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原価計算だけで満足していませんか!
第2版

定価(税込)  2,640円

著者
サイズ A5判
ページ数 232頁
ISBNコード 978-4-526-07434-9
コード C3034
発行月 2015年06月
ジャンル 生産管理

内容

単なる原価計算に留まっている企業が、「(利益アップに直結する)原価管理」にステップアップするための手法を初心者にもわかりやすく解説する本。初版は12刷したロングセラー本の第2版。原価計算から原価管理にステップアップするための6つのポイントと原価管理の7つの手法を解説。読者が、自社の原価管理レベルを自己診断できて「原価管理導入の成功イメージ」を持てるものとなっている。

堀口 敬  著者プロフィール

(ほりぐち たかし)
1950年北海道出身。1972年沖電気工業(株)に入社し、ファクシミリとプリンタの開発を行う。1994年からは沖電気から分社独立した(株)沖データ(プリンタの開発製造)の原価企画部長として以下の業務を行う。
●自社の20製品への原価企画(開発段階からのコストの作り込み)
●東南アジアの部品メーカー60社へのコストダウン指導
●競合45製品へのティアダウン(分解分析)
●自社3工場間の原価管理システム開発

2003年に経営コンサルタントとして独立し、製造業300社への工場診断、原価管理指導、現場改善指導を行う。

著書には以下など13冊がある
●「改善だけで満足していませんか!」(2013年、日刊工業新聞)
●「すらすら生産管理」(2012年、中央経済社)
●「儲かる工場への挑戦」(2012年、日刊工業新聞)
●「原価企画の進め方」(2009年、日刊工業新聞)

目次

Introduction
序章 この本を読んでほしい方
0-1 この本を読んでほしい方
0-2 この本の読み方

Chapter 1
第1章 原価管理のワナ
(原価管理の失敗事例集)
1-1 税理士任せの原価管理
1-2 硬直した原価管理
1-3 手抜き原価計算のすすめ
1-4 社内発表用の資料作りがいのち
1-5 経理部だけでの原価管理
1-6 配賦計算がいのち
1-7 最新の原価は存在しない
1-8 良いものを作っても儲からない開発部門
1-9 納期管理が最優先の購買部門
1-10 売上を増やせば利益はついてくる
1-11 企画部門の青い鳥症候群
1-12 工程改善で余った人はどうなるの
1-13 回収できない設備
1-14 生産方法に合わせた原価計算
1-15 サプライヤに言い負かされる購買部門
1-16 赤字製品を切ったら赤字になった
1-17 赤字製品からコストダウンすべきか
1-18 なにも決めない原価管理会議
1-19 経営分析で工場は良くなるか

Chapter 2
第2章 自社のタイプをチェックする
(受注生産と見込生産)
2-1 受注生産型企業
2-2 見込生産型企業

Chapter 3
第3章 自社の原価管理レベルをチェックする
3-1 アクションシート
3-2 レベル1「どんぶりコストダウン」受注生産の場合
3-3 レベル1「どんぶりコストダウン」見込生産の場合
3-4 レベル2「集計はしているがコストダウンには使っていない」
3-5 レベル3「コストダウンはやっているが製造が始まってからなので効果は小さい」

Chapter 4
第4章 まずは製品別の原価計算から
(原価管理レベルを1から2に上げるためのポイント)
4-1 あるべき原価計算手法のチェックシート
4-2 タイプA 組立費が中心の原価計算
4-3 タイプB 設備償却費が中心の原価計算
4-4 タイプC 材料費が中心の原価計算
4-5 タイプD 部品費が中心の原価計算
4-6 タイプE 開発費が中心の原価計算

Chapter 5
第5章 原価計算から原価管理にレベルアップ
(原価管理レベルを2から3以上に上げるためのポイント)
5-1 原価計算(レベル2)にとどまっている原因のチェックシート
5-2 A.原価計算を原価管理と勘ちがいしている
5-3 B.原価計算を経理部門に任せっぱなし
5-4 C.計算と分析だけが目的になっている
5-5 D.原価管理を実行するメンバーがいない
5-6 E.原価教育が行われていない
5-7 F.トップに原価管理を行う意思がない

