買い物かごへ

おもしろサイエンス
岩石の科学

定価(税込)  1,728円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07858-3
コード C3034
発行月 2018年06月
ジャンル ビジネス

内容

地球は「岩石の塊」で、表層部は岩体、地層からなり、私たちの生活の土台であり、様々に役立っている。岩石はどこでできて、どうやって循環するのか、そして、岩石や石、砂がどんな特徴、役割をもっているのかを体系化して全体をわかりやすく理解できるように網羅し、地殻変動や火山活動と岩石の関係などを解説していく。

西川有司  著者プロフィール

(にしかわ ゆうじ)
 1975年早稲田大学大学院資源工学修士課程修了。1975年~2012年三井金属鉱業(株)、三井金属資源開発(株)、日本メタル経済研究所。主に資源探査・開発・評価、研究などに従事。その他グルジア国(現在ジョージア)首相顧問、資源素材学会資源経済委員長など。

 現在 放送大学非常勤講師、EBRD(欧州復興開発銀行)EGP顧問、英国マイニングジャーナルライターなど。

 著書は、トコトンやさしいレアアースの本(共著、2012)日刊工業新聞社、トリウム溶融塩炉で野菜工場をつくる(共著、2012)雅粒社、資源循環革命(2013)ビーケーシー、資源は誰のものか(2014)朝陽会、おもしろサイエンス地下資源の科学(2014)日刊工業新聞社、おもしろサイエンス地層の科学(2015)、おもしろサイエンス天変地異の科学(2016)、おもしろサイエンス温泉の科学(2017)など。「資源と法」(2012~)記事連載中 朝陽会発行(編集雅粒社)また地質、資源関係論文・記事多数国内、海外で出版。

目次

第1章
岩石ってどんなものを指すの?
1  岩石とか石ってなんだろう
2  岩石とか石はいろいろある
3  岩石はどのようにできるのか?
4  岩石はどこからくるのだろう
5  どこにどんな石があるのだろう
6  砂、泥、石・岩石の違いはなにか
7  鉱石も化石も岩石の仲間なのだ

第2章 
たくさんある岩石の種類、区別は難しい
8  岩石の分類と岩石になる条件はなにか─大きく分けると3種類、堆積岩、火成岩、変成岩
9  堆積岩、火成岩、変成岩は密接な関係を持つ
10  堆積岩はどんな特徴があるのか
11  火成岩はどんな特徴をもち、堆積岩との関係は
12  変成岩はどうして変成というのか
13  混ざったり、固まったり、堆積したり、変化し、削られ、運ばれる
14  隕石と地球の石の違いは何か

第3章 
岩石のでき方はいろいろ
15  岩石とか石の見方がわかるとおもしろい
16  岩石からなにがわかるのか?
17  泥や砂や生物が石になる─堆積岩のでき方
18  地下深部から盛り上がり、湧き上がる─火成岩のでき方
19  熱や圧力で岩石が変化する─変成岩のでき方
20  火成岩の代表は花崗岩、地殻の主役でどこにでもたくさんある
21  割れる、伸びる、曲がる、餅のように不定形に変わる

第4章 
岩石と生物の関係──化石も岩石!?
22  生物が石になる─生物はどこでどんな石をつくっているのか
23  石灰岩はどのようにできるのか
24  化石のでき方─生物から岩石に
25  生物が関与して鉄鉱石やリン鉱石ができる
26  チャートはどんなところにできるのか
27  石油はどうして石にならなかったのか
28  化石研究から生まれた生物進化論

第5章 
地球は岩石の塊なのだ!
29  岩石の惑星─地球は岩石の塊
30  地球の内部はどうなっているのか
31  地殻はどんな石でどんな構造なのか
32  マントルはどんな岩石からできているのか
33  月の岩石、火星の岩石
34  どのように地球は生まれたのか
35  宝石と岩石との関係

第6章 
岩石は誕生から消滅まで循環している
36  岩石の一生─誕生から消滅そして循環
37  岩石が生まれ、岩石が動く─プレートテクトニクスのしくみ
38  岩石は変化しても質量保存の法則で地球の重さは変わらない
39  循環のエネルギー、マントル対流
40  海と陸と岩石はどのような関係か
41  循環しながら岩石を断裂し断層ができるパワー

