 ドローンはどこで作られている?
1-5 最初は何を買ってどこで練習するか?
COLUMN1 人が乗るドローン

第2章 ドローンのメカニズム<基礎編>
2-1 なぜプロペラは4つなのか?
2-2 ほかの垂直離着陸機には何がある?
2-3 スマホで操縦ができる?
2-4 プロポには種類がある?
2-5 無線の仕組みとは?
2-6 VRで操縦?
2-7 乾電池ではなくリポ?
2-8 モーターの仕組み
2-9 便利な自動離着陸とは?
2-10 飛行機タイプのメカニズムとは?
2-11 ハイブリッドタイプとは?
2-12 ドローンの敵「風」に対処する仕組みは?
2-13 ドローンを作る(1) ドローン製作の全体像
2-14 ドローンを作る(2) 何を準備すれば良いの?
2-15 ドローンを作る(3) フライトコントローラーはどこから入手?
2-16 ドローンを作る(4) どのように調整すれば良いの?
COLUMN2 水陸空用のドローン

第3章 ドローンのメカニズム<上級編>
3-1 なぜジャイロが必要?
3-2 なぜ空中停止ができるの?
3-3 GPSの原理とは?
3-4 なぜ方位がわかるの?
3-5 リポ(リチウムイオンポリマー2次電池)取り扱い方は?
3-6 衝突防止ってなぜ?
3-7 ドローンはなぜうるさい?
3-8 ドローンはなぜ落ちる?
3-9 ジオフェンスとは?
3-10 どんなセンサーを使う? (1)ジャイロ・加速度計
3-11 どんなセンサーを使う? (2)高度センサー
3-12 どんなセンサーを使う? (3)方位センサー
3-13 どんなセンサーを使う? (4)カメラ
3-14 どんなセンサーを使う? (5)3D情報の取得
3-15 どんなセンサーを使う? (6)熱センサー
COLUMN3 宇宙ステーションで使うドローン

第4章 ドローンの操縦と飛行メカニズム
4-1 どんな機体が良い?
4-2 空中で止めるには? 四角を描くには?
4-3 向きを反転させて飛ばすには? 8の字を描くには?
4-4 FPVで飛ばすには?
4-5 操縦免許は必要?
4-6 どんな法律を知っていれば良い?
4-7 どこで練習すれば良いの?
4-8 何を準備すれば良いの?
4-9 最初の飛行に必要なものは?
4-10 風はどうして起きる?
4-11 気象情報はどこから得る?
4-12 風を測るには?
4-13 自動飛行に挑戦するには?
4-14 事故が起きたらどうするの?
4-15 どんな保険があるの?
4-16 海外で飛ばすには?
4-17 空の区分とは
4-18 飛行場の仕組みとは?
4-19 静止が苦手なドローンできれいな空撮映像を撮る仕組みとは?
COLUMN4 風雨に耐えるドローン

第5章 安全な飛行のためのメカニズム
5-1 航空管制の仕組みは?
5-2 衝突防止装置とは?
5-3 航空機の避けるルールとは?
5-4 ドローン航空管制とは?
5-5 ADS―Bとは?
5-6 携帯電話回線は利用できない?
5-7 ヒューマンファクターとは?
5-8 ヒューマンエラーを防ぐには?
5-9 事故調査とは?
COLUMN5 飛行前のチェックリスト

第6章 ドローンを仕事にしよう
6-1 どんな資格、機材を用意すれば良いの?
6-2 パイロットはどのように探すの?
6-3 飛行申請はどのように出すの?
6-4 個人事業主になるには
6-5 会社を作るには
6-6 リスク管理とは何のこと?
6-7 どのようなビジネスがあるのか?
COLUMN6 屋内を自動で飛ぶドローン
COLUMN7 ドローン・ビジネスの可能性

はじめに

はじめに

 2018年韓国・平昌オリンピックにおいて、1218台のドローンが五輪の輪を描き、また、スノーボーダーの動きを巧みに表現しました。実際には、開会式ではなく前年12月に撮影された動画が配信されたとのことですが、LEDで発光するドローンが素晴らしい表現をしました。しかも、すべてのドローンはインテル社の「Shooting Star」と呼ばれるコンピューターシステムで集中制御され、1人のオペレーターの指令によって操作されていました。ドローンの限りない可能性を示すイベントだったと言えるでしょう。
 日本では、2015年11月に、安倍首相が「早ければ3年以内に小型無人機(ドローン)を使った荷物配送を可能にする」と発言したことを契機に、翌12月には「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」が設置され、ドローン活用の議論が定期的に行われています。2015年4月に首相官邸で不審なドローンが落下していることが発見され、一挙にドローンの規制が強化されたのですが、強化だけではなく、産業育成、利用拡大による利便性の向上を政府が目指したものでした。2018年は、安倍首相の発言した3年後にちょうど相当します。ドローンにとっては重要な年になるはずです。
 ドローンという言葉は、第二次大戦時に標的機「ターゲット・ドローン」という無人航空機として使用されることに端を発します。ターゲット・ドローンは現代でも各国で利用されていますが、現在、ドローンとして普及したマルチコプターはまったく別物と言えます。複数のプロペラを回転させ、浮上するアイデア自体は古く、有人ヘリのプロトタイプとして1920年代に離陸に成功しています。ただし、その方式は、有人飛行としては効率が悪く、有人ヘリは大きなローターを回転させる方式で現在に至っています。電動モーターでプロペラを回転させて飛行する現在のドローンが最初に市販されたのは日本からであったと認識されています。日本のキーエンス社は、1989年に「ジャイロソーサー」という玩具としてのドローンを開発しました。半導体ジャイロではなくメカ的な精密小型ジャイロと、リチウムポリマーバッテリーではなくニッカド電池という当時の技術でした。まさにドローンでしたが、時代が早すぎたというべきでしょう。現在のドローンのブームは、フランスのパロット社の「ARDrone」というやはり玩具によりもたらされました。スマートフォンやタブレットなどの技術を利用したことが成功の要因でした。
 玩具として世に出たドローンですが、その後、中国のDJI社などがカメラを搭載した「空飛ぶカメラ」というべきドローンを販売し、産業用にも利用されるようになり、さらには、警備や物流に活用が始まっています。日本では、遠隔操作の無人ヘリコプターが農薬散布用に1990年代から使用されており、ドローンの農業利用も始まっています。こうした状況の中、ドローンの産業利用を促進させるためにJUIDA(一般社団法人 日本UAS産業振興協議会)が2014年に誕生しました。JUIDAの活動は、ドローン関係者の情報交換、安全ガイドラインの策定、試験飛行場の開設などから始まり、現在は、ドローンの操縦法、基礎知識、安全管理手法を学ぶJUIDA認定スクール制度を発足させ、技能と知識を備えた人材養成を全国で行っています。
 本書は、2016年にドローンの入門書として「トコトンやさしいドローンの本」(日刊工業新聞)の続編として、ドローンに関係するさまざまな疑問をより詳しく解説するために企画しました。現在、ドローンの活用に向け、政府での制度整備も進められていますが、その整備には、複数の省庁が複雑に関連しています。ドローンの関連する分野の広さを物語っていると言える。ドローンは玩具として誕生した比較的コンパクトなシステムですが、その利用まで考えますと、さまざまな分野に関連しています。その全貌の理解が進めば幸いです。
 
2018年6月
一般社団法人日本UAS産業振興協議会理事長 鈴木真二

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