Chapter 6
第6章 目的別の原価管理手法
(原価管理を何のために使うかを確認し、そのための手法を理解する)
6-1 原価管理の目的と手法の関係
6-2 コストダウン管理(目標原価のコミットメント)
6-3 製品別利益管理(赤字製品を撲滅する)
6-4 原価見積り(正確な見積りで赤字受注を撲滅する)
6-5 原価企画(開発段階からのコストダウン)
6-6 生涯利益管理(短期間に利益を上げる)
6-7 投資回収管理(無駄な設備投資をゼロにする)

Chapter 7
第7章 企業タイプ別の「原価管理の導入ポイントと導入プロセス」
7-1 受注型の中小組立企業
7-2 受注型の中小機械加工企業
7-3 見込生産型の大手組立企業
7-4 見込生産型の装置産業

索引
著者プロフィール

はじめに

 企業の社長に「あなたの会社は原価計算をやっていますか?」と聞くと、半分以上の社長からは「原価計算システムを導入したので大丈夫!」または「会計士や銀行のOBに見てもらっているので大丈夫!」という答えが返ってきます。しかし、「その原価計算の結果を何に使っていますか?」と聞くと、ほとんどの社長の顔には「こいつは何を言っているんだ?」といった怪訝そうな表情(または不愉快そうな表情)が浮かびます。
 このことから分かるように、ほとんどの企業での原価計算の目的は、原価を見えるようにすることか、銀行からクレームが来ないようにすることです。その結果「せっかく緻密な原価計算をやっているのに、計算結果を見ているのは社長や銀行のOBだけ!」となります。
 原価計算を行っている社員への給料や、原価計算ソフトのメーカーに払ったお金をムダにしない方法はただひとつ、計算結果を会社の儲けにつなげることです。計算結果を「工場での改善活動、資材の価格交渉、営業の価格設定、設計者のコスト設計」などの現場活動に使ってこそ、原価計算に使ったお金は浮かばれます。
 この本を書いた目的は、読んで頂いた企業への「生きた原価計算の導入」です。社長のパソコンの中に埋もれている原価データを現場活動に生かすためのノウハウを、様々な業種の視点から紹介しました。まずは「序章」を読んで、読者の立ち位置に合わせた読み方を決めてください。

(ここで私、堀口敬の近況も報告させてください。)
 2003年に53歳でプリンター・メーカーを退社し、経営コンサルタントとして独立してから早くも12年が経ち、65歳になってしまいました。この間に様々な方との出会いがあり、国内と海外で300社を超える企業への工場診断と工場指導を行わせてもらいました。
 その中でも特に印象に残っているのは、2006年から2012年の7年間に(独)国際協力機構(JICA)の専門家として、ケニア、チュニジアなどの中小企業129社を訪問して工場診断と工場指導を行ったことです。ここでの経験が私の人生の糧になっています。
 2014年からは、ケニアなどでの経験を生かして、(独)中小企業基盤整備機構(SMRJ)などの専門家として北海道の中小企業を年間50社のペースで訪問し、無料工場診断と工場指導を行っています。詳しくは「第1章(19)経営分析で工場は良くなるか」を見てください。
 工場診断は「生活習慣病健診」のようなものです。工場を訪問して「工場の生活習慣病(作業のムダなど)」を見つけ、その工場に合った生活改善プログラム(具体的な改善方法)を提案します。
 そんなわけで、今日も「故郷の北海道の製造業」を再生するために列車の旅を続けています。列車のなかで私を見かけたら「本読みましたよ!」と声をかけてください。疲れも吹っ飛ぶので是非宜しくお願いします。

2015年5月 
堀口敬 札幌の自宅にて

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