第7章 
岩石の様々な利用と社会の関係
42  美しい景観をつくる岩石
43  岩石や鉱石を使い社会を豊かにする
44  岩石の利用の歴史は長い─巨石文化と石文化
45  岩石がもたらす災害
46  都市は山の岩石からできている─ビルも高速道路も山の石
47  地層処分と岩石─吉備高原は大丈夫か
48  岩石を掘りつくる地下空間は快適なのか
49  岩石と文明には深い関係がある
50  将来、岩石はどんな役割をもつのか

Column
凝灰岩からなるアルメニアの首都エレバンはピンクの町
礫岩が火口から湧き出す─火道礫岩    
大西洋の崖っぷちの花崗岩からなる劇場    
ポーランド、グタニスクは「琥珀の道」の出発点   
深海の乱泥流でできたチャート砂岩  
広大な平原に立つ世界遺産─巨石建造物ストーンヘンジの不思議

はじめに




●はじめに





 岩石は地球の表面に様々な姿で存在し、私たちの身の回りにいくらでもあります。そして「石ころ」「石」「岩石」などと呼んでいて、よく見るといろいろな色・模様の岩石があります。しかし、「岩石」が「どのようにできたのか」「どれぐらいの種類があるのか」「模様や色はどうしてできたのか」など、漠然と曖昧なまま、各人それぞれのイメージを抱き、「岩石」について「わかったつもり」になり、岩石の「できかた」や役割や重要性にはなかなか気が付きません。

 地球は「岩石の塊」です。地球表層部は岩石(岩体)、地層からなります。地球深部もほとんど岩石からなっていますが、残念ながら人類は地下深部を探る僅かな方法しか持っていませんので深部になるほどわからないことだらけです。

 岩石は社会・生活に深くかかわります。岩石は私たちの生活・社会の土台となり、様々な岩石をいろいろと役立てています。鉱石も化石も岩石に含まれます。一方で、土砂崩れ、土石流など、生活の場が脅かされ、破壊される自然災害の影響を受けることもあります。

 「岩石」は建物、道路、石垣、庭石、墓石、食器など様々に利用されています。鉱石から取り出した金属は自動車、スマホ、鉄道など社会生活を便利にし、豊かにし、欠かすことはできません。また放射性廃棄物の「地層処分」は「地層」というより、地下の岩石中に放射性廃棄物を隔離して安全性を確保するための処分場で、いわば地下深部の「岩石」のなかに閉じ込めます。岩石の利用対象は大変幅広いのです。
 また、岩石は地球の営の中みで誕生、移動、消滅を繰り返しながら循環しています。

 岩石は地球の「どこでできるのか」「どのように地上に表れるのか」「どのように生物は石になるのか」など岩石に関するこのような疑問は、地球科学の進歩と知識によってわかってきています。しかし地下深部の岩石については地表の岩石などを手掛かりに少しづつ解明されていますが、まだまだ研究の途上です。

 岩石に関する本は「岩石学」「堆積学」「火成岩」「変成岩」「地球科学」などの学問から学べますが多くは専門家向けです。一方で小中学生向けには「石の標本」などたくさんの本が出版されています。岩石を体系化して全体をわかりやすく理解できる一般向けの本は少ないようです。本書は岩石全体を網羅し、岩石を見渡せるような本となるように、地球の成り立ち、地震、活断層、火山活動、資源、環境、社会などの多面的視点から面白く表現し・わかりやすい岩石・の本にしました。「岩石の科学」を通して地殻変動と岩石の関係、火山の活動と岩石の関係、地層と岩石の関係など、岩石への理解が地球を知ることにもつながります。

 「岩石の科学」はおもしろサイエンスの「地層の科学」や「地下資源の科学」と相互に密接に関係します。本書を通して科学的な眼で岩石を理解していただければ、筆者の望外の喜びです。

 日刊工業新聞社藤井浩氏には執筆の機会を与えてくださり、執筆編集のご指導をいただき、深く感謝を申し上げます。


2018年6月


西川有司 

買い物かごへ