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金を掛けずに知恵を出す
からくり改善事例集 Part3

定価(税込)  2,484円

編者
サイズ B5判
ページ数 180頁
ISBNコード 978-4-526-07748-7
コード C3034
発行月 2017年09月
ジャンル 生産管理

内容

現場の創意工夫を活かした「からくり」装置を取り入れ、ローコストで生産効率化を果たす取り組みへの注目が強まっている。ムダのない生産を実現に導く現場発の自慢の改善事例86を紹介。からくりを活用した最適な設備体系と作業方法のあり方を伝える。

目次

目次

はじめに ~第4次産業革命の主役は「現場力」と「からくり改善」

生産性向上・作業改善(作業改善)
01設定時間になるとドアが閉まる
「いつ閉まるの?後でしょう!」扉

02取り出す部材のカバーを開けると連動して開くシャッター
あやつりシャッター

03指示ビラとケースを分離する作業を廃止
必殺仕分け人

04部品をシューターにパラパラと落とすと整列する
パラパラ整列機

05操作パネル防水シートの1枚取り出し
クルリンパ!

06チェックバルブの特性を利用し、真空パッドでプレートを吸着取り
吸チャックマン

07シリンダーの排気圧を利用したガスケット1枚切り出し
が助っ人1枚しぼり

08ゴムの摩擦を利用したガスケット1枚切り出し
俺の1 枚

09重ねた紙の1枚取り出しに粘着ローラーを利用
『コロコロペッタン1ま~い、2 ま~い』

10ガスケット1枚・ボルト定数取りできる装置
猫の手も借りたい

11リングを整列させて1個出し
リングのアスレチック体験

12定点で取れるマグネット式部品切り出し装置
ガラポン

13ペダルを踏むとワッシャーが飛び出してくる
へい!お待ち!!

14定量のナットをワンタッチで確実に取る
線上に架ける橋

15カン・コツに頼らないナットの定数取り
サイクリック戦隊『定量取れるんジャー』

16手元で楽々ボルト定量取り出し
縦に倣え

17スチールボール4個の一括取り出し供給
玉だしジョ~ズ

18異種パーツの自動表裏判別
表裏判別らっくるん

19ダイワクハリを補強するボルト締付作業の改善
逆さ2本締め

20瞬間接着剤の塗布棒を足踏み式で固定し作業性を向上
置きたくないもん

21台車の棚を斜めにして製品投入・取り出し時の姿勢を改善
ガチャロック台車

22ワークの自重を利用した外観検査時の手持ちを廃止
バタンQ~

23重量部品(8㎏)組付時の反転作業を向上
反転じょ~ず

24クラッチワークの持ち上げ、反転作業を廃止
からくり反転機「楽転君」

25ワーク反転作業の廃止
重量物を簡単にゴロンくん

26キットボックス部品トレーの手元化
忍法!! 出戻りーな

27トレーを回転する作業をなくす
カムくるぅ~

28段取りマンの作業を軽減
あがーる君

29材料箱入れ替え時の作業ロス削減
リターンをねらえ

30空箱を2段に積んで返却する作業を軽減
かえし太郎

31空箱の返却工数を削減
返却楽太郎

生産性向上・作業改善(搬送)
32内輪差を解消する台車
小廻り鶴ちゃん

33画期的な機構で台車横滑り・連結部の衝撃を低減
あばれない君

34製品重量を活用して作業高さを昇降
無重力台車

35「全自動格納でタッチレス!」の楽々台車
安心してください、台車ですよ

36自動車製造ラインに同期する作業台車
どーきんず

37AGV走行の動力を利用したインパネ移載作業の自働化
無動力インパネ移載機

38既存のコンベア動力を利用して歩行ロスを低減
くるポックル

39製品の自重で回転するコンベア
重力回転キャタピラーコンベア

40重りとカムを使った部品の定点取りと自動箱替え
のぼっておいで楽点くん

41ラック&ピニオンと重りを利用した箱交換
楽々首(らくらくび)

42重り、滑車、てこを活用した動力なし重量物運搬アシスト
ハウジングセンター

43習い板により空容器を1箱ずつ切り出す
ポリ容器ONLY-ONE

44運搬パレット1枚取りの容易化
パレッ取り君

45棚から部品が整列して台車に移動する
排隊上車(行列乗車)

