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2015年版
ISOマネジメントシステム規格解体新書
改正ISO9001、14001対応

定価(税込)  2,530円

編者
サイズ A5判
ページ数 252頁
ISBNコード 978-4-526-07401-1
コード C3034
発行月 2015年03月
ジャンル 経営

内容

主に既存版を適用する規格ユーザーを対象に、整合化指針の理解を促しつつ両規格の改正ポイントを解説し、新版への移行をスムーズに行えるよう指南する。国際規格としての策定は2015年後半の見込みだが、完成度の高い原案をもとに準備を進められる情報を提供する。

ISOマネジメントシステム規格研究会  著者プロフィール

 日本化学キューエイ株式会社(JCQA)所属の岩本威生を代表者とする、日本マネジメントシステム認証機関協議会(JACB)に加盟している認証機関15機関からのメンバーが個人として参加した任意の研究会である。
 石井保雄、岩根祥隆、大前 昇、大森直敏、鈴木昌栄、栖原信幸、冨田直樹、布村仁志、野波昌史、高橋猛、元廣祐治、吉田篤夫、渡辺幸長(五十音順)、他2名。

代表者プロフィール
岩本 威生(いわもと たけお)
1943年 兵庫県に生まれる
1968年 京都大学工学研究科修士課程修了
三菱油化株式会社(現三菱化学株式会社)入社
2003年 三菱化学株式会社退職
現在 日本化学キューエイ株式会社取締役調査企画部長
日本マネジメントシステム認証機関協議会幹事
同協議会品質技術委員会委員長
日本適合性認定協会マネジメントシステム技術委員会委員
適合性評価委員会国内委員会員 等
2013年 平成25年度工業標準化事業表彰・経済産業大臣表彰を受賞
主要著作 “ISO9001:2000 解体新書”(日本規格協会)
     “ISO9001:2000 主体的取り組みのススメ”(日刊工業新聞社)
     “2008年版対応ISO9001 新・解体新書”(日刊工業新聞社)
     “ISO/IEC17025に基づく試験所品質システム構築の手引き”(日本規格協会)他
 本書中のイラスト人物画は、岩本の旧友である竹岡真之氏の提供による。ここに感謝申し上げる。

目次

はじめに

第1部 Annex SL とは何か?
第1章 MS 規格の整合化を目指したAnnex SL の開発計画
第2章 Annex SL の検討経緯
第3章 QMS、EMS を対象に限定してきたISO19011 の取り扱い方針
第4章 マネジメントシステム規格整合性確保ビジョンの検討結果
第5章 マネジメントシステム規格の概念設計
第6章 マネジメントシステム規格の共通文書の策定
第7章 Annex SL に導入された「intended outcome」
第8章 Annex SL の発行
第9章 Annex SL の取り扱いの規定

第2部 Annex SL の共通文書の詳細
第1章 「3.用語及び定義」
 1.1 概要
 1.2 組織(organization)
 1.3 利害関係者(interested party/stakeholder)
 1.4 要求事項(requirement) 
 1.5 マネジメントシステム(management system)
 1.6 トップマネジメント(top management)
 1.7 有効性(effectiveness)
 1.8 方針(policy)
 1.9 目的(objective)
 1.10 リスク(risk)
 1.11 力量(competency)
 1.12 文書化された情報(documented information)
 1.13 プロセス(process)
 1.14 パフォーマンス(performance)
 1.15 外部委託する―動詞(outsource - verb)
 1.16 監視(monitoring)、測定(measurement)
 1.17 監査(audit)
 1.18 適合(conformity)、不適合(nonconformity)
 1.19 是正処置(corrective action)、継続的改善(continual improvement)
第2章 「4.組織の状況」
 2.1 「4.1 組織及びその状況の理解」について
 2.2 「4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解」について
 2.3 「4.3 ×××マネジメントシステムの適用範囲の決定」について
 2.4 「4.4 ×××マネジメントシステム」について
第3章 「5.リーダーシップ」
 3.1 「5.1 リーダーシップ及びコミットメント」について
 3.2 「5.2 方針」について
 3.3 「5.3 組織の役割、責任及び権限」について
第4章 「6.計 画」
 4.1 「6.1 リスク及び機会への取り組み」について
 4.2 「6.2 ×××目的及びそれを達成するための計画策定」について
第5章 「7.支 援」
 5.1 「7.1 資源」について
 5.2 「7.2 力量」について
 5.3 「7.3 認識」について
 5.4 「7.4 コミュニケーション」について
 5.5 「7.5 文書化した情報」について
第6章 「8.運 用」
 6.1 「8.1 運用の計画及び管理」について
第7章 「9.パフォーマンス評価」
 7.1 「9.1 監視、測定、分析及び評価」について
 7.2 「9.2 内部監査」について
 7.3 「9.3 マネジメントレビュー」について
第8章 「10.改 善」
 8.1 「10.1 不適合及び是正処置」について
 8.2 「10.2 継続的改善」について

