内容
高周波測定の基礎知識から、測定・評価・対策等の実務をカバーした一冊。高周波技術は電子機器や通信機器などに関わっていて、高周波が関わる伝送系を適切に設計・測定・評価することが必要になる。基礎知識や理論が実務にどう紐づいているのか丁寧に解説。
若井一顕 著者プロフィール
(わかい かずあき)
若井テクノロジオフィス代表
1969年 NHK(日本放送協会)入局
技術本部鳩ヶ谷放送所、川口放送所、技術管理部、名古屋放送局技術部、
技術局技術管理部、技術開発センター、送信技術センター、
菖蒲久喜ラジオ放送所所長などを歴任
JICAエキスパートでタイ駐在
米ニュージャージー、ロサンゼルスに放送衛星開発で駐在
2007年 株式会社NHKアイテック入社
2008年 第一工業大学工学部情報電子システム工学科教授
2017年 若井テクノロジオフィス開業
■取得資格
工学博士、経営学修士、技術士(電気電子部門)、第1級無線技術士、第1種電気主任技術者、APECエンジニア、IPEA国際エンジニア、JABEE評価委員
■所属
電子情報通信学会(信頼性研究会専門委員)、映像情報メディア学会(エクゼクティブ会員、放送技術研究会専門員)、日本技術士会(埼玉県支部委員)、IEEE Senior Member、電子情報通信学会(シニア会員)
■専門分野
放送技術(地上デジタル放送、衛星放送、電波伝搬、中波技術)
コミュニティFMの伝送路解析、システム設計
無線設備の設計論、信頼性工学電波法・電波防護指針、EMC・EMI技術、ベクトル整合論応用
高周波計測、電波工学、マイクロ波工学、測定器の設計開発
国際ビジネス論、技術と経営、マーケティング論、経営リーダーシップ論
情報リテラシー、技術者倫理
■著書
「トコトンやさしい無線通信の本」2013年、日刊工業新聞社
「回路設計者のためのインピーダンス整合入門」2015年、日刊工業新聞社「超入門 インピーダンス整合」2016年、日刊工業新聞社
目次
第1部 高周波測定のための基礎知識
第1章 高周波とは何 2
1-1 波の性質
1-2 波の伝搬
1-3 低い高周波と高い高周波
1-4 高周波と電波
1-5 日常使われる電波の種類 1
コラム① 潜水艦の電波は遠方に届かない?
第2章 高周波素子の基礎知識
2-1 直流、低周波と高周波の違い
2-2 集中定数回路と分布定数回路
2-3 漂遊素子(キャパシタンスとインダクタンス)
2-4 回路素子の周波数特性
2-5 L、C、Rの高周波での振る舞い
2-6 スキンエフェクト(表皮効果)
2-7 高周波測定におけるエネルギ置換法
2-8 インピーダンスと整合回路
コラム② 幾何平均の理解と応用
第3章 高周波測定の準備
3-0 第3章と第5章との関連性マトリクス
3-1 実効値(r.m.s)を考える
3-2 双曲線関数から三角関数へ
3-3 フーリエ級数とパルス波
3-4 雑音の正体と通信の限界
3-5 雑音の特徴
3-6 コモンモードとノルマルモードの雑音
3-7 電子技術者必須のデシベル計算
3-8 NF計算とCNの加算減算方法
3-9 マルチパスと等価C/Nの加算
3-10 n次ひずみを加算する
3-11 伝送線路とスミスチャート
3-12 リターンロスの考え方
3-13 ヘテロダイン(周波数変換)
3-14 VCOの動作
3-15 分周・逓倍回路
3-16 PLL回路の動作と応用
3-17 複素電圧ベクトルの求め方
コラム③ 二重直交検波の開発
第4章 デジタル送信機の仕組み
4-1 高周波回路とアース
4-2 PCB(Print Circuit Board)と接続
4-3 受信機の製作
4-4 フィルタをつくる
4-5 増幅器の効率
4-6 変調方式とベクトル表現
4-7 デジタル送信機の電力加算
4-8 アンテナと整合回路
4-9 電波と所要電界強度
コラム④ 遅延時間とひずみ
第2部 高周波測定
第5章 高周波測定の実務
5A-1 半導体デバイスとマイクロ波
5A-2 デジタル固体化増幅器の効率
5A-3 回路間の整合回路
5A-4 高周波増幅器のIP3と相互変調
5A-5 インピーダンスのベクトル解析
5B-1 OFDM伝送と変調誤差比
5B-2 AMとFMラジオ
5B-3 アンテナインピーダンス特性監視
5B-4 電波伝搬と電界強度
5B-5 デジタル設備
5C-1 MIMO
5C-2 マイクロ波応用
5C-3 LTE
5C-4 PLCと閉塞地域での通信
5C-5 フィルタ
5D-1 電源周波数と高調波
5D-2 電源の力率測定は整合
5D-3 電力変換装置に要求される量子化数
5D-4 バッテリとインピーダンス
5D-5 電源の%(パーセント)インピーダンス
5E-1 雷サージと高周波
5E-2 照明装置からの高周波雑音
5E-3 コモンとノルマルモードノイズの変換
5E-4 光アイソレータと雑音の抑圧
5E-5 電波防護と電波の人体暴露
第6章 現場の耐雷対策の例
6A-1 設備の設計監理
6A-2 信頼性と設計
6A-3 劣化変動の検出
6A-4 システム設計と設備更新
6A-5 経年変化を推定
6B-1 デジタル装置の劣化と管理
6B-2 アナログメディアをベクトル解析
6B-3 効率的なエリアサービス
6B-4 電波伝搬と電界強度
6B-5 デジタル時代の管理の考え方
6C-1 高速大容量時代の伝送
6C-2 マイクロ波応用と情報量の増加
6C-3 電波による大量データ通信
6C-4 電力線に近距離情報を乗せる
6C-5 信号選択と雷雑音抑圧
6D-1 照明装置からの高調波発生
6D-2 電力伝送と損失
6D-3 電力の効率的な生成
6D-4 電池のインピーダンスを管理する
6D-5 電源設備の供給能力確保
6E-1 雷サージの高周波成分を除去
6E-2 電磁誘導と漂遊金属
6E-3 ノイズと6σ(シックスシグマ)
6E-4 大規模建設工事と電磁誘導障害
6E-5 電波防護指針と人体の電磁波暴露