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シッカリ学べる!「スイッチング電源回路」の設計入門

定価(税込)  2,592円

著者
サイズ A5判
ページ数 218頁
ISBNコード 978-4-526-07851-4
コード C3054
発行月 2018年05月
ジャンル 電気・電子

内容

スイッチング方式の電源設計には、リニア電源には存在しない問題が伴う。また、電源ラインから起こる高調波電流対策、破壊、耐圧、損失など、さまざまな回路トラブルが発生する。本書は、実際の回路設計者が設計上で対策の必要があるスイッチング電源回路の原理と対策のポイントを丁寧に解説した実務的な入門書。

落合政司  著者プロフィール

(おちあい まさし)
長崎大学大学院 生産科学研究科 博士課程修了
工学博士
元群馬大学 客員教授(2012年度~2017年度)
芝浦工業大学 非常勤講師(2014年度~)
東洋大学 非常勤講師(2017年度~)
小山高専 非常勤講師(2011年度~)

目次

第1章 電源回路の役目と構成
1-2 どんな構成になっているのか
1-1 電源回路は交流電圧から安定化した直流電圧を作る
1-3 待機電源は軽負荷のときは間欠モードで動作する
1-4 サージ電圧から電源回路を保護する
1-5 伝導ノイズとラインフィルタ回路
1-6 交流チョークコイルで高調波電流を低減する

第2章 整流回路の種類と知っておきたいこと
2-2 コンデンサインプット形ブリッジ整流回路の電圧・電流
2-1 いろいろな整流回路と出力電圧
2-3 平滑コンデンサでリプル電圧の大きさが変わる
2-4 交流電源が瞬時低下や瞬時停電したときは平滑コンデンサから電力を供給する
2-5 平滑コンデンサについて知っておきたいこと

第3章 定電圧回路(シリーズレギュレータとスイッチングレギュレータ)の動作
3-2 スイッチングレギュレータはコイルを使う
3-1 シリーズレギュレータはどう働くか
3-3 スイッチングレギュレータはどう働くか
3-4 スイッチングレギュレータはどう分類できるか
3-5 スイッチングレギュレータの静特性
3-7 スイッチングレギュレータでは出力トランジスタの損失は小さい
3-8 シリーズレギュレータとスイッチングレギュレータの違い
3-6 スイッチングレギュレータの動特性

第4章 いろいろなスイッチングコンバータとその動作原理
4-2 降圧形コンバータは入力電圧より低い電圧を出力する
4-1 スイッチングコンバータの代表的な回路方式と特徴
4-3 昇圧形コンバータは入力電圧より高い電圧を出力する
4-4 昇降圧形コンバータは入力電圧とは逆極性で、入力電圧より低い電圧と高い電圧を出力できる
4-5 パルス幅制御方式コンバータには3つの動作モードがある
4-6 コイル電流が不連続になると出力電圧が上昇してしまう
4-7 コイル電流が不連続になる限度と出力特性
4-8 3種類のチョッパ方式非絶縁形コンバータの静特性と動特性のまとめ
4-9 絶縁形コンバータではスイッチングトランスを使う
4-10 リンギングチョーク形コンバータには発振器が付いていない
4-11 フライバック形コンバータは昇降圧形コンバータを絶縁したものです
4-12 フォワード形コンバータは降圧形コンバータを絶縁したものです
4-13 プッシュプル形コンバータはスイッチが2つになっている
4-14 ハーフブリッジ形コンバータはスイッチが2つになっている
4-15 フルブリッジ形コンバータはスイッチが4つになっている
4-16 6種類の矩形波絶縁形コンバータの静特性と動特性のまとめ
4-17 動作周波数を上げるとスイッチングコンバータが小型化できる?
4-18 スイッチをZVSまたはZCSさせるとスイッチの損失を大幅に低減できる
4-19 電圧共振フライバック形コンバータは正弦波の電圧がスイッチに加わる
4-20 電流共振形コンバータは正弦波の電流がスイッチに流れる
4-21 部分共振形コンバータは一周期間のある期間だけ共振する