第3部 ISO/DIS 9001
第1章 ISO9001 改正の概要
第2章 改正による主な変更点
 2.1 規格の構造と用語
 2.2 用語「製品」から「製品及びサービス」の変更
 2.3 「組織の状況」の取り込み
  2.3.1 箇条4.1 の意味を理解する
  2.3.2 箇条4.2 の意味を理解する
 2.4 リスクベースのアプローチ
 2.5 適用の可能性
 2.6 文書化した情報
 2.7 組織の知識
 2.8 外部から提供される製品及びサービスの管理
 2.9 附属書A に含まれていない留意事項
  2.9.1 明示した要求がなくなった管理責任者
  2.9.2 事業プロセスへの品質マネジメントシステム要求事項の統合
  2.9.3 組織の役割、責任、権限
  2.9.4 プロセスの妥当性確認
  2.9.5 パフォーマンス評価
  2.9.6 不適合および是正処置

第4部 ISO/DIS 14001
第1章 はじめに
第2章 今次改正の経緯と現状
第3章 環境マネジメントシステムの基本認識と改正の狙い
第4章 構造の変化
第5章 適用範囲の変化の意味
第6章  TC207/SC1 が示す主要変更点情報を参考にして
ISO14001 の変更を考える
 6.1 戦略的な環境マネジメント
  6.1.1 強調された戦略性
  6.1.2 箇条4.1 による内外の課題の認識
  6.1.3 箇条4.2 による利害関係者のニーズと期待の認識
  6.1.4 箇条4.3 による組織の適用範囲の戦略的決定
  6.1.5 戦略的な環境マネジメントシステム
  6.1.6 箇条4 に対する組織の対応
 6.2 リーダーシップ
  6.2.1 新設された「リーダーシップ」の箇条
  6.2.2 「リーダーシップ及びコミットメント」の実証
  6.2.3 「環境方針」とリーダーシップ
  6.2.4 「役割、責任と権限」とリーダーシップと管理責任者
 6.3 「環境保護」の要求
 6.4 「環境パフォーマンス」の強調
 6.5 「ライフサイクル思考」の奨め
 6.6 コミュニケーション
 6.7 文書類と環境マニュアル
第7章 その他の主な気になる変更
 7.1 「箇条6. 計画」の詳細化
  7.1.1 箇条6「計画」の概要
  7.1.2 脅威、機会、リスクの関係
  7.1.3 「目的」、「目標」の一本化
  7.1.4 箇条6.1 の構成
  7.1.5 箇条6.1.2「環境側面」の意味の再確認
  7.1.6 箇条6.1.3「順守義務」について
  7.1.7 箇条6.1.4「脅威及び機会に関連するリスク」
 7.2 箇条6.2「環境目的及びそれを達成するための計画策定」の意味
 7.3 新設された箇条7「支援」について
 7.4 箇条8「運用」について
 7.5 箇条9「パフォーマンス評価」について
 7.6 箇条10「改善」について

第5部 改正規格への移行の取り組み方

付録 国際標準化機関ISO とは
1.ISO とは
2.ISO の役割
3.ISO の組織
4.品質マネジメントシステム標準化の取り組み
5.今次改正までのISO9001 の改正経緯概要
6.環境マネジメントシステム標準化への拡大

