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工程順でわかる
はじめての鍛造加工

定価(税込)  2,530円

著者
サイズ A5判
ページ数 160頁
ISBNコード 978-4-526-07247-5
発行月 2014年04月
ジャンル 機械

内容

鍛造加工は、金属に圧力を加えることで金属内部のすきまをつぶし、金属の強度を高め成形する方法です。本書ではこれから鍛造加工に携わろうとする初心者が、製品ができるまでを把握しながら加工技術について理解を深められるようにするため、作業工程の流れにそって鍛造加工について解説します。

清水 透  著者プロフィール

(しみず とおる)

独立行政法人 産業技術総合研究所
先進製造プロセス研究部門

1956年11月 石川県生まれ
1979年3月 名古屋大学工学部金属・鉄鋼学科 卒業
1979年4月 通商産業省工業技術院機械技術研究所(現 産業技術総合研究所)入所
1888年 主任研究官 就任
1990年9月~ フランス Ecole des Mines de Paris,CEMEF 客員研究員 就任
2001年4月 独立行政法人化に伴い、産業技術総合研究所 主任研究員に就任、現在に至る。

目次

はじめに

序 章 鍛造加工入門のための予備知識

0.1 鍛造の歴史
0.2 鍛造加工の種類
(1)自由鍛造
(2)熱間鍛造
(3)冷間鍛造
(4)温間鍛造
(5)恒温鍛造(超塑性鍛造)
(6)密閉鍛造
0.3 鍛造加工の工程の概略
(1)第1工程:加工する材料の選択
(2)第2工程:材料の変形抵抗とそのデータ
(3)第3工程:加工装置の選択
(4)第4工程:製品形状と工程設計
(5)第5工程:金型の設計と製作
(6)第6工程:潤滑処理と成形
(7)第7工程:鍛造後の熱処理と表面処理

第1章 第1工程:加工する材料の選択

1.1 鍛造される材料
(1)炭素鋼
(2)合金鋼
(3)ステンレス鋼
(4)アルミニウム合金
(5)銅合金
(6)チタン合金
(7)マグネシウム合金

第2章 第2工程:材料の変形抵抗とそのデータ 

2.1 弾性と塑性
2.2 変形抵抗と加工硬化
2.3 変形抵抗のひずみ速度依存性(粘性)
2.4 変形抵抗の温度依存性
2.5 変形抵抗の測り方
2.6 硬さからの変形抵抗の推定
2.7 引張試験からの変形抵抗の推定
2.8 変形抵抗データ(鋼)

第3章 第3工程:加工装置の選択 

3.1 機械の種類と特徴
(1)クランクプレス
(2)ナックルジョイントプレス
(3)スクリュープレス
(4)液圧プレス
(5)パーツフォーマー
(6)サーボプレス
(7)エアドロップハンマー、ドロップハンマー

第4章 第4工程:製品形状と工程設計

4.1 熱間鍛造の工程
(1)熱間鍛造の基本工程
(2)荒地形状の作成
4.2 冷間鍛造の工程
(1)冷間鍛造の基本工程
(2)工程の組み合わせと設計
4.3 加工力の推定(据込み、前方押出し、後方押出し)
(1)据込み
(2)軸押出し
(3)容器押出し
4.4 各加工における加工限界の目安
4.5 数値シミュレーションの利用

第5章 第5工程:金型の設計と製作

5.1 金型の材料
(1)合金工具鋼
(2)高速度鋼
(3)超硬
5.2 金型の加工
(1)合金工具鋼・高速度鋼の加工
(2)超硬の加工
5.3 金型の熱処理
5.4 金型の設計
(1)パンチの設計と座屈
(2)締まりばめ
5.7 金型表面処理
(1)硬質クロムめっき
(2)窒化
(3)PVD(Physical Vapor Deposition)
(4)CVD(Chemical Vapor Deposition)

第6章 第6工程:潤滑処理と成形 

6.1 鍛造における潤滑現象
6.2 潤滑の評価1
(1)リング圧縮試験
(2)スパイク鍛造試験
(3)ボール通し試験
6.3 鋼の冷間鍛造用潤滑処理
(1)リン酸亜鉛被膜
(2)二硫化モリブデン
(3)その他の潤滑処理
6.4 アルミニウムの冷間鍛造用潤滑処理
6.5 鋼の熱間鍛造用潤滑処理
6.6 アルミニウムの熱間鍛造用潤滑処理
6.7 マグネシウム・チタンの鍛造用潤滑処理

第7章 第7工程:鍛造後の熱処理と表面処理 

7.1 鍛造後の熱処理
(1)鍛造焼入れ焼戻し
(2)非調質鋼
(3)鍛造恒温焼なまし
(4)鍛造恒温微細析出
7.2 鍛造後の表面処理
(1)表面焼入れ
(2)侵炭処理
(3)窒化処理

索引

はじめに

 鍛造は大きな変形を与える加工です。そのため金属の結晶粒は大きくひずみ、加工硬化が激しく、また、熱処理することにより大きく結晶組織が変わります。また、熱間鍛造はもちろん、冷間鍛造でも大きく温度が上昇します。そのため、このシリーズで取り上げているプレス加工や絞り加工、ファインブランキング加工と比較すると、どうしても精密さに欠ける印象を与えるのでないでしょうか。しかし、それゆえに、高強度で複雑な形状を成形できる手法でもあります。
 この加工法は地味ではありますが、自動車産業を含めた、モノづくりの世界では重要な生産手法です。20世紀の終わりごろ、鍛造業界の委員会で将来の技術方向を語りあったところ、ハイブリッド車の出現を大変心配する声がありました。
 「車がモーターで走るようになるとクランクシャフトもコンロッドもいらなくなりますよ。」たしかにそのとおりですが、クランクシャフトもコンロッドもまだまだ、なくなりそうにありません。その一方で、モーターに使う電磁鋼板を、透磁性を落とさないで加工することが話題になりつつあります。
 加工への要求はさらに多様になりつつあります。その中で、多くの人に鍛造の概要を知っていただくことは重要かと思っております。本書がその一助になれば幸いと考えております。

2014年4月
清水 透 

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