第 5章 高調波電流を抑制するためにはどうしたらよいか
5-2 どのようにして発生するか?
5-1 高調波電流とは?
5-3 抵抗負荷でも負荷が変動すると高調波電流が発生する
5-4 高調波電流の大きさ
5-5 次数間高調波電流の大きさ
5-6 力率と位相率は違う
5-7 総合高調波ひずみ率と力率の関係
5-8 家庭用電気・電子機器の等価回路と高調波電流の発生量
5-9 送配電系統に存在する高調波電流はなぜ5次高調波電流が最大になるのか?
5-10 電力用コンデンサの等価回路と直列リアクトルの役目
5-11 高調波電流とEMC
5-12 高調波問題の検討とJIS C 61000-3-2制定の経緯
5-13 日本における高調波電流の規制
5-14 高調波電流の対策原理
5-15 交流チョークコイルで高調波電流を対策する
5-16 新部分平滑回路で高調波電流を対策する
5-17 部分スイッチング方式で高調波電流を対策する
5-18 昇圧形力率改善回路で高調波電流を対策する
5-19 高力率部分共振リンギングチョーク形コンバータで高調波電流を対策する
5-20 高力率電流共振形コンバータで高調波電流を対策する

はじめに

はじめに

 スイッチングレギュレータは、 1960年代初頭に米国宇宙局( NASA)で開発されました。それまで、ロケット用電源にはシリーズレギュレータが使われていました。シリーズレギュレータは効率が悪く損失が大きいために、大きな冷却装置が必要でしたが、スイッチングレギュレータの導入により、これらの問題が解消されました。日本では、 1980年代からテレビジョン受信機などの民生機器にも使われるようになりました。映像・音声の入出力端子などが付属され、絶縁する必要が生じたためと、画面が大形化し負荷が増えたためです。現在では、さらに効率を高めたさまざまなスイッチング電源が開発され、いろいろな電気・電子機器に使われています。
 スイッチングレギュレータは、矩形波コンバータと共振形コンバータに大きく分けることができます。また、矩形波コンバータは、非絶縁形チョッパ方式コンバータと絶縁形コンバータに分類することができます。非絶縁形チョッパ方式コンバータは、降圧形、昇圧形、昇降圧形があります。絶縁形コンバータは、リンギングチョーク形、フライバック形、フォワード形、プッシュプル形、ハーフブリッジ形、フルブリッジ形などがあります。共振形コンバータは電流共振形、電圧共振形、部分共振形があります。本書では、これらの回路構成、動作原理、静特性、動特性、特徴について解説します。また、シリーズレギュレータとの比較についても触れています。
 交流電源に純抵抗以外の負荷が接続されると、負荷電流がひずみ、高調波電流が発生します。高調波電流とは商用電源周波数の整数倍の周波数を持つ電流を意味します。交流電源の大きな欠点の一つです。その結果、高調波電流が送配電系統に流れ込み、系統に接続された電力用コンデンサとその付属品である直列リアクトルが過熱・焼損するなどの障害が発生しています。また、交流電圧がひずんでしまう問題が出ています。電気・電子機器から発生する高調波電流を抑制するために JIS C 61000-3-2(電磁両立性-第 3-2部:限度値-高調波電流発生限度値)が制定されています。この高調波電流について、発生メカニズムから対策方法まで、詳細を説明します。
 本書を企業の若き技術者と大学院、大学、高専の学生に贈ります。スイッチング電源はパワーエレクトロニクスの基礎となる回路であり、その基本原理や周辺技術を学ぶことは、電気・電子工学を専攻する学生にとって重要かつ有意義です。企業の若い技術者にも役に立ち、有益です。ぜひ、ご活用ください。
2018年 2月   落合政司

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