あとがき

索 引

はじめに

 久しぶりにISO9001、ISO14001が改正されることになった。
 ISOでは、規格の開発に当たっては担当の起草グループを決めて作業文書(WD-Working Group Document)から、委員会原案(CD-Committee Draft)を経て、国際規格原案(DIS-Draft International Standard)を作成し、最終的に最終国際規格案(Final Draft International Standard)を作成して投票を行い、国際規格を発行する手順になっている。
 ISO9001は2014年5月10日に、ISO14001は6月28日にDISが発行されて、各々2ヶ月の翻訳期間を置いた後に3ヶ月の期間でコメント照会を行った。寄せられたコメントを検討し、順調に行けば2015年の半ばから第3四半期に2ヶ月の賛否投票のためにFDISが発行される見込みになっている。
 ISO9001について言えば、2000年改正によってISO9001、9002、9003のISO9001への統合、サービス産業への適用の容易化のための、機械産業をモデルとする規格の規定からの一般規定化などによって大幅な規定表現の変更が行われた。このため、2008年改正の際は、たびたびの大幅な変更を行うことに対しての規格ユーザーの抵抗感が大きく、懸案事項の多くはその後の改正に持ち越されてきた。
 一方、ISO14001について言えば、1996年に初版発行後、2004年に小改正を行ったが、2010年の定期レビューでは2004年版を維持することを確認することにとどめて、ISO9001と同時の改正の時期をつかまえて本格的な見直しをすることに決めていた。
 各種マネジメントシステム規格は、品質や環境などのテーマを組織運営という共通的なマネジメントシステムという土台の上に載せて、それぞれのテーマを適切に対処する能力を、顧客を含む利害関係者に説明して信用を得ることを目的にする規格である。そして、品質や環境のマネジメントシステム規格だけでなく、医療機器(ISO13485)、食品安全(ISO22000)、情報セキュリティ(ISO/IEC27001)、エネルギー(ISO50001)、道路交通安全(ISO39001)、アセット(ISO55001)などのマネジメントシステム規格が独自に発行され、マネジメントシステム認証が普及してきた。それにつれて、それぞれのテーマごとに独立して規格化が行われたために、テーマごとに規格の箇条構成や考え方が異なり、その結果、マネジメントシステムの横断的な取り組みが難しいことが顕在化してきた。
 このため、共通化できるところは共通化しようと、2006年からISOの中に整合化を検討するグループを置いて検討してきた。その結果、2012年2月にAnnex SLと通称される整合化指針が完成し、ISO9001、ISO14001の改正が一気に進み始めた。
 この結果により発行される2015年版は、規格の箇条構成も文章も見かけは既存版から大きく変わることになるので、規格利用者には戸惑いも見られる。そこで、本書では、新規に規格に取り組み始める規格ユーザーではなく、主に既存版を適用していた規格ユーザーを対象に、改正規格の趣旨を既に先取りしていた規格ユーザーも、それを目新しいと考える規格ユーザーも考慮しながら、Annex SLの整合化指針を説明した上で、ISO9001とISO14001の改正のポイントを解説し、新版への移行をスムースに行えるようにすることを狙っている。
 規格改正を語るためには、本来は規格の内容が最終的に決まり、規格として発行することの賛否を問うFDISになってから解説を行うことが適切である。しかし、改正活動を行っているTC176/SC2議長のナイジェル・クロフト氏は、たとえFDISで少々の変更が出るとしても、相当程度完成度が上がっているDISの段階で、今までの組織のマネジメントシステムとして構築してきた仕組みと改正しようという内容がどの程度違っているのか、どの程度先行して構築してきたのか調べて、FDIS、あるいはISが出てから変更点を確認した上で、組織のマネジメントシステムの必要な修正をすることを奨めている。一方で、FDISが出てからでは国際規格が発行されるまで2ヶ月の投票期間しかないので、組織は目の前のマネジメントシステムをFDISに合わせて修正することに気を奪われがちで、改正の狙いを十分に理解する機会を失うことが懸念される。
 そこで、幸い最終版に近いと想定される今次のDISを用いて、見込まれる2015年改正の解説を行い、組織が今までのマネジメントシステムとの差異をDISベースで理解し、FDISが出た後の移行のための準備を始めるのが賢明であると考え、敢えてDISの解析検討を行い、結果を提供することとした。
 なお、現時点では両規格共DISの段階である。記述が変更される箇所はあるものの大きな変更が生じる可能性は少ないと思われるが、ISOマネジメントシステム規格研究会では、本書のフォローアップのために、ほぼ正式版になるFDISが発行された後にDISとFDISの差分の解説を発行することを検討している。
 孫子の兵法に曰く、「彼を知り、己を知れば、百戦危うからず。」である。規格がどう変わったかを十分に理解し、己の現状を客観的に知ることができれば、おのずとしかるべき対策を立てることができる。
 読者諸賢のお役に立つことを念願している。

【注意書き】
 本書を著作、編集したISOマネジメントシステム規格研究会は、日本マネジメントシステム認証機関協議会(JACB)に所属する認証機関の有志メンバーによって構成されていますが、JACBおよびメンバーが所属する認証機関は本書に対するいかなる責任も負っていません。
 規格の適用は組織それぞれの状況に依存しますので、組織のマネジメントシステムの構築、実施および維持にあたっては、あわてず、他をあてにせず、分からないなどとあきらめず、規格を注意深く読んで実際の適用を行っていただくように願っています。

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