46仮想支点で空箱をスムーズに返却
空箱返却からくりシュート 支点 NO

47リンク機構を使った可動式シューター
スイングシュート

48カム機構を使った方向転換シューター
回って降りて貴方のもとへ

49空になった通箱が下段に戻ってくる
パックトゥザフュチャー

50ワークを取る動作でパレットを返却する
ブランコターン

511つのアクションで部品箱を入れ替えて供給と払い出しを実現
ハコチェン

52箱のフタが自動で外れて自動でかぶさる
フタ離の合ランド

531つの手動動作でパレット循環(送り、排出、下降、戻し、上昇、投入)
安心してください!ハイテ(穿いて)クなんですよ

54重力を利用した空中搬送
スカイキャリー



生産性向上・作業改善(治具)
55てこの原理を使い、簡単ポカヨケを設置
逆ジャマする君

56ボルトの長短をうまく利用した異品投入防止ボックス
あわなきゃあかん

57追加動力ゼロで品質確認時の反転作業を廃止
ひっくりカエル

58搬送装置のシンプル・軽量化
Loc’n’ Rollハンガー

59次の部品が回転して治具にセットされる組付治具
空中回転式組付冶具

60クランプ力を利用したスペーサー交換作業の容易化
By 返しだ!

61作業車の指に負担がかからないブレード挿入装置
らくらく挿入くん

62てこの原理とカム機構で1本ワイパーアームを簡単に取り外す
誰でも簡単『カムとるー』

工具改善
63ワンタッチでボルトの簡易挿入
ぱっと・トリック

64スナップリングの組付方法を改善
スナップン

65ストリッパー(被覆はがし)の機構を利用したホース外しの容易化
チューベー

66ワンタッチ継手(空圧用)の接続・脱着作業を容易にする工具
秘密の開き子ちゃん

自社開発機器
67風力を利用した回転式エアーガンノズル
くるくるシュッシュッお掃除完了

68両手ポンチ作業がハンドル操作で楽々簡単に
一錘定型

69振動工具を使わない手動かしめ機の考案
かしめ増し娘。

70マシニングセンタークーラントタンクの更油周期を延長
取れ油気!分分丸!

安全改善
71トラックのタイヤ運搬を容易化
テコ・タイヤ

7290°横移動+取っ手も左右移動する手押し台車
たまにクラブ

73荷の重量を利用して運搬台車の発進力を軽減
快足台車

74重量パレットの運搬補助
アシスト君

75目的地で天板を自在に昇降し、楽に廃却作業ができる台車
からくり台車

76製品運搬台車の落下防止対策
がっちりマモンデー

77荷台ストッパーをかけないと動かせない台車
体で感じる『忘れられない』ストッパー

78パワーリフターの安全向上改善
雷おやじリフター

79常に製品を手前の位置に入れられる回転テーブル
90度 回るんです

80マグネットを利用して点検扉をワンタッチロック
コロバヌ先のつめ

81狭いスペースでの安全扉の開閉
スルスル戸ッ戸チャン

82固定しなくても地震で倒れない格納棚
耐震棚!アームでロック

省エネ・環境改善
83複雑なからくり機構→電動シンプル化→さらに無動力へ
三代目ラックシュートブラザーズ

84電気を使用せず、ウエイトを動力として回転させる
まわ~る君

851斗缶から1斗缶への塗料移し替え作業の改善
リン缶

目で見る管理
86フォークリフトのチルト角度調整を一発化
チルトゲージ

はじめに

はじめに

第4次産業革命の主役は「現場力」と「からくり改善」
 当会は、1994年3月に「第1回からくり改善くふう展」をスタートし、2017年9月28~29日に第22回目を開催いたします。また、「からくり改善」を普及・推進するため、日刊工業新聞社と一緒に、2009年に「からくり改善事例集」、2014年には第2弾として「からくり改善事例集Part2」を発行し、改善のバイブルとして高い評価をいただいております。ここ数年、第3弾のご希望を多数いただくようになり、このたび「からくり改善事例集Part3」を発行させていただくことになりました。
 今回も「くふう展」にご出品いただきました企業様にお願いをし、過去最多となる30事業場より86作品のご承諾をいただきました。事例提供をいただいた企業様に深く感謝を申し上げます。

「第4次産業革命」と「現場力」
 近年、世界各国では、「モノのインターネット(IoT)」「ビッグデータ」「人工知能(AI)」「ロボット」などの技術革新による『第4次産業革命』の動きが活発に行われています。設備に取り付けたセンサーや機器から得られる膨大なデータをベースに、解析した結果を活用し、設備の故障予測・部品交換時期の把握や生産性の向上などに役立てている企業も出てきました。
 この技術革新にも『現場力』が非常に重要です。たとえば、センサーの取付箇所や正しい使用方法・環境についても、実際の現場を知らないメーカーやスタッフがオペレーターや保全マンの意見を聞かずに検討・実施すると、実際の現場に合わないシステムになる可能性もあります。
 つまり、第4次産業革命の時代においても【現場が主役】なのです。働く1人ひとりが、活力と主体性を発揮することがますます必要となってくるのです。現場第一線のオペレーターが、『からくり改善』も含めた現場サイドの知恵を結集した改善を実施した上で、「IoT」「ロボット」などを導入することが重要なのです。

「TPM」と「からくり改善」
 当会が1971年より提唱・普及をしています「TPM(Total Productive Maintenance:全員参加の生産保全)」活動には、現場第一線のオペレーターを中心に推進される「自主保全活動」があります。「自分の設備は自分で守る」を合言葉に、担当している設備への関心と改善の心を磨き、日々の生産活動における課題を解決するため、さまざまな改善が行われます。
 これらの「改善」の多くは、「からくり」に通じる「てこ」「カム」「クランク」「ギヤ」などを利用した、手づくりでお金をかけない改善であり、現場の生産性向上やコスト削減につながるロスの撲滅や設備の低コスト化に大きな成果を上げています。当会では、この製造現場から誕生した「改善」を『からくり改善』と名づけ、「からくり改善くふう展」などを通じて、提唱・普及をしています。
 2017年9月28~29日に、名古屋市で開催される「第22回からくり改善くふう展」には、99社より482の作品が出品され、過去最大規模の「くふう展」になる予定です。ここ数年は作品数・参加者数ともに大幅に拡大しています。

今、なぜ「からくり改善」が注目されているのか?
 2017年7月に内閣府が発表した「月例経済報告」では、「景気は穏やかに回復基調が続いている」「設備投資は持ち直している」と発表がありましたが、製造業を見れば前期比1.8%減と厳しい状況にあります。これは、製造業の急激なグローバル化や生産人口の減少、個人消費の低迷などにより国内空洞化が進み、日本国内での新規の設備投資を積極的に行いにくい状況にあることも1つの要因のように思います。こういった時代だからこそ、日本のモノづくりの強化と国内生産存続のためにも、全員参加による『からくり改善』が注目を集めているのだと思われます。
 また一方で、『からくり改善』は人材育成に有効とのお言葉もいただいております。『からくり改善』を実践することにより、設備と改善に詳しい人材が育成され、設備投資費用の削減や信頼性・操作性・保全性にすぐれた、生まれの良い設備づくりができるのです。さらに近年では、CO2の削減、省エネ対策、ダイバーシティ化の促進にも『からくり改善』は貢献していると評価をいただいています。

「からくり改善」は楽しく
 『からくり改善』の原点は、「効率化」ではなく、「楽」に作業をすることです。現場でのやりにくい作業や日常作業の中で困っている問題を、自らのアイデアで解決することから始まります。いろいろな場所や機会に「重たい」「危ない」「やりにくい」「汚れる」「うるさい」など、改善のネタは限りなくあります。
 これらを『からくり改善』を使って解決していくことで、仕事が安全で楽になり、結果として仕事が楽しくなるのです。
 私は、仕事は「楽(らく)になれば楽(たの)しくなる」「楽しくなければ長続きしない」と思っています。本書を改善のヒントとしてご活用いただき、「楽(らく)に楽(たの)しく」仕事をしていただければ幸いです。

2017年8月
公益社団法人 日本プラントメンテナンス協会
専務理事 鈴置 智

※「TPM」「からくり改善」は、JIPMの登録商標です

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